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2009年7月

2009年7月31日 (金)

大根の下茹で(含む根菜類)

 大根は米のとぎ汁で下茹でしますが、沸騰したら、一番小さい沸騰の状態に火を弱めます。5分茹でたら余熱煮ができるように新聞紙や発泡スチロールの箱、バスタオルなどを利用して最低30分置く と、すっかり軟らかく透き通る白さになっています。もし、米のとぎ汁が無かったら米粒で代用し、水から茹でます。竹串を刺してすっと通るくらいに柔らかくなったら下茹での完了です。
 大根も含めて、根菜類の下茹でがなぜ必要かと言いますと、味付けの際に中心部分まで味を染み込ませるためです。しかも、下茹での時点では必ず水からゆっくり火を通すようにします。たぎったお湯にいきなり入れると表面だけに火が通って、中心は生だったりします。必ず水からです。
 大根の場合の下茹ではなぜ米のとぎ汁を使うかというと、大根の灰汁である苦味を除くためと、透き通るような白さに仕上げるためです。とぎ汁がない場合は、大根1本分に対して大さじ1ほどの米で水から茹でます。
 茹でる間は、葉物の下茹でとに同様蓋をしないで茹でます。冒頭で余熱で火を通すと言いましたが、最初の5分でとぎ汁が灰汁を包み込んでしまうので、その後蓋をしても臭いや苦味は回りません(実験済み)

【参考料理】

□ 胡麻鯖(ゴマサバ)と大根の味噌煮

□ 大根と鶏胸肉の治部煮

□ 割り下で味付けたしたホックリ大根と手羽中の煮物

□ 豚肉団子鍋(豚挽き肉のつみれ汁)

□ 大根と槍烏賊(ヤリイカ)の煮物

□ 大根と鶏肉の治部煮

□ 大きな肉団子と蕪のスープ

□ ☛鰤大根二種(「魚料理いろは濃い目の味付け
 

低温によるオーブンの蒸し焼き(豚もも肉)

 オーブンの設定温度を低く設定して、肉を焼かずに全体を低温で包み込み、肉の乾燥を防止するために、お天板に水を張って蒸し焼きます。
 低温でオーブンを使う理由は、肉が大きな塊であるという事と、その肉の表面につけた塩などの調味料がゆっくり染み込むようにするためです。さらに、長時間かけてゆっくり火を通した肉を倍以上の時間をかけて冷ますことがポイントです。肉に限らず、味が染み込む要素として、食材が冷めるときです。

【参考料理】
□ 低温によるオーブンの蒸し焼き:塩豚(もも肉)

グリルで蒸し焼く

 外国では絶対に見かけない日本製のガスやIHの機器に付属しているグリルは優れものです。変な話、日本のウォシュレットと並んで素晴らしい発明品だと思います。
 魚を焼くのに受け皿に水を張るということが、少煙と加湿効果に対する貢献度は高いです。これを活かして、ステンレス製のバットに食材を並べてそのままグリルに入れて焼くと、上部の熱がステンレスに伝わって食材の底からも柔らかく加熱してくれます。結果、表面に焼き色をつけながらにして内部にも火を通す事ができるので、裏返す必要がなくなり、蒸し焼き状態で旨味を閉じ込める事ができます。
 この方法に合う料理はと言うと、マリネした魚や肉の蒸し焼きで、焼き色をつけたいときに効果的です。

【参考料理】
□ グリルの蒸し焼き:カマスの香草蒸し焼き(イタリアン)

茹でる

□ 緑色の野菜の下茹で

□ 大根の下茹で 
 

緑色の野菜の下茹で

 緑色の正体は葉緑素(クロロフィル)ですが、一般に70℃で変質するといわれていますから、鮮やかな緑色を残すには、

  1. 野菜が70℃以上の温度に達する前に下茹でするのがコツです。
  2. 塩を2%加えるのは色止めといって、鮮やかな色を定着させるためです。(私は1%に抑える時もあります)
  3. 茹でる時には蓋はしません。蓋をすると蒸気がこもって酸がこもってしまいます。
  4. たっぷりのお湯で茹でることです。少ないと野菜を入れてから温度が下がり茹でる時間が長くなりますと、野菜がのぼせてしまいます。

【参考料理】
□ 春のお浸し三種(菜の花・韮・ほうれん草とシメジ)

2009年7月30日 (木)

揚げる

□ かき揚げ
□ ポワレ
□ フリッター各種の揚げ方
□ 天ぷらの揚げ方(ネタと小麦粉の性質などについて)
 

