海藻

2012-01-14

鰊(ニシン)の昆布巻き:天然素材を前に脳ミソフル回転だ

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 今年の正月用に、昨年の暮れに鰊の昆布巻きを久しぶりに作った。他のお煮しめと一緒に実家に持ち込んで親類にも食べてもらったところ大変好評だった。おそらく、市販の昆布巻きとは見た目が違う点もあってか、手が伸びたのかもしれない。私自身は出来上がった時のお味見だけで、もっぱら人に食べてもらって終わっていた。それも手伝ったかと思うが、妙にこれが恋しくなり、また同じように作ってみた。今回は、レシピを書けるように調味料も計量しておいたのでそのまま記録しておこうと思う。
 昆布巻きの材料は全て天然素材使用なので、味付けの微妙な加減はその都度必要かと思う。が、そう難しいものでもない。簡単に言うと、素材の味を生かした旨味のある出来上がりにするには、味付けを濃くしない事だと思う。出来上がってから冷めながら味がグッと染み込むため、煮ている最中の味付けは少々薄い方が安心できる。また、最後の最後に醤油で味付けする方法で作っているため、出来上がる寸前に味を濃くすることも出来る。くれぐれも注意することは、最初に醤油を入れすぎないことだと思う。美味しく出来上がった喜びを味わって欲しいと願うばかり、最初から小言みたいになってしまったが、前の晩からニシンを戻して、翌日時間をかけてゆっくり煮ている時間がどれだけ楽しめるか、昆布巻きの味わいはここからもう始まっている。
 早速、材料の揃え方から書いておくことにしよう。まず、昆布巻きのメインである昆布のことから。
 私は北海道産の利尻か礼文島産の昆布を使用している。昆布は何と言っても北海道だと思い込み、産地が旨味の勝負だと思っていたら、北海道の産地のお婆さん曰く「どこでも昆布は昆布。同じ。」だそうだ。違いを感じるのは、昆布の部位による特徴のようだ。
 昆布というのは長い紐状の海藻で、部位によって厚みや幅もまちまちだ。乾燥して縮まった状態で袋に入っているので、袋の表示を頼りに買うしかない。「煮昆布」という表示の昆布は、その名の通り煮物に適しているようだが「早煮昆布」という表示のものもある。この表示の昆布は、比較的幅が狭く、身が薄い。昆布の先端に近い部分だそうだ。この表示の昆布を使って昆布巻きを作る場合は、煮崩れを加味して煮る時間を短くすると良いと思う。また、「出汁昆布」という表示で、肉厚で板状だとはっきり見て取れる昆布は今回使用の昆布で、食感がしっかり残るタイプだ。戻した時の幅は15~20cmほど、長さは25~30cmに切り揃えてある物を購入する。
 そういえば蛇足だが、半日干しで柔らかく、長さは1m、幅5~7cmほどの、白い粉を吹いた昆布を見かけたら、迷わず、これにすること!まず、売っていないのであまり参考にならないが、この昆布の白い粉は甘み成分のため、洗ったり拭き取ったりしないでそのまま使用すると良い。拭き取ってもしばらくするとまた白い粉が出始めるが、すぐに料理する場合は、汚れなど気にせず、そのまま。その場合、昆布の戻し水がないため、水を代用すると良い。 

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 次、身欠きにしんのこと。最近は樺太方面で取れたものや、アメリカ産などと色々ある。昔ながらのカラカラに乾燥させたものから、半生干しの「ソフトニシン」と呼ばれるものまである。比較するのにちょうど良い画像があったので借りてきたが、右側にあるような半生のニシンを今回は使用している。戻すのに一晩で良いし、パサパサした食感が残らないからだ。
 身欠きにしんの戻し方は、糠を溶いた水か米のとぎ汁で戻すが、これは、ニシンの臭みの元となる余分な脂を米糠に吸着させる働きを利用する。余談だが、この方法で戻したニシンを甘辛く煮て蕎麦にのせていただくのが「鰊蕎麦」。私の大好物。

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 次、干瓢(かんぴょう)のこと。今回使用した干瓢は手作りだが、市販の漂白した干瓢で充分。干瓢まで手作りするんですか?と、Twitterでは驚かれたが、保存食文化が残る諏訪ではいまだに手作りする人がいる。夏に収穫した夕顔がその正体。因みに、作り方はこちらで書いた☞
 市販品との違いは、戻し時間が早くとても柔らかい。味は、干瓢にも甘味があるということがはっきりわかる。自家製は、漂白などの工程がないため、剥いたらそのまま干して水分を抜くため、干瓢の甘みが凝縮されている。昆布巻きが解けないように結びに使用するため、水で軽く洗って柔らかくなったらそれで準備オッケー。
 昆布巻きで一番頭を悩ますのは、昆布の幅とニシンの長さの関係だと思う。つまりカッコよく作る努力だ。昆布は、使用前に水で10分ほど戻して巻きやすくするが、煮込んでいる内に次第に煮汁を吸って身が厚くなり、幅も広がる。つまり太ってくる。鍋物で、最後まで残った昆布を見たことがあるだろうか?あれだ。その太り分を予測してニシンの長さを決める点と、干瓢は緩めに巻き、結び目は解けないようにきつく結ぶ点だ。準備段階でニシンを昆布の幅に切り揃えてしまうと、出来上がるころにはニシンが昆布の中の方に入ってしまう。かと言って、昆布の幅よりは長いニシンを切って捨てるのは忍びないではないか。ここで、捨てずに全て使い切るには?と、頭がフル回転する。と思う。

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 私の方法は、ニシンを半分の長さに切って切り口を昆布の両端に少し飛び出させて置き、中央部分では頭部と尻尾の部分が互い違いに重なるようにしている。これだと、昆布巻きの太さもほぼ一定になる。作る数が少ない時は、あらかじめ切り揃えた昆布を広げてニシンを乗せ、数合わせをすると良い。戻したニシンは腹側と背側の切り替え部分で切り離して使うため、一枚の身欠きにしん(三枚おろし)で二本の昆布巻きを作ることになる。昆布は、乾燥状態で25~30cmの物であれば、長さを半分にして昆布巻き一個が12~15cmの長さの昆布で巻くことになる。

