スープ類

2012-02-09

ボルシチ -「亡命ロシア料理(ピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニス)」より

亡命ロシア料理  もう四年も前に紹介記事(参照)を読んで買った本、「亡命ロシア料理(ピョートル・ワイリ/アレクサンドル・ゲニス)」(参照)は何度読んでも面白い一冊で、先日も、ロシアの食卓では欠かせないというスープ料理を参考にしたくてページを開いた途端、引きこまれて再読してしまった。こんなことはよくあることで、繰り返している内に内容のことは殆ど覚えてしまった。料理の話だけではなく、著者の知性の高さを思わせるような話題の豊富さや、物事の深淵に触れているにも関わらず、サラっとあくまでも軽くリズミカルに話題が移っていくのが魅力である。何とも一言では言い尽くせない。料理のレシピが本文にすっかり溶けこんでしまって、どこで止めてレシピを盗もうか迷ってしまう嫌いもある。
 さて、探しもののレシピだが、日本国民的料理でもある「ボルシチ」にした。と書いてみて、そうでもないかなあ。外食をしないので私がよく分かっていないかもしれないが、本文のあとがきにも日本では、ボルシチとピロシキ、ウォッカがロシアの代表料理とまでは書いてある。本書のカバーには、ロシア料理の写真が4枚あり、その内の一枚のピンク色のスープがボルシチだ。本書では、これも貴重だと思われる、料理作業中のモノクロ写真とレシピが掲載されている。が、この部分だけみてボルシチを作るなかれ!理由は本文を読めば分かることだが、肉抜きなのである。そんなボルシチあり?と、疑ってネットのレシピを探してみても、肉抜きというのはヒットしなかった。その代わりと言っては何だが、レシピは、ブイヨンには惜しみなく野菜を使えと言い、たっぷり時間をかけている。    
 ここで曰く、

古典的ユダヤ風ブイヨンのでき上がり。風にも効くし、大して手間をかけずに素朴なグルメの喜びを味わえる。ほんのり甘いラスクを添えれば言うことなし。正に、何世代ものユダヤ人が、世界中に散らばりながらも、このようなブイヨンを飲んで育ったのだ。

 筆者の生い立ちや本書のタイトルに、「亡命ロシア」とついている意味も興味深い。ロシアで生まれ育ったユダヤ系ロシア人である彼らが、アメリカに「亡命」ではなく「移住」した経緯から、自分たちの料理を懐かしんで作っていたようだ。この辺の感性は私の心を大いに擽ってくれる。現代は、料理は「速くて、安くて、簡単」な上に美味しい料理が人気のようだが、それとは別に、料理には郷愁もあり、懐かしい記憶と一緒にその頃の時代の香りがしてくるものだ。そして、時間や手間もたっぷりかかるが、私もこの年になって、和食に惚れ惚れしている。作っていても食べても、なんだかほっとする。昔ながらの手法による和食と似ていると思うのは、そこだ。   
 おっと、話をボルシチに戻して、今回、私が作ったボルシチには牛すじが入っている。これはブイヨンを取った残りかす。これが食卓にメインとして別料理で上がるというのが一石二鳥料理の裏技でもある。そうか、古いユダヤの料理もそうだったのかと思うと嬉しくなった。貧しさの中の贅沢というか、私の作る出しがらしの昆布と鰹節のふりかけとそっくりじゃないかな。    
 牛すじというのは、牛を解体する時に取り除かれる筋の部分で、この筋は肉と骨のジョイント部分や、内蔵を腹内で固定させるための重要な役割を果たしている。軟骨のような硬い部分もあるが、成分としての魅力はコラーゲンだろうか。ゼラチン質のため、煮凝りができる。こういった部位だからか、脂や赤身の肉も付随していてアクが沢山出る。必ず下茹で処理をして一度茹でこぼし、筋を水で洗い流して再度茹でる。この時の茹で汁がさっぱりして美味しいが、ここに本書で紹介しているブイヨンレシピ(野菜をふんだんに使用する)を展開してみた。    
 まず、下茹でで出るアクを掬うこと30分を含めて、水から茹で始めて約一時間で茹でこぼし、肉を適当な大きさに切ってから水から再び茹で始める。ここで、人参とセロリ、パセリの茎、玉ねぎ、ブラックペッパーホール、のブイヨンを加えて強火で茹で始める。これだけのことだが、美味しいブイヨンを作るコツは二つだけだと本書でも言及されている。

