煮物

2019-09-18

牛コマと季節のキノコのホワイトビーフストロガノフ

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 長い、暑い夏も終わり、諏訪では徐々に秋めいてきました。諏訪近隣産の松茸が店頭に並ぶようになり、夏のトマトやキューリが畑から姿を消していっているのに、食卓を賑やかにしてくれた夏野菜に名残惜しさも残ることなく、思えば、今夏は、しっかり夏野菜を取ることができたんだなと振り返っています。

 今日のビーフストロガノフは、いつもと違って、トマトベースではありません。今年は本当によくトマトを食べ、なんだかトマトには満足していますので、トマト抜きの、牛乳ベースのビーフストロガノフを作ってみました。トマトを抜くと、かなりあっさり下味になると思い、味に深みが欲しくなります。そのためにキノコを二種類を使うことにしました。キノコなら何でもよいと思います。例えば、マッシュルームやエリンギ、えのき茸、舞茸、椎茸などでしょうか。何種類使っても良いと思います。また、分量も、多すぎてはいけない理由もないので、いろいろ試してみると良いと思います。

 今回は、椎茸と舞茸ですが、とてもコクのあるベースができました。ベースをもっと濃厚にしたいと言うのであれば、好みで、牛乳に生クリームを足すのも良いと思います。

 牛コマ肉は、スーパーなどで手軽な価格で入手できますし、他の料理への使い回しもできるので、私自身が買い置く肉としては、頻度の高い方です。この料理では、牛肉に小麦粉をまぶして焼くことで、牛肉の旨味を閉じ込め、牛乳で伸ばした時に、とろみ付けの役割をします。

 作り方のポイントとしてキノコを炒める時は、油が回ってしばらくしてキノコから水分が出てから、もうひと頑張り炒め、キノコが小さく縮むまでよく炒めること。これによって味が凝縮され、ふた味くらい違った、コクのあるベースが出来上がります。また、翌日には、驚くほど香りが強くなり、旨味が濃くなった状態になります。

材料(4人分)

・牛コマ・・・300g
・玉ねぎ・・・300g
・キノコ2種類・・・200g)(今回は椎茸と舞茸)
・長ネギ(葉が青い九条ネギ)・・・2本
・白ワイン・・・60cc
・小麦粉・・・大さじ2
・牛乳・・・300cc
・炒め油・・・大さじ2
・塩・・・小さじ2
・胡椒・・・適宜

作り方

1)玉ネギは2cm幅のくし切りにし、ネギは斜めの小口切りにし、キノコは手を使って一口大に裂く。Photo_20190918033604
2)牛コマ肉は大きさを揃えて切り、分量の小麦粉をまぶす。
3)フライパンを強中火で熱して大さじ1の油で牛肉を手早く、色が変わるまで炒めて一度、取り出す。
  (フッ素加工のプライパンの場合は、予熱しないで油を載せたらすぐに火をつけ、食材を炒め始める)
4)3のフライパンで残りの油を使ってキノコを炒める。キノコから水が出た後、縮んでひと回り小さくなったら玉ねぎと長ねぎを加えて一緒に炒める。 

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5)野菜がしんなりしたら、牛肉を戻し入れてしばらく炒め、白ワインを加えて蓋をし、弱中火で10分、蒸し煮する。
6)5に牛乳を加え、さらに5分ほど蓋をして煮込んだら塩小さじ1と胡椒を加える。
7)2,3分煮込んで味を見て、足りなかったら残りの塩で加減して出来上がり♫
   

《料理のかんどころ》

・玉ネギは火の通りが均一になるよう、大きさを揃えて切るために、縦に半分に切り、中心から半分ほど、はがし取って2つに分け、 
 それぞれを2cmの幅に切る。
・キノコは手を使って裂くことで切り口面積が広くなるため、水分が出やすく、味も染み込みやすくなり、食感も優しくなる。

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2019-09-16

骨付き鶏肉と大根、半熟煮玉子のこってり煮

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 今日は、骨付き鶏のもも肉で、しっかりコクのある味付けの煮物の紹介です。

 骨付きの肉は、どんな料理をするにもコクがあって美味しい料理ができあがるものです。鶏のももなら、スーパーの肉コーナーでも見かけますが、日本だと、クリスマスの頃くらいしか需要がないのか、殆ど見かけることがありません。ですから私は、最近は、丸鶏を買ってきて、自分で解体して部位ごとにラップに包んで冷凍保存しています。輸入物だと、冷凍で500gほどの小さなサイズのものか、国産だと、一羽が1.5kg~2.5kgくらいの若鶏が入手できます。丸鶏の一番オイシイところは、解体の最後に鶏ガラが残ることでしょうか。ガラスープが出来上がると、さぞかし鶏も満足してくれているだろうと、嬉しくなります。捨てるところがなく、自宅で解体後すぐに、冷凍庫に保存するため、途中で販売のための殺菌のアルコールも発色剤も無使用で、なんだか安心するのです。(冷凍保存でも、腐敗は進むので、保存期間は要注意です。)

 鶏は、関節ごとに包丁で切り目を入れて手で切り離すことができるため、皮を切るだけでほぼ、バラバラに解体できます。こちらで八落としがわかりやすく解説されているので、ぜひ一度、お試しあれ。ちなみに、骨付き胸肉は、ささみが胸肉の脇Photo_20190916022501 に隠れたまま、画像のような焼き方で、ジューシーでコクのあるソテーができます。

 煮物の基本として覚えておくと良いことですが、食材に火が通ってからみりんや砂糖の旨味を入れてから最後に、塩気のもので味を整え、冷めながら味が入っていくということ。この基本を頭に入れて食材を料理の手順に組み込んでいくと料理が描きやすいと思います。

 今日の食材なら、大根、こんにゃくに鶏肉のコクを染み込ませたいため、鶏肉とこんにゃくを下ごしらえした後、最初に鶏肉の旨味を閉じ込めてからニンニクや大根を加えて一緒に水煮をし、大根に火を通します。火が通ったらみりんと砂糖を加え、次に醤油を加え、二段階に分けて味付けします。これがどんな食材を使っても同じで、料理全体の「出汁」に当てる主になる食材が決まったら、他の食材は、何を抱き合わせるかを決めるだけになります。

材料(4人分)

・鶏骨付きモモ肉(スネのドラム部分は使用しない)・・・2枚
・大根(真ん中の部分)・・・15cm
・こんにゃく・・・1枚
・卵Mサイズ・・・4個
・ごま油・・・大さじ2
・ニンニク・・・4片
・みりん・・・大さじ2
・砂糖・・・大さじ3
・醤油・・・大さじ2~3
・オーブンペーパー・・・30cm