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 こんな風にまとめてみたがどうだろうか。実際、作った分量も書いておくことにしよう。

材料(昆布巻き15cmの長さで10個分)

  • 利尻出汁昆布・・長さ30cm×幅15cmを10枚
  • 身欠きにしん(ソフト)・・5枚
  • 干瓢・・4m(一袋)
  • 竹の皮・・2枚(なければ経木、それもなければオーブンペーパーに少し穴をあける)

調味料

  • 酢・・大さじ 2       
  • 砂糖(きび砂糖や素精糖などの少し癖のある砂糖)・・大さじ4       
  • 濃口醤油・・大さじ3~4(はじめは3だけで味見する)       
  • 日本酒        ・・大さじ4
  • 水・・カップ5(昆布一枚につき1カップ)

作り方

・下ごしらえ

  1. 身欠きにしんを米の研ぎ汁か糠を水に溶いて一晩かけて柔らかく戻す。 しっかり乾燥したニシンの場合は、身がふっくらするまで、冬なら2日間くらい、研ぎ汁を替える。
  2. 柔らかくなったニシンのうろこや鰭・汚れを落とし背側と腹側に切り分け、さらに長さも二等分する。
  3. 昆布は布巾で両面を拭いて汚れを落とし、水5カップを入れたボールで10分ほど戻して柔らかくする。戻し水は捨てない!
  4. しなやかになった昆布は二等分して長さを半分にする。(10枚できる)。
  5. かんぴょうは水をくぐらせて揉んでしなやかにしておく。

・昆布巻きの作り方

  1. 昆布を縦に置き、ニシンの断面を昆布の両端に少し飛び出させて端から緩めに巻き、干瓢を二重巻きして結ぶ。 結び目は固く、巻き方は緩めに巻くこと。固く巻くと昆布も干瓢も膨らむので解ける原因になる。 

・昆布巻きの煮方

  1. 平鍋に縦に切り目を入れた竹の皮を敷き、その上に昆布巻を並べる。
  2. 昆布を戻した水を、昆布巻がすっかり隠れるくらい入れて強火にかける。
  3. 沸騰したらアクや泡を取り除いて酢大さじ2を加え、落としぶた(代わりにリードクッキングペーパーはとても良い)をして中火で約1時間煮る。 煮汁が減ってきたら、残った戻した水を加える。
  4. 昆布巻に串を刺してスッと通ることを確認して日本酒と砂糖を加え、落し蓋をして30分煮る。
  5. 昆布巻が艶良く、かんぴょうも透き通ったら醤油を加えて弱火で煮込む この間、時々煮汁をスプーンですくって昆布巻にかける。
  6. 煮汁が鍋底にやっと残っている程度まで煮込んだら出来上がり。 この時の煮汁の味は、冷めた時、昆布巻きの味そのものになる。そのまま落とし蓋をして冷ます。

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2011-12-01

ひじきと大豆の六目煮・煮る順番を設計してみる

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 画像の六目煮。これがとにかく旨い。ご飯茶碗に一杯、これをよく噛んで食べただけの朝ごはんだったにも関わらず、大豆のお蔭か、今朝は腹持ちもよかった。しかし、待てよ。「六目煮」なんて作り方も言い方もあるだろうか。ないない。日本では割りきれる偶数は縁起が悪いとされているし、「4」という数字も「死」を意味するとかで敬遠されている。が、しかし、今回の煮物は六品目なので、偶発的にそう名付けさせてもらうことにしたった。悪しからzzz。
 さて、カラフルな彩のこの六目煮、見た目は、昔から日本にある副菜だ。作り置きの惣菜のチャンピオン的地位にあるのではないだろうか。ある人はこんなことからこの煮物を作ってみたいと表現されている。

「実は、幼い頃に火鉢に大豆が茹でてあって、大豆だけを腕にすくいあげ、汁なしにして、熱いうちに刻んだネギをまぜて醤油だけで食べていたのを思い出しおりまして御座います、人間の業の記憶とは!うまく行く事は望み薄で在りますが、やってみます。」

 私にとってこの煮物は、学校給食の献立と言う刷り込みが強く、残念なことに母の味からではない。母は忙しい人で、食材の下ごしらえで時間差のあるような料理はしなかった。この場合で言うと大豆がそのネックというか主だろうか。
 大豆を前日に水で戻して翌日、下煮をするという手間がこの料理の設計上、どこかでクリアーしないとならない。六目煮を作ることは難しいとは思えないが、難しくさせているのは、いざ作ろうというときに手順が描けないことではないかと思う。これは長年の料理作りで培われるものであるとは思うが、食材に対する柔軟な取り組み姿勢でもあるような気がする。だって、大豆は新物と古い豆では戻す時間も戻り方も違うし、ひじきは乾燥物もあれば生だってある。高野豆腐も、ものによっては戻す時間や戻し方が違う。いつも全てが同じではない。実際やりながらその様子を見て、戻し時間を延長したり短くしたりする匙加減が必要になる。この匙加減をせずにレシピの通りに作ると失敗することもあるジャマイカッ。「作り方」と書いてしまう事に罪深さを感じさせられるが、今日のレシピは、作り方云々よりも、こんなに美味しい煮豆があるんだぜ、てのを紹介したいと思っている。

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 さて、この日記には既に二種類のひじきの煮物があって、ご存知の方もいると思う。因みにこちら☞その1☞その2。だが、肝心要の大豆が入っていないでしょ。大豆が入っていないと噛んで味わうという、あの味がしてこない。なので、品数を多くした六目煮の登場に相成ったというわけ。
  因みに食品群の揃え方だか、「大豆、ひじき、人参、こんにゃく、じゃこ天、高野豆腐」の六目を選んでみた。栄養価はどうか緻密に考えると理科の実験みたいになってしまうが、それでも一度は拾っておくべきと考え、以下のように調べた。
 畑の肉と言われるタンパク質の多い大豆、ひじきからビタミンAや繊維質、人参から β-カロチン ビタミンA 食物繊維 カリウムなど、こんにゃくから食物繊維グルコマンナン、じゃこ天(魚の練り物など)タンパク質やカルシウム、高野豆腐からは豆腐同様にイソフラボンやビタミンE・カルシウム・マグネシウムなどが豊富。高野豆腐は以下のサイトの商品を実際使用しているが、見事な栄養でびっくらこいた。(参照☞
 次に、食材の下ごしらえの段取りがあるので順に書いてみようと思う。

