2012-10-08

「世界最悪の原発事故の現場とは思えないやりとり」そして、日本の政治家と原子力規制委員会の姿について古賀茂明氏の解説(テープ起こし)

2011年3月11日東日本大地震後、大きな津波が襲った。そして、海岸沿いに建設された福島第一原発が制御不能の状態に陥り、近隣の市民には避難勧告が出た。今でも多くの住民が自宅に戻れない状況にあり、世界から多くの支援や励ましが送られている一方で、技術力を誇る日本の東京電力やその安全を監視する立場にある日本の政府役人や政治家の隠蔽問題が問い正された。残念なことだったが、いまさらこれを言うまでもない。原発不信に陥った人々が、日本のあちらこちらで原発反対の声を上げるようになった時、内心、科学の芽を摘み取らないで欲しいとずっと願っていた。政府にも、あとに残った問題から逃げないで原発を放り出すようなことはしてほしくないと思っていた。朗報というべきか、その後、東電や政府の事故当事者とは全く関係のない第三者による事故調査委員会が立ち上がり、福島原発事故が検証されることになった。この委員会は、立法府に置かれた権威ある位置づけであると共に、日本では初めての試みでもあった。この事故調査報告書が世界にもたらすものとして、将来の原発開発において可能な限り安全なものにしていくための重要な資料となることに大きな期待があったが、その期待を満たすに十分な内容とは言えなかった(参照)。

前置きが長くなったが、どう振り返っても、胸に残るもやっとした思いは払拭されない。悔恨のような思いが出てきてしまうのは、もう私くらいの年になると自分の力が何かに及ぶとも思えないからだろうか。若い世代の将来に何も残せない不甲斐なさばかりで、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいになる。

さて、東電が原発を制御するにあたり、停電してしまった現場に電源を送ろうとバッテリーを調達しようとしている現場のやり取りがYoutubeにあがったのを昨日知った。このビデオは、福島原発事故後2日目の3月13日に録画されたものである。とにかく、驚いて呆れた。世界最大と言われると原発事故のあの現場で展開されていた東電社員の会話が、信じられないくらい暢気で馬鹿げていたからだ。こんなものをここに書いてもどうにもならないことだと思ったが、次の世代には二度と同じような事を繰り返して欲しくないという思いが勇気に変わった。存分に呆れて暴言を放ってくれて結構だと思っている。今の政治家らと共に育ち、彼らを選んだ私への罵倒だと受け止めたい。

Youtubeは後で削除される可能性もあるので、聞き取れる範囲で文字起こししてみることにした。東電のやり取りは掲載サイト(参照)から転載させてもらうことにしたが、これを報じているテレビ番組の司会である古館氏とゲスト出演している元経産省官僚古賀茂明氏の会話のやり取りは、私がここで引くつぐことにした。

福島第一原発 混乱する事故現場 海水注入「もったいない」
http://www.youtube.com/watch?v=UB3lAscYRZs

福島第一原発 資材班
「現金が不足しております」
「申し訳ありませんが現金をお持ちの方、
貸していただけないでしょうか?よろしくお願いします」
本店 小森明生 常務(当時)
「今日 ヘリコプターで飛ぶ人いるのかな」
「ヘリコプターで飛ぶ人誰ですか」
「役割は現金」
ナレーション
「2号機と3号機にもせまるメルトダウンの危機。原子炉冷却のためには
車のバッテリーをつないで弁を動かすしかなかった」
「しかし、命綱のバッテリーを買う現金すら無かった」
「ようやく10時間後・・・」

本店
「本店から相当多額のお金を持って(福島の)オフサイトセンターに一人向かわせています」
「オフサイトセンターに現金がある状態が今晩ぐらいから生まれるのでご活用ください、お願いします」
福一 吉田昌郎 所長(当時)
「はい、それは借用書を書けば貸してくれるということですね」
本店
「信用貸しといたしましょう」
福一第一原発 吉田昌郎 所長(当時)
「はい、わかりました。ありがとうございます」
ナレーション
「ところが福島第一原発から20km圏内にはすでに避難指示が出ていた」
「近くには空いている店は無かった」
福島第一原発 資材班
「私どもも地元で(バッテリーを)調達しようというふには努力しているんですが、
なんせいわきに行くまで6時間くらいどうもかかっているようなので、
ぜひ本店さんにもご協力していただきたい」
福島 オフサイトセンター
「今日 うちの方でいわき方面にバッテリー買いに行ったんですけれどもどこも買えませんでした」
福島第一原発 資材班
「明日また買い出しに行きますのでホームセンターなどで手に入るような物で、
何か希望の物があればリストを持って口頭で構いませんから資材班の方までお越しください。」
ナレーション
「物資の補給はホームセンターへの買出し、世界最悪の原発事故の現場とは思えないやりとりが続く」
以下略(以降、「海水注入もったいない」のやり取りや、「水素爆発」という文言で統一する打ち合わせ部分、それを報じた会見や報道が続く)