かき揚げ

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 画像のような衣にするコツは、薄い(軽い)衣であることが必須で、しかもそれがつなぎの役割を果たしていないと意味がありません。衣が薄過ぎる と、揚げ油 に入れた途端に散らばってしまいます。均一に同じ濃度で衣が満遍なく行き渡るために、材料にあらかじめ小麦粉をまぶして薄化粧をしておきます。これが誘い 水のようになって衣液が全体に均一に馴染みます。この衣液も薄めではありますが、ニギスの天麩羅をするのに丁度いい濃度です。天麩羅の良し悪しなんて一概 に言えませんけど、分 厚い衣は、揚げた後に水分も残るので時間が経つとしんなりしなびます。また、油も吸い込んでいますので美味しくないと言われる原因 です。できれば薄い衣を目指して今から練習です。私はよく人から「ハイレベルな料理」などと言われますが、生まれついてその技術がある訳がありません。そ れ なりの年月の経過の中で何度も試行錯誤しながら今に至っているのです。そこから生み出された現時点での最高点をここに書いているのです。これを盗まなかっ たら貴方の損です。いや、決して私の料理が一番だといいませんよ。しのごの言ってないでまずやってみる。失敗もしてみる。そこから学んだら、それは貴方の ものです。

【参考料理】
にんじんの間引き菜
葱のかき揚げ
インゲンと中国海苔
シラスと葱のかき揚げ

ポワレ

Poware_3 材料を切る段階で意識するのは、でき上がりを同時にする意味で、できるだけ均一な大きさに切ることがポイントです。例えば、一人分として大きな切り身をワン プレートにしてサラダなどと一緒に盛り付ける場合と、二口大くらいに小さい切り身にして大皿に盛り付け、大勢で食べる場合とでは切り方が違います。ここを どうするのかまず決めます。それによって衣関連の材料の分量が変化します。レシピの通りにできるかどうかと、違う場合は手持ちの材料が足りるかどうかを チェックします。
 衣は、溶き卵と小麦粉を混ぜ合わせて、てんぷらの衣のようにしたものを最初に付けてからパン粉をまぶすのも悪くはないと 思った時期もありますが、いえ、十分これでもできますが、やはり衣が分厚くなるので余程の注意が必要です。むしろ丁寧に小麦粉を軽く刷毛でまぶして溶き卵 を通してパン粉を付けるのが結局手っ取り早かったりします。これもやり方でかなり作業性が良くなります。私の方法ですが、材料を切ったらこの場合は塩・胡 椒をしてしばらく置きます(魚の場合)。水分をキッチンペーパーで吸い取ってから小麦粉をまぶし、刷毛で余分な粉を落とします。ここで一旦作業は終わりです。周囲を片 付けて(小麦粉は取っておきます)、溶き卵に水を加えてつなぎの液を作り、袋に入れた(または紙に挟んだ)パン粉を麺棒を転がして細かくし、ボールや バットに移します。先に小麦粉をまぶした材料に菜箸で卵液を絡め、パン粉のボール(またはバット)に移し、ボールを回すようにしてパン粉をなじませ、裏返 して軽く押さえてパン粉をなじませます。ラップをし、冷蔵庫で最低30分休ませてパン粉を馴染ませます。時間差で準備しておく場合は、このままの状態で半日 くらいなら置くことができます。
 一人で作る時は、このように周囲を片付けながら分業にするとでき上がった時に気持ちよく終わることができます。 残ったパン粉、小麦粉、卵液は全部一緒に混ぜて、そうですねぇ、ハムや竹輪、魚肉ソーセージなどを小さく切って混ぜて、ハンバーグのように整形してポワレ にするとサイドに美味しいオプションとして、または、途中のつまみ食い用に最高です!
 最後に焼き方ですが、材料が油に沈まない程度(フライパンに大きな水溜りを作る程度の油)の油を注いだフライパンを中火にかけ、油が温まったら材料を並べます。揚げ物と違ってフライパンの表面の温度で焼くので、揚げ物よりは やや多めに一度に焼くことができます。くれぐれもびっしり並べるようなことのないように要注意です。周囲の色が変わって、表面に水分がにじみ出てくる頃が 裏返すタイミングです。同時に焼き色もついている頃合いです。全体的に一回り縮んだ感じが出てきて、材料がこんもりと盛り上がった感じになったら焼き上が りです。引き上げて油を切ります。ここで最後のバターの風味付けをします。フライパンの油を払ってから中火にかけ、バターを溶かしたら油を切った材料をも う一度戻して両面を焼きます。これで完成です。

【料理例】

アブラカレイのポワレ

牡蠣のポワレ

ホッケのポワレ

牛スライスのポワレ

ささみの梅紫蘇ポワレ

鯵のポワレ

豚ロースのポワレ

牛ヒレカツサンド

チキンカツレツ

にんにくを挟んだ豚ヒレ肉のポワレ

ホウボウのポワレとトマトソース

鰯(いわし)のポワレ

豚ヒレ肉の挟み焼き(ポワレ):チーズと梅干しの組み合わせ

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