長野県の情報

2012-05-13

碓氷峠・旧信越本線を訪ねて-EisBein(アイスバイン)茹でた塩漬け豚骨付きすね肉

信州の5月は、暖かくなったと思うと急に霜が降りたり、雷が鳴って雹(ひょう)が降ったりする油断のならない天気を繰り返す。先日、畑に夏野菜の種を蒔いたり、苗木を植えたばかりで、寒さで新芽の元気がなくなるのではないかと心配した。そんな中、ここよりはずっと温かい土地に住む友人が信州の新緑を味わいたいと、急に週末、一泊で遊びにやってきた。そして、彼女の行きたい先は決まっていて、それは、碓氷峠にある旧信越本線のアプト式鉄道跡であった。あの奥深い山の中に今でも残る美しいレンガの造形と山の景観を一目見たいと言うのである。え、私?もちろん話だけで行ったこともない。そして、軽井沢と聞いて、ある人物がすぐに思い浮かんだ。その人物がこの鉄道を利用したのだろうか。当時の車窓から一体どんな景色が見えたのだろうか。などと思ううちに、私もその空気に触れてみたいと、ついに行きたくなった。

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IMG_0688碓氷峠超えが当時の日本の鉄道開発の大きなテーマとなった理由は他でもない、東京の上野と新潟を鉄道で結ぶという、当時の日本のロマンでもあったかと思う。標高は1000mに近い険しい峠をトンネルや橋梁によって超えるという壮大な計画であったのだろう。中でも「めがねIMG_0697橋」と呼ばれる碓氷第三橋梁は、緻密にレンガを積み立てた美しい姿をしている。現在は、線路は取り除かれてそこは舗装され、人が歩いてかつての線路上をたどれるようになっている。因みに今回は、めがね橋から1.2km離れている熊の平駅まで、5つのトンネルをくぐって歩いてみた。

緩やかな上りが熊の平駅まで続き、最初の500mほどのトンネルを超えると、時折外界に出ながら4つの短いトンネルをくぐる。そのトンネルの内壁は全てレンガで、幅の広いレンガの層と短いレンガの層が交互に積み上げられていた。これは、内壁の強度のためらしいが、このトンネル造りにどれほどの人が駆りだされたのだろうかというのは想像もつかなかった。

熊の平駅の手間に殉難碑が祭ってあり、説明を読むと、山崩れの復旧作業に当たった職員らの家族が二次災害によって50名、亡くなったということだった。山の神さまの怒りでもないのだろうが、人があの美しくも険しい山に入って文化を持ち込んだことに何かを思わないではいられなかった。こんな思いが少し馳せた。

そして、空気は冷たく澄んで痛いほどだった。時折、トンネルの上の方から冷たい雫が肩に落ちてくる時、トンネルの天井の外の土の匂いを感じ、トンネル工事の現場からいきなり自然界に連れ戻されるようではっとした。

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このトンネルをくぐりながら一つだけ当時を実感したのは内壁に分厚くこびりついた真っ黒い煤だった。長い年月で何度となくここを機関車が通った証だ。そして、トンネルの切れ間から見える外界の景色の美しさは、きっと昔も同じだったのだろううと想像した。そのことに触れられただけで十分この旅が良いものとなった。

さて、夕方少し遅くなって諏訪に戻り、早速晩御飯の支度に相成った。

夜中に茹でておいた塩漬けの豚の骨付きすね肉(アイスバイン)に火を入れて温め直し、フランスパンをちぎって温泉卵を落としたレタスのサラダは、ヨーグルトににんにくを混ぜたソースで和えて仕上げた。幸運にも軽井沢で、シュパーゲル(白アスパラガス)を見つけ、これは、茹でてオリーブオイルを掛けてあっさり食べた。備忘として、アイスバインのレシピを書いておくことにした。

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アイスバインは、仕込んでから食べるまでに最低、一週間はかかる。まず、ソミュール液という高濃度のつけ汁を作り、これに肉を漬け込んで味を染み込ませるのに一週間かけるからだ。冷蔵庫で時々ひっくり返しながら漬け込んだ後、取り出して煮込み用野菜と一緒に3時間ほど弱火でじっくり煮込む。ここで一旦冷ましてスープの味を肉に戻して出来上がる。肉を適当に切り分け、ザワークラウトや一緒に煮込んだ野菜をつけあわせて粒マスタードをつけて食べると美味しい。

ドイツの家庭料理で、昔、ドイツ人の家庭でご馳走になった。この時の美味しさが忘れられず、何度か作りたいと思い出していたが、肝心の骨付き肉が入手困難であった。最近、市内にできた新しいスーパーマーケットにおいてあるのに気づき、何度か試作しているうちに出来上がったレシピを記録しておこうと思う。鶏の胸肉で作るハムも同じようにピックル液に漬け込むので、なんとなく要領は同じだが、肉が大きいので鍋は大きなものが必要である。また、その肉を扱う腕力も試される愉快な料理でもある。

材料

豚骨付きすね肉・・1本(約2kg)
ソミュール液
水・・1000cc
塩・・100g(10%)
砂糖・・(50g)
胡椒・・(5g)
ローレル・・3枚
タイム・・5本(なければ粉末)
クローブ・・5個
セージ・・5g

煮込み用の野菜
セロリ・・1本(葉も)
にんじん・・2本
小玉ねぎ・・(10個)
長ネギ・・1本
ガーリック・・2片
ローレル・・3枚
クローブ・・5個

作り方

1. ソミュール液の材料をすべて鍋に入れて一旦沸騰させ、火を止めて冷ます。
2. ジップロックの袋などに肉と一緒に1のソミュール液を入れて空気を抜いて冷蔵庫 で一週間ねかす。時折、上下をひっくり返す。