第一に、ごくごく弱火で煮ること。第二に、根菜をけちらないこと。

いや、これだけ?いや、ちょっと付け足してあるが、かなり重要ではないかと思われる。   
使用する鶏肉はオンドリの方が脂がたくさん出るからだと書いてある。つまり、脂が乗っていて美味しいと言う意味だろう。また、沸騰したらこまめにアクを掬いとること。出来れば鍋の淵についたのもキッチンペーパーなどで拭きとると良いとある。濁りのない澄んだ綺麗なスープとはそういうものである(`・ω・´)ゞビシッ!! で、今回は、鶏肉を牛すじに変更したというわけ。また、牛すじは柔らかくなるまで茹で上げ、たっぷり時間をかけた。理由は、ボルシチの色に染まりやすくするためで、他に理由はない。また、その効果の程があったか?と聞かれると、そうかもしれないと言う程度。どちらにしても、柔らかくなるまで煮こむのは同じ事だ。下準備の時間が、午前中になかったのでスロークッカーは使用しなかったが、二度目の「茹で」を任せれば6時間で「弱」の設定で良いと思う。

418649_379091315440214_100000180450212_1697347_1969949391_n

418636_379092752106737_100000180450212_1697349_1441036007_n

 
 本書のボルシチとは若干材料の点で違うが、行程はほぼ忠実に作った。野菜の旨味をどのようにこのブイヨンとコラボさせるのか、それがとても重要な部分だと思った。    
行程は、大きく分けて4行程ある。

  まず、①、前段に挙げたような方法でブイヨンを取る。 

430868_379093218773357_100000180450212_1697352_1415259181_n

②、ボルシチの色目になる野菜炒めを作る。

400219_379094628773216_100000180450212_1697362_90547915_n

③、ブイヨンにキャベツとジャガイモを加えたスープ下地を煮立てる。

④、③に②を加えて煮込む。

407250_379093855439960_100000180450212_1697356_959185584_n

 とあるが、ここで本書の写真にこんな注訳があるのを忘れずに付記しておきたい。 

注=スープストックはあらゆる料理に使用するが、採り方も多様で一口にレシピをというわけに行かない。家庭では市販の固形もしくは顆粒のブイヨンで事は足れりとしたい。

 さあ、この選択はご自由にということで、私のレシピは以下に添えておくとしましょう。   
 

材料(6リットル鍋    

  • 牛すじ・・二度茹で後300g
  • 下茹で後のビーツ(赤蕪)・・200g
  • 人参・・150g
  • 玉ねぎ・・中2個
  • ジャガイモ・・300g
  • カットトマト・・200g
  • にんにく・・3片
  • 塩・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • レモン・・半個
  • ブイヨン・・4リットル
  • サワークリーム・・一人分大さじ1(ない場合は、キッチンペーパーを小ザルに敷いてヨーグルトをのせ、一晩冷蔵庫で水抜きする。
  • バター・・大さじ1

下ごしらえ         
 牛すじ、にんじん、玉ねぎ、ビーツはそれぞれ細長く切りそろえ、ジャガイモは皮を剥いて1.5cmのサイコロに切る。キャベツは、筋を切り取りってジャガイモと同じ大きさに切り、葉は、重ねて荒目の千切りにし、にんにくは包丁で潰しておく。 

   
作り方      

  1. 大きなフライパンを中火にかけ、バターを溶かして玉ねぎ、にんじん、カットトマト、ビーツの順に炒め、しんなりしたところへ塩と胡椒をしてレモン汁とブイヨン1カップを加えるて赤い汁を作る。     大鍋に残りのブイヨンを入れてジャガイモとキャベツ、牛すじを加えて強火で煮る。注):カットトマトの汁気がなくなるまで炒めてトマトのカドを取る。    
  2.    
  3. 煮立ってきたらにんにくを加え、20分ほど煮る。注):本文では4~5時間とあるがキャベツがクタクタに煮上がったらよしとする。    
  4.    
  5. 3に1を加えて味を整え、温めたスープ皿についで中央にサワークリームを乗せてパセリを振る♪

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010-11-21

諏訪周辺で作られるポピュラーなきのこ汁(市販茸で作るためのレシピ)

