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2009年8月

2009年8月19日 (水)

油通し

 日本の下茹でに相当する、中国に代表される下茹での方法として「油通し」という方法があります。食材の旨味を閉じ込め、旨味を引き出し、食材の色を鮮やかにするのが主な目的です。
 肉や魚の油通しは、表面のたんぱく質を熱で固める事によって旨味を閉じ込め、野菜は熱によって水分が外に出る事を生かして味つけしやすくなります。あくの強い野菜は旨味となって一層美味しくなります。また、下味のついた肉や魚を油通しすると、繊維に油が入り込んで柔らかな食感になります。
 油通しの温度は130~140度で、予熱した油に食材を10秒ほど通して直ぐに引き上げ、油をきります。

【参考料理】

□ ☛ラムと野菜の炒め物

2009年8月 8日 (土)

フリッター各種の揚げ方

 フリッターとは、その見た目からを説明しますと、「表面が硬くしっかりとした衣で覆われた、日本のてんぷらに似た揚げ物で、食感はさくさくしていてふっくらとしている」という感じの西洋から伝わってきた揚げ方です。卵白を泡立てて衣に混ぜるのが正統派の作り方だとずっと思っていて、それも美味しいのですが、忙しいときに卵白の泡立てに変わる合理的な方法はないかと、試行錯誤していろいろ試してみました。どの方法もそれなりにできます。
 まず、ベーキングパウダーです。実は、食品の安全性からベーキングパウダーは完璧とは言い難く、全力で薦めたいということではありません。が、ごく少量だという事と、使用頻度が少ないという理由で、納得して使用しています。ベーキングパウダーは、生地全体がふっくらとして、生地の内側はスポンジケーキのような柔らかさです。表面は、しっかり揚げてあるのでさくさくしています。何よりも手っ取り早い方法です。
 次に試したのが、イギリスで好まれている黒ビール(Guinness=ギネス)を小麦粉と溶き卵を合わせた生地に混ぜます。卵白の泡を混ぜる正統派の方法とほぼ同じ結果を得られます。そっくりです。が、ギネスが入手できない場合があります。その時は、他の黒ビールを代用します。なぜ黒ビールかですが、泡のきめが細かく長持ちし、衣の味が香ばしくなります。

 なぜ衣にこうも違いがあるのかについて、これは推測ですが、まず正統派の卵の衣について、卵はたんぱく質ですから、泡はたんぱく質だというのは自明です。その泡がつぶれて無くならないように小麦粉と混ぜ合わせますが、どうしてもかなりの量が消えてなくなります。ですから、生地の小麦粉を膨らませるほどの威力が無いのです。にもかかわらず、ではなぜ、軽く膨らんで揚げている最中ぷっくりと浮かんで硬い衣になるのかです。小麦粉の衣に混ぜてから泡が潰れてしまうと事から、潰れたときの空気は衣の中に散るわけです。それが、ふっくらする理由ではないでしょうか。また、その時の空気と、卵のたんぱく質を沢山含んだ衣が、衣に混ぜた油の沸点も高温化することを手伝って、一瞬にして揚げてしまうせいで、硬い衣になるのはないかと推測します。「潰さないように混ぜ合わせる」と、合言葉のように生地作りを言っていますが、本当はフリッターの場合は関係ないのではないでしょうか、自分。(てんぷらの衣は粘りを出さないためなので、それははっきりとした別の理由ですが。)どうでしょう。

【参考料理】
□ 正統派卵白方鶏のささ身のフリッター
□ 黒ビール方豚ヒレ肉のフリッター
□ ベーキングパウダー方ブロッコリーのフリッター

2009年8月 6日 (木)

油と塩の下茹で

   茄子の色素のアントシアンが熱や酸に不安定なため、100℃以下で加熱すると退色してしまうため料理の色が茶色くなります。これを防ぐために、切ったら素早く処理する事と、下茹でするときに2%の塩と5%の植物油を加えて沸点を高くするとかなり色が安定します。

【参考料理】
□ ☛茄子の中華風炒め
□ ☛ブロッコリー・アスパラガス

2009年8月 5日 (水)

オムレツ各種

 オムレツと一口に言っても世界にはいろいろな焼き方のオムレツがあります。ここで取り上げてきたオムレツには、卵だけを焼くものから始まって、スペインのスパニッシュオムレツのような具を混ぜ込んでフライパン型に両面焼くタイプや、キッシュのタルト生地を使用しないタイプのオムレツで、オーブンで焼くものなどです。

□ ☛プレーンオムレツピラフと一緒に「亡命ロシア料理」より) 
□ ☛チーズオムレツ

 ☛グリーンピースのレブエルット(スペインのかき卵)
□ ☛スパニッシュオムレツ(じゃが芋と枝豆)
□ ☛キッシュ長島亜希子さんのキッシュほうれん草茄子牡蠣とほうれん草
    菜の花とボロニアソーセージハーブソーセージとラクレットチーズ菜の花とと鶏肉のスパニッシュのオムレツ風)  

