粉からの料理

2012-01-16

「沖縄そば」手作りしてみた:ブラジルで広まった「沖縄そば」に魅せられて

 夕方6時過ぎの30分間ほど、NHKで「海外ネットワーク」という海外のトレンディーな情報を紹介する番組がある。たまたま1月14日、途中からこの番組を観ていた。女優の紺野美沙子がゲストだと紹介していて、なんだか久しぶりに彼女の姿に触れて「老けたなぁ」などと思いながら番組に釣られた。
 前段は、日本から送り出したPKOの南スーダン情報で、さすがに現地の人々が動いている姿には関心が寄った。その次に紹介されたのが、ブラジルに住む150万人(と言われる)の農地開墾時代の苦労話で、開墾の重労働で故郷を懐かしみながら沖縄からの移住者が食べた沖縄そばの話に移った。その「沖縄そば」の昔ながらの作り方がそのまま二世、三世と受け継がれ、現在、大きなレストランとして人気を呼ぶ名物店になったという話だった。調べてみると、1908年の第一回移民は780名で、沖縄出身者は325名と、半数に近かったことが分かった(参照)。
 開店当初の話が面白かった。ずるずる音をたてて食べる日本式の麺の食べ方が恥ずかしく、カーテンをかけて店の中を見られないようにしたのが功を奏し、ブラジル人の関心をかい、ブラジルに広まったそうだ。へっ、沖縄そば!沖縄ではそばのことを「すば」と発音するという話や、現地でおジイと呼ばれる初老の男性から伝授されたその父親の手打ちそばが旨いという話を思い出した(参照)。動く画像でこのそばを見たのは初めてだった。沖縄名物の豚の三枚肉の煮物の厚切りと紅生姜、青々としたきざみ葱がこんもりのっている。想像通りのそばだった。いつか本物の沖縄そばが食べてみたいものだということだけが強烈にインプットされていた。そう、その想像していた通りの沖縄そばをブラジルの大きな店で、大勢人が食べている光景が番組で紹介された。ひょえー。これ作る!すぐにそう思った。
 ここでちょっと番組の話になるが、紹介されていた沖縄そば店の初代オーナーであるおバア、のお年はお幾つくらいだろうか、90歳近いのだろうか、私の両親よりも少し上くらいだろうか。そう思って観ていた時、母から聞いた話を思い出していた。それは私が成人したころだった。ブラジル移民やその後の生活を伝える番組は昔からあり、たまたまそのような番組を当時NHKで親子で見ていた時だった。「長崎に住んでいた頃、ブラジル移民の話があって、家族でブラジルに移民しようかと本気で考えていた頃があった」と言うのである。これを聞いたとき、ああ、私はブラジルの日系人として育っていたら、もしかしたら農場の娘になっていたのかもと、わくわく胸がときめいたのだった。その後、私はイギリスへ一人で旅立ったが・・。母の話で興味深かったのは、政府の誘い方が巧妙で、楽天地のようなブラジルだという印象付けをしていたらしく、怪しいと勘ぐったそうだ。そして、その話に乗らなくてよかったと両親が安堵していたことだった。番組に登場していた移住した人々の話も、開墾作業の辛さやお腹が空いていつもひもじい思いをしていたといった苦労話ばかりであった。が、どうだろう、昨年のある番組では、養鶏で成功した大会社の社長もいたし、大牧場のオーナーの話もあった。そして、そこには苦労話もつきものであった。
 母がブラジルへ移民しなくてよかったと言っていた頃は(1977年頃)、ブラジルの日系人二世が苦労している頃であっただろうか、そのうちの一握りの日系人が成功して今に伝えられている。と、そんな時の流れを感じ、また、老いを実感し、感慨深くしんみりした。何かをすればその結果は出すことができるが、何もしなかったとしてもそれも結果であり、自分の人生なのだと思うと、何となく何も残せていないような人生だったと思った。これから自分にどれだけのチャンスがあるかわからないが、何かをやろうと思ったらその時がチャンスなんだろうか。
 さて、沖縄そば。これ食べたいと思った。今がそのチャンスなんだなということで、早速作ってみることにした。もちろん、伝統的な材料は入手できないので、以下の紹介を参考に作ることにした。その前に、雰囲気を盛り上げる意味で、その部分をちょっと読んでスタートしたいと思い、引用させてもらった。

オジー伝承・手打ち麺の作り方だが、かんすいは使わない。ガジュマルの木灰の上澄みをかんすいの代わりにする。現在では、この製法で作る沖縄そばを「木灰そば」と呼ぶことがある。麺は白い(中華麺が黄色くなるのは本来はかんすいのため。現在では着色)。歯触りがぷりっとして噛むとぷちっと切れて心地よい。麺も滋味深い。余談だが、沖縄の豆腐もにがりを使わない。海水をそのまま使うと当然にがり成分が含まれているからだ。
オジーによる麺生地の裁断だが、うどんと同じである。伸ばして畳んで包丁でざくざくと切っていくのである。職人ではないからそう細くは切れない。それが沖縄そばが太い理由である。
ちなみに私も手打ちをしたが、うどん同様(参照)、パスタマシンで作った。ガジュマルの木灰ではなくベーキングパウダーを少量使った。重曹でもよいが、ベーキングパウダーだとつるっと感が出る。塩は入れない。

そば汁は、基本は豚ダシと鰹ダシである。豚ダシにはわけがある。そばに載せる三枚肉の煮た汁をダシとして使うのである。
三枚肉とは皮付きバラ肉である。塊で買う。東坡肉やラフテーもそうだが、皮の部分がゼラチンっぽくてうまいのである。が、沖縄とても本物の三枚肉はそう手に入るものではない。沖縄の豚肉の多くはオランダとかからの輸入品が多く、皮なしの二枚肉になる。
これを塊のまま水煮にする。小一時間煮る。沸騰したときにはアクを取る。スロークッカーとかだと煮るプロセスが簡単になるし、アクをとったらシャトルシェフに入れておいても、それなりに煮える。
煮たロース塊は8ミリくらいにスライスして、醤油と砂糖で甘辛く味付けする。これが叉焼よろしく具になる。三枚肉ではなく、豚スペアリブにすると「そーきそば」になる。
他の具では、かまぼこが欠かせない。これが内地ではあまり見かけない。方言でいう「かまぶく」は内地のかまぼこみたいな、プラスチック消しゴミみたいな感じはない。おでんの具の練り物や笹かまぼこなんかに近い。おそらく、沖縄のかまぼこは内地の昔の製法なのではないか。とりあえず、内地で作るなら笹かまぼこで代用する。
具というのもなんだが、散らすネギも欠かせない。内地・関西のネギと同じで万能ネギである。きざんで載せる。他に、紅ショウガを載せることもある。