Pb180005

 先日作った信州味噌仕立ての「きのこ汁(平茸・椎茸・しめじ)」(☞レシピ)でも触れましたが、いつか食べた信州のきのこ汁の懐かしいさを思い出されという方の話から、都会では入手できない茸ばかりを使ったレシピでは気の毒な気がしていました。舞茸などを使えば出来るだろう、と推測的な考えを言った手前、それは自分でも作ってみないことにはチト無責任な気がしたので、早速作りました。しかも、こちらで作るポピュラーな味付けでないと再現した事になりませんし、その雰囲気にも浸れないのではないかと思ったので醤油味にしました。また、加える野菜も当地の一般的な材料である白菜だけです。
 結論から言うと、きっとこれだ!と、納得の行くきのこ汁ではないかと思います。普通は、茸と豚肉に白菜を加えて煮こむのですが、ここに山芋(大和芋)を擂って、団子のように一口大に切りながら落としました。これだけはオプションですが、理由は、適度なとろみがお汁を冷めにくくするので、真冬には大変体が温まるためです。因みに、長芋は使用禁止です。固まらずに汁に溶けてしまいますので、間違えないように購入時に要注意です。

Pb180002

 さて、肝心の味付けですが、決め手になるのが「舞茸」です。勿論栽培物で、普通にスーパーに売っているものです。このマイタケがきのこ汁のベースの味になるというのは言わずもがな、良い出汁がでます。これに、エノキダケとブナシメジを加えるだけで十分に風味が豊かなになります。また、白菜をたっぷり入れてしなしなになるまで煮こむと、白菜の甘さがお汁全体をまろやかにします。
 これなら都会で味わる茸汁として太鼓判を押します。是非お試しあれ。

材料(5~6人分)

  • 豚バラ肉・・5mm厚で100g
  • 舞茸・・1パック(200g)
  • エノキダケ・・1/2株(市販のサイズ)
  • ブナシメジ・・150g
  • 白菜・・300g
  • 昆布・・10cm
  • 水・・1500cc
  • 白醤油(普通の醤油でも可)・・大さじ2
  • 醤油・・大さじ1
  • 酒・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1(味見して加減)
  • 大和芋・・300g
  • 七味唐辛子・・適宜

作り方

  1. 分量の水に昆布を浸して半日以上置いて、水出汁を取る。
  2. 豚肉を切って鍋に並べ、弱火でじっくり油を出す。
  3. 2の豚肉の油で白菜を炒める。
  4. 1の出汁を加えて煮込み、沸騰したら小房に分けた茸を入れ、沸騰直前で火を弱くして10分煮込む。
  5. 大和芋を擂って一口大に箸で切りながら落とし、浮いて火が通ったら味付けする。
  6. お椀に注ぎ分け、七味唐辛子を振ってでき上がり♬

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-10-30

手製のぬか漬け鰊(ニシン)の三平汁

Pa280002  富山の名物で、鰯(いわし)を小糠と塩で漬ける保存方法があると以前教えてもらった時、鰊(にしん)で作ってみたいと考えていたことがやっと実を結びました。富山ではこれを「こんか鰯」と呼ぶそうです。「こんか」の言われは、「小糠(こぬか)」が変形したそうです。諏訪でも、例えば「あそこ」というのが「あっこ」というように、話し言葉になると縮まるのと同じだと思います。
 このこんか鰯と大変似ているのが、昔、石川県の小松の友人から頂いた鯖の糠漬け(へしこ)です。この味が忘れられなかったのです。後で調べて分ったのですが、青い魚をこうやって糠に漬ける方法は、北陸から東北地方の昔の人の知恵だったそうです。温度や魚の脂の乗り、発酵の度合いで微妙に味が違ってできると聞いて、挑戦意欲が湧いたのです。こういうものは毎年作ってみないと比較が出来ないので、まずは作ってみたのです。
 ところが、レシピというものはないし、ネットで調べるとあるにはあるのですが、こういうのは作る条件が一定ではないのであまり参考になりません。結局、漬物用の三五八漬け(☞レシピ)や鉈(なた)漬け(☞レシピ)を自作しているので、その経験から塩加減してみました。

Pa280001

 ところで、魚を糠に放り込んでも充分発酵しません。どのように進むかというと、糠を好む菌がついて糠の発酵を促す水分が適当にあり、発酵しやすい温度にして環境を一定にします。すると、半日くらいで発酵が始まります。
 ネットでは、麹を混ぜる方法を見ましたが、そこまですると大変なので、鉈漬けの応用に使った市販の甘酒の素と塩を糠を混ぜて糠床にして漬け込みました。ニシンの旬である春先でしたので、気温はまだ低く、発酵はゆっくり進んだと思います。二週間ほどそのまま置いてから冷凍保存しておいたのが今日の糠漬けニシンです。

