馬肉

2008-12-24

桜ステーキ(馬のハツ):天皇誕生日で思うこと:人生に良いも悪いもない

 冬至といい、天皇誕生日といい、翌日にエントリーするという間抜けさがつづいていますね。ぁはは、分かっていますが、なんとも・・・その日にしか思わないので、覚書きのようになります。来年のことを書いて、鬼に笑われるよりはましかな、と。
 天皇誕生日だというので、ラジオのテレビ放送では、皇室の話題が多かったと思います。失礼ながら、最近の天皇の身のこなしや表情が、お歳の割りに急にやつれ、老衰が進行されているかの如く見て取れます。健康を害していらっしゃる様子ですから、養生されることを願います。
 昔の話の中で、昭和天皇の事を思い出していました。私が生きてきた年月で、平成よりも長く昭和を生きたというのも理由の一つだと思いますが、玉音放送を聞いた年代ではないけれど、終戦記念日の度に玉音放送を毎年聞いてきた回数は多く、その後の日本の高度成長と一緒に怒涛の中で育った年代です。だからか、自分の時代は、昭和だなと思うのです。今思うと、昭和は、良い時代だったと思います。将来に対する不安は、今のような絶望感ほどもなく、未来に対して、更にもっとより良きを目指すという、国民の声や政治家の手腕が、くっきりはっきりしていたのだと改めて思います。医療の進歩もめざましく、特に癌治療がこんなに早く実現できるとは思いもしなかった程です。それなのに、あの頃願って、疑わなかった「より良き社会」が、将来の展望はおろか、現在、どうしてこの様に、絶望的になってしまったのか。いや、これは私の捉え方の問題か。医療が進歩して、かなり進んだ延命治療が可能になったというのに、それに当たる医師や看護師充当に奔走しても追いつかず、重い病気を併発している妊婦さんが、無事に子どもを生めなかったり。一国の首相が、政治を放棄してしまったり。このような事態を何としたものか、どうしたらよいのだろうかと心苦しく、憤りを隠せません。残念に思います。
 大きなことは言えませんが、極、個人的には、いい事ばかりの人生が人生ではなく、たとえそれが怒涛のように、辛く苦しいと思うような事ばかりが身に起こる人生でも、それが自分の人生で、けしてそれが不幸でもないということ。どう受け止めようと、その受け止め方も、これまでの人生で学んで身に付いた受け止め方ですから、他人と同じなわけはない。あるがままを受け止めて、「その時」を糧に、「次の時」を生きるのが人生なのではないかと思うのです。今も、その繰り返しの途上であるわけで、世界が絶望した訳ではないし。「事実」は受けとめる以外に選択肢はないと思うのです。

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 さて、桜ステーキを最後に、先日入手した馬のハツは完食です。かたまり肉から1.5cm程の厚みで5枚のスライスになりました。少し小振りのステーキのサイズです。室温に戻す為にスライスをバットに並べて、1時間ほどラップをかけて放置しておいたのですが、血がにじむような事もなく、本当に肌理の細かい肉質です。ソースをいろいろ考えていたのですが、臭みやクセのない肉ですから、オーソドックスに、バターで焼いたあと、フライパンに残ったエキスに少しバターを足して、赤ワインで一緒に煮詰めたものをかけてみました。赤ワインの旨味がそのまま馬肉とよく合いました。
 付け合せの野菜は、全てうちの畑の精鋭達です。大根はこれ以上大きくなる事もなく、単に霜よけのネットをかけて、畑にそのままにしていますが、葉も甘いです。5cm程の直径の可愛い大根です。この大根と人参を少量の水から蒸すように火を通して、バターと塩を少々加えて調味したグラッセです。野菜の甘味だけとは思えないほど、自然な甘さが嬉しかったです。ほうれん草は、バターでソテーして、塩・胡椒で調味しただけですが、こちらの甘さにも驚きました。
 朝早く畑に行くと、ほうれん草は、まるで暖を取るかのように、地面に張り付くように葉を広げ、根っこを分からなくしています。地面の少し深いところにハサミを入れて、根を切ります。霜で真っ白な葉は、そのままピンとして、しもやけにもなっていない丈夫な姿です。

