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2012年3月

2012-03-26

AIJが損失した年金は、いったい誰が支払ってくれるの?

AIJ投資顧問の企業年金損失額は、総額2000億円とも言われている。問題発覚後まもなくだったが、毎日が報じた3月7日付けの「AIJ企業年金消失:厚年基金損失の穴埋め困難、連鎖倒産危機 中小企業に重荷」(参照)では早くも与野党が、企業年金を受け取れなくなるおそれもあるとして、過去には倒産したケースもあり、救済策の検討を始めたことを報じていた。

結局、国民の税金で尻拭いすることにはなうのだろうとため息が出たのを覚えている。が、25日付けの読売社説では逆の論説だった(参照)。

     

民主党の一部や厚年基金の中には公的資金による穴埋めを求める声もあるが、これは筋違いだ。   

資産運用は自己責任が原則である。損失を被った時だけ救済を受けるというのはおかしい。小宮山厚生労働相が、掛け金を引き上げるなど基金の自助努力による解決を求めたのは当然である。

 

賛否両論あってもおかしくはないとは思うものの、心情的には国が救済というのは腑に落ちない部分も個人的にはある。かと言って、読売の言うように、本当に筋違いな話だと言い切れるだろうか、疑問に思う点もある。自分の給料から天引きされた年金掛け金の行方が不明になり、それが戻るどころか、救済のために会社が倒産などということにでもなれば死活問題でもある。これはどう解決したら良いのだろうか。

私は、「自己責任」は問えないと思っている。法律的にはどうか、そのことも少し調べてみたが、誰が資産運用をしているのかが元になる。今回の場合それは、各人ではなく基金であり、各人は「資産運用」をしていない。だから、「資産運用の責任」というものは最初から個人には存在していない。

本当にそう言い切れるのか?どうだろう。「自己責任」を問えるとすれば、それが各人の責任において選択された結果でなければならない。例えば、基金がいくつかあって、各人において選択肢があったかや、年金そのものに加入しなくても良いなどだ。今さらこんなことを持ちだしてもどうかと思うが、年金加入は、国が設けた国民の義務である。ところが、加入していない企業も多いため、社会人として初めて就職したりアルバイトなどで給料をもらう立場となった時、加入義務を知らないといきなり厚生年金基金支払い通知が来てびっくりする人もいる。また、放置する人も多い。因みに、会社が厚生年金に未加入であっても罰則はない。余談だが、小泉政権当時、国会議員が年金加入義務を怠ったとして失脚した議員が続出したのは記憶に新しいことだ。

つまり、会社が社会保険を完備していないと個人宛に国から義務として、厚生年金加入の通知が届くことになっている。

今回問題となっている年金は、その会社が加入している各種基金のため、各人には選択の余地はない。また、加入を拒否することも法律的に認められていない。

つまり、私がある会社に勤め、その会社が加入している厚生年金基金に加入することは、法的で義務づけられている。この義務に従うよう強制しているのは政府である。 従って、責任が発生するのは、それを強制した政府であって、各人ではないと言える。仮に各人がその強制に従わなかったら、各人は法律違反を犯すことになる。 従って、政府は各人の責任に問えないはずだ。

では、このような問題が何故起きたのだろうか?

「年金を事業体別に運用する」ということだろうか。お恥ずかしい話だが、今回のAIJ運用問題発覚で、企業から預かった年金を運用して投資をしてもよいというか、そのようなことを請け負う会社があることに驚いた。年金というのは、社会全体で維持するものであり、個別の企業や業界が維持するものではないと思い込んでいたからだが、そもそも運用の自由という考え方自体が間違えではないのだろうか。また、年金の運用を利回りで競争するというのも腑に落ちない。ハイリスク・ハイリターンを狙ったギャンブルのあげく、破綻したのが今回の事件ではないだろうか。

この様な問題を起こさないために、年金は今後どうあったらいいのか?

国民年金のように、厚生年金として全てを国家レベルで統合するということになるだろうか。そうなれば、天下りを断ち切ることも可能であると思う。社会保険庁から天下りができなくなれ猛反対が怒るのではないかと思うが、国民の利益を守ることは出来ると思う。

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2012-03-22

「痴漢」が性癖の病であるという認識に立って考えてみた

今朝、NHK朝ドラ・カーネーションを観ていて、懐かしいシーンがあった。それは、デザイナー先生である糸子さんが、通い付けの病院の受付の待ち合いに座っている顔グロの女性に、「女は腹を出すものじゃない。大事にせいや。」と言って注意した時だった。今ではこんなことを言おうものなら、仕返しされるか、老人ならメッタ打ちにされてしまうかもしれないことだ。が、ドラマでは、その女性は意外に素直な態度だった。その様子はどちらかと言うと、お腹を出さない方が良いと言われた意味が理解できていない感じだった。また、へそ出しでショートパンツのその女性の姿は、今から10年ほど前の頃のファッションと合致する。あんなにみっともなかったかな、とつい思った。