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 まず、麺のつなぎにはベーキングパウダーを採用した。書いてある通り、つるっとした麺の食感がポイント。それに弾力だが、冒頭のNHK番組で人々が食べているのを目を凝らして見たが、口に運んでずるずる吸い込むというよりは一口運んで歯で噛み切り、その部分から下の箸でつまんだ部分は、どんぶりに戻っていた。かなりの量であった。食べ方も豪快であったが、歯で噛み切った時に切れた麺が弾き飛ばされるような弾力というか、ぶっつり切れていた。あの弾力なんだろうなぁ。ますます楽しみになってきた。が、ベーキングパウダーだけであの食感が再現できるかどうかちと心配もあった。それに、「塩を入れない」というのが常識概念から外れている。パンだって、塩が入っていないと良く膨らまないし、甘くてまずいパンになってしまう。でも、初回なのでまず、レシピに忠実にやってみることにした。

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 それと、三枚肉の煮物。これは沖縄で「らふてー」と呼ばれている料理のことかな。だとすると、塊肉のまま下茹でして余分な脂を取り、厚切りして泡盛で煮込んで柔らかくしてから砂糖と醤油で味付けする。皮つきの豚バラがあればよろしいが、なくても豚の角煮(東坡肉:トンポーロウ)と思えば同じである。それらなかなり簡単な作り方のレシピはここにもあるぜ(参照)。うーむ、どうしよう。その時間もなければ、スライス肉に同じような味をつけてもいいんジャマイカ。これは、身が締まって固くなりやすい鴨のスライスなどに味付けする方法で、うどんや日本そばにのせて頂く料理である。
 と、ここまで書いて、行きつけの何軒かの店を回ってくることにしよう。豚の皮つき三枚肉があったらもちろん本格的にらふてーを作ってみよう。なんせこの煮汁が沖縄そばの出汁に使われるとあれば、それはやはり豚から出たコクのある出汁にしなくては意味がなくなりそうである。
 結局、豚バラブロック肉に落ち着いた。思いは沢山あるが、まずは作ってみよう。材料と作り方は画像と一緒にできるだけ実況に近い形で書いてみようと思う。

沖縄そばの具材(三人分)

  • 豚バラ煮物(沖縄らふてー)・・一人3枚
  • 笹かまぼこ・・一人1枚
  • 紅生姜・・適宜
  • きざみ葱・・一人大さじ2
  • 沖縄そば3玉(300gの強力粉で作った手打ち麺)
  • 鰹出汁・・1000cc
  • 豚出汁(らふてーで出来上がった煮汁)・・一人大さじ2
  • 塩・・一人一つまみ

豚バラの煮物(らふてー)の材料

  • 豚バラブロック肉・・790g
  • 水・・4㍑(肉の重さの約5倍)
  • 鰹出汁・・3カップ(肉100gにつきカップ1)
  • 砂糖・・大さじ4(肉200gにつき大さじ1)
  • 泡盛・・大さじ4(肉200gにつき大さじ1)
  • 醤油・・大さじ4(肉200gにつき大さじ1)
  • 経木・・1枚またはオーブンシートを代用
  • リードクッキングペーパー・・落し蓋代わり

作り方
こちらのサイト☞を参照したが、分量も煮る時間も違うので、今回作った通りにレシピを書いておくことにした。

  1. 塊で買ってきた豚バラ肉(790g)を約5倍の水(4㍑)で強火で蓋をしないで茹で始める。

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  2. 20分程すると泡と一緒にアクが浮き始めるので、こまめに掬い取る。

  3. その後、30分ほど時々アクを掬いながら下茹でし、脂身を崩さないように取り出して茹でたお湯は捨てる。

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  4. 肉を7~8mmの厚みに切り分ける。

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  5. 平鍋に経木を敷いて4の肉を並べ、鰹出汁と泡盛を加えて落し蓋をし、蓋をして中火で煮始める。

  6. 煮立ってきたら砂糖を加え、肉がわずかに動く程度の火加減に落とし、蓋を少し開けて10分ほど煮る。

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  7. 醤油の半量を加え、同様の火加減で10分煮てから残りの醤油を加え、6と同様に約1時間煮る。

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 ※煮汁が1/3になるくらいまで煮るのが目安だが、肉がほろほろの状態までできればじっくり煮込む。途中、水分が蒸発して煮詰まるようなら、鰹出汁を少し足しながら様子を見る。

沖縄そばの材料(3人分)

  • 国産強力粉・・300g
  • ベーキングパウダー・・小さじ1
  • 水・・150cc(粉の50%)

作り方は手打ちうどんと同じ方法で打つ(レシピ☞)。が、ベーキングパウダーだと麺を茹でると膨らむので、うどんよりも薄く延ばし、麺の幅も細目にすると喉越しが良くなる。これは沖縄そばに近づいているのだと思う。まずは、一人分だけ生地を切り取って作ってみた。
  1.  分量の水にベーキングパウダーを混ぜ、ボールで小麦粉に少量ずつ加えながら菜箸で均一になるように混ぜる。

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  2.  ひとまとめになったら丸めてスーパーのレジ袋の中央に置き、床の上で10分ほど足踏する。途中二三回袋から取り出して四つ折りにし、生地がなめらかになるまで踏む。
  3.  生地の三分の一を切り出し、打ち粉をした台で手のひらで細長く伸ばす。

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  4.  綿棒に巻きつけて中央から外側に向けて少しずつ押しながら前方へ綿棒を送って生地を伸ばす。

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  5.  広げて綿棒を生地のう上で転がして生地を2mm以下の厚みに整える。(幅は約15cm長さは40cmくらい)

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  6.  生地が重なる部分に打ち粉をしながら三つ折りにし、包丁で2~3mmの幅に切り、持ち上げて台に軽く叩きつけて麺をバラす。

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  7.  鍋にたっぷりのお湯をたぎらせ、麺を2~3分茹でてざるに取る。

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  8.  温めておいた器に麺を落とし、鰹出汁と豚出汁、一つまみの塩を加えた出汁を通す。

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  9.  具をのせて完成。「どう見てもうどんだよね。これ。」「これでいい野田。」

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 また、茹で上がった麺をすぐに食べる場合は、同時進行で出汁に好みの分量の豚出汁を加えて塩を一つまみ加えて沸騰状態にしておくとスムーズだが、茹で麺をしばらく置く場合は、油をまぶして風に当てるなどで素早く冷まし、冷蔵庫保存すると良いようだ。その場合の美味しい作り方がこんな風にある。

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さて、具はある、そばもある(買ったのでもいい)、汁もある、とする。
じゃ、丼に麺を入れ汁を入れ具を載せればいいのではないか。それはそうだが、そのままだと麺は冷えているし、丼も冷えている。麺は十分温まってこそ味わい深くなるものだ。
まず汁を鍋で煮立てる。軽く沸騰させる。汁を一人分丼に注ぎ、一人分麺を入れ、しばし待つ。麺と丼を暖めるのである。そして冷えた汁だけを鍋に戻す。
汁が鍋で再び煮立つのを待ち、煮立ったら、再び麺を持った丼にかける。具を載せる。うさがみそーれー。