作り方

1)大根の皮をむいて3cmの厚さで半月切りにする。Photo_20190916005901
2)こんにゃくはスプーンで一口大にそぎ取り、下茹でが必要ならお湯でさっと茹でる。
3)骨付きもも肉を左右に開き、骨がついた部分以外を一口大に切る。
4)深目の広口鍋を強火で予熱し、ごま油を回し入れて鶏肉の皮目を下に並べ、両面を手早く焼く。
5)鶏肉の隙間にこんにゃくを入れて、全体を手早く炒めて火を止め、余分な油をキッチンペーパー等で吸い取る。
6)大根とニンニクを加えて全体がひたひたにかぶる程度の水(約カップ3杯)を加えて強火にかける。
7)アクや余分な油を掬ってから中火にし、オーブンペーパーの中央を十文字に3cmほどの切り込みを入れて落し蓋にし、大根に火が通るまで、約15分煮る。
8)鍋に卵4個がすっぽり被る量の水を沸かし、たぎったら「冷蔵庫から出した卵」を一気に入れて7分、中火で茹で、取出したらすぐに水で冷ます。
9)7に、みりんと砂糖を加え、さらに5分ほど煮込み、次に醤油大さじ2だけ加えて煮汁が三分の一ほど残るまで煮込む。ここで味見をする。
10)足りないようなら残りの醤油で調節し、殻をむいたゆで卵を加え、煮汁が鍋底に少し残る程度まで煮込んで出来上がり♫

 

《料理のかんどころ》

水煮は強火で一気にアクを出し切ると、最後までアク取りをせずに料理しやすい。
この料理方法で、大根とブリのあら煮も応用できる。
大根の下茹でが不要。
半熟ゆで卵にする方法で、Mサイズ以外の場合や、室温の卵を茹でる場合は、このレシピの茹で時間を参考に加減すると良い。

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2015-08-06

Stuffed Calamari(イカの詰め込みトマト煮)

 お暑うございます。そして、久しぶり。
 娘の次女の心臓には先天的に欠陥があり、一歳を過ぎたら手術をするというのでこの4月、一歳には少し届いていなかったが手術をした。手術は無事に終わったが、静養するために年子の上の子を連れて娘達親子との同居が始まった。昨年の夏にオーブンしたパン屋も順調に暇があり、これが幸いして、家事と育児補助の毎日が続いている。今日は、その娘家族が定期チェックで手術を受けた病院に行っているため、つかの間の休養というところだろうか。しかし、暑い。
 暑い夏でも料理は適当にこなさないとならない。畑のトマトは最盛期を迎えているし、知り合いからも毎日のように沢山野菜をいただく。結果、キッチンの隅は山のようなトマトの笊がいつもおいてある。こんなにトマトが収穫できるとは予想だにしなかったため、ベランダにはミニトマトが孫達のいつでも摘めるおやつ代わりに植えられ、これまた鈴生りになって待っている。
 ということで、詰め物をしたイカのミニトマト煮を作ってみた。イカを輪切りにしてトマトソースをパスタにかけてみたら、これが絶品だった。残った詰め物は、翌日、スライスしたパンに乗せ、モッツアレラチーズを散らしてトーストしたら、これもまた絶品だった。考えてみると分量はかなり大雑把だったけど、残ったものは別の料理に生まれ変わるため、多めに作ったら良いし、このソースが美味しいので、パスタやピザにも生まれ変わる。思いつきにしてはなかなかいいなぁと思うのでここで簡単に紹介しておきたい。

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 中の詰め物は、家の冷凍庫に残っていたBBQ用に串刺ししたイカ下足や飯蛸、つぶ貝(全て下茹で済)を刻んで使ったが、シーフードミックスという便利な冷凍品もあるので、代用できると思う。貝類も、私はつぶ貝を使ったが、浅蜊などの冷凍むき身もあるじゃないか!ね、そういうことでいろいろ応用できると思う。
 ミニトマトを使ったけど、これは、そもそも味が凝縮されていて美味しいのです。当然、完熟!煮込むと酸味の角がなく、イカのスープの邪魔をしないと思った。もちろん普通のトマトでも良いし、缶詰のでも良いと思う。

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 イカは肉厚で、そこそこ大きいヤリイカがいいと思う。
 ハーブはなくてもいいけど、丁度、庭で育てているので、バジルを枝ごと2、3本放り込んで香りを出した。乾燥バジルはこの際、やめた方がいい気がする。アレて、甘い香りが抜けて枯れ葉の香りに感じてどうしようもない。私は。の話だけど。
 ということで、材料はイカ2杯分なのだが、かなりアバウト。味の決め手は詰め物とイカ、トマトの自然の組み合わせ。味付けは、塩と胡椒。どこかでチーズ風のコクを感じさせるのが腕の見せ所で、パルメザンチーズが一役買っている。

材料(大人3~4人分)

  • ヤリイカ・・2杯
  • ミニトマト・・1kg
  • バジル・・2~3本
  • 白ワイン・・半カップ
  • 水・・半カップ
  • シーフードミックス(イカ下足・蛸・つぶ貝)・・300g
  • パルメザンチーズ・・半カップ
  • パン粉・・半カップ
  • にんにく・・2片
  • 鷹の爪・・1個
  • オリーブオイル・・半カップ
  • 塩・胡椒・・適宜
  • 竹串か楊枝・・2本

作り方

  1. ミニトマトのヘタを取り、さっと熱湯にくぐらせ、皮を剥く(湯剥き)。
  2. イカの下茹で用に、鍋で水を沸かす。
  3. イカの胴体から足を引きぬき、目玉やくちばし、吸盤などを掃除し、イカの軟骨を抜いておく。
  4. 2のお湯が沸騰する前(70度くらい)に、3のイカと下足の色が少し変わる程度に下茹でして(爆発防止)笊に取る。
  5. シーフードミックスを荒いみじん切りにし、にんにくは包丁の背で潰す。
  6. 鍋に分量のオリーブオイルから大さじ2ほど取って中火にかけ、シーフードミックスとにんにく一個をよく炒める。
  7. 6の具材から水分が十分出たら1のミニトマトを3~4個手で潰して加え、続けてパルメザンチーズとパン粉を加えてしっとりまとまるまで炒めて火から下ろす。
  8. 4のイカに7を詰め込み、最後に下足の付け根部分を胴体に差し込んで楊枝で止める。
  9. 鍋で残りのオリーブオイルと残りのにんにく、鷹の爪を炒め、8のイカの両面を色よくソテーし、白ワインと水を加えて蓋をし、しばらく蒸し焼く。
  10. 続けて残りのミニトマトtバジルの枝葉を全て加えたら30分ほど蓋をして弱火で煮こむ。
  11. 最後に塩と胡椒で味を整えて出来上がり♪

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2012-10-18

水島弘史流 里芋と鶏肉の煮物「強火をやめると、誰でも料理がうまくなる」

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 今週の頭に岐阜の友人が、自作の里芋を手土産にやって来た。上手く育ったと言ってニコニコであった。いやその気持はとても良く分かる。ここでちょっと里芋の話をすると、家庭菜園の経験上、里芋を育てるのはとても難しいのである。里芋は、「肥料食い」と言われるほど、たんまり肥料を与えないと上手く育たないことで有名。また、水も、切らすと赤い斑点がついてしまい、アル中酒さ(*1)のような赤ら顔になってしまう。親芋に小芋が付いたところで、その小芋を大きく育てるのに一苦労する。そろそろいいかと思って掘っても、肥料不足で小芋ができていない失敗が続いた私は、遠の昔にギブアップした次第。だから、友人がドヤ顔で里芋を見せたい気持はよく分かる。その大切な里芋を如何にして料理するか、それが問題でもあった。

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    (中央の大きなのが手のひらサイズ!