串焼き

□ ☛片褄折り焼き(ホッケ、アイナメ
    三枚卸しの身の片方を織り込んで焼く方法で、小骨もなくふっくらと焼ける。
□ ☛両褄折り焼き(カマス、サワラ、イシモチ、カマス洋風
    細長い魚の焼き方で三枚に卸してから両方の端を折り込む。目先も変わりふっくらして食べやすく、おもてなしにもよい。

照り焼き

 網の上で直火で焼く方法とフライパンで焼く方法がありますが、断然フライパンで焼くほうがきれいで手早く、後始末も楽です。強いて言えば直火の方が香ばしく焼けるという点はありますが、逆に言うとそうのように上手に焼くのは難しく、料理の修業でも長い年月がかかるそうです。また、照り焼きに向く魚といえば脂が乗っていて身崩れしやすい切り身の場合が多いので、何度もひっくり返したりせずに焼くのがポイントです。鰤で紹介している焼き方は、驚くほどシンプルな方法で、家庭でできる照り焼きとしては手を抜く部分がないほどです。 

□ ☛フライパンで照り焼き(ブリ
□ ☛鯛のアラで応用編

焼き方とその料理例

 魚の焼き方といっても、魚の種類は大変多くその捌き方や料理方法も千差万別です。私の料理のブログでは、一般の魚屋さんで入手できる範囲の魚料理を紹介していますので、ここで説明を加えるのも全体的なものから見たらごく一部だということをご理解ください。また、分類を細分したくないので、裁き方や下ごしらえなども含めてここに記載します。

□ ☛蒲焼(うなぎ・秋刀魚・穴子)
□ ☛浸け焼き(酒と醤油、三五八漬け、赤糟漬け、西京漬け)
□ ☛オーブン焼き(レモン焼き、パン粉焼き、包み焼き、パイ包み)
□ ☛照り焼き(フライパン)
□ ☛串焼き(片褄折り焼き、両褄折り焼き、)
□ ☛ソテー(洋風料理)
□ ☛香草焼き(マリネ)

オーブン焼き

 包み焼きやオーブンで丸ごと焼くと、いずれもふっくらと水分の多い状態で仕上がります。脂の乗った魚で料理する事が多いのもその理由です。切り身はパイやオーブンシートなどに他の具材と一緒に包んで焼きます。鯛、鯖、サワラなどは丸ごと一尾を使ったり、二枚卸しなどにする事が多いです。いずれにしても材料を合わせて準備したら後はオーブンが料理してくれるので、他の料理の準備など手際よく段取りができます。見た目も豪華なのでおもてなしにもよいです。

□ ☛鮭の味噌マヨネーズホイル焼き
□ ☛パン粉焼き(サンマ、エビ) 
□ ☛レモン焼き(サバ、サワラ、タイ、)
□ ☛包み焼き(銀サケ、和風黒タイ
□ ☛パイ包み焼き(貝柱のココット、鮭

浸け焼き

 じっくり魚の下味付けをしてから料理しますので、例えば大きな魚を買って持て余した時などに切り身にして漬け込みます。魚が新鮮なうちに手際よく保存の下ごしらえをしておくと、3~4日後にはまた別の料理法で楽しむ事ができますし、経済的な賢い買い方です。

□ ☛鮭のつけ焼き:しょうゆ味
    塩辛い鮭を薄味にする秘策
□ ☛鰤の三五八漬け三五八漬け床の作り方☛
    天然酵母が魚を柔らかくジューシーにしてくれる昔ながらの方法
□ ☛真鱈(まだら)の紅糟焼き   
    
中国の紅糟を塗って半日後には直ぐに料理できる麹の一種
□ ☛鰆の西京漬け
    
甘く刻のある西京味噌を味醂でのばして漬け込むだけ。上品さが信条

蒲焼

 ウナギサンマイワシアナゴなどが主で、開いて中骨を取り除き、醤油の甘辛のタレをつけて、照りよく焼く方法。タレに片栗粉などを加えて簡易的にとろみをつける場ああと、材料に片栗粉を少々まぶして火を通してからタレを絡める方法などがある。

【参考料理】

□ ☛秋刀魚の蒲焼:日が経ってしまった秋刀魚の料理法
    青い魚独特の臭みを気にせずに美味しく食べるための料理法
□ ☛焼き秋刀魚の押し寿司
    鰻に引けを取らない美味しさ
□ ☛鰻の押し寿司
    大人数でいただくときに嬉しい食べ方:酢飯との相性も大変良い料理法
□ ☛フライパンで作る秋刀魚(さんま)の蒲焼丼:冷凍魚の扱い
    見た目は鰻とそっくり、フライパンで手ごろに作れる丼物

焼く

□ ☛蒸し焼き
□ ジューシーライン(魚)
□ ジューシーライン(肉) 
□ ステーキ
□ ☛ハンバーグ
□ ☛魚の焼き方各種
□ ☛オムレツ

ステーキ(Steak)の焼き方

 