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2011-07-12

手製のカルピスのパンの話

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カルピス社員のとっておきレシピ

 最近、話題になることの多いカルピスの会社は、誕生から92年にもなる。うーむ、中国共産党よりも二歳年上かぁ(サーチナ)。なんとも感慨深いものがあるものだと、再び例のカルピスのレシピ本「カルピス社員のとっておきレシピ」*1を手に、新レシピを考えていた。ここでは、先日も紹介したばかりだ(参照)。この本のレシピの傾向は隠し味か、ソース類の甘みと酸味のような使い方で、そこがヒントと言えばそうだが、毎日食べる主食としてのパンにカルピスの乳酸菌を働かせてみてはどうかと思っていた。
 発酵食品が体に良いことはこの本にも書いてあるが、カルピス以外では、ヨーグルトや納豆、酵母パン、醤油、味噌などの食品を食べていればそれなりに摂取できる。パンを主食にすると、上記の食品はなかなかおかずになりにくいではないか。まー、ヨーグルトか、納豆のせトーストとかかな。それも何だし、いっそのことパンに練り込んで焼いてしまおうか、というのが作る動機となった。後で調べたら実際に食パンとして発売されていた(参照)。
 30ccに60億個もの乳酸菌が生きていると本に書いてある。これを生かして「サワードウ」(参照)を作れば、パンを発酵させる酵母が出来上がる。小麦粉と水だけでも出来るのがサワードウなので、カルピスでも出来るとは思っているが、これはまだ作ってみていない。個人的な趣味の域で、近いうちに試してみるつもりでいる。

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 私は、ヨーグルトをスコーンやパンの生地に練り込んで作ることがある。生地を一次発酵させる段階で乳酸菌が働きかけるせいか、非常に伸びの良い生地が出来上がる。このことからヒントを得て、生地にカルピスをそのまま練りこんでも柔らかくて美味しいパンになるんじゃないかと思った次第。結論から言うと、実にもっちり感のある生地ができた。が、その理由がカルピスの乳酸菌によるものかどうかは科学的な裏づけはここではできない。そのため、「カルピスの乳酸菌で美味しい生地が出来る」とは言及できない。が、試しに二度作ったら結果は同じで、伸びの良い生地ができ、しっとりとしたもちもちのパンに焼き上がった。画像がそのパン。
 分量の目安の割り出し方はこういう感じの展開だった。
 この本の解説の通り、飲料としてのカルピスは、5倍希釈が飲み頃の甘さらしい。個人差はあるが、私にとってはかなり甘い飲み物だ。砂糖の半分くらいの甘さだろうか。そう思って、パンに使用する砂糖の倍の容量に少しプラスして80ccを500gの小麦粉に使用してみた。市販の食パン生地の甘さよりやや甘い感じなので、二度目は減らして60ccにしてみた。食事パンならこれくらいがいいかもしれない。ここでちょっと甘みについて触れておくことにする。
 カルピスをパンの甘みに加えるならどれくらいが妥当だろうかと言う観点で考えてみた。これには、咀嚼も関係するからだ。小麦粉の甘さは噛むことででんぷんから糖分に変わるため、よく噛んで食べることが味わうことにつながる。が、砂糖を沢山入れたパンは噛まなくても甘いため、あまり噛まずに食べてしまう人が多い。これに気づいていないとすると、もしかしたら今回のレシピは味が薄いという評価を頂くかもしれない。だから、レシピを書く難しさがここにある。人の嗜好は、いろいろな要素で出来上がっているため、好みに合わせるのは難しいと言える。だから、好みを今日のパンに合わせて欲しい。実は、カルピスを使ったレシピを紹介するのを躊躇った理由もここにある。せっかくの歴史を持つカルピスに泥を塗ってはマズイと思ったが、それでも生地の出来栄えを足せば、軍配はカルピス入りのパンに上がると思う。ということで、またまた砂糖との比較で決めることにした。
 600g(2斤)の小麦粉を使って食パンを作る時、私は、24gの砂糖を使用する。ざっと、パン焼き器のレシピの三分の二程だ。この分量は至って少ない方。リーンなパン(塩だけで砂糖は加えないパン)以外で砂糖(素精糖)を使う時は、非常に少量に抑えている。だから、カルピスの原液の甘さを加味して、この倍の約50ccになんとなく10cc色をつけて60ccを採用した。参考までに、パン焼き器に付属しているレシピだと、250gの小麦粉に対して大さじ2の砂糖が一般的だと思うが、重さでいうと大さじ2は18gなので、二斤だとこの倍の36g。因みにカロリーは150㎉となる。

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 焼き上がった生地の食感はもっちり感があり、いつまでもしっとりしているし、冷めると分かるが、遠くでカルピスが呼んでいるような味がする。また、弾力がありながらもっちりとした食感の由来は、カルピスの酸味からかもしれない。これは、フランスパンを焼く時にビタミンCを加える理由でもある。
 今日のパンレシピは分量を参考にされたら良いかと思い、成型は特に拘ることはないと思う。変な書き方だが、パン作りは多様化してきているため、材料を仕込むだけのパン焼き器で応用出来るレシピにした。私は、捏ねるのはニーダーを使うが、成型して焼くまでは全て手作り。因みに今回のパンの形はこうして作った。

 ①二次発酵後の生地を14個に分割した後(1個は約61g)丸めて10分休ませる。楕円形(角の取れた長方形が望ましい)に延ばして中央で出会うように両端を折り、片方を半分までもう一度折リ込む。最後に閉じ合わせ、転がして15cmほどの細長い棒状の生地を作る。これを休ませながら同じように他の生地を棒状に作り、途中で休ませていた生地を30cmほどに転がして延ばす。この作業を繰り返して14本を30cmに伸ばす。成型は、真ん中に親指が二本入るくらいの穴を残して結び、その穴に片方ずつ端を上と下から通し、最後に片方の端を真ん中に出して花びらのように見せる。
 このパン生地の特徴は、生地を細長く棒状に伸ばすため、画像のように繊維が揃って細長くなる。この食感は、ケースパンにはない歯応えが楽しめる。

道具

  • 25cm以上のサイズのボール
  • 電子計量器(こういうの☞)
  • オーブンシート
  • 刷毛
  • 布巾・・2枚
  • レジ袋・・1枚
  • ビニール80cm×50cm(ゴミ出し用の袋を切るなど)

材料(1個が61gで14個分)

  • 国産強力粉(北海道産みのりの丘)・・500g
  • ドライイースト・・8g
  • 塩・・9g
  • 水(夏場のため氷入り)・・240cc
  • カルピス原液・・60cc
  • ショートニング(トランスファットフリー☞これ)・・30g ※カルピスの風味を重視したのでバターは使用しなかった。
  • 溶き卵・・少々(最後に表面に塗って焼き色をつけるため。なくても良い)

