2012-07-07

これがアメリカ?日本にオスプレイがやってくる

沖縄普天間飛行場に配備が決まっている新型輸送機MV22オスプレイが、ほぼ日本全域に渡って低空飛行訓練をすることになったことは周知のことだと思う。私がこれを知ったのは、先月下旬のNHKニュースだった。該当のソースは削除されているが、別の朝日の記事からその計画が確認できる(参照) 。

報告書によると、海兵隊はこれらのルートで最低高度約150メートルでの飛行・戦術訓練を計画。6ルートの合計で年間330回が見込まれ、約3割は夕刻から夜間に実施するとしている。

普天間に配備されたオスプレイは月に2、3日程度、2~6機ずつがキャンプ富士(静岡県)や岩国基地(山口県)に移動。その際に、これらのルートで訓練をするという。現在の輸送ヘリCH46に比べて航続距離が5倍以上になるため、こうした運用が可能になるという。

一方、沖縄では普天間飛行場で約6700回の飛行を予定。沖縄本島北部の訓練場には、ヘリが高度15~60メートルで訓練するルートが設けられており、オスプレイも年間25回程度使うとされている。

低空飛行訓練はレーダー網をくぐり抜け、地形に沿って敵地深くに侵入するためのもので、危険度も高いとされる。本土のルートでは過去に米軍機の墜落事故も起きている。

防衛省などによると、オスプレイは1991年以降に8件の重大事故を起こし、計36人が死亡。最近では4月に北アフリカのモロッコで訓練中に墜落し、今月も米フロリダ州で墜落事故が起きている。防衛省は「開発段階で不具合は修正されており、海兵隊が保有する航空機の中でも事故率は低い」としている。(其山史晃)

そして、想像に反することなく各地の住民から反対の声が上がっていると各メディアが数日前から報じ始めている。やっと我が事になったというこの本土の様子は、沖縄にはどのように写っているだろうか。そんな事がとても気になった。

そのオスプレイを積んだ輸送船が今月1日、サンディエゴを出港して24日には岩国に到着を予定している。受け入れ側の岩国市長は森本防衛相に、安全性が確認されるまで飛行はさせないと断言したことで陸揚げ自体を拒否すべきだと要請し、沖縄県の仲井真知事も当然、安全確認ができていないものは拒否する、と強硬に拒否の表明をした。

この一連の騒動の中で私は何を感じたかというと、民間から起用された森本防衛相であれ、鳩山由紀夫元首相がそれまで自民党との約束で落ち着いていたところへ「県外移設」を根拠もなく言い放ったため、沖縄県民の県外移設への期待が大きく膨らませてしまった。そのために、誰のいうことも信じられなくなった沖縄にしたのではないかということだった。加えて言うと、現政権は民主主義に法って運営されるべき国会までも冒涜した政権であるという私の認識から、既に何も信用できなくなってしまっている。沖縄県民に置かれては、長年の念願だっだけに、二転三転しながら現実にはアメリカの申し出を受ける国に従わざるを得なくなるのかもしれない。つまり、アメリカに守ってもらう以上、基地の使用に関して日本の都合ばかりが通ることではないのだけど、鳩山さんはこれを安易に考えたのか口が滑ったのか、とにかく、沖縄の人達をがっかりさせ、怒りともなった。

さて、話は変わるが、アメリカの同盟国であるパキスタンとアメリカの関係が非常に悪化している中、クリントン国務長官が謝罪の電話をしたというニュースに驚いた(参照)。

パキスタン政府は、隣国アフガニスタンに駐留するアメリカ軍への補給路を去年11月から閉鎖していましたが、5日、補給路を再開させ、これによってアメリカから経済援助が得られるという見通しを示しました。

パキスタン政府は、アフガニスタンに駐留するアメリカ軍から去年11月に国境を越えた攻撃を受け、自国の兵士24人が殺害されたため、報復措置としてアメリカ軍に物資や燃料を輸送する補給路を閉鎖しました。
しかし、今月3日、アメリカのクリントン国務長官が攻撃について初めて謝罪したのを受けて、パキスタン政府は5日、7か月ぶりに補給路を再開させ、第一陣のトラックが国境を越えてアフガニスタンに向けて物資の輸送を始めました。
これに関連して、パキスタン外務省の報道官は、記者会見で「アメリカが凍結しているかなりの金額の経済援助がまもなく解除されると期待している」と述べ、補給路再開によってアメリカからの援助が得られるという見通しを示しました。
ただ、パキスタンでは、国民の反発が強いアメリカの無人機による攻撃を巡って、パキスタン政府がアメリカに停止させるめどが立たないのに、補給路の再開を決めたことに批判が高まっているうえ、イスラム過激派組織はアメリカ軍の物資を運ぶトラックを攻撃すると宣言しており、緊張が高まっています。

パキスタン政府高官はカネに目が眩んだと揶揄したくなるような内容だが、それでは目糞鼻糞になってしまう。当の日本も「抑止」を盾にされればオスプレイだって嫌とはなかなか言えない政府であるし、国民もイザとなればアメリカの抑止力なくしてはどうにもならないと観念するだろう。これが本音のところで、沖縄に甘えられている束の間の戯言だと思う。そのパキスタンに関してだが、以前、他所で知ったパキスタンの国際的ジャーナリスト、アハメド・ラシッドによる米フォーリン・ポリシーへの寄稿文「No Country for Armed Men - By Ahmed Rashid | Foreign Policy (参照) 」には驚いた。パキスタンを破綻寸前まで陥れ、政界有力者や軍にたいして多大な影響をおよぼした米国の責任について赤裸々に告発している。以下は、その部分の抜粋で、訳してみた。