大豆の戻し方

  1. 今年収穫したばかりの新豆は半日ほど三倍の水に浸して戻し、豆に皺がなくなるまでぷっくら水を含ませる。
  2. 古い豆の場合は、前日の夕方から翌日の夕方まで位を目途に24時間ほどかけてゆっくり戻す。
  3. スロークッカーの場合は、豆の3倍の水を加えて「弱」で6~8時間で乾燥状態の豆から一気に下ゆで状態まで下ごしらえする。
  4. 魔法瓶に乾燥豆と三倍の熱湯を注いで12時間ほど放置して半下茹でにする。
  5. 炊飯器の「保温」で乾燥豆と三倍の熱湯を注いで半日ほど放置し、様子を見ながら半下茹でにする。

※ 大豆は下茹ですると薄皮がとれてしまうものもあるが、大抵は残っている。繊維質として食べたいのでそのまま残すが、味の染み込み方が若干悪くなる。その反面、大豆らしい味わいも残る。

大豆の煮方

  1. 戻した生の大豆と戻し汁をそのまま鍋に移して中火で加熱。沸騰して灰汁(白い泡)が吹いてきたら掬って火を弱め、豆が湧かに踊る程度の火加減で約30分茹でる。または、10分ほど煮て、蓋をしてタオルなどで包んで余熱煮する。
  2. 大豆の堅さは味見をして決める。歯ごたえを残す場合は、10分ほど煮てそのまま火を止める。
  3. 上記の「戻し方」で半茹でにした場合は固めで戻るため、大豆と戻し汁を鍋に移して好みの堅さに煮る。


乾燥ひじきの戻し方

たっぷりの水で30分ほど戻し、笊にあげて水けをきる。

高野豆腐の戻し方

たっぷりの水で、20~30分戻す。

こんにゃくの下ごしらえ
Hint&Skilのこちらを参照してほしい☞
三つ方法があるが、ここでは1の下茹で後、2の乾煎りを採用している。理由は、こんにゃくの臭いを嗅いでみたらちょっと臭いがきつかったため下茹でし、こんにゃくに味が染み込みやすくなるように乾煎りして水分を抜くためだ。これでぷりぷりの触感と、小さなさいころに切ったこんにゃくの存在の生意気さが窺えるだろう。


昆布鰹出汁の取り方
(水4リットル作って余ったものは冷蔵庫保存)

  • 昆布・・15cm
  • 花かつお・・二掴み
  • 水・・4リットル

水に昆布を入れて一昼夜置き、沸騰させないように10分煮出すか、時間がない時は、水から沸騰させないように昆布に軽く泡がつている状態で30分煮出す。そのままの状態に花かつおを二掴み加えて10ほどに出して火を止め、そのまま冷ましてさらに出汁を取る。

 さて、これらのしたごしらえを進め、そろそろすべてが準備おっけになる頃合いを見て、人参やじゃこ天などをさいころに切る。レシピはここから書き始めることにしようと思う。

材料

  • 乾燥大豆・・カップ2
  • 乾燥ひじき・・カップ1
  • 人参・・150g
  • こんにゃく・・1/2丁
  • じゃこ天・・1枚
  • 高野豆腐・・2個
  • 出汁・・約500cc
  • 酒・・大さじ3
  • 味醂・・大さじ3
  • 醤油・・半カップ

今回は愛媛のこちらの甘口醤油を使用したため、味醂は使用していません。コクと香りのよりこのお醤油はお勧めです。


作り方

  1. 大き目の鍋で水けをきったひじきを乾煎りする。鍋に張り付かないよう時々鍋を煽る。ひじきが崩れてしまうため、ヘラなどで混ぜない。
  2. 鍋からプチプチ音がしてきたらさいころに切った人参とこんにゃくを加えて同様にしばらく乾煎りする。
  3. 戻した大豆と高野豆腐を加えてひたひたになるくらいに鰹昆布出汁を加え、蓋をして弱火で煮る。大きく沸騰させないように火加減しながら大豆が好みの堅さになるまで煮る。(煮汁はこの時、半分ほどになる。)
  4. ここで酒と味醂を加えて2~3分煮る。
  5. 続けて醤油を加え、じゃこ天を加えて10分ほど弱火で煮る。ここで煮汁は鍋底に残る程度になる。

 煮物は冷めながら火が通って行くため、長く煮込んで煮詰めて辛くしてしまわないよう、出来上がりはやや薄味に仕上げるとよい。

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2010-07-04

じゃが芋と木耳(キクラゲ)のさっぱりした中華風和え物:じゃが芋の千切り方法(難易度1)

 やや蒸し暑い日が続きます。料理をする夕方に近づくと、体も重たく感じます。そのような時はあまり無理をしたくないので、できるだけ簡単に作れるものか、オーブンなどにお任せ的な料理にするようにしています。

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 今日は、じゃが芋のシャキシャキした食感を残した中華風の味付けにした和え物です。お湯を沸かすだけで簡単にできます。難しさはまったくありませんが、強いて言えば、千切りじゃが芋の切り方にばらつきがあると食感に影響するので、大きさを揃えて切るのが望ましいです。
 作り方は、最初にじゃが芋を千切りにしてボールにとり、熱湯を回しかけて1分ほど待つだけです。この時、熱の通り方にバラつきがあると茹で過ぎたり生だったらりするのです。これは決して失敗ではありませんが、できれば切り揃えてあった方が均一にでき上がります。

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 じゃが芋の切り方ですが、球状の食材を切る時は、安定をよくするために、一箇所だけ薄くスライスし、その切り口をまな板に置いて安定させます。また、一定の間隔に同じ厚みで切り添えるために、包丁を持った手の肘を軽く曲げて、再度伸ばしたで切るのがベストの位置です。切る時に変に力が加わることなく、一定に切ることができます。
 また、千切りのできるスライサーもありますが、これは削ぎ切るので断面がごつごつになります。包丁で切った面はシャープで、表面積が一番少なく切れるのでこれも食感に影響します。包丁で切るのがベストです。