Pa280008

 かなり塩辛い筈ですが、思ったほど生臭さもなく、身が締まっています。これを水洗いして鱗を下ろし、ぶつ切りにします。あらかじめ昆布で煮て火が通った野菜の煮物に加えます。15分では塩が抜けきれず、20分で調味料を加えました。調味料の分量は、味を見て加えるしかないので、あくまでも目安です。
 三平汁にした理由は、塩抜きなどしないでそのままぶつ切りにして、鰊の塩分で味付けしたいと思ったからです。なかなか良いお出汁がでて美味しかったです。これは、やはり大人の味です。

ニシンの小糠漬け材料

  • ニシン・・3尾
  • 糠・・1カップ
  • 甘酒・・1カップ
  • 塩・・1/2カップ
  • 鷹の爪(種無し)・・1個

こんかニシンの三平汁の材料

  • こんかニシン・・2尾
  • 大根・・200g(7~8cm)
  • にんじん・・250g(1本)
  • じゃが芋・・300g(2個)
  • こんにゃく・・1丁
  • 野地シメジ・・70g
  • 長葱・・適宜
  • 水・・1600cc
  • 昆布・・10cm
  • 酒・・1/2カップ
  • 醤油・・大さじ1
  • 味醂・・大さじ2

作り方糠床の作り方

  1. 材料を袋の中で揉みこむように混ぜ合わせ、水気を拭き取った鰊を埋め込むように入れ、26度くらいの薄暗い場所で4日発酵させる。
  2. 1を冷蔵庫に移して10日置き、冷凍する。

こんか鰊の三平汁

  1. 野菜を適当な大きさに切り、分量の水に昆布を浸け、昆布出汁をとる。
  2. 鰊を洗って鱗を下ろして頭を落とし、内蔵を取り出してからぶつ切りにする。
  3. 昆布をつけたまま1に切った長葱外の野菜を加えて火にかけ、じゃが芋が煮崩れないうちに鰊のぶつ切りを加える。
  4. 20分ことこと煮込んでから長葱を加え、酒、味醂を加えて味見をし、足りない分を醤油で整える♬

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-10-20

りんごの豚肉巻きトマト煮込み

Pa170008

 今年のりんごは小振りで傷のあるものが多いと聞いていますが、味に関しては外れがなく、どれも美味しく感じます。その中でも紅玉という品種は酸味が強く、焼き菓子(☞レシピ☞レシピ)やジャム(☞レシピ)、パン(☞レシピ)などに使うことが多いです。りんごを料理に使うことはあまりないのですが、それでも先日の豚肉のスライスで巻いてバターソテーした料理(☞レシピ)は大変美味しかったです。その延長で、目先を変えてみたのが今日のトマト煮込みです。
 りんごのお陰で、長く煮込んでも全く肉が硬くならず、フワフワとした食感と、トマトの酸味やチーズの風味が混ざって、何とも深みのある一品になりました。紅玉は早稲種で、一ヶ月くらいの内に市場からなくなるので、早目にレシピに載せることにします。

Img_0066

 使用するのは豚ロースやもも肉の焼肉用より少し薄めのスライスで、一枚が約20g程度です。12枚用意して、りんごも12等分すると丁度食べやすく作りやすい数にできると思います。見つかった時には、是非、この料理も試してみてください。

Img_0068

 作り方の手順は、皮を剥かずにりんごを12等分に切って豚肉で巻き、軽く塩胡椒してからバターでソテーし、表面に焼き色をつけます。取り出して、玉ねぎをいためてから肉を戻してワインと水、トマトを加えて30分ほど煮込みます。最後に塩と胡椒で味付けし、パルメザンチーズを振って出来上がりです。煮込むのは15分くらいでも良いのですが、りんごにしっかり火が通って透きとるくらいになると、スープに味が染み出すので、できればじっくり煮込むことをお勧めします。

Pa170004

 試していませんが、スロークカーで作る場合は、ソテーしたりんご巻きとあらかじめ炒めた玉葱、トマトを加え、「弱」で4時間でできると思います。

➠お弁当に

材料

  • 豚肉・・スライス12枚(250g)
  • 紅玉・・1個
  • 完熟トマト・・300g
  • 玉葱・・1個
  • バター・・20g
  • ローリエ・・1枚
  • 白ワイン・・カップ1
  • 水・・カップ1
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • パルメザンチーズ・・適宜