 とにかく、里芋の美味しさを一番味わえる料理だ。人それぞれあると思うが、私は、皮のまま蒸してごま塩か甘味噌派(レシピ☞)。友人は、烏賊と大根を一緒に煮たのが一番だと言う。まあ、でも鶏肉の出汁で煮含めるのもいいか。あれこれ迷った挙句、水島氏のセオリーにそって煮てみた。早速その画像をiPhoneで撮り、里芋の作者である友人にメールで送って説明したところ、水島流料理法を知らないと言われた。あり?私はそこで初めて気づいたのだったが、うっかりしていたのか気が抜けてしまっていたのか、料理研究家でありシェフでもある水島弘史氏の調理法によるレシピを何一つここに書かずにいた。Twitterでつぶやいたのを書いたのと勘違いしていたらしい。早速、彼女からレシピをアップしろと催促されて書き始めた次第である。下手をすると里芋の自慢話で終わるところだった。

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美味しさの常識を疑え!

強火をやめると、誰でも料理がうまくなる
水島弘史

 水島氏の料理法とは、これまでの料理の常識を覆すと言ってもいいと思う。私の料理法も似ていると言えば似ているが、弱火でゆっくり作ると美味しくできるよという程度のぼんやりしたものだった。水島氏の著書「強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!(参照)」を読んでからはその根拠がはっきりし、自信を持って作れるようになった。
 本書を読めばわかるが、単に「弱火」料理の推奨者ではない。肉のタンパク質が何度で変化するのかを加味して、できるだけ加熱温度との差をなくすよう、科学的な根拠をもった料理法である。本書を読まれて最初に驚くのは、鍋やフライパンで野菜や肉に油を回してから火にかける方法かもしれないし、冷たい油から揚げ物をするとかだったりかもしれない。一般的な料理法は、彼の料理法に全て否定されてしまうから面白い。暫くの間は、本書を見ながら料理することになるかもしれない。が、とても勉強になる。そして、肉や野菜、魚がとても柔らかくて美味しく出来上がる。料理がマンネリ化している中年以上の人には新たな挑戦として楽しめ、これから料理を学ぼうとする人にはうってつけとなると思う。それでもまだ疑わしい方は、こちらの書評をチェックしてみては(参照)?本書を買った時、もう少し料理の実例があるといいと思っていたら、先月、「水島シェフのロジカルクッキング 1ヶ月でプロ級の腕になる31の成功法則(参照)」が出版された。

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水島シェフのロジカルクッキング
水島弘史

料理例もさることながら、説明が詳しくなっている点で、ちょっとした疑問などが自分で解決できるようになった。こちらも合わせて読まれるといいと思う。何種類か試している内にコツが分かってくるので、どんどん応用が効くようになり、知らぬ間に、料理時間よりも美味しさ追求へと関心も移ってしまった。実は、長年書き続けてきたここのレシピも全部書き直したいくらいの衝動にかられたが、さすがに3000ページはご勘弁な話。
 さて、里芋と鶏肉の煮物の作り方に話を移すことにしよう。
 大きな流れは、材料を一口大に切り、鶏肉と野菜を別々にそれぞれ油を回してから中弱火にかけて加熱を始める。だいたい10分位だろうか、途中、一・二回ひっくり返す程度で、あまり材料をいじらないことがコツ。炒め合わせると言うよりは、じっとしばらく置いて焼くという感じ。鶏肉も野菜も、そのままでも食べられるくらいに火が通ったら、ここで両方を一緒にして調味料と出汁を加えて10分ほど煮こむだけ。これで完成。ただし、里芋だけはちょっと別の方法で下ごしらえする。これは水島流ではなく、我流。この方法だと簡単に皮を剥くことができるだけでなく、味の染みこみが良くない里芋にも八分通り味が入るのでお試しあれ。以下にその説明を続けて書くことにする。
 里芋をよく洗って泥を落とし、耐熱の皿などに置いてラップをふんわり被せ、加熱(強)で5分加熱する。そのまま庫内で余熱による加熱を10分してから取り出して皮を剥く。包丁で皮を引っ掛けるだけですっと、面白いように剥けてしまう。次に一口大に切る。断面を見ればわかるが、表面から1cmくらいのところまで火が通って身が透き通っている。その内側はまだ生っぽいが、やや火が通り始めているのが分かる。ここでしっかり火が通った部分に、後の味付け段階の味が染みこむ。出来上がったら見て確認してみるとわかる。
 この半生状態の里芋と、すでに火が通った野菜と肉を鍋で一緒にし、鰹出汁と調味料を加えて中弱火で煮込むと出来上がり。出来上がってからそのまま10分ほど置くと、味が染みこんで美味しくなる。だが、煮物の最も美味しいのは、一度冷めてしまったものを温めなおしてからなので、出来れば翌日と言いたいところだが、そうも言ってはいられない。最低15分程置いてからがいいと思う。または、晩御飯の準備で一番最初に作り上げておくとちょうどいい塩梅になるかもしれない。

材料(4~5人分)

  • 鶏もも肉・・1枚(約350g)
  • 里芋・・500g
  • ニンジン・・1本(約200g)
  • こんにゃく・・1丁
  • 絹さやえんどう・・50g
  • 炒め油・・大さじ1
  • 鰹出汁・・300cc
  • 酒・・大さじ3
  • 砂糖・・大さじ1

作り方

  1. 里芋を洗って泥を落とし、水気を拭きとってから耐熱皿に並べてラップをふんわり被せ、5分加熱後、余熱で10分、庫内にそのまま置いてから皮を剥いて一口大に切る。
  2. こんにゃくを熱湯でグラグラするまで茹でて水気を切り、スプーンなどで一口大にそぎ取る。
  3. ニンジンは一口大に卵切りする。
  4. 絹さやえんどうは筋を引いてヘタをむしっておく。
  5. 鶏肉の余分な油を取り除き、筋部分に包丁目を入れてから一口大に切りそろえる。
  6. フライパンに分量の油から小さじ1ほどの油を回して鶏肉を敷き詰め、小さじ1の油を垂らして鶏肉に油を回して中弱火で焼き始める。(水が出てきたらキッチンペーパーをそばに置いて吸い取る。)
  7. 同時に煮物用の鍋に残りの油とニンジン、2のこんにゃくを加えて油を回し、中弱火でゆっくり火を通す。
  8. 1の里芋と6の鶏肉を7の鍋に移して鰹出汁と調味料全てを加え、蓋をして中弱火で煮る。途中、一・二回鍋を煽って上下を入れ替えるように空気に当てる♪