材料

  • じゃが芋・・2個
  • キクラゲ・・5g
  • 熱湯・・1リットル
  • 生姜・・適宜

調味料

  • 酢・・大さじ2
  • 白醤油・・大さじ1
  • 砂糖・・小さじ1
  • 胡麻油・・小さじ1

作り方

  1. キクラゲは水で戻す。
  2. じゃが芋は洗って皮を剥き、できるだけ細い千切りにし、ボールに移す。
  3. 熱湯を1に注ぎ入れ、軽くかき混ぜて1分置き、笊にあげて水気をよく切る。
  4. キクラゲと生姜は、じゃが芋と同じくらいの太さに千切りにして、3のじゃが芋といっしょにボールに移す。
  5. 調味料を合わせて、4に回しかけてよく和える♬

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2010-05-11

新わかめと蛇腹きゅうりの酢の物:梅漬けすすめ:極東ブログの「ツイッターのこと」は、ちとキツイなあ

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 4月の下旬から出回る新わかめのお里は三陸沖らしいのですが、先月の津波の影響で、牡蠣の養殖場がひどい被害を受けたと聞きます。若芽には影響しなかったのでしょうか、気になりながらも、こうしていつもの旬にありつけるので嬉しく思います。火が通って真っ青に色が変わる瞬間は、その変色ぶりが見事で気持ちが良いもので、今日は蛇腹に切ったきゅうりと一緒に、若芽の梅酢和えにしました。
 きゅうりを蛇腹に切るのは何故か?目先を変えるというはありで、まず見た瞬間にはっとするものがあります。切り口がスライスのようの見えて、実はつながっています。一口大に千切っていますので、存在感を感じながらシャキシャキと噛んで味わるのが特徴です。たまにはこのような切り方もどうでしょうか。※以前の画像ですが、わかりやすいのでこちらもどうぞ➠

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 また、塩水にしばらく浸してしんなりさせるだけでしっかり下味がつきますので、全体を和えるのは薄味にします。昨年塩漬けした紫蘇の実(➠レシピ)をアクセントに、梅を漬けた酢で味付けしてあります。この酢漬けのエキスは、梅4kgに対して酢を500cc、ざらめ1kg、塩3合の割合で漬け込んで、梅からしみ出してきたエキスと酢が水分の成分です。全く腐るようなこともなく、綺麗ないろのまま年を越しています。この梅酢が和え物や、魚の煮物などの調味料として使える上、梅の香りがとてもよく、大変重宝しています。もう少しすると梅の季節になるので、計画に加えてはどうかと思います。参考までに、こちらがそのレシピです➠

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 さて、蛇腹の切り方ですが、切るのに慣れている人は、同じ角度で同じ深さに斜め45度をとりながら、細かいく切込みを入れ、180度ひっくり返して、同じように切込みを両面に入れたら1%の塩水に20分ほどおきます。これできゅうりがしんなりしたら硬く絞って一口大に千切ります。ここで、良質のオリーブオイルを軽くまぶし、後はさっと熱湯を通した生ワカメをざく切りにして梅酢で和えます。
 アレンジとして、にんにくとワインビネガーを梅酢と紫蘇の実の代わりに使用すると、イタリアンの和え物にもなります。オレガノの香りを効かせるとよいと思います。
□ 参考料理➠「秋刀魚の梅酢煮」

材料

  • きゅうり・・2本
  • 戻しわかめ・・70g
  • 紫蘇の実の塩漬け・・大さじ1
  • 梅酢・・大さじ2
  • オリーブオイル・・小さじ1
  • 1%の塩水・・500cc

作り方

  1. きゅうりを横に置き、斜め45度の角度できゅうりの中心よりも浅めに1mm幅の切込みを入れ、裏返して、反対側も同じように切る。※割り箸をきゅうりの両脇に置いて、きゅうりを挟むようにして切ると、切り過ぎを防げます。
  2. 二本とも同じように切ったら、塩水に浸す。
  3. その間にお湯を沸かし、沸騰したらわかめに回しかけ、わかめを絞らずにまな板に置いて、立てかけて冷ます。
  4. 3のわかめを適当な大きさにざく切りし、2のきゅうりを一口大に千切ってオリーブオイルで和える。
  5. 最後に梅酢と紫蘇の実を加えて一緒に混ぜ合せてでき上がり♪

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2010-01-09

きざみメカブ:女将さん、お元気ですか

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Img_wakame  春先が旬だと思っていたメカブですが、もう魚屋さんに並んでいました。
若布の根元に育つ、粘りのある部分のことです。最近では、直ぐに食べられる状態に加工されて、パック詰めで売っています。粘りのあるもの同士、納豆などと同じ棚によく見かけますね。私も時々このパックの恩恵に与るのですが、やはり旬になったら磯の香りたっぷりのメカブの美味しさを満喫したいです。待ちきれなかった思いのまま買い込んでしまうと、きざむ時には延々とその作業に縛られますが、その甲斐もあって、ご飯の時は至福の至です。そのままお醤油で味付けしても良いし、納豆や長いもなどの粘りのあるものと混ぜてみたり、酢の物にしたりと食べ方は色々です。
 実は、このメカブも、茹でた後なら冷凍して保存できます。むしろ冷凍で固いうちに包丁で叩いて細かくすると作業性が良いのです。旬の味をそのまま閉じ込めて保存できるのは、好きな人にとっては後々楽しめてありがたいことです。

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 特別なレシピの紹介というわけではありませんが、旬を味わってほしいと思うものです。街で見かけたら一度はトントンと叩いてみてはどうでしょう。そのためにの準備も整えてから始めるとよいと思います。
 用意したらよい道具は、できれば出刃包丁のような重たい包丁を二丁、よく研いである物がよいです。包丁の重さで軽く振り下ろすだけでメカブがどんどん切れていきます。これが軽くて切れない包丁だとまったく刻むことが出来ませんので、是非研ぎ澄ました包丁を用意してください。
 メカブの中心の固い茎は食べなれないので、包丁を立てるように茎に沿わせながらメカブの葉を削ぎ取ります。鍋にたっぷりのお湯をたぎらせ、メカブの色が鮮やかな緑色になるまで茹でます。引き上げたメカブは、色止めのため、直ぐに冷水に取ります。ここで既にどろっとした粘りのある状態になるので、水分をよく切ってまな板に乗せます。最初は少しずつ切り崩して行きますが、だんだん包丁を振り下ろすようにしてチョップします。細かくすればするほど食感がなめらかになるので、好みのきめになるまで叩きます。