作り方

  1. りんごを12等分し、芯を取り除き、豚肉で巻く。
  2. 玉葱は縦に5mm幅のくし型に切り、トマトは、皮を湯剥きして一口大に切る。
  3. フライパンにバターの半分をおいて火にかけ、溶けたら1の豚肉の巻き終わりを下に並べる。
  4. 時々場所を変えながら全体に焼き色が軽くつく程度に焼いて取り出す。
  5. 同じフライパンで、残りのバターを溶かして玉葱が透き通るまで炒め、4を戻す。
  6. 分量の白ワインと水、2のトマト、ローリエを一緒に加熱し、沸騰したら蓋をして火を弱め、30分煮込む。
  7. 最後に、塩と胡椒で味を調えて皿に注ぎ分け、パルメザンチーズを振って出来上がり♬

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010-09-28

鶏肉ハンバーグの中華風煮込み:つなぎは長芋だけのシンプルな挽肉料理

Food_40

 町の肉屋さんで買う時は、肉は好みに切ってもらったりその場で加工してもらいます。鶏胸肉の皮なしの挽肉もその一例です。今日はこのひき肉で中華風のハンバーグ煮込みにしました。
 地鶏だと一枚250gくらいなので二人分では多すぎ、3人分では少ないので、小型のハンバーグに作ります。小さめに作ることで個数で分けやすくし、また、別に取り置いて、お弁当のおかずに他のバリエーションで楽しむことができます。今日は、つなぎにはすった長芋を使いましたからきめが細かく、食感もなめらかになるので、小さい子どもやお年寄りにも食べやすくなります。卵や片栗粉などをつなぎに使うことが多いですが、鶏肉団子は硬くなってしまうという理由から、長芋を使います。火が通っても滑らかで、肉との隙間に空気を含んでいるので、ソフトな食感になります。長芋と同様につなぎに代用できるのは、里芋(☞レシピ)やオクラ(☞レシピ)です。

Food_39

 鶏肉を好みの大きさに大雑把に分けて楕円形にかたどり、焼き目をつけて火を通します。これを鶏がらスープで一煮立ちさせてから具財を加えて味付けし、とろみをつけます。

材料

  • 鶏胸ひき肉・・250g
  • 長芋・・60g
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 砂糖(隠し味)・・小さじ1/2
  • エノキダケ・・1/2株
  • 絹さやえんどう・・70g
  • 鶏がらスープ・・400cc
  • 塩・・小さじ1
  • 醤油・・小さじ2
  • 酒・・大さじ1
  • 片栗粉・・小さじ2(同量の水)
  • 胡麻油・・適宜

作り方

  1. ひき肉をボールで粘りが出るまで捏ね、塩、胡椒、砂糖、擂った長芋を加えてよく混ぜ合わせる。
  2. 1を好みの大きさに分割して小判型にかたちどり、フライパンで焼いて焼き色をつける。
  3. 鶏がらスープを火にかけ、沸騰したら2の反ハンバーグを加えて一煮立ちさせ、エノキダケと絹莢エンドウをくわえて味付けする。
  4. 水溶き片栗粉を少しずつ加えながらかき混ぜてとろみをつけ、2~3分煮て胡麻油で香りを付けたら出来上がり♬

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-09-24

鶏肉のぶつ切りとトマトのシンプルなスープ:放り込むだけで30分!

 スープと言えばスロークッカーが十八番になってしまった私ですが、今日のスープは違います。普通に厚手の鍋で作る「放り込むだけスープ」の定番にもなるかと思うほど「美味しい、簡単、安い、速い、栄養満点なスープ」なのです。こういうスープを考えるのは、息子達の健康管理からですが、私が実際手を下すわけではないので、せめてレシピくらいはと思ったのです。

P9220001

  末の息子曰く、都内とは言え、西東京から世田谷までの通学時間は料理時間のスケジュールを著しく乱すそうです。そういう生活でも、野菜と鶏肉の旨味がたっぷり取れると元気も出てくるのではないかと思うのです。まあ、ここを見るかも問題ですが、そういうところから思いついた次第です。スープのベースがあれば茹でた野菜を後から加える事もできますので、まずは、30分でシンプルなスープを多めに作っておくとよいかと思います。今日は、そのレシピからです。
 手順は、潰したにんにくをオリーブオイルでソテーして香りをオイルに移します。ここに肉の皮目を下にして軽く焼き色が付く程度にソテーし、冷凍トマトのぶつ切りとタイム、ローリエを加え、煮汁が半量になるくらいまで煮込みます。この後水を加えて一煮立ちさせ、アクを掬います。最後に、塩と胡椒で味付けをしたら出来上がりです。