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 馬のハツをステーキで食べる家庭がどれ程よ、と思うので、この料理自体はあまり参考になるとは思えませんが、折りも折り、クリスマスやお正月に焼くステーキが、美味しく焼けないと本当に残念です。
 美味しく焼くコツは、牛ステーキのところを参考にどうぞ。
 美味しく焼くステーキの四か条☛こっち (フィレ)
 和風ステーキ(醤油そーす)☛こっち(ランプ)
材料

  • 馬ハツ・・400g
  • 付け合せの野菜
  • 塩・胡椒・・適宜
  • バター・・15g

ソース

  • 赤ワイン・・50cc
  • バター・・10g
  • 塩・胡椒・・適宜

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2008-12-20

五島うどんの地獄炊き:馬刺し(馬のハツ):もう腹も据わりました

 暮れも残すところ10日となって、益々世知辛い世間の空気を感じます。ところが、気持ちにはゆとりがあって、もっとどん底の経験があるからか、あれ以下のことは無いでしょうと高を括っているわけではないのですが、腹を据えて静かにそれを待っているかのように、じっとしているだけなのかもしれません。とうとう、利下げの余地が無くなってしまったのだし、このまま静観するしかないというのは、確かにそう思います。
 そんなところに、友人や従妹から、その土地のゆかりの品と一緒に優しい気持ちが届きます。それが、この一年の労いのようで嬉しく、年明けを待つ気持ちに少し余裕を与えてくれるようです。

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 私の生まれた故里である長崎に住む従妹から、五島うどんが届きました。この寒い時期にありがたいのが地獄炊きです。地獄炊き(じごくだき)というのは一般的に言われている釜揚げうどんのことです。うどんが含んでいる塩分が、茹で汁に丁度「出汁」のような感じに良い塩加減を残してます。Pc190002 コシの強さが信条のこのうどんは、手延べの時に五島特産の椿油を塗りながら、二本の棒にかけた麺を伸ばす製法だそうです。そのため、うどんとしては細く、断面は丸いです。この太さがまた、喉越しがよくいくらでも食べてしまいます。その歴史も古く、それなりのファンが多いと言うのは察しがつきます。長崎で出汁というと焼きアゴ(トビウオ)が主ですが、今夜は、お椀に花鰹を一つまみ、そこに茹で汁とお醤油を注してつけ麺にしました。簡単ですが、素朴で美味しい。心も体もすっかり温まった夕ご飯になりました。ご馳走様。

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 これも是非書いておかねばと言うのが、馬のハツのお刺身のこと。聞きしに勝る美味しさです。なんですか、この美味しさの表現をどうしたものか、しません。下手に書けないですね。肉屋さんが言っていた通り、繊維が四方八方に向いているのが分かりますね。これが食感のポイントです。そして、マグロの赤身のように軟らかく、口の中で無くなってしまいます。これで厚みは4mmほどです。肉を生で食べられない人がいて、食べられる人が丁度バランス良くいるという事実。もう、それで結構です。無理して食べる必要なんてないです。因みに、我が家は全員大好物です。蛙(かえる)の子は蛙ですね。
 蛇足ながら、馬肉の栄養に関して少し調べたのですが、

  • 牛豚鶏などの畜種より、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高たんぱく質。
  • ミネラルとしても牛肉や豚肉の3倍のカルシウム。鉄分はほうれん草・ひじきより豊富で、豚肉の4倍・鶏肉の10倍に及ぶ。
  • 豊富なビタミン(A・B12・E)
  • 牛肉の3倍以上のグリコーゲンを含む。
  • ペプチド、リノレン酸等も多く含まれる。
  • 低アレルギー性食品である。
  • 女性や高齢者、疲れ気味の人々にも適した食材として注目されつつある。
  • 特にフランスでは医者が病人に対して、馬肉の食事を勧めるほど実績と信頼を得ているのである。
                              

⇒Wikipedia より引用

 いろいろ文献を探したのですが、馬肉に関しては、販売目的のサイトが多く、その説明を鵜呑みにしてここで言及するのは躊躇します。そういった意味では、商売の色の無いWikpediaさんがより信頼性が高いものとして引用しています。が、Wikiさんも、ここまで馬肉の栄養に言及するからには出典はどこかしらと思ったら、(文末にもありますが)明らかにされていません。ですから、この引用は、何処までが本当なのかな?と思います。数値は、本当はどうなのか?と疑う部分はありますが、でも、栄養的には目を見張るものがあるのだなと、抑える程度の参考までに。