 水島先生の料理中のお姿はないものかとYoutubeを探したが、あまり数はなく、愉快な先生ということで、こちらはどうだろうか。


*1) 「酒さ」とは➡http://www.facedoctor.jp/hpgen/HPB/entries/32.html

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2012-01-14

鰊(ニシン)の昆布巻き:天然素材を前に脳ミソフル回転だ

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 今年の正月用に、昨年の暮れに鰊の昆布巻きを久しぶりに作った。他のお煮しめと一緒に実家に持ち込んで親類にも食べてもらったところ大変好評だった。おそらく、市販の昆布巻きとは見た目が違う点もあってか、手が伸びたのかもしれない。私自身は出来上がった時のお味見だけで、もっぱら人に食べてもらって終わっていた。それも手伝ったかと思うが、妙にこれが恋しくなり、また同じように作ってみた。今回は、レシピを書けるように調味料も計量しておいたのでそのまま記録しておこうと思う。
 昆布巻きの材料は全て天然素材使用なので、味付けの微妙な加減はその都度必要かと思う。が、そう難しいものでもない。簡単に言うと、素材の味を生かした旨味のある出来上がりにするには、味付けを濃くしない事だと思う。出来上がってから冷めながら味がグッと染み込むため、煮ている最中の味付けは少々薄い方が安心できる。また、最後の最後に醤油で味付けする方法で作っているため、出来上がる寸前に味を濃くすることも出来る。くれぐれも注意することは、最初に醤油を入れすぎないことだと思う。美味しく出来上がった喜びを味わって欲しいと願うばかり、最初から小言みたいになってしまったが、前の晩からニシンを戻して、翌日時間をかけてゆっくり煮ている時間がどれだけ楽しめるか、昆布巻きの味わいはここからもう始まっている。
 早速、材料の揃え方から書いておくことにしよう。まず、昆布巻きのメインである昆布のことから。
 私は北海道産の利尻か礼文島産の昆布を使用している。昆布は何と言っても北海道だと思い込み、産地が旨味の勝負だと思っていたら、北海道の産地のお婆さん曰く「どこでも昆布は昆布。同じ。」だそうだ。違いを感じるのは、昆布の部位による特徴のようだ。
 昆布というのは長い紐状の海藻で、部位によって厚みや幅もまちまちだ。乾燥して縮まった状態で袋に入っているので、袋の表示を頼りに買うしかない。「煮昆布」という表示の昆布は、その名の通り煮物に適しているようだが「早煮昆布」という表示のものもある。この表示の昆布は、比較的幅が狭く、身が薄い。昆布の先端に近い部分だそうだ。この表示の昆布を使って昆布巻きを作る場合は、煮崩れを加味して煮る時間を短くすると良いと思う。また、「出汁昆布」という表示で、肉厚で板状だとはっきり見て取れる昆布は今回使用の昆布で、食感がしっかり残るタイプだ。戻した時の幅は15~20cmほど、長さは25~30cmに切り揃えてある物を購入する。
 そういえば蛇足だが、半日干しで柔らかく、長さは1m、幅5~7cmほどの、白い粉を吹いた昆布を見かけたら、迷わず、これにすること!まず、売っていないのであまり参考にならないが、この昆布の白い粉は甘み成分のため、洗ったり拭き取ったりしないでそのまま使用すると良い。拭き取ってもしばらくするとまた白い粉が出始めるが、すぐに料理する場合は、汚れなど気にせず、そのまま。その場合、昆布の戻し水がないため、水を代用すると良い。 

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 次、身欠きにしんのこと。最近は樺太方面で取れたものや、アメリカ産などと色々ある。昔ながらのカラカラに乾燥させたものから、半生干しの「ソフトニシン」と呼ばれるものまである。比較するのにちょうど良い画像があったので借りてきたが、右側にあるような半生のニシンを今回は使用している。戻すのに一晩で良いし、パサパサした食感が残らないからだ。
 身欠きにしんの戻し方は、糠を溶いた水か米のとぎ汁で戻すが、これは、ニシンの臭みの元となる余分な脂を米糠に吸着させる働きを利用する。余談だが、この方法で戻したニシンを甘辛く煮て蕎麦にのせていただくのが「鰊蕎麦」。私の大好物。

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 次、干瓢(かんぴょう)のこと。今回使用した干瓢は手作りだが、市販の漂白した干瓢で充分。干瓢まで手作りするんですか?と、Twitterでは驚かれたが、保存食文化が残る諏訪ではいまだに手作りする人がいる。夏に収穫した夕顔がその正体。因みに、作り方はこちらで書いた☞
 市販品との違いは、戻し時間が早くとても柔らかい。味は、干瓢にも甘味があるということがはっきりわかる。自家製は、漂白などの工程がないため、剥いたらそのまま干して水分を抜くため、干瓢の甘みが凝縮されている。昆布巻きが解けないように結びに使用するため、水で軽く洗って柔らかくなったらそれで準備オッケー。
 昆布巻きで一番頭を悩ますのは、昆布の幅とニシンの長さの関係だと思う。つまりカッコよく作る努力だ。昆布は、使用前に水で10分ほど戻して巻きやすくするが、煮込んでいる内に次第に煮汁を吸って身が厚くなり、幅も広がる。つまり太ってくる。鍋物で、最後まで残った昆布を見たことがあるだろうか?あれだ。その太り分を予測してニシンの長さを決める点と、干瓢は緩めに巻き、結び目は解けないようにきつく結ぶ点だ。準備段階でニシンを昆布の幅に切り揃えてしまうと、出来上がるころにはニシンが昆布の中の方に入ってしまう。かと言って、昆布の幅よりは長いニシンを切って捨てるのは忍びないではないか。ここで、捨てずに全て使い切るには?と、頭がフル回転する。と思う。

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 私の方法は、ニシンを半分の長さに切って切り口を昆布の両端に少し飛び出させて置き、中央部分では頭部と尻尾の部分が互い違いに重なるようにしている。これだと、昆布巻きの太さもほぼ一定になる。作る数が少ない時は、あらかじめ切り揃えた昆布を広げてニシンを乗せ、数合わせをすると良い。戻したニシンは腹側と背側の切り替え部分で切り離して使うため、一枚の身欠きにしん(三枚おろし)で二本の昆布巻きを作ることになる。昆布は、乾燥状態で25~30cmの物であれば、長さを半分にして昆布巻き一個が12~15cmの長さの昆布で巻くことになる。

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 こんな風にまとめてみたがどうだろうか。実際、作った分量も書いておくことにしよう。

材料(昆布巻き15cmの長さで10個分)

  • 利尻出汁昆布・・長さ30cm×幅15cmを10枚
  • 身欠きにしん(ソフト)・・5枚
  • 干瓢・・4m(一袋)
  • 竹の皮・・2枚(なければ経木、それもなければオーブンペーパーに少し穴をあける)