作り方(手作り)
全ての材料を計量する。

  1.  電子計量器にボールを乗せ、小麦粉、塩、イースト菌を計りながら加える。
  2.  小さな氷を大さじ2~3と水、カルピスで300gになるように混ぜ合わせる。

捏ねて発酵させる

  1. 上の1に2を加えて箸で混ぜ合わせ、粉っぽさがなくなったら台に移して手首の付け根で押し付け、生地が滑らかになるまで約10分ほど捏ねる。
  2. ボールに移してぬれ布巾を被せ、レジ袋に入れて結んで一次発酵させる。
  3. 生地が倍以上にふくらみ、指で押すと軽く戻ってくる程度になったらスケッパーやヘラで取り出す。
  4. 全体を計って14等分になるように一個の分量を割り出して分割する。
  5. 成型し(上記のの通り)してオーブンシートに乗せ、倍くらいに膨らむまでぬれ布巾を被せた上にビニールなどを被せて二次発酵させる。

焼き

  1. オーブンを180度に余熱しながら、溶き卵を生地に塗り、12分焼く。
  2. 蒸れないように網などに乗せて冷ます♪


*1)
 本書は極東ブログの書評で知った。カルピス誕生について興味深い話がたんまり味わえる。☞こちら

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2010-12-18

糖三角(タンサンチャオ)ウー・ウェンの「北京小麦粉料理」から-寒くなってきたら蒸し饅頭!

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 寒くなってくると中華饅頭のほかほかふわふわが嬉しくなります。我が家でも、この時期になると豚まん(☞レシピ)が大変人気のおやつでした。「でした。」というのは、子ども達が家から学校に通っている頃は、お腹を空かして帰宅し、夕食までのちょいの間のつなぎのおやつでした。暇な時に多めに作って冷凍しておき、中華蒸篭で蒸したり、レンジでチンすれば直ぐにほかほかの中華饅頭が食べられます。

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ウー・ウェンの
北京小麦粉料理
By ウー ウェン

 きょうはウー・ウェン先生の「北京小麦粉料理」から「糖三角(タンサンチャオ)」の紹介です。粉料理は、作るのに時間がかかるとか、難しいと思われている節もあるかと思いますが、糖三角は、本書でも比較的簡単な部類だと思います。粉料理だからということで敬遠していては勿体無いと思い、人気のあるウー先生の本から紹介します。簡単なものを手始めにチャンレンジして見るとわかると思いますが、とても楽しいのです。きっと欲が出てきて、どんどん作りたくなると思います。この本の料理は丁寧な解説も手伝って、思ったほど難しさを感じずに作れると思うので、私としてはお勧めの一冊です。かく言う私も、勧めてもらって知った本でもあります(参照)。
 糖三角はちょっと不思議な蒸し饅頭で、餡に特徴があります。黒砂糖と小麦粉を混ぜ合わせて饅頭の生地に包むただけのものですが、蒸しあがってみると、画像のように餡子のようなモッチリとした食感に早代わりします。種明かしをしても信じてもらえないほど、意外で面白い作り方です。生地は、イースト菌で膨らませるのでそれなりの待ち時間はありますが、ぬるま湯を使っていますし、手のぬくもりでこね上がった生地の温度は醗酵にとっては適温で仕上がるため短時間で醗酵します。目安は、最初の生地の大きさの倍くらいです。分割した生地を丸く手で押しのばし、餡になる黒砂糖と小麦を混ぜ合わせたものを包んで蒸せば出来上がるというスピードも魅力なのです。

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 包み方は、出来上がりが三角形になるように中心に向かって張り合わせるように指で摘まんで閉じます。

材料(8個分)

  • 薄力粉・・200g
  • ドライイースト・・小さじ1
  • 砂糖・・大さじ1
  • 塩・・一つまみ
  • ぬるま湯(40度くらい)・・110cc
  • サラダ油・・大さじ1

  • 黒砂糖・・大さじ6
  • 薄力粉・・大さじ4

作り方

  1. 大き目のボールに生地の材料を全て軽量し、菜箸で混ぜながらぬるま湯をちょろちょろ加え、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜ合わせる。
  2. 菜箸についた粉を綺麗に取って生地を台の上に移し、手首の付け根で生地を手前から向こうへ押しながらキメを細かくする。
  3. 2の生地を5分ほどこねたら再びボールに戻してサラダ油を加え、指で掴むように馴染ませる。
  4. ボールの周囲の油がなくなって生地に艶が出てきたら丸くまとめる。
  5. ボールで乾燥しないようにぬんれ布巾をかけて、ビニールの袋に入れて生地が倍に膨らむまで醗酵させる。(夏場は室温で30分、冬場はストーブの傍などで1時間ほど)
  6. 醗酵が終わったら生地をそっと取り出し、30cmほどの棒状にそっと丸める。
  7. 目分量で8等分すし、断面を潰して円形にする。
  8. 黒砂糖と小麦粉をボールで混ぜ、目分量で8等分する。
  9. 生地を10cmの直径に丸く手で潰してかたどり、左手に乗せ、黒砂糖の餡の元を中央に乗せる。
  10. 生地の手前を一部摘まみ、そこから半周分摘まんで閉じる。
  11. 残りの開いているところを両方から同じように摘まんで閉じて三角系にする。
  12. オーブンシートにのせて蒸篭に間隔を置いて並べて30分ほど二次醗酵させる。(ない場合は台に置いてぬれ布巾をかけ、ビニールで覆う)
  13. 強火で沸騰している中華鍋に蒸篭を二段に重ねて蓋をし、10分蒸す♬

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2010-11-15

finalventさん式フォカッチャ(石窯焼き風クラッカーテイスト)

 先日Twitterで見かけたちょっとした一言「 フォカッチャ焼いとる。フランスパン風に水蒸気で焼くと表面がちょっとクラッカーテイスト。」でピーンときたのが、表面がサクッとした食感の香ばしい厚皮フォカッチャです。ピザの生地とも違う感じ。「クラッカーテイスト」というのが正にそれで、もう少し香ばしく焼いた感じが浮かびました。食べたくなったので、早速焼いてみました。