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3. 一週間後、肉を取り出して流水で軽く洗い流し、大鍋に肉とサックリ切った野菜、肉がすっかり被るくらいの水を満たして強火にかける。
4. 沸騰し始めるとアクが出てくるので、30分ほどアクと余分な脂を掬う。
5. 蓋をして弱火で3時間ほど煮込み、竹串をさして肉にすっと入って行けば一旦火を止める。肉が硬い時は1時間ほど延長してさらに煮込む。
6. スープの味をもう一度肉に戻すため、そのまま冷ます。
7. 食べえる前に温めなおし、野菜やザワークラウトなどを付け合わせに、粒マスタードをつけていただく。

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2011-12-08

大根のつみれ鍋:霜に当たった大根の旨さったらもう

 今年の冬は、信州としてはかなり暖かな冬だと感じている。とは言え、霜が降りる日も何度かあり、先日はあられが降ったり、12月初旬だというのに雪も降るようなおかしな陽気でもあった。今年はこんなことを繰り返してばかりいる。が、畑の野菜達にとっては好都合のようだ。その一つとして、今日は、大根に起こった異変から話を始めたいと思う。
 この近くの畑では、お盆を過ぎたら一斉に冬野菜の種まきを始めるが、お盆を過ぎた頃に暑い日が続き、私はこの時期の種まきをサボった。これは、ヘタレな家庭菜園の暢気さである。そして、9月の初旬、涼しくなってきた頃合いを見て大根や赤かぶ、小松菜、ター菜、ほうれん草の種を蒔き始めた。この光景は、畑の先輩である近くのお婆様達にはおかしな行動に見えたのだろう、と言うよりも異様に見えたのだと思う。何をしているのか聞かれ、答えると矢継ぎ早に「おめさん、今頃蒔いたって大根なんか寒くて育たんよ。葉っぱを間引いて食べるだけだえ」と、忠告を受けた。まあ、それが順当な考え方ではあるが、この時の私には、一雨降ればすぐに芽が出ると確信めいたものがあった。ほのかな期待ではあったが、もしかしたら気候の変動でも起きて暖かい冬となるのではないか、そんな幸せな冬を待っていた。

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 というわけで、12月だというのに、青々とした大根の葉が私の畑だけに生い茂っている。あはは。嬉しくてたまらない。しかも、鹿被害を避けるためにネットまで張り巡らしたしなあ。あはは、手の込んだお仕事、やったゼ。 そして、霜が降り、日中のぽかぽか陽気の繰り返しで、葉物はますます甘みを増している。いや、ある意味鍛えられている。信じられないくらいの柔らかで甘い。早朝に引き抜いたばかりの大根を畑にまるで付属している小川の水で洗おうとすると、茎の表面の皮が弾けて剥け、中の筋が露出する。これはおそらく、小川の水の暖かさを感じた大根葉達の、霜に耐えてきた緊張がほぐれたからだろう。

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 これが甘さの源であるのだと分かったのは、野沢菜漬けの漬かり始めだけに味わえる太い茎のぬめりを連想したからだった。茎の内側はややぬめりがあり、そして何とも言えない甘さを蓄えているあれだ。その理由は、野沢菜の収穫まえにはわざわざ霜を当てることも聞いて知っている。だから、大根葉とは言え、何倍も得をしたような気分になった。そして、この大根のお蔭で今年は、何度もつみれ鍋でこの幸せを感じている。おそらく、大根の産地で有名な千葉産なども、葉付きなら寒さに当って鍛えられているはずだと思う。ラッキーならきっとこんな大根に誰でもいつかめぐり会えるのではないだろうか。そう思ったら、この鍋のレシピをちょっとここに置いておきたくなった。

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 このつみれ鍋は至って簡単。で、ポイントは、メインであるこの葉っぱの煮方にある。
 大根場を3cmほどにぶつ切りしたものを出汁を張った土鍋で10分ほど、茎の色が黄金色に透き通るまで煮込むことだ。畑から引き抜いてきたばかりの大根であるため、火の通りは早いが、じっくり時間をかけてもこの程度で充分である。次に、大根をピーラーで剥きながら好きなだけ鍋に落とし、続けて豆腐やつみれを落とすだけである。味付けは、塩と香りづけの醤油で調味する。手間をかけると言えば、しいて言えば、つみれがゆるふわになっている事だろうか。秘訣は、大和芋をすり下ろして若鶏のひき肉に混ぜ合わせる。これだけである。好みで、豚のひき肉だっていいと思う。大和芋をつなぎに使えば結果は同じである。そして、全てのうまみをしっかり吸い込んだ春雨が鍋の底の方で待っている。鱈腹食べてもちっとももたれないのは当たり前だ。ほとんど野菜だからである。

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 そして、最後の極めつけは、残しておいた出汁汁にご飯を加えたおじやだ。ここまでくれば鍋のフルコースとも言えるが、この手前で大概満腹になるため、翌朝の朝ごはん代わりに食べることが多い。これが寒い朝の体を芯から温めてくれる。
 息子が帰省し、昨夜はまたこの鍋を囲んで話がはずんだ。

材料(3~4人分)

  • 大根・・小1本
  • 大根葉
  • 中国緑豆春雨・・80g
  • 木綿豆腐・・1/2丁
  • 昆布と鰹の出汁・・2リットル レシピ☞
  • 塩・・こさじ2
  • 醤油・・大さじ1