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2008-12-19

ジビエ(gibier)料理:馬のハツの串焼き

 昨日は、肉屋さんに立ち寄った途端、「馬の心臓どう?」と聞かれて、一瞬ギクッと引いたのはバレてしまったと思います。タイミングの速さに、驚きを装う事ができませんでした。というのも、馬刺しやさくらステーキ(ヒレ)は食べますが、心臓は初めてです。私の無知がバレバレだったのが運の尽き、漬物石のように抱えてきて、一切れ試食をしろと。差し出されて、うんもすんもなくその場で頂きました。へぇぇ、とても肉とは思えない。食感は、マグロのトロです。自然に、口の中で無くなってしまいます。殆ど脂もなく赤身で無臭。心臓と言うのに筋や筋肉質な感じが全くありません。それが、どの角度で切っても繊維を気にしなくて良いとういのですから驚きです。この肉屋さんにも、年に1~2回しか入荷しないそうです。そして、ついでにホルモンはどう?と、聞かれて、思い出しました。今年の春先に、勧められるまま初めて買って作った「ホースストロガノフ」(☛参照)。 確かに、あれからずっと入荷していなかったわけです。あの美味しさは、只者ではなかった事を思い起こさせてくれました。要するに、馬の心臓を食すということは、マタギとかハンター料理と言う事で、希少な高級食材です。「ジビエ(gibier)料理」と言ったら、スッと入ってくる響きかと思います。
 でと、何を作るか、この心臓で。お肉屋さんのお勧めは、お刺身やにんにくの芽と一緒に塩・胡椒で炒めろと・・・。私、ステーキとか、オイスターソースで炒めるとかどうよ?肉屋さん、いいんじゃね。

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 でと、さて、いろいろ迷った末、今夜は、焼き鳥ならぬ焼き馬です。そうなると伊賀焼きの土鍋の出番です(☛参照)。炭で焼くのと同じように遠赤効果で焼けます。土鍋の蓋をして、強火で5分予熱することで、鍋底を炭のように熱くします。そこに、アルミホイルを敷くだけという至って簡単ですが、石焼きのような要領で、こんがりふっくら焼けました。

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Pc180002  切り方として、肉屋さんからアドバイスを頂きました。肉の表面の色が黒っぽく酸化した部分は(画像は新鮮なので変色していませんが)、色を気にしなくてもいい加熱料理に使い、鮮やかな色の部分を刺身に、かたまりとして大きな部分はステーキというように、切る時に良く考えてね、と。で、今日は、表面の膜のような部分を全て削いだあと、一口大に切って竹串に刺し、塩・胡椒・ガーリックパウダーをふって焼きました。因みに、このかたまりは、1kg強で、心臓のごく一部分です。
 先日他所様でgibierの専門店(☛参照)を紹介していたので、長野のこの辺でも食べられるお店はないかとちょっと探しました。あるにはある。軽井沢のほうで(☛リストランテ フォルマッジオ )。このお店は自家製のチーズのお店だと思っていたので気づきませんでした。ここで、私のフーガス・フロマージュ(☛参照)がデビューするそうです。私は、オーナーも知らないのですけど、パンは友人を介して渡ったそうで、縁というのは不思議です。
 どうしても馬の心臓をフレンチ料理に仕立てたいのですけど、そうすると、やはりソテーしてソースで頂くというものでしょうか。だとしたら、どのようなソースが合うのでしょう。じっくり考えてる間はあまりないのですけどね。

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2008-03-31

じゃーん、なんちゃってホースストロガノフ:馬ホルモンの手製デミグラスソース煮込み

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 こんなに美味しいものを作っちゃってすみません。

 思いも寄らなかった馬のホルモンでしたけど、作っているうちに大成功の予感がしていました。行きつけの肉屋さんで一ヶ月ほど前に珍しい物が入ったから食べてみない、と声をかけられてかなり迷った末買ったのですが、国産馬の生の腸自体がすでに希少価値が高いそうです。好きな方には絶品なんでしょうけど、食べたこと無い者にとっては怖い物見たさです。1kg買って半分はその日にホルモン煮込み、残りはスープごと冷凍保存しておきました。丁寧にあく取りしたあと火を止めて2時間半放置する例のNHKためしてガッテン方式で柔らかく下ごしらえした状態ですから、解凍して玉葱と一緒に炒めて手製のデミグラスソースで煮込むだけの簡単スピード料理です。この料理法ですとハッシュドホースか?って感じですよね、ま、どちらでもいいのですけど、牛肉のコクと違って馬肉特有の風味とコクがトマトベースのソースとぴったり、しっくり合う事を発見です。馬肉関係のレシピはここでは単なる記録として保存しておくくらいになると思います。多分通常の家庭料理としての実用性はないと思いますが、こんな料理もしたことあるよという記録程度で。