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 この「クラッカーテイスト」をもうちょっとうるさく言うと、この間の「finalventさん式焼きりんご」(☞レシピ)で、奪い合いになること間違いないと称えた「パンの耳」。アレ。あんなのがこよなく好きな人って多いと思います。もっと言うと、パンの耳を揚げてお砂糖をまぶしたのとか、クラッカーの香ばしいのとか、ピザの焦げたようなところが好きとかいう人には絶対にお勧めなのが今日のフォカッチャです。題して「finalventさん式フォカッチャ」です。「finalvet式」がつくレシピがどういうものかなど語るのは野暮と言うもので、ここを眺めている人ぞ知る、食材の旨味を満喫できるレシピです。使う道具も時間も材料も、これと言って特別なものではないことが多く、その辺にある普通の食材を絶品の味わいにする料理法とでも言っておきます。今日は、それを普通のフォカッチャで味わいます。
 通常のフォカッチャを焼く時は、まず、生地にオリーブオイルを混ぜてこねます。きめの細かいモッチリとした食感の生地になります。また、焼く直前に表面にオリーブオイルを塗ると、皮が乾燥せずにしっとり均一に焼けます。これにフランスパンを焼く要領で、生地をオーブンに入れて、表面をかりかりとしたクラッカーテイストにします。
 フランスパンの焼き方は、庫内に蒸気を発生させ、この効果で生地の表面に高温で湿気を与え、表面の生地(小麦粉)を堅い皮に変化させます(☞レシピ)。この反応をフォカッチャに生かして焼くのです。これが「クラッカーテイスト」に早変わりするコツです。つまり、オリーブオイルと焼き方、焼き加減によってでき上がります。

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 方法は難しくないのです。蒸気を使ってフランスパンを焼く機能付きのオーブンなら、そのオーブンの説明書の方法で焼きます。私のオーブンは200vの大型で、温度と焼き時間はマニュアルなので自分で調節します。しかも、スチームはでません。このタイプのオーブンを持っている人は、二段式で、天板が二枚入るタイプならできます。設定温度は250℃まであれば良いですが、230℃位でもできます。
 文字にするとなんだかややこしくなりますが、作ってみると、「こんなもんか」と、意外に簡単です。何よりも、キツネ色に焼けるのを待っている間が楽しいのです。一度、お試しあれ。

フォカッチャの材料

  • 国産強力粉・・300g
  • 天然酵母・・20g(無くても可)
  • インスタントイースト・・5g
  • 砂糖・・10g
  • 塩・・5g
  • ぬるま湯(35℃くらい)・・180cc(生地の60%)
  • 粒塩(表面用)・・小さじ2
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • オリーブオイル(表面用)・・小さじ4
  • スーパーのレジ袋・・2枚(衛生的な状態のもの)
  • 丈夫な紐・・二本(タコ糸など)
  • 小石・・天板に敷き詰められる量
  • 水・・300cc

オーブン環境
二段式で温度設定が自在に調節できるタイプ。または、スチーム効果でフランスパンが焼けるタイプ。

フォカッチャの作り方

  1. ボールで粉と材料を全て混ぜ込み、ぬるま湯を注いで一まとめにしたら15分こねる。
  2. 表面が艶々になったら丸めて発酵用の二重のレジ袋に入れてきっちり紐で縛る。 袋の底部をあらかじめ紐で縛り、裏返して生地を入れる(「「たった2つ!の生地で作れるパン」で、もっと速く焼く「低温圧力長時間発酵パン」:朝焼きのパンへの道のり:ピストール」☞参考)。
  3. 生地の醗酵を促すため、電子レンジの弱(解凍モード)で30秒温め、冬場なら部屋の一番暖かい場所で30分~1時間醗酵させる。
  4. 袋がパンパンに張ったら生地を取り出し、ニ等分して丸く丸めてから10cm幅の楕円にし、フォークで所々突いて穴を開ける。 これは、パンが平らに膨らむようにする為で、突いた先が下の台まで届かせるのがコツ。
  5. オリーブオイル小さじ2を表面に塗り粒塩を振る。
  6. 天板に小石を敷き詰めてオーブンの下段で250度に予熱する。
  7. 天板にオーブンシートを敷いてその上に4の生地を二枚並べてオーブンの上段に入れ、下段の天板に300ccの水を注いでオーブンの扉を閉める。
  8. 2分後、オーブンの温度を210℃に設定しなおして20分焼く。
  9. 表面が狐色に焼けたら取り出し、網の上などで冷ます♬

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2010-07-25

手作り太った餃子 inspired by ゲゲゲの女房NHK

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 NHKの朝ドラ、ゲゲゲの女房を毎朝観ています。夏の暑い日、何かスタミナのつく料理はないかという時に、キャベツがたっぷり入った餃子を作るシーンがあって、餃子に関しては私もいろいろ思い出すことがありました。
 布美枝さんが夜食に餃子を作るという場面で、一人10個として数を勘定する指が、一本ずつ折れる時、いつだったか、丁度同じような場面が、私の昔の実際の生活にもあって、ふっとそのことが浮かび上がったのです。このようなことはめったにないのですが、よほど餃子と言う事に記憶が織り込まれているのだと感じました。中身はちょっと内緒。そうそう高校時代、常にお腹を空かしていた私は、母の手作り餃子を一食で50個は食べていました。多分それ以上の時もあったかと思います。凄まじい食欲でした。とか、ちらち他愛もないことを思いだしていました。
 あの頃は、確か、餃子の皮は市販に無かったのではないかと思います。というか、満州に長く住んだ経験のある母は、餃子の皮は小麦粉を捏ねて自分でのばして作るものだと思っていたのだと思います。私は、そういう餃子作りをある時は手伝ったりしていたので、お陰で、手作りすることは苦になりません。

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 ゲゲゲの女房では、プロダクションの設立のお祝いの席でも出されいて、布美枝さんの気取りの無いおもてなしがジーンと伝わってきました。私も食べたくなって、早速作りました。
 ニーダーもあるのですが手捏ねをしないと意味がないとか思って、じっとり汗をかきながら作る生地も良いものでした。
 粉は、私の手が一番馴染み易い400gにし、残った生地は「葱油餅(ツォンユーピン)☞レシピ」にでもしようかと残しておくことにしました。具には大量のキャベツを入れたのですが、蒸して叩いて布巾に包んで絞ったら、ほんの一塊になってしまいます。このキャベツの絞り汁から50ccほど具に混ぜ込みます。少しでもキャベツの甘味を生かすためにこうします。
 生地の捏ね方と餃子の成型方法は、画像を含めた説明のエントリーを参考にどうぞ☞レシピ。また、大きな画像の包み方は中国式で、茹で餃子の方法なのですが、その方法でも焼き餃子になります。下にスクロールすると、違った形の包み方の餃子の画像がありますが、それが今日作った餃子の包み方です。

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 そうそう、今回はぱりぱりの食感を添えようと、一般的な呼び方では「ハネ」ですが、餃子のつなぎのような役割にもなります。ここでは、ウー・ウェン先生のレシピから「ゴーティエ☞レシピ)」で紹介しています。ハネの分量は水100ccに小麦粉こさじ2と、割と濃い目にしました。

材料(具)

  • 豚ひき肉・・200g
  • キャベツ・・500g
  • にら・・1束
  • 玉ねぎ・・1/2個
  • にんにく・・2片
  • 八角醤油・・大さじ1.5(醤油に八角を長く漬け込む)
  • 塩・・小さじ1/2
  • 砂糖(隠し味)・・小さじ1
  • 胡麻油・・小さじ2
  • キャベツの絞り汁・・50cc

