ひと味違う海老のオーブン焼き:世代間格差で見えたしょうもない餅代の行く末
暮からお正月は新鮮な魚がぐっと減ります。と、こんな書き出しをして営業妨害するつもりではありませんよ。むしろ、魚が刺身用のマグロや冷凍の魚介類などに限定されて来るので、その料理法を考えようとするものです。街はすっかり正月準備に入り、スーパーの陳列棚はお正月用食材へと模様替えをしています。
手始めに今日は海老です。お正月には海老は縁起を担いで食べるのですが、ここぞとばかりに大型化するのがお正月です。ところが、せっかく奮発して大きな海老を買って塩焼きにしてもあまり美味しくないのです。美味しくなくても食べるのがお正月のお節料理なのですね、これが。ですから、一応売れます。私は、あの硬くなった海老を歯でかみ切るようにして食べるのは嫌なので、もう少し食べやすく、しっとりとした食感でと思い、ちょっとおしゃれにオードブル風で、尚且つ一品料理としてもよいかなと、こんなオーブン焼きを作りました。
伊勢海老やオマール海老でおなじみのオーブン焼きと同じように、白いソースはベシャメルソースと言われる小麦粉とバターを炒めて牛乳でのばしたとろみ餡です。これを背開きした海老にかけます。このソースとラクレットチーズ(グリュイエールチーズ)を海老に絡めて頂くのは大変美味しいです。そして、これだけでは芸が無いので考えたのが、玉葱の甘味をこのソースに生かすという、何とも言えない、まあ、ほっぺたが落ちると表現するのが一番よいでしょうか。落とすのなら、あなたの贅肉にしなさいよと言われそうですが。
はっきり言ってあの冷め切った伊勢海老のオーブン焼きは、あれも硬くて冷たいと何を食べているのかさっぱりわからない代物になります。ああいうのだけはやめましょうね。玉葱のみじん切りをベシャメルソースに加えるようなナンセンスはしません。大きく5mm位の幅の櫛形に切ってバターでソテーし、透き通ったら白ワインで煮込んだ玉葱のコンフィを作ります。
コンフィというのは、加熱した食品をオイルや砂糖などに浸け込んで保存するための料理方法で、魚介類のオイル浸けや砂糖シロップ浸けの果物等があります。ですから、玉葱も同じようにストックを作ると大変重宝します。
この玉葱のコンフィを背開きした海老に乗せて、これをすっぽり包み込むようにベシャメルソースを掛け、チーズ乗せてオーブンで焼きます。200度で10分ほど焼くと表面にうっすらと焼き色がついてきます。香ばしい香りが漂い始めたらでき上がりです。
玉葱の存在が大変魅力的で、海老と玉葱とソースのそれぞれの主張を直接的に感じることができる方法で、玉葱からバターと白ワインの風味が海老にそのままそっくり移るので、通常のベシャメルソースを乗せた焼き方との違いがはっきりわかります。
材料
- ブラックタイガー・・特大7尾(無頭12cm)
- 玉葱の白ワインコンフィ・・100g
- ラクレットチーズ・・50g
- パプリカ(辛くない方)・・適宜
- ベシャメルソース
- ベシャメルソースの素(下記参照)・・50g(レシピ☛)
- 牛乳・・75cc
- 塩・・小さじ1/2
- 胡椒・・適宜
- ナツメグ・・適宜
- 付け合せ・・かぼちゃのワイン蒸し+ほうれん草のバーズネスト(蒸し卵)
ベシャメルソースの素(でき上がり約500cc)
- 小麦粉・・60g
- バター・・60g
- 牛乳350cc
玉葱の白ワインコンフィの材料(約100g)
- 玉葱・・中1個(160g)
- バター・・20g
- 白ワイン・・大さじ4
作り方
- 玉葱のコンフィ:玉葱を5mm幅の櫛形に切り、フライパンで弱中火でソテーし、透き通ってしんなりとしたら白ワインを加えて煮詰めて冷ます。
- ベシャメルソース:フライパンで弱火でバターを溶かし、こむぎ粉を加えてふつふつとなってから1~2分ソテーし、牛乳を注ぎ、木べらで手早く混ぜながらとろみが突くまで焦がさないように煮る。
- 2のベシャメルソースから50g(約大さじ3)を小鍋に取り、分量の牛乳を加えて弱火で混ぜながらとろみがつくまで煮る。
- 海老の背の頭の方からキッチンバサミで殻を掬うようにして尻尾の付け根まで切り開き、包丁で殻の切り口に添って身を切り開く。(※切り離さないように注意)
- 開いた身に1の玉葱のコンフィをのせ、3のベシャメルソースをたっぷりかけてチーズを乗せ、パプリカを散らす。
- オーブンかオーブントースターを200度に予熱して10分、焼き色がつくまで焼き、付け合せのかぼちゃとほうれん草のバーズネストを添えてでき上がり♪
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