2009年12月13日 (日)

野菜炒めの基本

①まず調理器具から。フッ素コーティングのフライパンが主流だと思うのですが、この鍋はここでいう野菜炒めには不向きです。野菜炒めに必要な高熱 を確保できないからです(鉄の約1/200の熱伝導率だそうです)。そもそもフッ素コーティング鍋は、表面を破損させないように余熱のための空焚きを嫌い ます。予熱して使うと、底部の熱くなっている部分に冷たい食材を乗せた途端に冷却され、その温度差で消耗を早めます。フッ素加工の鍋が3~4年の消耗品だ ということは、一番短い寿命だというのがその理由からです。で、何がよいかと言うと熱伝導率だけの話だと鉄製の鍋ということになります。他にセラミック製 の鍋もよいと思います。ためしてガッテン流の低温炒め法もありますが、着眼点が違う➠レシピ

②ここで鉄やセラミック製の鍋を使うのを前提にすると出てくる次なる問題が、鍋を油で馴染ませる手間です。これは食材が焦げ付かないためですが、鍋の表面に油を馴染ませるために、余熱してから油を注ぎます。この余熱は180度くらいだと言われていて、この温度を見極める必要があります。一度実験して 体感を覚えることで、方法は、鍋に少量の油を注いて野菜の切れ端(5mm)を落し、その野菜が焦げてきた時が180度位です。この時の煙の様子、油の動きかた、 手をかざしてみた体感温度を素早く記憶します。これが炒め物を始めるときの適性温度と覚えておきます。

③こうして鍋が適正温度になったら、油を注して鍋全体に馴染ませたらオイルポットに戻します。ここまでが炒め物をする前の準備で、これから野菜を美味しくするための「油通し」をします(Hint&Skill➠)。 「油通し」という工程は、普段はこの工程は省くことが多いと思いますが、この工程こそ是非やって欲しいと、かつて本職の方に言われました。実際言われる通りです。方法は、140前後の温度の油に野菜を10秒程(試し野菜から小さな泡が上がり始めたらOK)油を通すことで色艶がよくなり、栄養を閉じ込め、旨みが引 き出されます(野菜の甘味が引き出される)。次に油を切って、残った鍋の油はオイルポットに戻します。このあと、同じ鍋を強中火に掛け、手かざしして約 180度を感じたら炒め物を始めます。

【参考料理】

□ ☛今さらだけど野菜炒めの基本

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