調味料

  • 酢・・大さじ 2       
  • 砂糖(きび砂糖や素精糖などの少し癖のある砂糖)・・大さじ4       
  • 濃口醤油・・大さじ3~4(はじめは3だけで味見する)       
  • 日本酒        ・・大さじ4
  • 水・・カップ5(昆布一枚につき1カップ)

作り方

・下ごしらえ

  1. 身欠きにしんを米の研ぎ汁か糠を水に溶いて一晩かけて柔らかく戻す。 しっかり乾燥したニシンの場合は、身がふっくらするまで、冬なら2日間くらい、研ぎ汁を替える。
  2. 柔らかくなったニシンのうろこや鰭・汚れを落とし背側と腹側に切り分け、さらに長さも二等分する。
  3. 昆布は布巾で両面を拭いて汚れを落とし、水5カップを入れたボールで10分ほど戻して柔らかくする。戻し水は捨てない!
  4. しなやかになった昆布は二等分して長さを半分にする。(10枚できる)。
  5. かんぴょうは水をくぐらせて揉んでしなやかにしておく。

・昆布巻きの作り方

  1. 昆布を縦に置き、ニシンの断面を昆布の両端に少し飛び出させて端から緩めに巻き、干瓢を二重巻きして結ぶ。 結び目は固く、巻き方は緩めに巻くこと。固く巻くと昆布も干瓢も膨らむので解ける原因になる。 

・昆布巻きの煮方

  1. 平鍋に縦に切り目を入れた竹の皮を敷き、その上に昆布巻を並べる。
  2. 昆布を戻した水を、昆布巻がすっかり隠れるくらい入れて強火にかける。
  3. 沸騰したらアクや泡を取り除いて酢大さじ2を加え、落としぶた(代わりにリードクッキングペーパーはとても良い)をして中火で約1時間煮る。 煮汁が減ってきたら、残った戻した水を加える。
  4. 昆布巻に串を刺してスッと通ることを確認して日本酒と砂糖を加え、落し蓋をして30分煮る。
  5. 昆布巻が艶良く、かんぴょうも透き通ったら醤油を加えて弱火で煮込む この間、時々煮汁をスプーンですくって昆布巻にかける。
  6. 煮汁が鍋底にやっと残っている程度まで煮込んだら出来上がり。 この時の煮汁の味は、冷めた時、昆布巻きの味そのものになる。そのまま落とし蓋をして冷ます。

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2011-12-01

ひじきと大豆の六目煮・煮る順番を設計してみる

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 画像の六目煮。これがとにかく旨い。ご飯茶碗に一杯、これをよく噛んで食べただけの朝ごはんだったにも関わらず、大豆のお蔭か、今朝は腹持ちもよかった。しかし、待てよ。「六目煮」なんて作り方も言い方もあるだろうか。ないない。日本では割りきれる偶数は縁起が悪いとされているし、「4」という数字も「死」を意味するとかで敬遠されている。が、しかし、今回の煮物は六品目なので、偶発的にそう名付けさせてもらうことにしたった。悪しからzzz。
 さて、カラフルな彩のこの六目煮、見た目は、昔から日本にある副菜だ。作り置きの惣菜のチャンピオン的地位にあるのではないだろうか。ある人はこんなことからこの煮物を作ってみたいと表現されている。

「実は、幼い頃に火鉢に大豆が茹でてあって、大豆だけを腕にすくいあげ、汁なしにして、熱いうちに刻んだネギをまぜて醤油だけで食べていたのを思い出しおりまして御座います、人間の業の記憶とは!うまく行く事は望み薄で在りますが、やってみます。」

 私にとってこの煮物は、学校給食の献立と言う刷り込みが強く、残念なことに母の味からではない。母は忙しい人で、食材の下ごしらえで時間差のあるような料理はしなかった。この場合で言うと大豆がそのネックというか主だろうか。
 大豆を前日に水で戻して翌日、下煮をするという手間がこの料理の設計上、どこかでクリアーしないとならない。六目煮を作ることは難しいとは思えないが、難しくさせているのは、いざ作ろうというときに手順が描けないことではないかと思う。これは長年の料理作りで培われるものであるとは思うが、食材に対する柔軟な取り組み姿勢でもあるような気がする。だって、大豆は新物と古い豆では戻す時間も戻り方も違うし、ひじきは乾燥物もあれば生だってある。高野豆腐も、ものによっては戻す時間や戻し方が違う。いつも全てが同じではない。実際やりながらその様子を見て、戻し時間を延長したり短くしたりする匙加減が必要になる。この匙加減をせずにレシピの通りに作ると失敗することもあるジャマイカッ。「作り方」と書いてしまう事に罪深さを感じさせられるが、今日のレシピは、作り方云々よりも、こんなに美味しい煮豆があるんだぜ、てのを紹介したいと思っている。

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 さて、この日記には既に二種類のひじきの煮物があって、ご存知の方もいると思う。因みにこちら☞その1☞その2。だが、肝心要の大豆が入っていないでしょ。大豆が入っていないと噛んで味わうという、あの味がしてこない。なので、品数を多くした六目煮の登場に相成ったというわけ。
  因みに食品群の揃え方だか、「大豆、ひじき、人参、こんにゃく、じゃこ天、高野豆腐」の六目を選んでみた。栄養価はどうか緻密に考えると理科の実験みたいになってしまうが、それでも一度は拾っておくべきと考え、以下のように調べた。
 畑の肉と言われるタンパク質の多い大豆、ひじきからビタミンAや繊維質、人参から β-カロチン ビタミンA 食物繊維 カリウムなど、こんにゃくから食物繊維グルコマンナン、じゃこ天(魚の練り物など)タンパク質やカルシウム、高野豆腐からは豆腐同様にイソフラボンやビタミンE・カルシウム・マグネシウムなどが豊富。高野豆腐は以下のサイトの商品を実際使用しているが、見事な栄養でびっくらこいた。(参照☞
 次に、食材の下ごしらえの段取りがあるので順に書いてみようと思う。

大豆の戻し方

  1. 今年収穫したばかりの新豆は半日ほど三倍の水に浸して戻し、豆に皺がなくなるまでぷっくら水を含ませる。
  2. 古い豆の場合は、前日の夕方から翌日の夕方まで位を目途に24時間ほどかけてゆっくり戻す。
  3. スロークッカーの場合は、豆の3倍の水を加えて「弱」で6~8時間で乾燥状態の豆から一気に下ゆで状態まで下ごしらえする。
  4. 魔法瓶に乾燥豆と三倍の熱湯を注いで12時間ほど放置して半下茹でにする。
  5. 炊飯器の「保温」で乾燥豆と三倍の熱湯を注いで半日ほど放置し、様子を見ながら半下茹でにする。