つみれ

  • 若鶏のひき肉(または胸肉)・・250g
  • 大和芋(または長いもか里芋)のすり下ろし・・80g
  • 塩・・小さじ1
  • 葱のみじん切り・・10cm

作り方

  1. 昆布と鰹の出汁取る。
  2. 小ボールで春雨に熱湯を注いで蓋をし、10分ほど置いて戻す。
  3. 土鍋に3cmにぶつ切りした大根葉と1の出汁と一緒にひ、蓋をして茎が透き通るまで10分ほど中火で煮込む。
  4. その間に、鶏肉をボールで粘りが出るまでよく練り、すり下ろした大和芋を少しずつ加えながら混ぜ込んで塩とみじん切りの葱を混ぜ合わせる。
  5. 大根をピーラーで剥きながら3の土鍋に落としてゆく。
  6. 2の春雨の水けを切り、豆腐を一口大に切って加える。
  7. 塩と醤油で味を調え、最後に二本のスプーンを使って丸くしながら鍋に落とす。
  8. つみれに火が通ったら出来上がり♬

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2011-08-15

塩尻へ行ってきた話-レンズ豆のサラダ

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 長野県の塩尻市は、県内では有数の葡萄の産地として有名なところ。そして、食べ物なら蕎麦の産地として名前が挙がる。それを言い出すと、ここで書くよりももっと詳しい観光案内があると思うので、今日は、個人的に好きなところについて書きたいと思う。
 塩尻に目当ての店があり、昨日、そこまで買い物がてら出かけたついでに足を伸ばして、奈良井宿まで行き、蕎麦を食べてきた。目当ての店については後で書くことにするとして、まず、諏訪から塩尻市内へ行くルートが好きな場所の一つとして挙げておきたい。
 諏訪から塩尻に行くルートは、二通りある。一番使わないのが、中央高速の諏訪ICから乗って塩尻で降りるルート。出口から国道19号へまっすぐ下る直線の道からの景色は素晴らしい。が、このルートは、塩嶺峠をトンネルで抜けてしまうので景観がない。その上、諏訪ICまで家から15分車で走るくらいなら、岡谷市へ向けて国道20号(中仙道)を走り、塩嶺峠を超えて塩尻に行っても時間的には変わらない。この辺の人達は、この塩嶺峠を越えて塩尻に行く人が多いと思う。

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 さて、ここで諏訪湖を見下ろしながら塩嶺下ろしの風に当たって涼むのに絶好のラーメン屋さんがある。「一番ラーメン」といって、50年近く同じ場所で創業されてきた(参照)。今頃のラーメンとはチト違う。家から車で30分はかかるが、わざわざ食べに行く店の筆頭に挙がる。メニューは少ないので迷うほどでもないが、でも迷う。私は、峠の一番ラーメンか、にんにく一番だが好き。どちらにするか迷うのである。お恥ずかしいが、どっちも食べたいが、二杯は食べられないというだけの話。注文したら夏は店の裏に陣取り、体のほてりが落ち着く頃したラーメンが出来上がる。涼しい風に当たりながら啜るラーメンは最高。

 腹ごしらえをしたらいよいよ塩嶺峠が下りになる。名前も塩尻峠となる。ルートラボをスタートさせると標高が表示され、道のりがくっきりしてくる。長い長い坂道でうっかりスピードも出てしまうが、諏訪から塩尻方面で警察のネズミ捕りはいない。止められる場所がないからだと勝手に思っているが、逆方向は、休日はほぼやっているので要注意。登り坂なのにスピードが出しやすい道なので困りもの。
 さて、塩尻峠を下ったところで大きな交差点がある。直進は奈良井宿、木曾方面へ国道19号へと切り替わり、右折は、この国道19号が松本市へと続く。左折は三州街道で、伊那方面へ向かう。
 目当ての店と言うのは、この交差点を左折して30mの右側にあるブラジル食材店だ。大きなうどん屋さんの隣だ。昨日は、乾燥の豆類や肉、調味料、オリーブの酢漬けなどを購入した。レンズ豆は緑色、オレンジ色、茶色、丸いタイプなど、殆どの種類が手に入る。レンズ豆は栄養価も高いが、なにせ料理しやすく、豆に味があるので病み付きになる。洗って水から茹でて15分もすると柔らかくなるので、水で戻したり、圧力鍋などを使う必要がない。昨日は、緑色の皮なしを使って、野菜と炒め合わせ、豆サラダにした。後でレシピを簡単に書くことにする。
 この店で買い物をしたら奈良井宿へ向かう道に舵を取り、井筒ワイナリーでワインをゲットする。

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 塩尻警察署の一つ先の信号を右折すると、そこはもう葡萄畑。一面の葡萄の葉の間をくぐるように100mほど行った先にワイナリーがある(参照)。車の運転者以外は試飲して喉を潤すと酔いよ。
 さて、ここを後に奈良井宿へ方向へ戻って直進する。15分程走りながら気をつけて見てると、「岩魚」の文字が目に入る。蕎麦屋さんだが、岩魚を店の横の生簀で飼っている。岩魚は溜まり水には住まない為、ここの池は流れがある。岩魚の養殖とは違うので、飼い方として勉強になる。ついでというのも変だが、この店の蕎麦も美味しい。茶色の田舎蕎麦といわれていいるタイプだ。蕎麦の殻も入っているためそういう色をしているが、家で挽いた粉とあって、新鮮な蕎麦の香りが楽しめる。さっきラーメンを食べたばかりだが、蕎麦ならまだ行ける、とね。因みに、岩魚の話と塩焼きのことはこちらに☞