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2009-10-05

ひじきと高野豆腐の煮物:「敬老の日」に思う

 昨日はよい天気に恵まれました。朝から気持ちよく、家にこもっているのも何だと、ちょっと午前中出かけてきました。二つ先の町まで行ったのですが、途中あちらこちらの公民館らしき建物の前でお年寄りが雛壇で記念写真を撮ったり、紅白の垂れ幕などが目に飛び込み「敬老の日」のことを思い出しました。
 ハッピーマンデーの(第3月曜)導入後、関係団体の反対にあったため、再度9月15日と定まったことを思い出しました。ですから、その一週間前から「老人週間」とう位置づけになったのでした。変な話、ハッピーマンデーになってから、小学生の頃から頭にインプットされていた筈の各記念日の記憶が薄らいでしまった感じがします。今は、月曜日がお休みの時は、何日が何の記念日だったかと確認する始末です。
 私の両親の祖父母は皆既に他界していますが、祖母が口癖のように言っていたのが、「ひじきはこんがんとが上等かと」(ひじきはこういうのが上等なんですよ)と言いながら、太くて長目の長ひじきを戻して煮ていました。芽ひじきと言って短く細かいものよりも長ひじきの方が希少だとも言われています。

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 祖母のことを思い出したついでと言っては何ですが、今日はひじきと高野豆腐の煮物にしました。高野豆腐(こうやどうふ)が私の大好物だということは言わずもがな、冬の乾物の煮物や鍋物にはよく登場します。この地域が高野豆腐の産地であることも嬉しいことです。上等のひじきと上等の高野豆腐にうちの畑のにんじんです。
 乾物の煮物の注意点は、調味料がよく染み込むように最初によく戻し、出汁で十分下煮をしてから調味します。こうすることで上品な味付けになります。
20071219040917 一つだけ注意することは、高野豆腐とひじきとにんじんの火の通り加減が違うことです。味のしみ込み方が全く違うので、この場合は高野豆腐ですが、一番最初に煮て十分やわらかくなってから次に火を通すものを加えていきます。また、にんじんなどの生ものは、煮物の途中でいきなり生から加えると、芯の部分は硬く残ったりします。ですから少量の水から茹で始め、沸騰したら直ぐに笊に上げておき、あとは余熱で火を通します。全体に熱が通り、くつくつ煮立って柔らかくなっているのを確認してから調味料を加えます。この頃には煮汁も少なくなっていますから、加える調味料が割りと少な目なのに気づくと思います。出汁で下味が付いているので、表面からの味付けを誘うような感じで味が入って行きます。小さく切ってあるにもかかわらず、全体ではしっかりとした味を感じることができると思います。

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 昔祖母が作っていたのには高野豆腐は入っていませんでしたが、それは九州では入手できるような品物ではなったということで、昔の流通が物語っています。祖母が亡くなったころは、すでに駅のKIOSKで福砂屋のカステラも手に入る時代ではありましたが、年に一度くらいわざわざ長崎の本店(参照☛)から「これが本物たい」と、送ってくれたものです。
 美味しい高野豆腐の入ったひじきの煮物でも食べさせてあげたかったと、ちょっとしんみり思い出しました。

材料

  • 高野豆腐(4cm×6cm)・・8枚
  • 生ひじき・・70g
  • にんじん・・50g
  • 鰹出汁・・半カップ
  • 高野豆腐の戻し汁・・半カップ
  • 醤油・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • 砂糖・・小さじ1

作り方

  1. ひじきは、買ってきた袋の通りに戻す。高野豆腐も同様。高野豆腐はひたひたに熱湯を加えて蓋をして十分蒸らして冷めるころまでがいい感じです。戻し汁も煮物に使用します。
  2. にんじんは少し太めの千切りにして、水に少量の塩を加えて下茹でする。
  3. 戻した高野豆腐は短い幅の辺から短冊に切り(4cm)、分量の戻し汁と出汁を加えて蓋をして十分柔らかくなるまで蒸し煮する(約7~8分)。
  4. 続けてにんじんを加えて煮立ったら時間差でひじきを加え、全体に熱が回るまで煮る。
  5. 砂糖、酒、醤油の順に煮たっては加えて味つけし、途中味見をして加減する。
  6. 煮汁が鍋底に少なくなるまで煮詰める♪

 ここで直ぐに食べずに、せめて粗熱が取れるまで蓋をして一呼吸置くと味が馴染んで美味しくなります♪

Pa050002【お弁当のおかずとして】

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2009-04-27

大和芋の中華風げんこつ揚げ:中国海苔・剥き海老・長葱のコラボ

 雷と共に風と雨が強い一日でした。そして夕刻、遠くの北の山々には四月の下旬だというのにうっすらと雪の帽子。街路樹の西洋ミズキの花びらが寒そうに風で散ってゆくのです。四月のこの時期に来て、信じられないような光景を目にした一日でしたが、信じられないような驚きというのは本当はこんなに起こらないはずです。考えてみると、私がかつて知っていたものはどんどん移り変わってしまって、通じるものが少なくなってしまうのだと。ぼんやりしていると浮世離れしていっているのは自分の方なのだと近頃特に感じます。いっそのこと、きれいさっぱりと自分についたほこりも吹き飛ばして欲しいなあ。なんだか、自分で払えるものじゃないので結局また仕舞い込むのですが。潔く風に吹き飛ばされている花びらを見ていて、羨ましくなってしまいます。そういう気持ちになる時もあるというか。ちょっとね。

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 この間から大和芋のかき揚げにハマってしまって(げんこつ揚げ参照☛)、何か美味しく食べる具はないものかと実はこそこそと試行錯誤していました。
大和芋をすって具を混ぜて掲げるだけで、表面はカリカリ中はもっちもち。それが香ばしくて止められない美味しさなのです。この香ばしさに合う物を探していたのですが、中国産の天然の海苔がかなりイケます。日本の海苔とは違って、大振りで実が