生地(約100個分)

  • 強力粉・・300g
  • 薄力粉・・100g
  • ぬるま湯・・180cc

ハネ用(一回分)

  • 小麦粉・・小さじ2
  • 水・・100cc

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2010-06-25

簡単にできるラヴァシュ(トルコのパン)とケバブ風ひき肉炒め

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 ラヴァシュと呼ばれるパンは、ヨーロッパの様々な国で食されている。発祥はトルコかイランかギリシャなのかよくわからない。あの辺の国です。パンと言ってもクレープの厚手版といった感じで、もちもち感がなんとも言えない質感があるのが特徴です。同じ小麦粉でもこうも違うものかと驚くのですが、使用している粉は薄力粉で、特徴はグルテン(たんぱく質)が少ないため、パンのようなスポンジ状で生地が繋がったような焼き上がりにはなりませんが、あえてイーストなどを使ってガスを発生させる事で細かい穴が生地一面にでき、もちもちした食感にプラスして、ふんわりした面白い生地になります。本格的にはどのように作るのか本場のレシピは知りませんが、今回起こしたレシピの配合で作ると、現地のものとかなりそっくりにできます。変な話、「現地のもの」と言っても「これがそれ」と、限定できるものではないのが食べ物です。言い換えれば、レシピはあってないようなもので、どれがオリジナルか特定できないものです。
 この生地は、ボールに粉と塩、イースト菌を混ぜておき、ここにぬるま湯注して菜箸でよくかき混ぜます。多少ダマがあっても大丈夫。ラップをして室温で発酵させます。夏場なら1時間ほどで2~3倍に膨らみます(冬場は温かい場所で)。粉の発酵などをしている間に挽肉や野菜などの具を用意し、それでも時間が余ったらTwitterなどをします。

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 焼き方は、クレープを焼くよりもアバウトな感じで、表面のごつごつは多少あっても弾力でカバーできます。しかも、ホットケーキのようにフライパンに流してお玉の腹で撫でつけるようにして丸するので、麺棒で生地を伸ばすような技術も必要ありません。つまり、誰もが取り掛かりやすい粉料理です。

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 そして、ケバブのように成型して串刺しもしないのに味は一丁前にケバブなのです、ラムの挽肉がなければ、牛肉だけもでも、何なら豚肉でもいいです。その場合は、ベーコンなどを混ぜるとお洒落かな、と。それに、トマトと薄くスライスしたレモンをフレッシュで挟めばかなり豪華なおご馳走です。
 そうそう、忘れるところでした。肉の黄色は、先日「黄色い炊き込みご飯」で紹介したターメリック製剤のカプセルから、耳かき程度の量を混ぜました。別に黄色くする必要はないので、なくてもおっけです。

ひき肉でサンドイッチ弁当に☛

材料(4枚分)

  • 牛挽肉・・100g
  • マトン挽肉・・100g(ない場合は牛肉だけで)
  • 玉葱・・100g
  • クミンシード・・少々
  • コリアンダー・・少々
  • オレガノ・・少々
  • ターメリック製剤・・ほんの少し
  • 塩・・こさじ1/2
  • 胡椒・・少々
  • トマト・・1個
  • レモンスライス・・適宜
  • マッシュポテト
  • 赤カラーピーマン

生地

  • 薄力粉・・200g
  • ぬるま湯(人肌)・・200cc
  • 塩・・10g(5%)
  • ドライイースト菌・・小さじ1(約10g5%)

作り方

  1. ボールに薄力粉と塩、イースト菌を取って混ぜ合わせ、人肌のぬるま湯を注ぎいれながらもう片方の手で、菜箸でかき混ぜる。
  2. やや粘りが出てきたらラップをかけて室温で、2~3倍の量になるまで発酵させる。
  3. 玉葱をみじん切りにし、トマトは薄いスライス、レモンはできるだけ薄くスライスする。
  4. その間に、鍋にオリーブオイル少々(分量外)とクミンシード、コリアンダーを炒り付けるように弱火で香りを出し、次に玉葱が透き通るまで炒める。
  5. 続けて肉を加え、弱火のままゆっくり炒めて火を通し、最後に塩、胡椒、オレガノ、ターメリックで調味する。
  6. 2の生地の発酵ができたらフライパンを弱中火に掛け、薄くオリーブオイルを塗り広げてお玉一杯分を中央に流して外側に向けて広げてのばす。
  7. 生地全体が透き通ってきたら裏返して両面から火を通す。
  8. 生地を半分に切り、具材と一緒に皿に盛り付ける♪

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2010-04-12

畑の日の夕食はピザに決まっている!体調が最悪なことに:小麦粉に拘る私の理由

 暑い寒いが何度か繰り返されるうちに、平均的に気温も上がってきました。ベテランのお婆様は、今年の天気を「まだ早い」と見て、一番最初のえんどう豆でさえ蒔かないと決め込んでいますが、私の畑にはほうれん草と春菊の芽が2cmほど出ています。えんどう豆もほんの少し土を持ち上げています。早いと判断するのは、芽が出た後に霜が降りたりするのを皆懸念しているのですが、半とでるか丁とでるか、先が楽しみです。
 耕運機、動かしてしまいました。というか、説明の通りにやればエンジンはかかるものですね。問題は運転です。理屈はわかっていますが、何回やっても土に対応しながら腕の力の抜き方押し方が上手く行きません。今日は、両腕と手首が未だかつて経験したことのない筋肉痛と、指は浮腫んで何だか上半身は自分のものじゃないみたいな感覚です。蒔いた種は、長葱、人参、ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、トマト、ミニトマトで、種じゃが芋4種類、種里芋でした。くたくたで帰宅したので、どうしても夕食がぱっと作って並べてポン、みたいな献立になります。考えてみると、農業をされている方は偉いですね。戸外で働くというだけでも疲れるというのに、家事をこなすというのには脱帽です。そこへ行くと、やれやれな私です。まったく。

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 こういう時の料理は、一品に限ります。栄養バランスが良く、材料を放り込んだらハイでき上がり!みたいに直ぐにできるものです。準備は万端整えてからということで、前日に小麦粉をこねて生地を仕込み、出かける前に生地を焼いて半分以上終わらせておくのです。帰宅後、夕食間近に材料をのせてオーブンで焼くだけにします。今日は「分業で全て手作りする」ピザレシピの紹介です。

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 この方法が功を奏したようで、生地がどこもかしこもカリカリで、厚めに焼いたにしてはよい焼き加減にできました。以前友人が、先に生地を焼いてから具を載せて焼いた方がカリカリとして美味しくできると話ていたとおりです。この方法はとてもお勧めです。おそらく、もっと小さなサイズで例えば一人分の20cmサイズ位で焼いて冷凍しておくとよいです。市販のそういうのを以前買ってみたことがありますが、大した手間ではないので、美味しい小麦粉を厳選して、そこは最高の贅沢をするのです。

