2012-12-28

第二次安倍内閣が向かうのは日本の欧米化?

昨日、第二次安倍内閣が誕生した。早速、その支持率が62%に達していると報じているのを知り(参照)、デフレ脱却・景気回復を目玉に衆院選を闘い抜いた以上、それに期待を寄せる民意の表れでしょ、とは思う。景気回復にはもちろん私も期待もするが、なにせ、自民党には何かと不安がつきまとう。第一次安倍内閣が悲惨な終わりを遂げたという理由もあるが、自民党の脆さに対する不安が何よりも大きい。民主党政権当時、野党としての体をなしていなかった姿は記憶にも新しい。また、メディアの煽りもあり、日本は「右傾化」して、中国や韓国に対して強行にタカ派的な姿勢を打ち出すと懸念されている。これに期待する向きの人もいれば、そうでない向きの人も混在するネット上では議論が飛び交っているようだ。私はそのどちらでもなく、極論を言うと、日本は、欧米化するのではないかと思っている。同盟国である以上、アメリカの意に反して韓国や中国を日本の独断で敵に回すようなこともないだろうと思う。そうは言っても、この政権の行方は気になる。少し順を追って整理してみることにした。

第一次安倍政権が「お友達内閣」と揶揄されたからか、第二次安倍内閣は、なんとなくお友達じゃない人も混ざっているのが歴然としている。これが昨日、「この内閣の最大の敵は、自民党内部」(参照)と考察された部分だろうか?と自分なりの見方はさておき、気にはなっていた。

誰がお友達かは言うまでもないことだと思うが、挙げておくと、まず副総理兼財務・金融担当大臣に任命した麻生さん。お友達と言うよりは、安倍さんの依存度の一番高い人物と言っていいかもしれない。「麻生クーデター」といった方がわかりやすいだろうか。麻生政権の復活だー!

次のお友達は、第一次安倍内閣の時の仲間割れしなかったメンバーと、安倍さんが会長を務める「創生日本」という保守派の議員連盟から9名。合計12名が親しいお友達である。さて、爆弾ともなり兼ねない残りの7名だが、上手くやったなと思わせる配置になっている。

総裁選を戦った石原氏と林氏や谷垣前総裁は、党の中枢にはいない。が、原発やTPPという難問中の難問となりうるポジションで、他人のことなどかまってはいられないほど忙しく骨身を削って働かなければならなくなるだろう。仕事力で切磋琢磨しておくれ的で良い配置ではないだろうか。

お友達じゃないけど多彩な顔ぶれと感じたのは、小泉さんの秘書官を務めた飯島氏や丹呉氏だ。ある意味、何を考えてこの人材をと不思議になった。小泉さんとともに改革路線を突っ走った二人と、麻生さんがこれから率いる経済改革路線との整合性は皆無に等しいと見える。もっと言うと、安倍さんは麻生さんの支えで、小泉路線から「美しい日本」へ舵を切るために生まれたようなもの。この時、組閣でまずガタついた。原因は、森元総理の老害といえばそうだが、森元総理の反対にあって麻生さんを幹事長にできず、小泉派の中川秀直さんを抜擢することになった。同時に、小泉内閣から追い出された議員の復党を試みた結果、小泉さんの逆鱗に触れ、中川幹事長と安倍さんの関係が冷え込んだ。

ついでに言っちゃうと、野田聖子氏が今回三役に抜擢されて、小池百合子氏が外れた理由は、当時の関係のまま引き継がれている。野田さんは小泉さんから追放された人物で安倍さんが復党を試みた人物である。小池百合子氏は、安倍さんの下支えに回っていた麻生さんの後の総裁選の対抗馬だったからだ。ね。

不明な点は、小泉政権を支えた飯島氏と丹呉氏の二氏が安倍政権でなんのために復活したかだ。それも不明のままだが、新顔が小泉政権当時のゴタゴタに関わっている点は、ちょっとした不和によってがちょんと逝ってしまう原因になり兼ねないところだろうか。