以下は、スタジオで古舘氏と古賀氏の 検証部分。

古館
「あのう、古賀さん、これをじーっと見てますと、この期に及んで今日これをお伝えするとこ自体、福島をはじめたいへん申し訳ない気がしてくるんですよね。」
古賀
「そうですね。なんかこの、こういう事故に対応する準備がなかったというのがよーく分かりますよね。でも、もう一つですねこういう事態を踏まえて例えば今、大飯(大飯原発)が動いていますよね。大飯でシビアアクシデント、おなじような事が起きた時に、その時の対策ってどうなってるのか、これがすごく不安になります。今までこういうのは公開されていないですね。ということは、それを活かしているかどうか分からない。」
古館
「そうですね。東京電力に戻れば国有化されているわけですよね。」
古賀
「そうです。これは、あのう、今直ぐでも公開できるんですよ。要するに国有化しているんですから、枝野経産大臣ですがねまあ、社長に電話して国民、みんな見たいと言っているんだから早く明日にでもネットにアップしてくれと、で、アップすればいいんですね。まあ、国民皆がですね確認して、テレビ局皆さんが目をしょぼしょぼさせながら見るだけじゃなくて、皆で確認をしてですね、何がおかしかったんだ、こんなことがあったんだというのが分かりますよね。だから、それを早く枝野さんはやって欲しいんですよ。何のために国有化しのかと・・・」
古館
「原発をどうするかと、色々意見はわかれているところですが、まず根本は、この福島第一原発の事故原因、この検証、これをやらなければとずーっと言われているんですね。例えば、国会事故調などもありましたけれども、報告書を挙げてからは解散となって、結果、その遺言のようにしてですね、表現は悪いですけども、国会に第三者委員会を作るべきだと提言をした。でぇ、この前の国会でも公明党が一時ね、こういう委員会を作るべきだと言ったのですが、結果としてですね、何だかわかんなくなっちゃった。」
古賀
「そうです。まったく国会事故調の提言というのは生かれないどころか議論さえされていない。あのう、黒川委員長を呼んできて議論したいという話もありますけれども国会で、でも、自民党も民主党もやる気ない。で今、非常に心配なのはですね、今度規制委員会というのが新しくできました。それで何か、神様のような存在ができたように、政府は言っているんですよね。で、規制委員会にお任せしますよと、そう言って全部投げようとしています。ところが、この規制委員会の委員というのは、元々野田さんが選んだ人達ですね。ですから、しかも国会の同意がいるのに同意を得ていない。そして、それをサポートしていくですね原子力規制庁事務局、ここには大量に経産省から紐付きで出向しています。その人達に全部おまかせしますよと言っているんです。で、国会では何の議論もされない。で、このままどんどん行くと、大飯もですね、結局安全性確認されていないのに動いていますよね。私は、あの規制委員会ができらまず止めてくれと、言うんだと思ったんです。我々が安全を確認するだからと。止めてくれ、待ってくれと言うんだと思ったら、いやいやとりあえず動かしていいんだということになってしまっていて、なんとなく今感じるのではですね、自民党も民主党も実は、原発は進めたいと。で、だけどそれは自分たちの手で進るというのはそれはなかなか国民の手前言い難いと。だから、規制委員会に投げましたよと。で、こういうことで都合のいい人達と経産省事務局でどんどん進めてくれればといやいやもう第三者ですからと、一種の免罪符になっているなという形が進行しているなという気がします。いま崖っぷちに来ているなという感じがします。
古館
「そのことも大変大事な重要なものですし、そもそもが今日なんか、自民党と公明党の党首会談があってですね、年内解散を求めることで一致、そして、臨時国会。需要な決め事がいっぱいあると、そのためにはという流れになっているんだけど、どうも一部では、民主党は解散先送りのために臨時国会も先延ばしというよな動きも言われます。断定はできませんが。もしそうだとしたら、何やってんだて感じがしませんか?古賀さん。」
古賀
「しますよね。で、国会の動き見てると、自民党はですね、もう解散したいです。なぜかというと、選挙やれば勝つんじゃないかと。それから、民主党は逆にボロ負けするんじゃないかと、だから解散したくないと。それだけの理由で解散賛成、反対ということで争っているわけです。政策と全く関係ないですよ。政策が対立していて解散したというのであればまだ分かりますけど、政策とは関係ないですね。もうここで私、こうしたらいいんじゃないかと思うんですけど、赤字国債の特例法案は必要なんだからやると。自民党もそんなの取引に使わない。民主党も人質にしないで通すと。それから、選挙制度もですね、一票の格差の問題があります。これも大きな改革を短時間では無理ですから、とりあえず0増5減でですね合意をしていつでも解散できますよと、いう形を作って更にそこから原発問題あります。社会保障の問題あります。早くその議論を初めて、そこで意見が違いますねと。自民党はこうだけど民主党はこうだと。話がつかない、じゃー選挙しましょうということで解散と、こういういう道で解散に行くのが一番いいんじゃないかと思いますね。

原子力規制委員会の中味は、野田氏が選んだ経産省の紐付き出向官僚で、国会の同意はまだ得られていない。与野党は議論もせずにそういう彼らに原発の今後を丸投げしようとしている。この姿は、国民に対する裏切り行為であり、何よりも密かに原発を推進するための工作のようである。これは、反原発に湧き上がる国民の抵抗に合わないための隠れ蓑でもあると思う。反原発擁護をするつもりは全くないが、これが先進国と言われている日本の政治家の今の姿である。そして、彼らを選んだのは有権者の一人である私だ。

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