ステーキを美味しく焼く4か条

1) 肉を焼く前に室温に置いて肉芯の温度を上げる。肉から血が滴るのをレアとは言わない。それはただの生肉。

2) 火加減は強火で肉の表面を素早く焼きつけ、肉の旨味を閉じ込める。家庭の火力でフライパンでは、肉一枚を焼くのが限度。まとめて焼くと誰が焼いても肉が煮物化する。

3) 一流は、温めた皿に盛り付ける。熱く焼いた鉄板に肉を乗せてじゅーじゅー焼きながら食べるのは三流以下。せっかくの食べごろが台無しでしょ。

4) 塩・胡椒は焼く直前にまぶす。軟らかい肉を塩締めなどするのは邪道。

以上、当たり前のことをこなせば家庭でも美味しいステーキにありつけますよ。ところで、4か条でよかったかな?また、思い出したら追記しますね。

  【焼き加減の目安】

20080412045049200804120450512008041204505020080412045048

レアー⇒ミディアムレアー⇒ミディアム⇒ウェルダン

 4か条だけで本当に焼けるのかという問題ですが、後にNHKの「ためしてガッテン」で知った、肉の「ジューシーライン」の話で(両面の焼き具合が、肉の厚みの中央で出会う部分のこと☛参照)、 うまくぴったり出会うように片面ずつ焼いた状態が、ステーキで言うところのウェルダンです(画像右端)。
 ところが、たまにしか焼かないス テーキをその時だけ上手に焼くのは、料理に慣れていても少し緊張します。ですから、鶏肉や魚をソテーしたりポワレしたりする時などに、焼き方や焼け具合の 方に常に意識を置いておくと、少しずつ勘所がつかめてきます。焼ける様をじっくり観察して、それがどういう状態なのかを判断する能力を養うということは、 「勘」が鋭くなる練習をしていることと同じだと思います。調理の為のよい条件に、この「勘」がプラスされることで料理の腕が上がるのだと思います。私も目 指しています。

【参考料理】

□ 牛フィレのステーキ

□ 醤油ソースの和風ステーキ

□ 桜ステーキ(馬ハツ)

キハダマグロのソテー

Pa240002 中心まで火が通っていて、尚且つ軟らかくなくては意味がありません。弱火で蓋をしないで、焼け具合を確認しながら焼きます。
 ここ で、「ためしてガッテン流ソテー」の出番です。簡単に説明すると、冷たいままのフライパンに魚を乗せて弱火にかけ、蓋をしないで焼き始めます(ポイント1)。火が通って色の 変わった部分(ジューシーライン)が半分くらいになったら裏返します。焼き色が中央で出逢った時が食べごろです。表面は香ばしく焼きたいので、お醤油を刷毛で塗ります。
 画像の手前は片面を焼いているところ。マグロの赤身なので鮮やかな紅色をしています。上部の画像は、裏返したところ。半分下がピンク系の色をしています。
 厚いスライスを焼く時のコツは、焼く前に室温に戻しておく事です(ポイント2)。中が冷たいと焼き始めたときにフライパンに接している部分と内部の温度差が大きくなるため、うまみを含んだ水分が流れ出してきます。また、放射熱の作用で周囲(表面)に火が通ってしまうため(ポイント3)、ジューシーラインが見えなくなってしまいます(詳しくはこちらをどうぞ☛)。

【参考料理】
Pa240007□ キハダマグロの大根おろしソテー

□ 銀鮭のムニエルとタルタルソース

□ メカジキの香り焼きマヨネーズソース 

P5300001


 

 

Mekajiki

 

 

 

 

2009年8月 3日 (月)

お浸し

□ 緑色の野菜の下茹で

茹で方のいろいろ

□ ☛お浸し

□ 湯通し

□ ☛油通し 

□ ☛特殊な下茹で

□ ☛こんにゃくの下ごしらえ

 

2009年8月 2日 (日)

湯通し

 食材の下ごしらえとして「湯通し」という方法があります。魚や肉、油揚げ、こんにゃくなどの下ごしらえでこの方法を使います。
 余分な 油を取り除いたり灰汁や臭みを流します。必ず熱湯を使用して、掛けまわすか鍋にお湯をたぎらせてさっと通したりします。豚の挽肉なども臭みと余分な油が抜 けて上品な仕上がりになります。魚でしたら、ぬめり等の臭みの元や鱗(うろこ)などを取るのにも効果的です。

【参考料理】

□ 鰤のアラ煮

□ 和風コロッケ:ひき肉の湯通し

□ 穴子の湯通し(=湯引き)

□ 鶏わさ(=霜降り)

□ イクラの解し方(特殊な例)

2009年8月 1日 (土)

蒸し焼き

□ 自家製ベーコン:蓋つきバーベキューコンロ使用:カタ・バラの塊肉
□ お手軽燻製:鍋利用:ささみや胸肉などの小さな肉類
□ グリルの蒸し焼き
□ 低温によるオーブンの蒸し焼き

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