もう一点気になるのは、外交問題。アメリカに従属的にしかならない日本だと思ったのは、選挙前の安倍さんは、野党として与党の外交批判をする中で、対中韓では強硬姿勢を訴えていた。ところが、いざ政権を奪還してみると柔軟姿勢に変わった。この時、「嗚呼、自民党も民主党と同じか」と、ポピュリズム的な政治姿勢にもがっかりした。サヨクさんもきっとがっかりなさったことでしょうとも思った。が、12月19日、選挙結果が出てからわずか三日後にアメリカのF35 が2017年に岩国基地に配備されることが決定された。なんという手回しの速さだろうか。自民党ならウンもスンもなく配備できるのである。良かったか悪かったかどちらとも言えないが、民主党ではそうは問屋が卸さなかった。自民党復活はアメリカとの同盟関係を強化するのではなく、従属的になるのではないだろうかと、ここで強く感じた。

となると、経済政策もアメリカ並みになる。原発問題は調査の上で三年後に結論を出すと選挙前に聞いたが、昨夜のニュースでは、新規に安全が認められた原発は稼働する方針だと伝えていた。また、シェールガスによる発電の計画もパイプラインのインフラ整備を前提に拡大する見通しのようだ。つまり、日本はアメリカのお得意さんにもなる。この調子で行くと、ついでにTPPの交渉を日本に有利に進めると言うよりは、アメリカの納得する条件で交渉が成立するのかもしれない。持ちつ持たれつの関係が密接になるのがこの政権の特徴とも言えるのではないだろうか。それでも、日本の独自性を自民党が見せてくれるとしたら、それは何だろうか。

私は、日本は早く欧米化したらいいのではないかと思っている。このままでは少子化が進むと懸念されているにも関わらず、移民を受け入れようという向きもない。外国の若い人達は、日本人と付き合ってみたいと考えている人が圧倒多数いるというのに、日本人は自らチャンスを逸している(参照)。こんなことを書くと、アメリカの奴隷でいいのかと疑問を持つ人もいるかもしれないが、奴隷ではなく、グローバル化するということを重点に置きたい。自民党がすっきりそう言ってくれたら理解されやすいと思うが、そうは思っていないかもしれない。世界標準で経済を立て直すということに全く異議はないのだし。

安倍官邸人事について、東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏の記事で詳細が書かれていたので、参考のため、リンクと記事の引用を追記します。

首相の側近に経産省出身者が3人

 まず、政務秘書官には第1次安倍内閣で首相秘書官を務めた今井尚哉・元資源エネルギー庁次長(82年経済産業省)を据えた。事務秘書官は財務省から中江元哉・前主税局審議官(84年)、経産省から柳瀬唯夫・前経済産業政策局審議官(同)、外務省から鈴木浩・前駐英公使(85年)、警察庁から大石吉彦・前警備局警備課長(86年)、防衛省から島田和久・前地方協力局次長(85年)という顔ぶれだ。

 首相補佐官には木村太郎衆院議員、磯崎陽輔、衛藤晟一両参院議員のバッジ組に混じって、経産省出身の長谷川栄一・元内閣広報官(76年)を政策企画担当の補佐官に入れた。長谷川を加えて経産省出身者が3人、首相の側近に入った形である。

 通常は議員の秘書が収まる政務秘書官に今井が入ったのは異例だ。そこに安倍と個人的にも近いベテランOBの長谷川が加わったので、経産省としてはさぞ心強いだろう。

 財務省はどうするのかと思っていたら、丹呉泰建・元財務事務次官(74年)が内閣官房参与に入った。それに小泉純一郎政権で政務秘書官を務めた飯島勲氏、外務省から谷内正太郎・元外務事務次官(69年)、米イェール大の浜田宏一名誉教授の3人も内閣官房参与に起用した。

 つまり経産省が官邸で突出しそうなところを、財務省から大物の丹呉を起用してバランスをとった形である。小泉政権で机を並べた飯島も丹呉と近いので、人数は少なくてもパワーは十分だろう。外務省は谷内が入ったので文句はない。さらに警察庁からは杉田和博・元内閣危機管理監(66年)が官房副長官に抜擢された。

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コメント

 日本は時間をかけて、より日本独自な道を歩むようになると考えている。なぜならどこにも見本になる国がないからである。
 安陪政権は、かしこく、強かに我が国独自の道を歩まれるものと思います。

投稿: 古川典保 | 2013-01-20 19:12

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