P9220003

 まず、鶏のもも肉のぶつ切りを使ったのには理由があります。鶏がらで美味しいスープをとる場合も同様ですが、骨が切断されていると濃いスープが取れます。これは豚骨でも同じです。しかしながら家庭の包丁ではなかなか骨のぶつ切りはできないので、肉屋さんに骨付きで切ってもらうか、骨付きのぶつ切りもも肉を購入します。因みに探してみたら、アメリカ製やブラジル製の冷凍だと¥500~¥600/1kgくらいです。国産のぶつ切りは特にそういう加工品はなく、ももの骨付きを切ってもらうことになります。
 トマトは、我が家は畑で熟したトマトを冷凍しておいたものを使いますが、缶詰のカットやホールトマトで代用できます。これににんにくがあれば調理スタートです。
 そうそう、鍋ですが、蓋付きの厚手鍋がベストです。かと言って、圧力鍋はこの場合不向きです。骨の切り口が弱くなっているところへ圧をかけると粉々に粒状に散って口に残ってしまいます。
 ここで出来上がりなので、このままチキンスープとしても良いですし、別に茹でたじゃが芋やにんじん、セロリ、キャベツ、パスタなどを賑やかに加えて、ミネストローネのようなスープのバリエーションも楽しめます。

材料

  • 鶏もも肉ぶつ切り・・500g
  • 完熟冷凍トマト・・500g
  • 水・・800cc
  • にんにく・・3片
  • タイム・・小さじ1/3
  • ローリエ・・1枚
  • オリーブオイル・・小さじ2
  • 塩・・小さじ2

作り方

  1. 冷凍トマトを室温にしばらく置いて皮を剥き、ヘタを取って大きめのぶつ切りにする。
  2. にんにくを潰す。
  3. 厚手の鍋にオリーブオイルを引いてにんにくをソテーする。
  4. 肉の皮目を下に並べ、中火で軽く焼き色が付くまで焼く。
  5. 4に1のトマトを加えて蓋をして蒸し煮し、煮汁が半分くらいになるまで15分ほど煮込む。
  6. 5に水を加え、タイムとローリエを加えて一煮立ちさせアクを掬う。
  7. 塩と胡椒で調味して出来上がり♬

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-09-16

白花豆とトマトのチキンスープ(スロークッカー編)

P9140004

 やっと涼しくなって、豆のスープが恋しくなりました。材料を放り込んでタイマー設定し、スイッチをONするだけで美味しいスープができるスロークッカーの季節到来です。
 今日は、久しぶりの白い花豆をたっぷり使って、トマトベースにしました。具があっさりしているのでスープのコクは鶏の手羽中をいくつか一緒に入れました。豆も、下茹でなどの手間は一切不要なのです。と、言いつつ、今回はちょっとしたハプニングがありました。やってみないと分らないのが豆の鮮度です。
 新豆が市場に出回るのは晩秋から冬にかけてで、今は丁度その入れ替わり時期の直前です。買い慣れている地場産を扱うお店ではないところで買ったため、何時の豆か分りませんでした。今出回っている豆の最新は昨年度の豆で、この豆ならスロークッカーでは「弱」で6時間で出来上がるはずでした。ところが、遺すところ一時間というのに一部の豆にはまだ皺(しわ)が寄っている状態でした。こりゃ無理、と判断して時間を二時間延長したのですが、それでは待ちきれません。ということで、この日の夕食は変更したのです。
 このように、豆が収穫された年度がはっきりしないと料理時間が大幅に違ってきます。分らないのが普通だと思うので、豆料理だけは時間に余裕を持つか、年度のはっきりしたものを入手するのがよいです。

P9140001

 また、スロークッカー料理では水分の蒸発が少ないため、豆の三倍くらいの水で豆とスープ量のバランスが程よいと思います。また、同じ理由から、味付けも最初に殆ど決め、塩分だけを最後に調節する程度でよいと思います。

P9140002

➠お弁当に

材料

  • 白花豆・・300g
  • 完熟トマト(種無し)・・400g
  • 鶏手羽中・・6個
  • 水・・900cc
  • トマトケチャップ(Heinz)・・100g
  • 固形コンソメスープ・・1個
  • 塩・・小さじ1
  • ローリエ・・1枚
  • ラクレットチーズ・・適宜
  • アク取りシート・・1枚