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 この店から約5分で奈良井宿に到着する。昔ながらのたたずまいから、優しい空気が伝わってくる。夏もいいが、冬の奈良井宿も枯れた風情があって好きだ。
 漆工芸の街でもあり、この先の木曾福島や上松町で作られた檜製のわっぱや器に漆をかけたりしている。目が飛び出るほどのお値段でもなく、東京のデパートで買う半額くらいだろうかと思う。小物を自分用のお土産に買って、かなり幸せな気持ちに満ち満ちる。そして、この気分になったところで帰路に着く。
 実は、奈良井宿から中山道を20分走ると、木曽福島の漆器の町に行かれるが、家から半日コースだと、ここから引き返すのが時間的に都合がいい。で、木曽福島へは別ルートの権兵衛峠越えがあり、そちらへは伊那IC から抜ける道がある。このルートも素敵で、また別の機会に紹介したい。

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 さて、先ほどのレンズ豆のサラダのレシピを添えておこうかと思う。これは、超が三つほどつく簡単な料理。 難易度で言えば1くらいで、カップ麺を作るくらいの簡単度である。
 熱いままでも、冷ましてからでも美味しい。肉料理の付け合せやサラダに添えたり、鶏がらスープでのばせば豆スープとしても美味しい。
準備するものは以下の通り。

材料

  • レンズ豆(緑)・・カップ2
  • にんにく・・3片
  • ピーマン・・1~2
  • 玉ねぎ・・1/2個
  • 完熟トマト・・少2個(150g)
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • 水・・1リットル
  • オリーブオイル・・大さじ1

作り方

  1. 豆をよく洗い、1リットルの水から茹でて沸騰後15分ほど茹でる。
  2. 同時に、トマト以外の野菜をみじん切りにし、トマトは湯剥きしたら荒くきざむ。
  3. フライパンでオリーブオイル大さじ1でにんにくのみじん切りをローストして、油に香りを移す。
  4. 続けて玉ねぎ、ピーマンを炒め、しんなりしたらトマトを加えて煮詰める。
  5. 汁けがなくなったら1の豆を一気に混ぜ合わせ、塩を胡椒で調味し、5分ほどくつくつ煮込む♪

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2011-07-29

夕顔の話でも-夕顔と鯖の旨煮

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 夕顔というとせいぜい花のことか、源氏物語に登場する「常夏(ナデシコの古名)の女」の事を思い出すくらいだろうか。これで源氏物語がでる人は読書好きで、日本史にも詳しい人かもしれない。まさかに、あの干瓢(カンピョウ)がそれだと私は、思わなかった。干瓢料理と言えば、巻き寿司には欠かしたくないあの細長い煮物が多いかな。因みに、すし屋さんのレシピまでここにはあるよ☞参照。あの甘く醤油煮したものが、からからに乾燥した白い紐からできていることを知らない人だって多いはずである。自分で料理しなくても出来合いで済ませることも多くなった近頃では、こういうことは珍しくないし、知らないからと言って恥でもない。だが、ここ諏訪で、夕顔が干瓢の原料だということを知らないのは、恥ずかしいことかもしれない。それくらい干瓢がこの土地と密接な関係にあると思っても良いと思う。

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 夕顔がこの諏訪に多い理由は、寒天や高野豆腐、塩丸いかなどと並んで保存食文化の流れだと思う。周知の通り、長野県には海がない。代わりに山ばかりである。夏場に収穫した野菜などを乾燥させたり塩漬けにして保存し、野菜の少ない冬用に何とか蓄えようと、このような文化が盛んになったのだと思う。それが、今でも続いているのは、手製は他と比べようもないほど美味しいのが理由ではないだろうか。野菜の自然の味が、素朴な味付けで生き返ってくるようで、気持ちも満たされるのが嬉しい。また、どんなに不恰好なできばえの野菜でも、自分で耕した土が育てた野菜は可愛いものである。

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 偉そうな言い方をしているが、これもここ数年、自分で野菜を育てるようになって初めて実感が持てたというものでお恥ずかしい限り。
 さて、あの細長い干瓢を作るからには、実が沢山ないとできないわけで、どれ程の大きさを想像されるだろうか。聞いて驚くなかれ、今まで見た中で一番大きなのは長さが80cmくらいであった。太さは、大人の大きな手を三つ広げて囲む位、と言えば想像つくだろうか。これが、ごろごろと畑に転がっている風景は、壮観な眺めであることは言うまでもない。
 作り方は、2~3cmの輪切りにして、種の入っている綿のようなふわふわした部分まで、包丁でりんごの皮むき要領で薄切りするだけである。これがかなり長く続くのは、あの干瓢を想像してもらえば分かるとおりである。これを日陰で乾燥させれば出来上がる。手製の干瓢が食べられることはかなりの幸せ者で、自家製を食べてみたいと話すと、ご近所から直くに届くのでありがたいものだ。
 それで、まだ話しがある。夕顔とは干瓢にするだけのものとばかり思い込んでしまったのも恥ずかしいお話しで、実は、いろいろな料理で味わえる。ここでは、スープ(参照)や炒め物(参照)、蒸し物(参照)料理などで紹介してきた。夏場の瓜なので、水を沢山含んでいるため火が通りやすく、ツルンとした喉越しには感激する。夕顔と似て、冬瓜もその喉越しが楽しめるが、収穫時期は夕顔よりもやや遅い。真夏の冷たいスープは、夕顔でも楽しめる。

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 今日は、揚げ焼きの鯖と一緒に煮込んだ料理にしてみた。当初はここでレシピを紹介するつもりはなかったが、作りながらおいしそうになってきたため、黙っては入られなくなったのがこのエントリーを書くに当たっての経緯である。だから、美味しい。