※ 大豆は下茹ですると薄皮がとれてしまうものもあるが、大抵は残っている。繊維質として食べたいのでそのまま残すが、味の染み込み方が若干悪くなる。その反面、大豆らしい味わいも残る。

大豆の煮方

  1. 戻した生の大豆と戻し汁をそのまま鍋に移して中火で加熱。沸騰して灰汁(白い泡)が吹いてきたら掬って火を弱め、豆が湧かに踊る程度の火加減で約30分茹でる。または、10分ほど煮て、蓋をしてタオルなどで包んで余熱煮する。
  2. 大豆の堅さは味見をして決める。歯ごたえを残す場合は、10分ほど煮てそのまま火を止める。
  3. 上記の「戻し方」で半茹でにした場合は固めで戻るため、大豆と戻し汁を鍋に移して好みの堅さに煮る。


乾燥ひじきの戻し方

たっぷりの水で30分ほど戻し、笊にあげて水けをきる。

高野豆腐の戻し方

たっぷりの水で、20~30分戻す。

こんにゃくの下ごしらえ
Hint&Skilのこちらを参照してほしい☞
三つ方法があるが、ここでは1の下茹で後、2の乾煎りを採用している。理由は、こんにゃくの臭いを嗅いでみたらちょっと臭いがきつかったため下茹でし、こんにゃくに味が染み込みやすくなるように乾煎りして水分を抜くためだ。これでぷりぷりの触感と、小さなさいころに切ったこんにゃくの存在の生意気さが窺えるだろう。


昆布鰹出汁の取り方
(水4リットル作って余ったものは冷蔵庫保存)

  • 昆布・・15cm
  • 花かつお・・二掴み
  • 水・・4リットル

水に昆布を入れて一昼夜置き、沸騰させないように10分煮出すか、時間がない時は、水から沸騰させないように昆布に軽く泡がつている状態で30分煮出す。そのままの状態に花かつおを二掴み加えて10ほどに出して火を止め、そのまま冷ましてさらに出汁を取る。

 さて、これらのしたごしらえを進め、そろそろすべてが準備おっけになる頃合いを見て、人参やじゃこ天などをさいころに切る。レシピはここから書き始めることにしようと思う。

材料

  • 乾燥大豆・・カップ2
  • 乾燥ひじき・・カップ1
  • 人参・・150g
  • こんにゃく・・1/2丁
  • じゃこ天・・1枚
  • 高野豆腐・・2個
  • 出汁・・約500cc
  • 酒・・大さじ3
  • 味醂・・大さじ3
  • 醤油・・半カップ

今回は愛媛のこちらの甘口醤油を使用したため、味醂は使用していません。コクと香りのよりこのお醤油はお勧めです。


作り方

  1. 大き目の鍋で水けをきったひじきを乾煎りする。鍋に張り付かないよう時々鍋を煽る。ひじきが崩れてしまうため、ヘラなどで混ぜない。
  2. 鍋からプチプチ音がしてきたらさいころに切った人参とこんにゃくを加えて同様にしばらく乾煎りする。
  3. 戻した大豆と高野豆腐を加えてひたひたになるくらいに鰹昆布出汁を加え、蓋をして弱火で煮る。大きく沸騰させないように火加減しながら大豆が好みの堅さになるまで煮る。(煮汁はこの時、半分ほどになる。)
  4. ここで酒と味醂を加えて2~3分煮る。
  5. 続けて醤油を加え、じゃこ天を加えて10分ほど弱火で煮る。ここで煮汁は鍋底に残る程度になる。

 煮物は冷めながら火が通って行くため、長く煮込んで煮詰めて辛くしてしまわないよう、出来上がりはやや薄味に仕上げるとよい。

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2011-08-15

塩尻へ行ってきた話-レンズ豆のサラダ

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 長野県の塩尻市は、県内では有数の葡萄の産地として有名なところ。そして、食べ物なら蕎麦の産地として名前が挙がる。それを言い出すと、ここで書くよりももっと詳しい観光案内があると思うので、今日は、個人的に好きなところについて書きたいと思う。
 塩尻に目当ての店があり、昨日、そこまで買い物がてら出かけたついでに足を伸ばして、奈良井宿まで行き、蕎麦を食べてきた。目当ての店については後で書くことにするとして、まず、諏訪から塩尻市内へ行くルートが好きな場所の一つとして挙げておきたい。
 諏訪から塩尻に行くルートは、二通りある。一番使わないのが、中央高速の諏訪ICから乗って塩尻で降りるルート。出口から国道19号へまっすぐ下る直線の道からの景色は素晴らしい。が、このルートは、塩嶺峠をトンネルで抜けてしまうので景観がない。その上、諏訪ICまで家から15分車で走るくらいなら、岡谷市へ向けて国道20号(中仙道)を走り、塩嶺峠を超えて塩尻に行っても時間的には変わらない。この辺の人達は、この塩嶺峠を越えて塩尻に行く人が多いと思う。

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 さて、ここで諏訪湖を見下ろしながら塩嶺下ろしの風に当たって涼むのに絶好のラーメン屋さんがある。「一番ラーメン」といって、50年近く同じ場所で創業されてきた(参照)。今頃のラーメンとはチト違う。家から車で30分はかかるが、わざわざ食べに行く店の筆頭に挙がる。メニューは少ないので迷うほどでもないが、でも迷う。私は、峠の一番ラーメンか、にんにく一番だが好き。どちらにするか迷うのである。お恥ずかしいが、どっちも食べたいが、二杯は食べられないというだけの話。注文したら夏は店の裏に陣取り、体のほてりが落ち着く頃したラーメンが出来上がる。涼しい風に当たりながら啜るラーメンは最高。

 腹ごしらえをしたらいよいよ塩嶺峠が下りになる。名前も塩尻峠となる。ルートラボをスタートさせると標高が表示され、道のりがくっきりしてくる。長い長い坂道でうっかりスピードも出てしまうが、諏訪から塩尻方面で警察のネズミ捕りはいない。止められる場所がないからだと勝手に思っているが、逆方向は、休日はほぼやっているので要注意。登り坂なのにスピードが出しやすい道なので困りもの。
 さて、塩尻峠を下ったところで大きな交差点がある。直進は奈良井宿、木曾方面へ国道19号へと切り替わり、右折は、この国道19号が松本市へと続く。左折は三州街道で、伊那方面へ向かう。
 目当ての店と言うのは、この交差点を左折して30mの右側にあるブラジル食材店だ。大きなうどん屋さんの隣だ。昨日は、乾燥の豆類や肉、調味料、オリーブの酢漬けなどを購入した。レンズ豆は緑色、オレンジ色、茶色、丸いタイプなど、殆どの種類が手に入る。レンズ豆は栄養価も高いが、なにせ料理しやすく、豆に味があるので病み付きになる。洗って水から茹でて15分もすると柔らかくなるので、水で戻したり、圧力鍋などを使う必要がない。昨日は、緑色の皮なしを使って、野菜と炒め合わせ、豆サラダにした。後でレシピを簡単に書くことにする。
 この店で買い物をしたら奈良井宿へ向かう道に舵を取り、井筒ワイナリーでワインをゲットする。