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 生地はこれまた分業で、前日(作る12時間以上前にこねる)に15分ほどこねてレジ袋に密閉し、冷蔵庫でゆっくり発酵させておきます(➠低温圧力長時間発酵生地レシピ)。ピザ生地は、パンのように膨らませる必要はないので、袋から取り出したら天板に直ぐに広げます。フォークで穴をあけて180度で15分焼いて冷ましておきます。食べる時間から30分くらい前に材料を用意します。ピザ生地の上にトマトけチャプ(HEINZ製に限っています)を塗り、オレガノを振りかけてチーズをのせ、好みの具を載せます。最後にチーズをもう一度薄く散らして180度に予熱したオーブンで20分ほど焼きます。
 具は好みですが、私のピザで人がいつも驚くのが「イワシのトマト煮缶」です。缶詰なら鯖や秋刀魚の蒲焼も美味しいです。これがトマトやチーズとバッチリなのです。強くお薦めします。

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 因みに、ほうれん草をオーブンで空焼きしたものは、ポテトチップスに似て非なるものになります。ビールのおつまみにカロリーの高いポテトチップは止めて、ほうれん草のオーブン焼きをお薦めします(180度で4~5分)。オリーブオイルを少し垂らすとほうれん草のビタミンが良く吸収されますよ。「野菜と一緒に油脂を摂取するとビタミン吸収を補う」と言うのを常識化するとよいです。

材料(生地)

  • 国産強力粉・・400g
  • ホシノ天然酵母・・30g
  • ドライイースト・・4g
  • 塩・・4g
  • 水・・210c

材料(具)

  • 玉葱のスライス・・1/2個
  • えのき茸・・1/2株
  • ほうれん草・・1/3束
  • トマトの輪切り・・中2個
  • 鰯の水煮缶・・140g
  • ミックスチーズ・・200g

【我が家のピザ】
➠手製のクリスピーピザ四種
➠蕎麦ピザ
➠オーバー発酵の生地で和風ピザ

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2010-02-28

オーバー発酵のパン生地でビッグピザ:時代と共にオリンピック選手を育てる人が変わってきているのか

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たった2つ!の生地で作れるパン―発酵は冷蔵庫におまかせ

 冷蔵庫で長時間発酵させるパン生地に関しては、成形から焼き上げの段階でかなり時間短縮する事ができるようになり、しっとりともちもちした食感のパンが焼けるようになって大変満足しています(「低温圧力長時間発酵」で朝焼きパン☚イマココ)。元はと言えば、教えてもらった本のレシピを改良したことから始まったのです。このパン生地のバリエーションとしていろいろな展開がある中、オーバー発酵状態にしてしまうといううっかりミスもよくあることです。嘆くなかれ、ちゃんとレシピを用意しました。これで物忘れしてもおっけです。
 このパンの生地の特徴は既に話ましたが、最長で四日くらいそのまま冷蔵庫で置いたとしてもそれなりのパンにはなりますが、そこを過ぎるとぐっと膨らみが悪くなります。一般的な言い方で「オーバー発酵生地=老麺」といいますが、この状態になったらどうした良いか、という問題を解決するためにあるのかと思うのがピザとフォカッチャです。老麺とは、発酵状態を長く置くことでガスの発生が静まり、膨らまなくなった生地のことです。また、小麦粉自体の熟成も進んでいるので、独特の旨味として変化しているのも事実です。わざわざ老麺を作って新しい生地に混ぜて作るパンもあるほどです。

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 さて、300gの小麦粉を使った老麺で、30cm×40cmの天板一面分の大きな和風ピザを焼きました。薄くのばすので天板に当たっている部分はカリカリのクリスピータイプ生地になります。トッピングはそれこそお好みで何でもござれですが、せっかくなので今回の具を紹介します。特に缶詰の鰯のトマト煮缶と舞茸、海苔は必須です。

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 パンの生地は、強力粉にドライイースト(100gの小麦粉に対して1%)を加え、60%の水でこねた生地をスーパーのレジ袋に入れてしっかり縛って冷蔵庫で発酵させます(参考レシピ☛)。発酵してガスが充満すると袋がパンパンに張ってボールのような状態になり、これが生地をより良くこねることになるので、きめの細かいよいパンになります。20070923050221このガスを一度抜いて最初と同じように縛り直して発酵を促すと3~4日くらいで張りがなくなります。この時点でオーバー発酵生地となります。つまり、これ以上ガスを発生しなくなるのでパンとしては膨らまない生地となります。今回は、このような状態になった生地を使用しました。少し酸っぱいような香りがしますが、それこそが生地によい風味をもたらします。

参考レシピ☛フォカッチャ

材料

  • 生地・・強力粉300g分の老麺
  • トマトケチャップ・・1/2カップ
  • オレガノ・・小さじ1
  • バジル・・小さじ1
  • 玉葱スライス・・1/2個
  • 舞茸・・1.5パック
  • 鰯のトマト煮缶・・180g(固形分)
  • 中国海苔・・適宜(無ければ日本の味付け海苔)
  • ミックスチーズ・・300g
  • オーブンシート・・33cm×4cm1枚

作り方

  1. 生地を冷蔵庫から出して室温で2時間ほど置くか、電子レンジの「弱」で30秒温める。
  2. 玉葱を薄いスライスに切り、舞茸、中国海苔は小さくほぐす。
  3. オーブンシートを天板のサイズに折って印をつけ生地を縦横、斜めに中央から外側に向けてのばす。
  4. トマトケチャップを気に全体にのば、オレガノとバジルを散らし、鰯の実を縦割りにしてところどころに置き、2の玉葱、舞茸、海苔を乗せてチーズを散らす。
  5. オーブンを200度に予熱し、15分ほど焼き色がつくまで焼いてでき上がり♪

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2010-01-21

アラカルトで作るスパゲッティー:「低温圧力長時間発酵」で朝焼きパン☚イマココ:気になるハイチ大地震のその後

Iphone_009  昨日のジョギングで、桜の木の枝がゴツゴツしているのに気づいて近づいてみると、もう蕾を付けていました。花が終わった途端に次の花への準備に取り掛かるため、葉を大きく広げて沢山栄養を取るのが夏ですから、自然界では極当たり前の事をしているだけなのですが、それにしても、こういう事に感動して嬉しくなるのです。風が強くて枝が揺れるので上手く撮れていませんが、春の知らせのお裾分です。
 「あのー、今頃冷凍庫からお正月の残りが出てきまして、それが少しずつなのでこんなものを作りました。」という、冷凍庫のアラカルトで出来上がったスパゲッティーです。まかない料理のようなものと言うとちょっと株が上がるのかな。そして、こういう料理に限って美味しくて二度とできない料理になるんですよ、困ったことに。実際とても美味しかったので、もしもの場合を思ってレシピを挙げておこうと思いました。しかも、ついで程度にiphoneで画像を撮ったというのもあって、アップにはとても絶えきれない画像です。あ、こういう書き方をするとまずいですね。iphoneでも力を入れると上手く撮れます。しかも、三脚ではなく手持ちです。例えば昨日のイタリアンサラダは、接写なのにピントもまーまーでしょ(参照☛)。まぐれっぽいのですがそれでもこのくらいのピントに合わせられるのです。きょうのスパゲッティーの画像は、気を置いて無かったため、いい加減に撮ってしまったのです。iphoneのせいじゃないです。