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 鯖の切り身に片栗粉をまぶして香ばしく揚げ焼きにし、炒めた夕顔と一緒に煮込んだ料理でだけだが、味のポイントは、鯖のコクのある出汁と夕顔の甘みで、これだけで十分味が引き出せる。オクラを加えて最後に軽く醤油で香り付けする程度で出来上がる。時間があれば冷めてから冷蔵庫で冷やすと、なんだかビールや冷酒のおつまみにもなると思った。酢を加えて煮込んであるので、嫌味のないさっぱり感がとてもよかった。是非、お試しあれ。

材料

  • 夕顔・・300g(皮をむいて種を出して150g)
  • オクラ・・6本
  • 生鯖・・三枚下ろしの半身
  • 塩・・小さじ1
  • 片栗粉・・大さじ2
  • 水・酒・酢・・各半カップ
  • 醤油・・大さじ1
  • 生生姜・・みじん切り大さじ2
  • 鷹の爪・・1本
  • 細葱・・適宜

作り方

  1. 夕顔の皮の緑色の部分を剥いて中心の種の入っている綿の部分も取り除き、3cmほどに切って水にさらす。
  2. 鷹の爪の種を抜きとり、生姜をみじん切りにする。
  3. 鯖の骨を抜いて2cm幅のそぎ切りにし、片栗粉をまぶして余分な粉を叩き落とす。
  4. フライパンに大目の油を引いて中火で3の鯖の皮目を下に並べ、両面を香ばしく焼く。
  5. 4のフライパンの油を払って大さじ1ほどの油を引き、1の夕顔の水気を切って鷹の爪と一緒に炒める。
  6. 油が回ったところで水、酒、酢を加えて蓋をし、夕顔が透き通るまで約5分煮込んで火を一端消して余熱で火を通す。
  7. 夕顔がすっかり透き通ったら夕顔の上に3の鯖を並べて生姜のみじん切りと醤油を加えてさらに5分煮込む。
  8. 片栗粉が余っていたら水で少量の水で溶いて加え、とろみ付けにする。
  9. 味が馴染んだところで鍋を振って上下を軽く返して器に盛り付け、細葱を刻んで一振りする♪

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2011-02-12

ある冬の日のこと

(「作詞者、作曲者ともに不詳)

雪やこんこ霰やこんこ
降っては降ってはずんずん積もる
山も野原も綿帽子かぶり
枯れ木残らず花が咲く

雪やこんこ霰やこんこ
降っても降ってもまだ降りやまぬ
犬は喜び庭かけまわり
猫は炬燵で丸くなる

 この歌、雪が降る度に記憶の中の小学生の私が口ずさんでいます。歩きながら、その光景がそっくりもどってきて、当時のいくつかのシーンを回想しているうちに目的の場所へたどり着いてしまうのです。そして、小学生の私もそこですっと消えて現実に戻るのです。雪というのは思いがけない追憶の世界へ連れて行ってくれるものです。
 飼い始めた犬は、生まれて始めての冬を迎えています。小型なので、室内でお気に入りの玩具と戯れていれば運動不足になるとも思えませんが、犬種にもよるのか、とても運動好きです。毎日の散歩は、きつい登りの片道3.5キロの山道がそのコースとなっています。往復7キロも走ったり歩いたりしているこの犬が、雪の日には外に出られないとなると、それは、ストレスだよねえ。と、ぼんやり思っていました。
 問題は、この雪道をどうするかにありました。雪やこんこ霰やこんこ♪と、歌いながら歩くのもよいなあ、行きたいなあと思った途端、犬が濡れちゃうじゃんか。そんなことよりも、食料の買い置きが気になり、続いて現役の長靴がないことが外出の足を止めてしまうことになると思い出したのです。畑用に回した長靴は、どうも履く気になれないし。

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 ここで、長野県の冬は雪に閉ざされると誤解されている向きもありそうなので、この土地のことを説明するとこうです。気圧配置が西高東低になると日本海側に雨や雪を降らせ、太平洋側は晴れる、というのは誰もが知っている日本の典型的な冬の天候です。県のほぼ中央にはアルプス連山があり、これが、日本の脊梁山脈(せきりょう)と言われているように、文字通り背骨が長野県を二分しているのです。ですから、天候も県内では東西南北で全く違います(参照)。
 この気圧配置にあるときは、北アルプスを境に南部の地域は東京や静岡などと同様の晴れになりますが、南アルプスを境に県西部は雪や雨になることが多いです。つまり、諏訪は県内有数の、年間通して穏やかな気候に恵まれた土地柄なのです。そうは言っても、逆に気温は一二を争う極寒でもあります。まあ、軽井沢の次くらいかな。話が長くなっていけませんね、つまり、諏訪が雪に閉ざされる心配はほとんどないのです。地図のほぼ中央の丸い白いところが諏訪湖です。
 ところが、天気予報では二三日降り続くと言うので、食材のストックや長靴の心配に至る羽目になったのです。雪やこんこと歌っている場合じゃないのです。しかも、この極寒の地に雪が降ると、日中溶けた部分が翌朝バリバリに凍ってしまうのです。こうなると、でかい鉄製のハンマーでもってかち割るしかなくなります。そうならないために、こまめな雪かきが必須となるのです。昨日は、これで何度か雪かきをしましたから、普段使わない筋肉が悲鳴を上げるというわけです。今年の積雪量は日本海側ではかなり多いようで、連日雪被害を報じているのを耳にすると、諏訪などは比較になりませんが、これだけでも大変だと痛感します。
 この雪を始めて経験するわんこですが、彼の日課の散歩の事がますます気になり、私と一緒に家に缶詰になるのも可哀想に思えてきたのです。かと言って、雪中散歩は寒かろうなどと考えていてはっとしたのが、雪やこんこの二番の下り「犬は喜び庭かけまわり、猫は炬燵で丸くなる」んだった。まあ、雪の中にあまり出ないので、雪中で散歩している人も見かけたことはない私です。この歌の通りで良いのだろうか?変な母性本能というか、過保護な私。実子にもこんな気遣いはしたことがない。にもかかわらず、あの柔らかい肉球が霜焼けになるんジャマイカ?などと、いくつかの思惑が脳内を駆け巡る。こういう時はTwitterにかぎる。と、Tweetしてみたが、無反応。冷たいな、皆。
 一大決心をして出かけて、犬の洋服売り場でレインコートなるものを見つけてきた。黒と赤のトーンがカッコイイミッキーマウスのフード付きだ。地味なのを見つけるのに苦労した。犬の洋服は、私に似合わずカラフルでミーハー的なんだな、これが。なんせ、連れて歩くのは私なんで、私が阿保に見られるんジャマイカと、そっちが気になる。途中、友人のミニチュアダックスフンドの冬のコートはファー付きのフードであったことを思い出し、ためらいもなくそっちに気が行く私。いかん、いかん。ついでに、犬の長靴もあるんジャマイカと探しながら周囲をきょろきょろ。この光景を知り合いの誰にも見られなかったかが気になりつつ、楽しいショッピングであったな。