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 塩尻警察署の一つ先の信号を右折すると、そこはもう葡萄畑。一面の葡萄の葉の間をくぐるように100mほど行った先にワイナリーがある(参照)。車の運転者以外は試飲して喉を潤すと酔いよ。
 さて、ここを後に奈良井宿へ方向へ戻って直進する。15分程走りながら気をつけて見てると、「岩魚」の文字が目に入る。蕎麦屋さんだが、岩魚を店の横の生簀で飼っている。岩魚は溜まり水には住まない為、ここの池は流れがある。岩魚の養殖とは違うので、飼い方として勉強になる。ついでというのも変だが、この店の蕎麦も美味しい。茶色の田舎蕎麦といわれていいるタイプだ。蕎麦の殻も入っているためそういう色をしているが、家で挽いた粉とあって、新鮮な蕎麦の香りが楽しめる。さっきラーメンを食べたばかりだが、蕎麦ならまだ行ける、とね。因みに、岩魚の話と塩焼きのことはこちらに☞

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 この店から約5分で奈良井宿に到着する。昔ながらのたたずまいから、優しい空気が伝わってくる。夏もいいが、冬の奈良井宿も枯れた風情があって好きだ。
 漆工芸の街でもあり、この先の木曾福島や上松町で作られた檜製のわっぱや器に漆をかけたりしている。目が飛び出るほどのお値段でもなく、東京のデパートで買う半額くらいだろうかと思う。小物を自分用のお土産に買って、かなり幸せな気持ちに満ち満ちる。そして、この気分になったところで帰路に着く。
 実は、奈良井宿から中山道を20分走ると、木曽福島の漆器の町に行かれるが、家から半日コースだと、ここから引き返すのが時間的に都合がいい。で、木曽福島へは別ルートの権兵衛峠越えがあり、そちらへは伊那IC から抜ける道がある。このルートも素敵で、また別の機会に紹介したい。

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 さて、先ほどのレンズ豆のサラダのレシピを添えておこうかと思う。これは、超が三つほどつく簡単な料理。 難易度で言えば1くらいで、カップ麺を作るくらいの簡単度である。
 熱いままでも、冷ましてからでも美味しい。肉料理の付け合せやサラダに添えたり、鶏がらスープでのばせば豆スープとしても美味しい。
準備するものは以下の通り。

材料

  • レンズ豆(緑)・・カップ2
  • にんにく・・3片
  • ピーマン・・1~2
  • 玉ねぎ・・1/2個
  • 完熟トマト・・少2個(150g)
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • 水・・1リットル
  • オリーブオイル・・大さじ1

作り方

  1. 豆をよく洗い、1リットルの水から茹でて沸騰後15分ほど茹でる。
  2. 同時に、トマト以外の野菜をみじん切りにし、トマトは湯剥きしたら荒くきざむ。
  3. フライパンでオリーブオイル大さじ1でにんにくのみじん切りをローストして、油に香りを移す。
  4. 続けて玉ねぎ、ピーマンを炒め、しんなりしたらトマトを加えて煮詰める。
  5. 汁けがなくなったら1の豆を一気に混ぜ合わせ、塩を胡椒で調味し、5分ほどくつくつ煮込む♪

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2010-11-29

鯖のマリネ「修道院のレシピ」より:またどこかで

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修道院のレシピ
猪本 典子

 このお料理、とにかく簡単で美味しいです。 そして、個人的には、鯖の生にアレルギー反応が昔強かったので、火の通った鯖なら安心なのです。
 この料理を見つけたのは「修道院のレシピ」の目次の「魚料理」を見ていて、「鯖のマリネ」っそのままのタイトルであるじゃないですか。また、驚きだったのが、生の鯖と一緒にブーケ・ガルニと調味料を鍋に放り込み、沸騰したらそのまま冷ますだけなのです。なんか、これでできるのですかと、物足りない気もします。
 この「修道院のレシピ」にはしばしば驚かされていますが、私の常識観念の強さにも驚きです。びっくりする経験というのは、潜在している自分の固定観念が強いほどその症状が強く現れます。まったく末期的な私です。

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 さて、著者が気に入った料理の画像が本書の所々に紹介されていますが、その中の一枚にこの料理の写真があり、レモンやハーブと一緒に鍋に浮かんだ鯖の半身は、マリネというよりも鯖のレモン煮かな?という感じです。ほう、これが美味しいのかぁ、と思った瞬間、オーブンで焼く鯖のレモン焼きを思い出し、味の想像を巡らしていました。因みに、このレモン焼きも抜群に美味しくて簡単!☞レシピ
 作る前に知っておいて欲しいことがあります。それは、出来上がってから数日置いて食べるように書いてあるのです。これは、味を染み込ませるために「ねかす」と言いますが、鯵の南蛮漬けなども、大概翌日以降が食べごろだと言われているのと同じです。で、私は、試しにその日のうちに直ぐに半身味食べて、残りの半身はその三日後にオードブルとして切ってみました。

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 比較してみると、確かに数日置いた方が酸味がまろやかで、ハーブの香りも柔らかく広がっています。そして、マリネ液はゼリーになっていました。これは、レシピにはないのですが、三枚に下ろして残った中骨も一緒に煮たのです。このゼリーのとろみが切り身について程よく絡むのです。大変得をした気になりました。この方法はお勧めですので是非、中骨も捨てずに使ってみてください。
 さて、手順です。
 ▶1、鯖を三枚に下ろして軽く洗い流して水気を吸い取ります。▶2、玉葱を5mmの輪切りにし、材料のブーケ・ガルニを揃えます。▶3、平鍋に玉葱の半分を並べて鯖の皮目を上に、骨も並べます。▶4、残りの玉葱を鯖の上にのせてレモンの輪切りとブーケ・ガルニ、塩、胡椒をします。▶5、酢と同量の水を合わせたものを、鯖がひたひたに被るくらい掛け、蓋をして火にかけます。▶6、沸騰したら火を止め、そのまま冷ましてからオイルをかけて乾燥しないようにします。▶7、別の容器に移して冷蔵庫で数日ねかします。

材料

  • 鯖・・1尾
  • 玉葱・・1/2個
  • タイム(粉末)・・少々
  • ローリエ・・2枚
  • パセリ・・大さじ1
  • クローブ(粉末)・・少々
  • レモン・・1/ 2
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • 酢と水・・同量合わせてカップ1にする。
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜

***

 最後に、「修道院のレシピ」が何十年という年月人びとに愛されたのには、それなりの理由があると思います。私もいつかこれらの料理に近づけたら嬉しく思います。
 突然ですが、パソコンのこっちでしばらく料理の勉強などしようかと思います。ゆっくり読みたい本もあります。ブログを書き始めてほぼ毎日楽しく更新し続けてきましたが、やり残してきたこともあるなぁと痛感し、この辺で中休みしようかと思います。書かずにいられないことでもあれば、また、走り書きにここへ戻って来るかもしれません。
 ブログはこのまま誰でも見られるようにネット上に置かせてもらうことにします。ネットで育てられネットから飛び出すためにこうして積み重ねてきたことです。活用いただければそれこそが一番嬉しいことです。
  では。
                             godmother