No Country for Armed Men - By Ahmed Rashid | Foreign Policy

LAHORE – It was a sign of the misguided times in Pakistan that on June 5 -- a day when the country faced massive rolling electricity blackouts, a crashing economy, civil war in two out of four provinces, violence from the Himalayas to the Arabian Gulf, and a cratering relationship with the United States -- the Pakistani army decided it was the best moment to test fire a cruise missile capable of carrying nuclear warheads. It was the fifth such test since April, supposedly a morale booster for a wildly depressed public, a signal to India that Pakistan would not put its guard down despite its problems, and a message to U.S. Defense Secretary Leon Panetta, who had arrived in Delhi that morning, that Pakistan could not be bullied.
全国に広がる停電や崩壊に向かっている経済、4州のうちの2州で広がる内戦、ヒマラヤからアラビア海まで広がる暴動、米国との関係が悪化する中で、パキスタン軍は、6月5日には4月以来5回目となる核弾頭を搭載できる巡航ミサイルの実験を行った。パキスタンは、国の困窮下でも国防を弱めていないという意思決定をインドに示し、その日の朝、デリーに着いたパネッタ米国防長官に、パキスタンを痛めつけることは不可能だというサインを送った。
Unfortunately, the Obama administration's misguided handling of Pakistan over the past year has only convinced Pakistani hardliners that they were right. In their eyes, Washington's provocative cozying up to New Delhi, the peace talks it started with the Taliban without including Pakistan, and the U.S. withdrawal from Afghanistan it planned without adequate consultations with Islamabad have all served notice that America's hostility toward Pakistan is unrelenting. They believe it's the Americans who have got it all wrong and now face a military debacle in Afghanistan. The irony is that Pakistan has always wanted a U.S. withdrawal from Afghanistan and a U.S.-Taliban dialogue it could dominate.
不幸にもオバマ政権はここ数年パキスタンへの対応を誤り、パキスタンのタカ派に彼らが正しかったという自信を持たせてしまった。彼らの目には、ワシントンはニューデリーに友好的に近づき、パキスタンを含めずにタリバンとの和平交渉に着手し、イスラマバード(パキスタン)との適切な協議なしにアフガニスタンからの撤退を計画した。これらすべてが、パキスタンに対するアメリカの敵意が容赦ないことを示している。 このような過ちによって、米国はアフガニスタンから軍を撤退することになったと彼らは考えている。皮肉なことに、パキスタンは常に米軍のアフガニスタンからの撤退と、パキスタンが影響を与えられる米・タリバンとの対話を望んでいた。

30年間アメリカに協力してきたがために政治が腐敗し、国が滅びようとする姿がたまらないという思いがじんと伝わってきた。そして、今朝、頭の中を整理しようと呟いたこともここに記録しておこうと思う。

米国とパキスタン政府の関係経過:対米協力と引き換えに年間10~20億ドル、またはそれ以上の軍事・経済援助を受けながら政財界や軍の腐敗、権力闘争で内省不安が絶えず、経済と国民生活は破綻寸前の状態にまで悪化した。posted at 04:19:41

パキスタンの主権を無視して、米軍CIAの無人機によるイスラム武装勢力に対する越境攻撃では、反米感情を増大させた。昨年11月の米軍による攻撃でパキスタン軍兵士24人を死亡させ、米国が謝罪を拒否し続けたことでさらに悪化した。posted at 04:23:45

パキスタン政府は米軍の補給ルートの閉鎖と空軍基地提供中止を決定し、両国関係は最悪になった。米軍は別ルートの中央アジア経由のルートに切り替えたところ、毎月1億ドルも補給経費が増大するため、パキスタンに再開を働きかけた。結局、7月3日、クリントン国務長官がカール外相に電話で謝罪した。posted at 04:27:29

パキスタンが米国からの支援と引換に補給ルートの使用を認めたように、日本は抑止(米海兵隊)が交換条件。沖縄へのオスプレイ配備にはやや強引さを感じているけど、どのみち配備を受け入れることにはなる。普天間以外で考えるしかないのかもしれない。とは言え、住民と現政権の信頼関係回復は難しいposted at 04:34:45

現政権のやることなすこと全てに信頼が置けないのは私も同じ。それを沖縄住民に丸呑みしろとは頼むことすらできない。気持ちを言えば、アメリカの世話などになりたいくないではあるけど、、。なんだか不甲斐ない。posted at 04:37:15

そして、クリントン氏から電話で、たったの電話一本でだ、次のように謝罪した。

We are sorry for the loss suffered by the Pakistani military.

その直後に、待ってましたとばかりにパキスタン政府はアメリカに譲歩してしまった。パキスタンは、これでまたアハメド・ラシッド氏の告発したような国に戻り、元の木阿弥へと落ちて行く。同時に、日本とアメリカの将来も、切っても切れない縁であると言える。嗚呼。

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