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 まず、ホルモンは鮮度が命で、新鮮なうちに下処理をして市場に出ているかどうかです。それは肉屋さんとの信頼関係でその言葉を信頼して買ってくるほかありません。で、このホルモンですが、私の大の苦手な食材だったことは既にお話しています(参照)。今回買う時も充分そのことは確認しました。でも、臭いという言葉を実際の食材でどれほど許せるものかは人によってさまざまですから、作ってみるしか方法はないと納得しました。これだけ用心深い私が言うのですけど、嫌な臭みは全くありませんでした。大なべにたっぷりの水と腸を入れて(最低肉の8~10倍)加熱します。沸騰し始めに浮いた大量のあくをまずしっかり掬い取ります。その後煮立ったら火を弱めて小さく沸騰させた状態であくを掬います。だんだんあくが出なくなってきたら間隔を置いて全体で1時間ほどで火を止めます。ここから2時間半放置してゆっくり肉の繊維を柔らかくします(ためしてガッテン方式参照☛)。この状態でスープごと冷凍してあったので、解凍してから肉だけを取り出してホースストロガノフを作ります。

ためしてガッテン方式で作ったスペアーリブのポトフのレシピも合わせてどうぞ☛

f:id:godmother:20080317041459j:image:w300:right材料

  • 国産馬ホルモン(下処理済み)・・400g
  • 玉葱・・1個
  • 手製デミグラスソース レシピ☛・・カップ1強
  • 赤ワイン・・カップ1/2
  • 塩・胡椒・・適量
  • パセリの微塵切り・・大さじ4

作り方

  1. 解凍したホルモンの水気を切っておく。
  2. 玉葱は1.5cmのくし切りにし、パセリは微塵切りにする。
  3. 鍋に油を引いて中火で玉葱がしんなりと透き通るまで良く炒める。
  4. 水気を切ったホルモンを加えて火が通ったらデミグラスソースと赤ワインを加えて煮立ってから5~6分煮込む。
  5. 塩・胡椒で味を調えてパセリを加える。
  6. 皿に野菜とご飯にホースストロガノフを添えて出来上がり♪

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2007-01-08

馬刺し

20070108060143  長野、山梨では昔から馬肉(さくらと呼ばれる)を食べていて、海のない土地柄だからでしょうか?しかしながら、国産の馬肉は非常に少ないようです。私が買ってくる市内の肉屋さんは「代々から取引があるから家には入るけど、長野県内で国産の馬肉は家にしか入らないよ」と、きっぱり言います。そのような肉屋さんとは知らず、20年以上のお付き合いで、いまだに分けていただいています。最近Wikipediaで調べたのですが、『馬肉は栄養価が高く、高蛋白・低脂質、また低アレルギー性食品である。フランスでは医者が病人に対して、馬肉の食事を勧めることもある。牛豚鶏などの畜種に比べ、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高蛋白質で、ミネラルとしても牛肉や豚肉の3倍のカルシウム、豚肉の4倍・鶏肉の10倍で、ほうれん草・ひじきより豊富な鉄分を含んでいる。さらに、牛肉の3倍以上のグリコーゲンを含み、ビタミン(A・B12・E)、ペプチド、リノレン酸等も多く含む』と、あります。また、寄生虫の人体への感染報告もないそうで、なんだか安心します。

20070108060210  薀蓄(うんちく)よりも、年に一回贅沢するとしたら、馬刺しでしょうか(希少だという意味です)。200g~300g前後の大きさでのブロックになっていますから、家でスライスすることになります。肉筋に対して直角に庖丁をあて、3mmくらいの厚さに切り揃えます。にんにくと生姜を下ろしてお醤油で頂きます。肉屋さんに、「馬刺しに合うおかずは何がいい?」と、聞きましたら「日本酒でしょ!!」と・・愚問でした(^^ゞ

 因みに、馬刺しのスライス、焼肉の御奉行(おぶぎょう)、にぎり寿司は、うちではお父さんの役割でして、写真は全て夫の作です。

スライスする30分~1時間前に冷凍庫に入れ表面を少し硬くすると切りやすくなります。


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