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2010-11-28

里芋の茸餡:出汁が透明感のある餡で茸と里芋をすっぽりと包んだ煮物

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 少し大きめですが埼玉で採れた里芋だと聞いて、なんとなく実家の傍だしとかいう思い入れもあって早速このような料理にしました。大変好評でした。出汁の効いたとろみ餡に茸も加えたのですが、こんなにシンプルな煮物がこれほど美味しいと感じるのは里芋のお陰でしょうか。是非是非作ってみて欲しい一品です。
 今回私が気を置いたのは、兎に角濃い鰹出汁を取る事です。里芋と茸がメインですから、里芋の食感と粘り、旨味を引き出すために味付けはあっさりと薄味に仕上げ、茸の触感とこの里芋が同時に味わえるようにとろみをしっかりつけた餡で包みました。柚子の皮のことも考えたのですが、出汁の香りと里芋の美味しさで大満足でした。
 手順は、▶1、時間が長くかかる昆布の水出汁と、木耳(きくらげ)は水でもどしておきます。▶2、里芋は、含め煮とは違うので皮付きのまま電子レンジで5~6分蒸し、そのまま余熱で完全に火を通しておきます。竹串でチェックして、芯が硬いようであれば必要な時間を延長します。▶3、椎茸は石づきだけ切り落として傘の方から手で小さく引き裂きます。

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 私が使用しているキクラゲは、ちりちりとしたフリルがついたような特徴があります。これは中国産で、きくらげの種類の中でもこのタイプは特別だそうです。おそらく数少ない種類なのだと思いますが、平べったくないので味の絡みがとても良く、料理向きだと思います。
 ▶4、1の出汁を加熱し、沸騰前に昆布を取り出して入れ替わりに花鰹をたっぷり加え、沸騰させないように5分ほど加熱して出汁を取ります。▶5、この出汁から300ccを鍋で沸騰させ、皮を剥いて一口大に切った里芋と1の戻したキクラゲ、椎茸を一緒に加熱します。▶6、出汁が濁るので沸騰させないように3~4分煮たら味付けし、水溶き片栗粉でとろみを付け、さらに3分ほど煮こんでとろみを落ち着かせます。

材料

  • 里芋・・400g
  • 椎茸(どんこ大)・・1個(40g)
  • 乾燥キクラゲ・・10g
  • 一番出汁・・300cc
  • 白醤油・・大さじ1.5
  • 味醂・・大さじ1
  • 片栗粉・・小さじ2(同量の水)

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2010-11-26

フランス料理の魚のラグーとモロッコのタジンと関係があるのかな

 厚みのある「修道院のレシピ」をじっくり読むのがなかなか楽しい。その時間が大変充実のひと時です。そして、興味を引かれた料理は直ぐに試してみたくなる私の性格は、ここをご覧の方ならよくおわかりでしょう。自分に許された唯一の選択の自由のような部分なので、なんだか、他へ譲れない囲いがあるのだと思います。本に取り付かれるとこの始末なので、まあ、諦めてください。

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修道院のレシピ
猪本 典子

 今日の不思議は、「修道院のレシピ」P170の「Ragoût de poisson魚のラグー(煮込み料理)の作り方を読んでいて始まりました。このレシピで使用している鍋は、フランスのココットと呼ばれる鋳物の鍋ですが、最後の二行へきて「―残りの油脂とブーケ・ガルニ、水カップ半杯を加え、塩、コショウする。―ふたをして密閉し、ごく弱火で一時間ほど煮る」って、これ私の知っているタジンと似ている、と思ったのです。
 タジンというのは、モロッコを中心に、面白い形をしたのことや、その鍋で作った料理のことを呼びます(参照)。鍋は素焼きの、蓋が円錐形に尖った丸い浅めの土鍋で、無水鍋の考え方と土鍋の遠赤効果の両方を生かせる鍋として、素材の味を尊重した料理が出来上がるので大変馴染みやすく、何を料理しても美味しいのですが、どうもこれに酷似しているのです。
 ここでかなりのめり込んでネット検索が始まりましたが、「タジン ラグー」や「ココット タジン」など様々な検索ワードを使ってもフランスとモロッコの関係からこの料理の歴史を手繰り寄せることはできませんでした。とても残念ですが、ココットの原料である鋳物の歴史に遡ると、紀元前1500年頃の前千五百年 頃なのです。エジプト のパピルスに、足踏みふいごで風を送り、るつぼの中の銅を溶かして取 り出す作業が描かれているそうです。その流れで、エジプト⇒メソポタミア⇒中国大陸⇒ 朝鮮半島、⇒日本の順に伝わったとされています。この流れで、フランスが鋳物を取り入れた時代とココット鍋の関係がわかるわけはないので、その辺を調べたのですが、関連付けができるソースが見つかりません。なんだか未消化なのです。いつか、この先に、タジンとココットの料理法が似ているのはどうしてか?そこまで調べたいと思っています。

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 さて、今日のラグーは魚です。どんな魚でも良い、という意味でこのレシピには種別の特定がありません。ラグーは食材を選ばない料理でもあるので嬉しいです。私は、あっさりとした白身の甘い身が好きなので、鯛を半身で買ってきました。
使用する鍋は、ココットと同じ効果が得られて、タジンのように焼き物で出来ている伊賀焼の土鍋です。材料を順番に放りこんで、1時間煮こめばでき上がりです。

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 オーブンに放り込むのと同じ要領です。( )の中は、実際に私が使用した分量です。また、参考までに、昨年タジンで作った「魚のタジン」もどうぞ☞レシピ

材料

身のしまった魚(鯛頭付き半身)・・500g
油脂(オリーブオイル大さじ1+バター30g)・・50g
じゃが芋・・600g
玉葱・・大2個
塩・・小さじ1
胡椒・・適宜
ブーケ・ガルニ(タイム、ローリエ、ミント)
水・・半杯

作り方

  1. 鯛の鱗を完全に落とすために、熱湯を回しかけて直ぐに水で洗い流して鱗を取る。
  2. 1を人数分に切り分けdる。
  3. じゃが芋は皮を剥いてスライサーでスライスする。
  4. 玉葱は5mmのくし型にスライスする。
  5. 鍋にオリーブオイルを伸ばし、じゃが芋と玉葱の半量を鍋底に敷きつめて塩・胡椒をかるくする。
  6. 鯛の切り身をその上に並べて、バターの小片をところに置き、残りの玉葱とじゃが芋で覆うようにかぶせる。
  7. ブーケ・ガルニを散らして最後に水を回しかけたら蓋をし、極弱い火で一時間程煮こんででき上がり♬

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