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Iphone_012  さて、作り方は、前に作っておいた玉ねぎ入りトマトペーストを、炒めた魚介類に絡め、茹でたスパゲッティーと炒め合わせただけという簡単さです。特に、作り置いていたトマトペーストのかどが取れて、甘みと酸味がとてもまろやかだった事と、蛸、烏賊、海老、鮭のそれぞれの味が重なり合って旨味を作り出したようです。肉では鶏、豚、牛などを混ぜて美味しいポトフなどができますから、同じ理屈です。ただ、私としては、烏賊と蛸を一緒にしたことはありませんし、そこにさらに鮭を加えるというのも始めてでしたが、これ、強くお奨めします。

材料(4~5人分)

  • スパゲッテーパスタ・・450g
  • 海老の剥き身・・(大)・・5尾
  • 烏賊ゲソ・・2杯分
  • 蛸の足・・2本(200g)
  • 甘塩鮭の切り身・・1枚
  • にんにく・・1片
  • オリーブオイル・・大さじ2
  • 白ワイン・・大さじ3
  • トマトペースト・・カップ2
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • バジル・・好みで

トマトペーストの材料

  • 完熟トマト・・600g
  • 玉葱・・中1個
  • 白ワイン・・カップ1/2
  • にんにく・・2片

作り方

  1. 解凍した材料を切りながらパスタ用のお湯をたっぷり沸かし始める。
  2. 海老は殻を取り除いて背わたを引き抜き、斜めに3~4個に切る。
  3. 烏賊は、適当な大きさにぶつ切りする。
  4. 鮭はフライパンにオリーブオイルを塗って焼き、分量の白ワインの半分を加えて蒸し煮にし、火が通ったら引き上げて冷ます。
  5. 2の鮭が冷めたら皮を取り除き、骨を抜いて海老と同じくらいの大きさに切る。
  6. 蛸は2cmの乱切りにする。
  7. パスタを茹で始める。
  8. 茹で上がる3分前にフライパンにオリーブオイルを引き、にんにくから香りを移す。
  9. 海老、烏賊、鮭、蛸を全て一緒にソテーする。※目安として海老の色が赤く変わったらOK。
  10. 残りの白ワインを加えてアルコールを飛ばし、トマトペーストを加えて一煮する。
  11. パスタが茹で上がったら笊に引き上げ、茹で汁をお玉に一杯取って10のフライパンに加え、煮立ったらパスタを加えて良く絡めてでき上がり♪

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2010-01-17

帆立のパイ包み焼き クリームソース添え:パイ生地のカロリーコントロール:小沢幹事長の進退についての思惑

Iphone_024  このところの寒波で、マイナス8度前後を記録する朝が続きますが、それでも諏訪湖は凍らず、雪も少ないので助かります。お向かいのご主人が昨年の暮に亡くなり、とうとう私の住む家の前の通りの雪かきは、日中家にいる私の役目となったのでした。昨日の諏訪湖の日没がとても綺麗でしたので。

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 さて、今日は、帆立貝の剥き身のパイ包み焼きにしました。寒い日にオーブン料理をすると、部屋が大変暖かくなるので、これも理由の一つなんです。
 帆立の剥き身をバターで軽くソテーした後、白ワインで蒸し、帆立を引き上げて残ったスープを小麦粉でとろみ付けし、牛乳で伸ばしたホワイトソースを作ります。帆立は、薄く伸ばしたパイシートに野菜と一緒にのせて蓋をし、フォークで押さえて閉じたらオーブンで焼きます。

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 難しいことはありませんが、冷凍パイシートの扱いで一言。市販品は、通常、3mmくらいの厚さで長方形か正方形にカットされています。私が手製で作るパイシートも同じように作りますが、この厚みのままだとかなり分厚く、ひとり分の生地の量も多くなるのでカロリーが気になる上、少し食べたらお腹が満腹になってしまうので、具の量は調整せずにパイシートの量を調節します。
方法は簡単。半解凍くらいになったら、好きな大きさに縦横伸ばして生地を大きくします。私が今回使った冷凍パイ生地は、17cm×21cmで、一枚が150gくらいです。この生地を25cm×20cmまで綿棒で引き伸ばし三等分にしたので、ひとり分の生地は50gです。内訳は、小麦粉22g、バター約12g、水分12g残りは砂糖や塩、卵などということになります。

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 この分量だと、ブリオッシュなどのリッチな小さ目のパンが一個分くらいです。パイ生地のおよその分量を知っているとカロリー計算に役立つと思うので、今回は、比較用に特記しました。

材料 (三人分)

  • 帆立貝の剥き身・・9個
  • 玉葱・・1/4個
  • カラーピーマン赤・・1個
  • 冷凍パイシート(21cm×17cm)・・1枚
  • エノキダケ・・1/3パック
  • 白ワイン・・大さじ2
  • 小麦粉・・大さじ2
  • バター・・15g
  • 片栗粉・・少々
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 牛乳・・カップ1

作り方

  1. 剥き身の帆立は軽く水洗いして水気を吸い取る。
  2. 玉葱は5mmの櫛型に切り、カラーピーマンは5mmに縦に細切りする。
  3. 1の帆立の両面に塩と胡椒(分量外)を軽くふり、片栗粉を指先で両面にパラパラする。水止の役目をします。
  4. フライパンでバターを溶かし、帆立を並べて両面を軽くソテーしたら、分量の白ワインを加えて蓋をして蒸し焼く。
  5. アルコール臭が飛んだら帆立貝を取り出し、残ったスープで小麦粉を炒め、一度火を止める。
  6. 牛乳を注いで軽くかき混ぜ、もう一度点火し、とろみがつくまで混ぜる。
  7. 最後に5cmに切ったエノキダケを加えて火を止める。
  8. 冷凍パイシートが半解凍状態になったら綿棒で縦横に伸ばし、ホタテ貝を片側の三箇所に置いて2の玉葱と赤ピーマンをのせて反対側の生地で閉じる。
  9. 合わせ目をフォークで押さえて三等分に切る。
  10. 200度の余熱のオーブンで13分色よく焼いてでき上がり♪

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