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厚く、なんというか割って崩すというのか、小さく千切って炒め物にしたりご飯に混ぜて炒めたり、使い道は日本の海苔よりも幅が広いと思います(青梗菜と中国海苔の炒め物☛)。3cm程の厚みで直径約20cmの円形に成型してあって、かなりずっしりと重いです。中国でどのように製品にしているか知りませんが、天然のものですから海苔を採集したら傍の海岸でサッと干して丸くまとめたくらいの簡単な感じだと思います。だからか、風味は抜群で、磯の香りがふわーと来ます。味も海水そのものですから、程よい塩分です。注意しないと時々細かい砂などが混入しています。あの、中国を腐すのでもなく擁護するというのでもなく、天然のものは天然なので、いろいろな不純物も有りです。これらをシャットアウトする事は如何様にもできると思いますが、基本的に日本の製品は何でもクリーンです。その基準から見たら世界の天然製品は驚くほど雑に見えます。海外から日本が輸入する時は、相手国にかなりの注文をつけて、特別な形で日本に輸出してきますから、現地で同じものだと気づかないようなものもあります。だからか、中華街などに陳列されている中国の純正品は見た目、バッチイ感じを受ける包装だったりします。以前知り合いから聞いたことですが、シンガポールで美味しい食べ物屋さんのテーブルでは、頬杖もつけないそうなそれ程バッチイ場所。でもとびっきり美味しくてお安いのだそうです。ま、ロンドンやニューヨークのSohoの一角の食べ物屋さんなどは恐ろしいところでもあるけど、美味しいお店ほどバッチイのです。バッチイ話ばかりになってしまいましたが、あまり気にしていたら美味しい食材を逃してしまうのです。

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 で、話を外しましたが、中国海苔と海老を大和芋と一緒に揚げてみたら、最高!アンド葱の香りです。この中国海苔は、横浜の中華街でも店の中がごたごたしたような食材店で見つかります。知人が中国食材を扱う商社を営んでいまして(☛PetitChiois:プチシノワ、彼は生粋の日本人ですが、中国に関しては何でも相談できる頼もしい人です。彼に頼めば何でも揃います。そういえば、一つだけ私との約束を守っていないことがありますが、「臭豆腐」を一度食べさせて欲しいものです。これは輸入できなくなってしまったので当分の間はお預けみたいですが。
 大和芋と一緒に香ばしく揚げた海苔と海老、葱が中華料理といったかんじで、あっさりとした辛子酢醤油や逆にタイの甘くピリ辛のスイートチリソースともよく合います。料理としては簡単なので、ソースで楽しめる一品です。

材料

  • 大和芋・・300g
  • 剥き海老・・100g
  • 中国海苔・・30g
  • 長葱・・1本
  • 付け合せの野菜

作り方

  1. 大和芋をする。
  2. 海老の背腸を取り除き、1cmに切り揃える。
  3. 中国海苔は小さく千切って笊に入れ、たまり水で揺すってゴミや砂を払い、キッチンペーパーなどで水分を吸い取る。
  4. 長葱は小口に切る。
    揚げ油を180度に予熱し、1の大和芋に2、3、4を混ぜてスプーンなどで掬って一口大にして揚げる。
  5. 油を切って付け合せの野菜と一緒に盛り付けて出来上がり♪

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2009-04-10

茎若布の佃煮:春のこの時期ならでは

 すっかり春めいてきた諏訪です。一方、東京地方では初夏の陽気だと聞いて、先週息子の大学の入学式で満開だった桜のことを思っていました。
 当地の桜はといいますと、とっても開花にばらつきのある土地柄と言いますか、高原での標高差の100mというものがどれほど違うかというのを、花の開花が正直に物語っています。ジョギングで訪れる立石公園では、本当に小さな蕾で、遠目に見ると、枝全体が赤く色づいているだけですが、諏訪湖半の日当たりの良いところでは3分から5分咲きです。まあ、開花の違いを追いかけて歩くのも楽しいものです。
 それと、今年は異常なほど「ユスリカ(ウンカ)」が多く発生している感じがします。理由はよくわかりませんが、諏訪湖半の道路や壁の色が変わるほどです。私の住む場所は、湖畔から2kmほど離れた少し高台にあり、例年なら、オオユスリカはさほど飛んでこないのですが、今年はかなり多く見かけます。
 昔のことを思い出したのですが、東京から始めてこの土地に来て、ホテルに泊まった時、暑いので窓を開けて外出から戻ったら、部屋に大きな蚊の大群がいて、フロントに緊急電話したところ、逆に「窓は開けないでください。」と注意を受けたことがありましたっけ。窓の横に「解放厳禁」の大きな張り紙があったのに、逆に大き過ぎて目に入らなかった程でしたが、他所から来た人は誰でも驚くのは間違えなしです。こんなところでオオユスリカの自慢をしてもなんですが、来諏の折には、お気をつけくださいね。

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 さて、この春を待っているのが、若布です。魚屋さんに行くと、必ず「生若布」の出物が目に入ります。青々とした鮮やかな色に釣られて、つい衝動的に買いたくなります。昨日の姫筍と一緒に「若筍煮」もよかったなと、内心、後悔の念が過ぎりましたが、今日は、変わったところで、若布の茎の太い軸の部分だけを買ってきました。お惣菜などに良くある佃煮の再現をしたくて、お醤油で甘辛く煮てみようかと思います。あの独特の甘さは、あれはお砂糖甘い感じですが、毒々しいともいえるほど甘辛く、これがまた憎いほどご飯によく合いますね。あれです。あれを作ってみたくなったのです。以前、煮物を作るのにそう言えば使ったことがあったっけなと、これです
 当然、作る前からわかっていることですが、買ったものの色は、食紅の緑を入れているはずです。家で作る時は加えませんから、そこでこの料理の課題になるのは、若布の鮮やかな色を出来るだけ残すにはどうしたらよいかです。長く火にかけなければ残せるのですが、長く煮ないと佃煮になりません。今回の出来栄えも、大して素晴らしい色だとは思えませんが、これでも最小限の加熱に抑えたと思います。
 まず、出汁と調味料を合わせて鍋で煮つめます。最終的には、蜂蜜よりも少しゆるい程度の粘りに仕上げました。塩蔵の茎若布は、塩を抜く為にしばらく水に浸して塩抜きします。薄くスライスして味見をして、塩気がなくなっていたら水から上げます。次に、全て1mmの厚さにスライスします。これを最初に作っておいたタレと一緒に煮ます。中火で約10分程で煮汁が無くなってきますが、色を残すためにフーフーと、息を吹きかけながら混ぜて、全体に空気を当てます。煮汁がすっかり無くなったら出来上がりです。