作り方

  1. トマトを湯剥きして二つに輪切りにし、金笊の下にボールを置いてトマトをにぎって種を出す。
  2. ボールに溜めたトマト果汁と、粗微塵に切ったトマトだけスロークッカーの内鍋に入れる。
  3. 手羽先、白花豆は水洗いする。
  4. 塩以外の全ての材料を内鍋に入れ、「弱」で八時間にセットする。
  5. 豆に火が通ってふっくらしていることを確認してから塩で味を調える。
  6. スープ皿に注いで、チーズを好みの量のせて出来上がり♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-08-08

赤毛瓜(アカモーウィ)の冷たいスープ:沖縄の瓜

Food_68

Food_67_2

 沖縄の野菜が長野の片田舎諏訪で手に入るとは驚きました。霧が峰高原に20歳代の若い人たちが農場をしていて、彼らが面白い野菜を沢山育てているのです。聞くところによると、今日のアカモーウィは、大変丈夫な瓜で病気もしない上、害虫の心配もないので無農薬で育てられるそうです。考えてみればそうです。「食べたい野菜」を育てるよりも、農薬に頼らずとも強い野菜を育てて食べた方が自然です。

 さて、早速ですが、アカモーウィは瓜ですから、漬物や生でサラダにしたりなんにでも良いようです。この暑い時期ならではの、冬瓜や夕顔(干瓢=かんぴょう加工)に倣ってスープにしてみました。
 そうですね。食感はナタデココにやや似ていて、ぬめりの様なつるんとした感じはないのですが、癖がなく非常に食べやすい野菜です。切った部分は正にきゅうりなのですよ。

Food_69

Food_66

 種をくりぬいて皮を剥き、水から茹でて、沸騰してから火を止めて予熱でじっくり火を通します。ぬるま湯程度まで冷めるとアカモーウィもすっかり透き通った状態になります。ここから鶏がら出汁で煮込み、味付けします。
  今回は、いつも入れているトウモロコシと、食感の変化をつけるために中国のコシのある緑豆春雨を加えました。つるつるとした春雨に柔らかいながらも噛み応えのある春雨は、なかなか美味しかったです。

材料

  • アカモーウィ・・1本(600g)
  • トウモロコシ・・1本
  • 中国産緑豆春雨・・50g
  • 鶏がら出汁・・1500cc
  • ローレル・・1枚
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜

作り方

  1. アカモーウィを縦半分に切り、スプーンで種をくり抜き、表面の皮を剥く。
  2. 鍋にたっぷりの水をとり(分量を覚えておく)、1を水から茹で始める。
  3. 沸騰したら1%の塩を加え、そのまま透き通るまで冷ます。
  4. トウモロコシは蒸して火を通し、一粒ずつにほぐす。
  5. 春雨は水で洗い流して適当な長さに切る。
  6. 鍋に鶏がらスープ1500ccをとり、3のアカモーウィとローレル、塩を加えて煮始める。
  7. 沸騰したら4のトウモロコシと5の春雨を加え、塩で味を調える。
  8. 出来上がったら水に鍋ごと浸して冷まし、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-07-31

ニック・ジャガー(洋風肉じゃが)アレンジ編

Food_108

 肉じゃがを洋風に作るという一環の試作品と言えばそうですが、こんなんでマジに美味しい一品です。肉じゃがと思うから変なの、って思われるだけで、 洋風の野菜煮込みと思えばどうという違和感もないです。前にTwitterで拾ったネタですが、作ってみたらとても美味しかったので、今回は、アレンジして味付けを変えてみました。
 材料になる野菜は季節のもの何でもありですが、味付けの出汁になるベーコンは必須です。以前は牛肉で作りましたが(☞レシピ)、出汁のよく出るベーコンが今回は主役です。また、普段あまり使わないのですが、コンソメスープの素を一つ使ってみました。これが、ベーコンの出汁を引き立てるような感じの味付けになって美味しくできました。因みに、普段使わない理由は、コンソメ自体が個性が強いので、スープの具財である野菜の味を打ち消してしまう感じが好きではないのです。