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2010-11-21

諏訪周辺で作られるポピュラーなきのこ汁(市販茸で作るためのレシピ)

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 先日作った信州味噌仕立ての「きのこ汁(平茸・椎茸・しめじ)」(☞レシピ)でも触れましたが、いつか食べた信州のきのこ汁の懐かしいさを思い出されという方の話から、都会では入手できない茸ばかりを使ったレシピでは気の毒な気がしていました。舞茸などを使えば出来るだろう、と推測的な考えを言った手前、それは自分でも作ってみないことにはチト無責任な気がしたので、早速作りました。しかも、こちらで作るポピュラーな味付けでないと再現した事になりませんし、その雰囲気にも浸れないのではないかと思ったので醤油味にしました。また、加える野菜も当地の一般的な材料である白菜だけです。
 結論から言うと、きっとこれだ!と、納得の行くきのこ汁ではないかと思います。普通は、茸と豚肉に白菜を加えて煮こむのですが、ここに山芋(大和芋)を擂って、団子のように一口大に切りながら落としました。これだけはオプションですが、理由は、適度なとろみがお汁を冷めにくくするので、真冬には大変体が温まるためです。因みに、長芋は使用禁止です。固まらずに汁に溶けてしまいますので、間違えないように購入時に要注意です。

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 さて、肝心の味付けですが、決め手になるのが「舞茸」です。勿論栽培物で、普通にスーパーに売っているものです。このマイタケがきのこ汁のベースの味になるというのは言わずもがな、良い出汁がでます。これに、エノキダケとブナシメジを加えるだけで十分に風味が豊かなになります。また、白菜をたっぷり入れてしなしなになるまで煮こむと、白菜の甘さがお汁全体をまろやかにします。
 これなら都会で味わる茸汁として太鼓判を押します。是非お試しあれ。

材料(5~6人分)

  • 豚バラ肉・・5mm厚で100g
  • 舞茸・・1パック(200g)
  • エノキダケ・・1/2株(市販のサイズ)
  • ブナシメジ・・150g
  • 白菜・・300g
  • 昆布・・10cm
  • 水・・1500cc
  • 白醤油(普通の醤油でも可)・・大さじ2
  • 醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1(味見して加減)
  • 大和芋・・300g
  • 七味唐辛子・・適宜

作り方

  1. 分量の水に昆布を浸して半日以上置いて、水出汁を取る。
  2. 豚肉を切って鍋に並べ、弱火でじっくり油を出す。
  3. 2の豚肉の油で白菜を炒める。
  4. 1の出汁を加えて煮込み、沸騰したら小房に分けた茸を入れ、沸騰直前で火を弱くして10分煮込む。
  5. 大和芋を擂って一口大に箸で切りながら落とし、浮いて火が通ったら味付けする。
  6. お椀に注ぎ分け、七味唐辛子を振ってでき上がり♬

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2010-11-19

きのこ汁(平茸・椎茸・しめじ)

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 寒くなると出てくる茸の筆頭に平茸(ひらたけ)があります。先日、八百屋さんでこの平茸が目に止まったのが、偶然と奇跡が同時にやってきたとしか言い様のない喜びでした。
 茸採り名人に言わせると、平茸はブナの木に折り重なるように大量に密集して生えるので、一度に沢山採れる茸だそうです。が、出まわっても数は少なく、タイミングがよほど良くないと買うことは難しいです。肉厚でしっかりとした茸で、加熱するととても良い香りと深みのある出汁が出ます。焼いたりバターで蒸したりするのも美味しいのですが、平茸があればやはり真っ先にきのこ汁です。買い置きの椎茸とブナシメジと一緒にキノコ汁にしました。

