フリッター各種の揚げ方
フリッターとは、その見た目からを説明しますと、「表面が硬くしっかりとした衣で覆われた、日本のてんぷらに似た揚げ物で、食感はさくさくしていてふっくらとしている」という感じの西洋から伝わってきた揚げ方です。卵白を泡立てて衣に混ぜるのが正統派の作り方だとずっと思っていて、それも美味しいのですが、忙しいときに卵白の泡立てに変わる合理的な方法はないかと、試行錯誤していろいろ試してみました。どの方法もそれなりにできます。
まず、ベーキングパウダーです。実は、食品の安全性からベーキングパウダーは完璧とは言い難く、全力で薦めたいということではありません。が、ごく少量だという事と、使用頻度が少ないという理由で、納得して使用しています。ベーキングパウダーは、生地全体がふっくらとして、生地の内側はスポンジケーキのような柔らかさです。表面は、しっかり揚げてあるのでさくさくしています。何よりも手っ取り早い方法です。
次に試したのが、イギリスで好まれている黒ビール(Guinness=ギネス)を小麦粉と溶き卵を合わせた生地に混ぜます。卵白の泡を混ぜる正統派の方法とほぼ同じ結果を得られます。そっくりです。が、ギネスが入手できない場合があります。その時は、他の黒ビールを代用します。なぜ黒ビールかですが、泡のきめが細かく長持ちし、衣の味が香ばしくなります。
なぜ衣にこうも違いがあるのかについて、これは推測ですが、まず正統派の卵の衣について、卵はたんぱく質ですから、泡はたんぱく質だというのは自明です。その泡がつぶれて無くならないように小麦粉と混ぜ合わせますが、どうしてもかなりの量が消えてなくなります。ですから、生地の小麦粉を膨らませるほどの威力が無いのです。にもかかわらず、ではなぜ、軽く膨らんで揚げている最中ぷっくりと浮かんで硬い衣になるのかです。小麦粉の衣に混ぜてから泡が潰れてしまうと事から、潰れたときの空気は衣の中に散るわけです。それが、ふっくらする理由ではないでしょうか。また、その時の空気と、卵のたんぱく質を沢山含んだ衣が、衣に混ぜた油の沸点も高温化することを手伝って、一瞬にして揚げてしまうせいで、硬い衣になるのはないかと推測します。「潰さないように混ぜ合わせる」と、合言葉のように生地作りを言っていますが、本当はフリッターの場合は関係ないのではないでしょうか、自分。(てんぷらの衣は粘りを出さないためなので、それははっきりとした別の理由ですが。)どうでしょう。
【参考料理】
□ 正統派卵白方☛鶏のささ身のフリッター
□ 黒ビール方☛豚ヒレ肉のフリッター
□ ベーキングパウダー方☛ブロッコリーのフリッター
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