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 簡単に作れますが、色は期待したほど鮮やかではありませんね。でも、味はというと、鰹出汁の風味と醤油の香りが若布の磯の香りと一緒になって、ご飯が美味しくなりました。できれば、ここに紫蘇の実の塩漬けなどがあれば、塩抜きして加えるとベストです。
 昔、私が確か高校生で、お弁当だった頃、この若布の茎の佃煮を入れて欲しくて母に頼んだら、毒々しい色だからと嫌がって買って貰えませんでした。今はその気持ちが分かるのでこうして自分で作る気になるのですが、結構、執着していますよね、私。だって、美味しいんですもの。

材料

  • 若布の茎の塩漬け(一番太い部分)・・300g
  • 鰹出汁・・大さじ3
  • 砂糖・・大さじ4
  • 淡口醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ1

作り方

  1. 茎若布をたっぷりの水に浸して、塩気を抜く。
  2. 調味料を小鍋に取り中火で煮詰めて(約10分)、蜂蜜よりもやや緩い程度の飴状のタレを作る。
  3. 1の茎若布の水気をふき取り、1mmのスライスに切ったら2のタレと一緒に中火でかき混ぜながら煮る。
  4. フーフー息を吹きかけながら空気を当てて、煮汁が無くなるまで煮詰めたら出来上がり♪

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2009-03-13

生昆布と薩摩揚げの煮物:常備菜を組み込んで栄養のバランスをとる

 この2~3日でぐっと冬の気温に戻ってしまったようです。いつもジョギングで通りがかる他所様の庭先の福寿草は、満開の花をしばらく楽しめていましたのに、霜ですっかり萎れてしまいました。これだからこの土地の天気に油断ができないのです。もうがっかりです。と思いながら、先日話をしていた畑のことが気になって、帰り道、覗き込んでみましたが、相変わらず綺麗に真っ直ぐと耕された畝(うね)が並ぶ畑の姿でした。
 突然、長男がクッキーを作るのだと張り切りだして作ったのがこのサブレ。

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Valentine Chocolateのお返しですと。本を見ながら、その通りに作っているにもかかわらず、やっていることを見ていると、「そうやってはダメよ」のような動作が多々あって、数回声を掛けたのですが、改めてレシピの書き方の勉強になりました。P3130021 例えば、バターと粉糖を練り混ぜて、最後に小麦粉を混ぜ合わせる時、単に「混ぜる」と書いただけでは不十分で、仕上がりをふっくらとしたサブレにしたいとあれば、「大きな動作で木ベラを切るように」などの細かい動作の説明と、仕上がりをイメージできるような目標を書き添えてあると、息子のような初級でもきっと作りやすいのではないかと思いました。
 息子が見ていたのは、私が20歳頃に買ったお菓子作りの本「お菓子とおやつ12か月」ですが、私がこの本で上手にできなかった理由が、息子の動作で30年ぶりに気づくという有様です。上級者向けの本だからか、あまり詳細に渡っての作り方は書いてありません。女子栄養大学:香川 綾さんの発行した本で、当時はこの方がどのような方かを知らずに買った本です。昭和50年の出版ですから、レシピにも大変懐かしさが漂います。
 さて、作り置きができて、長く保存ができるようなおかずのことを常備菜と呼びます。この常備菜を副菜として献立に上手に組み込むと、栄養のバランスを取りやすく、食卓も華やぎます。四郡点数法(香川綾さんが生み出したバランスの良い栄養摂取法)からみると、海藻類は第3群の淡色野菜に属しますので、ここで1点を摂ることができます。一々点数法にこだわるわけではありませんが、作ったお惣菜を後からでも分析しておくと、他の栄養では何を補ったら良いのかが分かってくるので、献立を決める目安になります。
 この四郡点数法を意識し始めた頃は、簡単なやり方が見つからず、一点ずつ確かめながら表とにらめっこ状態でしたが、切り干し大根の煮物昆布の煮物きんぴら蓮根煮豆浸し豆ゼンマイの煮浸し野菜のピクルス豚肉の時雨煮などを常備菜として作り置く事で、点数計算が楽になりました。あまり細かく緻密になると続かなくなるので、気楽にというアドバイスも頂き、何とかこれまでに至っています。そして、これなら長続きできるんじゃないかというコツを書いてくれているので、こちらを参考に☛栄養をきちんと取る For Dummies  by finalventの日記

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 今日は、細切りに加工済みの生の長昆布と、短冊に切った薩摩揚げを鰹出汁で下煮してから、最後に醤油や味醂で味付けした煮物です。佃煮のように甘くなく、長く煮込みません。あくまでも、分量のお出汁と調味料を煮切った程度の煮物です。副菜として、少しでも食べるといいと思って作るのですが、鰹のお出汁が効いていると味に深みが出て、ご飯ととても相性が良く、つい食べ過ぎてしまいます。お弁当用に残すのがやっとで、嬉しい悲鳴と言うべきです。

材料

  • 生の長昆布・・300g
  • 薩摩揚げ・・10cmの丸型1枚
  • 白煎り胡麻・・大さじ2
  • 鰹出汁・・カップ1
  • 醤油・・大さじ3
  • 味醂・・大さじ3
  • 酒・・大さじ3