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 茸料理で先日もコメントで、茸につく虫が気になる場合は、唐辛子を水に入れて茸を浸すと良いと教えていただきました。が、虫は殆どいない模様です。ラッキーといいますか。そうは言っても、かなり熱いお湯で洗う方法が効果を発揮しているのかもしれません(☞茸の掃除方法)。
 入れる具は、きのこ類の他に時期の野菜なら何でも良いのです。あまりいろいろな材料に拘らず、本当に身近な野菜で良いと思います。ただし、お汁が冷めにくいように豚肉や油揚げなどを加えると一層美味しくなります。
 味付けは、この辺では醤油味が多いのですが、私は信州味噌が好きなので、一年物のあっさりした甘口の味噌を使います。画像の汁の色が茶色く見えるのは、茸の色と紫芋から出た色です。当たり前ですが、野菜と茸をじっくり煮こんで味を引き出し、最後に葱と味噌を加えます。味噌は長く煮こむと香りが飛んでしまうので、出来上がったら直ぐに食卓へ直行です。

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 天然の茸に勝るものはないとは思いますが、一昨日作ったこのきのこ汁を弁当にしたら(☞参照)、この時期に採れる茸で食べた味を思い出したという人から美味しかった思い出を聞き、都会では難しいかなとは思ったのですが、使う茸によっては再現も出来ると思います。癖のある舞茸をたくさん使うとそれらしくなると思います。例えば、舞茸です。他にエノキダケやシメジなどです。そして、食べる直前には一味唐辛子を必ず一振りします。
➠お弁当に

材料

  • 平茸・・150g
  • 椎茸・・5枚
  • ブナシメジ・・100g
  • 豚バラ・・150g
  • 大根・・100g
  • にんじん・・150g
  • 紫芋・・100g
  • 下仁田葱・・1本
  • 昆布出汁・・1リットル(昆布10cm)
  • 信州味噌・・お玉に1杯

作り方

  1. 1リットルの水に昆布を浸して半日以上置く。
  2. 汚れている茸を70度前後のお湯に入れてじゃぶじゃぶ洗い、仕上げに水で軽く濯いで笊に上げる。
  3. 大根とにんじん、紫芋、豚バラを一口大に切り、粗みじん切りに切る。
  4. 鍋に油を薄く引いて豚バラを並べ、肉からできるだけ油を出したら野菜を炒める。
  5. 野菜に油が回ったら昆布出汁を注ぎ、沸騰する頃にアクを掬う。
  6. 沸騰してきたら茸を全て加え、沸騰後火を弱くして10分煮込む。
  7. 最後に葱を大きめに小口切りにして加え、味噌で調味する♪

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2010-11-16

零余子(むかご)とホタテの炊き込みご飯:秋の終わりを告げる

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 秋の終りを告げる零余子(むかご)が実れば冬の到来です。今年の諏訪の冬は比較的暖かくて過ごしやすい上、山には秋の実りが溢れていました。一昨日山にはまだキノコが生えているだろうかと思い足を伸ばすと、なんと、零余子とご対面でした。せっかくなので雑木林をしばらく歩いて零余子狩りをしました。
子供の頃の懐かしい話に触れて前にちょっと書きましたが(参照)実は、今では山芋自体見つけるのが難しいのです。以前、零余子を探しに山に入ったことがありますが、探す時は見つからず、探していないこん時に突然目の前に現れるという偶然でした。これで、毎年、この場所へ行けば零余子や山芋に出逢えということが分かりました。

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 さて、単純にご飯に混ぜて焚き込むむのもシンプルで美味しいのですが(☞レシピ)、今日は、乾燥貝柱と油揚げを一緒に、味付けした炊き込みご飯にしました。白米と餅米の割合を3対1にしたので、もちもちした食感と零余子のほくほくした食感の違いが楽しめるご飯です。また、餅米が入っていると冷めてももちもちした食感が変わずに美味しいのでお勧めです。
 乾燥帆立の旨味と零余子の味と香りがどこかしら似ているという発見があり、大変美味しかったです。東京都内でも、雑木林の藪のようなところで、意外と蔓にぶら下がっている零余子が見つかるかもしれませんよ。

材料

  • 白米・・カップ3/4
  • 餅米・・1/4
  • 零余子・・100g
  • 油揚げ・・1枚
  • 乾燥貝柱・・50g
  • 昆布・・5cm
  • 白醤油・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1/2
  • 水・・醤油と酒を足して普段の分量

作り方

  1. 米を炊く分量の水から1カップを使い、昆布と乾燥貝柱を戻しておく。
  2. 零余子は水で洗う。
  3. 油揚げは、キッチンペーパーに挟んでてえ押さえて油を吸い取り、5mm幅の短冊に切る。    ※油通しするよりもきれいに油を取り除きます。
  4. 米を炊く30分前に洗って、笊に上げておく。
  5. 土鍋に4の米と零余子、戻した帆立、油揚げを乗せる。
  6. 残った戻し汁、調味料、水を米を炊く分量にして加え、15分置いて強火で加熱する。
  7. 沸騰してきたら蓋をして10分、弱火で炊き、火を止めて10分蒸らしたらできがり♪

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2010-11-06

栗茸ともやしの中華風炒め:栗茸の使いきりレシピ

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 先日大量買いして掃除済みの「栗茸」の残りで、中華風に味付けしてとろみを付けた炒め物にしました。栗茸を鶏すきと炊きご飯にしてみて分ったのですが、香りが何とも素晴らしいのです(☞レシピ)。癖のない渋い香りで、やたらと香ばしく感じるのです。なので、癖のないもやしと片栗粉をまぶして揚げた高野豆腐と一緒に炒め、鶏がらスープでとろみをつけました。勿論胡麻油を効かせましたが、期待を裏切ることなく、この栗茸とばっちりな相性です。
 ところで、今回の揚げ高野豆腐は、実は、作り置きです。暇な時に高野豆腐を戻して、固く絞ったところに刷毛で片栗粉をまぶしてから揚げにし、長く置く時は冷凍保存しておきます。揚げ物のついでにも手軽にできるほどの手間なので、これは、炒め物や含め煮の材料素材として用途が広いので、是非、作り置きを推奨します。