Food_107

 作り方の手順は、根菜は半分に切ってラップに包んで電子レンジで蒸し、あらかじめ火を通しておきます。他の野菜は炒めて旨味を引き出してからスープを加えて煮込みます。ポイントは、ベーコンとにんにくを最初によく炒め、油に香りと味を移してから野菜を炒めるのです。赤ワインとウスターソースの組み合わせが意外な旨味とコクを生み出します。

➠お弁当に

材料

  • ベーコン・・100g
  • じゃが芋・・300g
  • にんじん・・1本(120g)
  • 玉ねぎ・・1個(180g)
  • 絹莢エンドウ・・適宜
  • にんにく・・2片
  • 水・・400g
  • コンソメ・・1個
  • 塩・・小さじ1/2
  • ウスターソース・・大さじ2
  • 赤ワイン・・大さじ1
  • 胡椒・・適宜

作り方

  1. じゃが芋とにんじんは洗い、にんじんは乱切りにし、じゃが芋は一口大に皮付きのまま切る。
  2. 玉ねぎは縦に6等分する。ベーコンは大きめにざっくり切る。
  3. 絹莢エンドウは筋を取り除いておく。
  4. じゃが芋とにんじんをラップに包んで電子レンジで8分蒸す。
  5. フライパンに油を少々引き、つぶしたにんにくとベーコンを弱火で焦がさないようにソテーして香りを油に移す。
  6. 次に玉ねぎを炒め、透き通ってきたら4のじゃが芋とにんじんを加えて一緒に炒める。
  7. 全体に油が回ったら水を加えて煮立たせる。
  8. コンソメと、塩、胡椒、赤ワインを加えて一煮立ちさせ、最後にウスターソースを回しかけて火を止める♪

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010-07-29

手製のホッケの干物:天日干し

 夏場はハエが寄ってきたり猫に取れると何だからと、干物は冷蔵庫で作るようにしていましたが(参照)、天日干しのはやはり美味しい。と言いつつ、実際猫に一匹盗れてしまったにもかかわらず、それでもめげないほど癖になる美味しさだ!負けた。

Food_113

 というわけで、35cmほどのホッケを購入。早速腹開きして、塩水に浸け込んで外に干します。梅雨明けと同時にかんかん照りの毎日なので、日陰で日中、半日も干せば十分です。やはり天日干しの干物からは、魚のよい生臭みがでます。この臭いが旨味がなので、生臭くない干物というのはありえません。その代わり、この臭みこそが焼くと旨味に変わってぐっと美味しい焼き魚に変身します。
 昔、伊豆大島の波浮港の入り口の向こうとこっちみたいな感覚で泳いだことがあります。1kmくらいあったのでしょうか、港の入り口のこっちの岸から泳いで向こう側にたどり着いた時に異様な臭さで尻尾を巻いたことがありますが、クサヤを干すところでした。大島でもあのクサヤは誰も行かない島の端っこで干していたのです。参った。あれだけは食べられないと思っていたのですが、一度食べちゃうと病み付きになるのも事実です。困ったことに。

Food_106

Img_0014

 ホッケの生臭みは、クサヤからしたら知れたものです。この程よい生臭みを作るためには、夏場なら天日干しで半日、暇ならハエよけのために傍で団扇でも扇いでいるか、干物用の網でも用意するとよいです。漁港などで干しているのを見ると、ぶんぶんハエが集っています。ありゃ!と思ってももう遅い、というか、市場ではどんどん売れて行きます。私は、80cmくらいの直径のカバー付きの笊を持っているので、ハエを追い払うことからは免除されています。
 手製の干物のよいところは、塩分の加減ができることと、干し加減の調節ができることです。これが楽しみなので、塩加減をレシピに書いて教えるみたいなことはナンセンスだなと思うのですが、最初の目安的な軽い気分で試してみるくらいで、参考になればと思います。(画像の笊は梅をほしていますが、同じものを魚用として使い分けています)

材料

  • ホッケ・・2尾
  • 塩水・・水の8%の塩を溶かす

冬場は6%で、夏場は腐敗を防止するためやや濃い目の塩加減。
魚がすっかり被るくらいの水の量を用意する。ビニールの袋などだと300ccくらいでも可能。

作り方

  1. ホッケは横に寝かせて腹に包丁で切り目を入れ、腸を出して水洗いする。
  2. 引き続いて腹の切り口から尻尾、顎の下まですっかり切り開いてエラを切り取る。
  3. 塩水を袋に用意し、ホッケを浸して冷蔵庫で3時間ほど浸け込む。
  4. 塩水からホッケを取り出して広げて半日日陰干しする♬

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