作り方

  1. 生昆布は流水で洗い流して、ゴミなどを取り除き、食べやすいように短く切る。
  2. さつま揚げは、3cm程の長さに短冊に切る。
  3. 平鍋に鰹出汁と昆布を入れて中火にかけ、煮汁が半分くらいになるまで煮詰める。
  4. さつま揚げを加えて、火が通ったら醤油、酒を加えて、煮汁が少なくなるまで煮込む。
  5. 味醂を加えて更に煮て、好みの味に整えたら胡麻を振りかけて出来上がり♪

できるだけ煮汁を残さないように煮詰め、甘味が足りない時は、最後に酒を多めに加えて調節すると良いです。

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2008-08-24

貧乏くさくてアレな感じの:千切り豆腐とブナシメジのアレンジスープ

 涼しくて過ごしやすいのでありがたいのですけど、こんなに急に夏らしさが早く遠のいてしまうというのはどうした事でしょう。逆に気象が異常なのでしょうか。
 涼しくなったらやらなくちゃと思っていた換気扇の大掃除に取り掛かり、奮闘する事2時間。実は外側のシャッター部分に取り掛かったのですが、これを外して丸ごと掃除したのは初めてでした。内側の部分のフャンとその周辺の枠や、油を吸着させるネット状のフレームは、取り外しも簡単ですし、ちょくちょく掃除します。外側というのは、その汚れに気づいていてもどちらかというと、見て見ないふりをしていて、できれば「いつかアレは買い換える」くらいに思っていました。特にうちのキッチンは、二階部分に位置していて、簡単に取り外しできるとは思ってもいませんでしたし。この掃除の件は、夫に振って、いつかやってもらうか、買い換えて取り替えてもらうか、いずれにしても何らかの形で決着をつけてもらうつもりでした。私ではなく。そのことを話す前に、うっかり私が「取り外しは簡単ではない」というような事を漏らした為に、逆に夫の闘志に火をつけてしまう結果となってしまいました。なんだかいつもとは違って、軽い調子で手を伸ばして、取り外しの要領を説明したかと思うと、難なく外してしまったのです。しかも、今度は逆に私に「これ外したし、これから掃除するんでしょうね」と念を押されてしまいました。これって、陰謀だったのか。前振りが長くなってしまいますが、だって、真っ黒の油の塊が隅々までびっしりで、細部の掃除を想像すると、できればやりたくないし、やらずに済ませてしまいたくもなります。ね、分かるでしょう。
 ところが、このような姿になってしまった換気扇を何とか楽に掃除できる方法はないものかといろいろな洗剤や、通販の例の、面白いくらいにぺらっと剥がれるような魔法のような液体など、この歳になるまで何種類か購入して試しています。残念ながら、実に良く落ちると思ったものは無いです。宣伝が嘘を言っているという訳でもないのですが、汚れの度合いの違いかも知れませんが、マメに掃除するファンですら期待したようには落ちませんでしたね。その点、在来工法と言ってしまってもいいのかもしれませんが、石鹸由来の粉石けんで掃除するのが一番かな、です。換気扇にこびり付いた油は、料理によって舞い上がった油に酸素が結合した脂肪酸に変化しています。石鹸の成分は、簡単に言うとこの脂肪酸が原料になっているため、油と相性がよく、油を溶かしてしまいます(参照)。因みに廃油石鹸がダントツ。このことは昔何かで知って以来、ずっとこの方法でレンジ周りなども掃除してきました(参考)。ですが、この方法よりももっと素晴らしい方法があるのならと期待して、TVのコマーシャルに乗ってしまったりしたのです。ネットの知り合いの建築屋さんに、この手の雑学でも持ってはいないかと尋ねましたが、返事は「重曹かな」と。重曹も落ちますが、経験則では洗濯石鹸以下です。私の知る最強の方法は、顆粒状の洗濯石鹸をちょっと濡らした布に直につけて、汚れ部分を擦るだけです。細部は、使用済みの歯ブラシなどで擦ります。油が溶けて、粘りが出始めるまでは、これにしばらく時間を要しますが、溶け始めるとそれがどんどん連鎖して、水で洗い流せるまでになります。
 昨日の午前中は、このようないきさつで、2時間があっという間に楽しく過ぎてしまいました。でも、もっと楽をして、できれば1時間くらいの掃除作業にしたいです。ここをご覧の方で、私が試した方法よりも優れた方法をご存知でしたら是非、伝授してくださいませ。お知らせをお持ちしています。因みに私が使っている廃油石鹸を買うのは、ここです☛
 お掃除の様子を画像でお見せしたいくらいですが、これから温かい豆腐のスープのレシピを書く手前、やめておきますね。
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 話は飛びますが、寒いくらいの日には温かいスープが落ち着きます。と、言う事で、これもアレンジで、素早くできる美味しいスープです。
鶏の胸肉をビックル液に浸して、丸ごと蒸すとハムのようになるので、我が家ではめったにハムを買うという事はありません。その頻度で、副産物の「蒸し汁スープの素」も出来上がります(☛レシピ参照)。鶏を蒸した後、キッチンペパーを笊に敷いて、良く冷ましたスープをこれで綺麗に漉します。後は、少し水を足して丁度いい塩加減にするだけで美味しいスープが出来上がり、好みの具を入れるだけです。
 昨夜は、木綿の豆腐を千切って、長葱、ぶなシメジ、若布を散らしてとろみを付けました。

材料

  • 鶏の蒸し汁・・300cc
  • 水・・500cc
  • 木綿豆腐・・1丁(450g)
  • ブナシメジ・・1パック
  • 長葱・・適宜
  • 若布・・適宜
  • 水溶き片栗粉・・片栗粉大さじ2と同量の水

作り方

  1. 鍋に蒸し汁スープと水を入れて中火にかける。
  2. スープが温まるまでに、若布を戻して細かく切り、葱は小口に切る。
  3. ブナシメジは小房に切り離す。
  4. スープが煮立ったらブナジメジと豆腐を一口大に千切って加え、再度煮たってきたら片栗粉でとろみを付ける。 片栗粉を加える時は、スープを回して動いている状態で加え、お玉などで絶えず混ぜるとダマにならない。
  5. 続けて若布と葱を加え、2分間煮込んで出来上がり♪

 片栗粉を加えてから最低2分煮ると、片栗粉の分子が水を充分含んで、滑らかなとろみがつきます。(マメ知識)

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