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 そして、栗茸の方は、昨日の説明の通り、熱めのお湯にさらして大まかな汚れを落として水で仕上げに濯ぐ方法で下処理をしたものです。つまり、今日のこの炒め物は、材料を揃えたら直ぐに出来上がるスピード料理というわけです。その代わりと言っては何ですが、もやしの根と目は一本ずつ手で千切ります。これに慣れている人で、一袋15分くらいです。

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ね、頑張ってみてください。キノコは、栗茸がないことの方が多いので、他でお勧めなのはマイタケやブナシメジなどです。

材料

  • もやし・・1袋
  • 栗茸(下処理済)・・200g
  • 揚げ高野豆腐・・(8cm×5cmを四等分して)2個分
  • 鶏がらスープ・・200cc
  • 片栗粉・・小さじ1(同量の鶏がらスープを混ぜる)
  • 白醤油・・大さじ1
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 砂糖(隠し味)・・小さじ1
  • 胡麻油・・小さじ2

作り方

  1. もやしの根と目を手で千切る。
  2. フライパンに炒め油(分量外)を引いて、もやしと揚げ高野豆腐に油が回るまで炒める。
  3. キノコと鶏がらスープを加えて蓋をし、煮立ったら調味する。
  4. 最後にがらスープで溶いた片栗粉を回しいれてとろみを付け、2分ほど煮込んで出来上がり♬

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2010-11-05

栗茸の炊き込みご飯と栗茸がメインな鶏すき:キノコの掃除方法

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 さすがに寒くなってきたせいか、二週間前にキノコが大豊作だったのが嘘のように店頭から姿を消しています。また、昨日から霜が下り始め、紅葉は見事に落ち葉となってしまいました。すっかり冬の様相と化してしまった諏訪です。そして、この秋、恐らく今回の天然キノコが最後ではないかと思われるので、我が家なりの味わい方で満喫しました。

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 このキノコは、傘が赤茶色で「栗茸」と呼ばれています。希少ではありますが、この辺りでは割と見つけやすい部類のキノコだそうです。このキノコが合う料理といえば、炊き込みご飯や、肉と煮炊きだと聞いたので、今日は、大きさに合わせてそれぞれの料理をしました。
 その前にそのようなキノコを料理する時に必ず考えるのが、石突の土や松葉、腐葉土などのごみを掃除する方法です。洗わないのがまず一番良いことです。風味や食感をそのままで食べるに越したことはありませんが、やむを得ず掃除の必要がある時の順番は、 息を吹きかける。 布で拭き取る。 水で洗う。でした。笑わないでくださいね。こうするのは、いかにもキノコが貴重な食材であるかという由縁です。
 で、今回のキノコには、そこそこに汚れていて、見るからにいきなりのだろ、という具合でした。買うのをやめようと思ったら、すかさず店主が、「美味しいよ」と迷わすのです。ここで始めて、汚れを洗い流すとキノコの形がなくなって残念なことになるので勿体無いと話すと、「お湯で洗う」、と、教えてくれたのです。キノコは熱が加わると表面からぬめりが出ます。そのことを利用して洗い流すとごみや土はさっと落ちると聞いたのです。喜び勇んで買って帰り、早速試してみました。

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 結論から言いますと、熱湯ではなく、手をつけると手が真っ赤になる位の熱さで、かといって手が浸けられないほど熱くない温度のお湯を大きな器に溜め、ジャブジャブ大雑把に洗って笊に受けます。この後、水を溜めてもう一度同じようにジャブジャブしたら笊にとって水を切ります。勿論、洗う前に石突の泥のついた部分だけ切り取ってからこのように洗いました。
 温度のことまでは聞かなかったのですが、熱湯だとキノコがかなりぬめってしまい、実質火を通してしまうため、風味や食感が抜けてしまいます。その点にだけ注意が必要です。
 さて、大きさがまちまちなので、大中小に分け、大はキノコ主体の鶏すきに、小は、炊き込みご飯にして残りの中は袋に入れて冷蔵庫で保存しました。鶏すきにした理由は、一番癖のない肉として、キノコの味と喧嘩しないからです。

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鶏すき
肉は薄く削ぎ切りにし、油を薄く引いて最初にキノコと鶏肉を並べて弱火でじっくり焼きます。これがジューシーラインを意識した焼き方です(☞Hint&Skill)。肉がほぼ焼けてきたら割り下を適度に回しかけ、しばらくは肉とキノコだけ味わいます。半ばで、他の野菜や豆腐などを加え、同じように焼いて食べるか、鰹出汁を同量加えて煮るか、好みで火を通します。

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炊き込みご飯(もち米と同量の米)

  • 米・・2合
  • もち米・・2合
  • 栗茸(下ごしらえ済み)・・400g
  • 昆布・・10cm
  • 昆布の水出汁・・普段の分量から以下を引いた量
  • 白醤油・・大さじ2
  • 醤油・・大さじ2
  • 酒・・大さじ2
  • 味醂・・大さじ2

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作り方

  1. 米ともち米を洗って30分置く。
  2. 土鍋に1と分量の調味料、昆布の水出汁を入れ、栗茸をのせて蓋をせずに沸騰するまで強火で過熱する。
  3. 沸騰後、蓋をし、火を極小にして8分加熱後、火を止めて12分蒸らす♬

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