今は、この流れは、少し変わっている。ジーンズの股上は短く、前かがみになるとお尻の山が見えたり、大きく胸の開いたキャミソールのようなシャツからは、胸の谷間も丸見えで、殆ど露出状態に近い。そして、今はまだ春先とあってコートや上着に隠れているが、そろそろ露出度の高くなる季節にも突入する。今日の内容も、時節柄、ちょうどいいのかもしれない。露出度が高くなると出てくる来るのが「痴漢」だからだ。また、タイミングよく今朝、「「痴漢」という奇特な性癖の病と闘い続けた俺の半生を語る」(参照)をTwitterで見つけた。リンクをたどると、タイトルの通り、痴漢という性癖で苦しんでいる人物の手記がこのサイトに投稿されているのを読んだ。そして、私の「痴漢」 に対する認識が少し変わった。今日は、この辺を書き留めておこうかと思う。

リンク先を読んでもらうとわかるが、これはツリで書いたのではないと思う。どこにも打ち明けられずに、幼い頃からの実体験をそのまま書いたんじゃないかと思った。とりあえず、世の中にはこういうことで苦しんでいる男性がいるということは理解に加えてみた。

では、今までは「痴漢」をどう思っていたかだが、手癖の悪さの問題で、自己中で自制心の無いだらしない性格だからと思ってきた。こう思い込んできたのには理由がある。昔、私が会社員だった頃、自宅から都心に電車通勤をした何年かの間で、何回か痴漢に遭遇した経験がある。それと、会社にいた妻子持ちの開発設計をやっていた男性社員の話が忘れられない。ちょっと耳を疑うような話だが、こんな感じ。

いつから始まったの忘れたが、確かこの男性が大学に通う電車内で始まり、当時の通勤車内でもやっていたという話だった。彼は「痴漢」の常習者だったと自分で得意げに話をしていた。それというのも、それを聞く女性社員の反応を面白がっていたのかと最初は思って話半分に聞いていた。未だに彼の痴漢行為がどういう心理からのものだったのかまったくわからないが、面白おかしくその痴漢行為の一部始終を話している彼は、本当に楽しそうで罪悪感など微塵もない感じだった。まるで、痴漢行為そのものがゲーム様な感覚に聞こえた。対象の女性は、生意気そうな子じゃなく、一見大人しそうで大声で喚いたりしないような子を見つけるそうだ。間違って大声など上げられても知らぬふりをしてしまえばそれで終わるらしい。だが、男を見下げるような顔つきで睨まれると、「つけあがるんじゃねぇ」と言って、逆に捨て台詞の一つも置いてくるのだと、そんな仔細に渡って話が続いた。

そして、先ほどのリンク先の男性の気持ちを知って、当時の同僚は、もしかしたら同じ性癖を持っていたのではないかと疑った。明るく話していた中に、いくつかその共通点があるからだ。その一つだが、ここが気になった。

家に帰ると、玄関で親父に顔面をぶん殴られた。
なぜか安心している俺がいた。

後で顔半分がパンパンに腫れ上がったので本当に全力の鉄拳だったと思う。
もう説教と言う説教はなかった。
痴漢で捕まった時に全ての思いを伝えたからだろう。

痴漢行為が見つかって罰を受けても繰り返し同じ事をする理由かと思われる部分だが、見つかって開き直るという感じではなく、安心するという部分だ。昔の同僚男性に置き換えると、女性社員に痴漢行為をしていることを話すことで懺悔でもしているような、そんなことでは甘いだろうか。この辺の心理はよくわからないが、無くられたり、他者に話をすることで罪悪をチャラにするというか。それで止まらない性癖は、やはり病なのだろうと思った。

さて、世の中にはこの様な男性がいて、痴漢といってもいろいろな癖を持つ人もいるのだろう。一言で言うと、そのようなDNAを持って生まれてきてしまっただけに、気の毒とも思える。この様な男性はその度に捕まって罰を受け、それでも止められないのなら、自分の人生への決着として全てを受け止めて生きていくしか無いのだと思う。対峙にいる私達女性はどうしたものか。私のようなオバサンの話じゃない、若い女性達はどうしたものかと考えてしまった。女性専用の車両もあるが、もしも痴漢に遭遇したら、泣き寝入りなどはしたくはないだろう。悔しくて怖くて、車内で一人心細く震えているしか無い。何とかならないものだろうか。

せめてものアドバイスだが、男性を挑発するような服装はこの際、止めてはどうだろうか。糸子さんではないが、へそが見えないようにするとか、お尻の割れ目が露出するようなジーンスは電車に乗る時は履かないとか。胸の開いたシャツは着ないとか、何か出来るだろう。お説教がましくなってきたついでにもう一つ、思い出した。昔、こんなことを聞いたたことがある。泥棒だけが悪いんじゃない、盗ってくださいと言わんばかりのところに置いておく方も悪い、と。

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ドライトマトのオリーブオイル漬けの作り方とその料理法:越冬キャベツの和え物

東京上野・アメ横 小島屋ドライトマトなんて珍しいものじゃないけど、いざ買うとなって探してみると、案外高価なんでびっくらこいた。昔もこうだったっけ?これがあると何かと便利なので、いろいろネットを探してみた。その中でも感動的に安価なお店の紹介と、この代物の加工方法、並びに食べ方など書いておくことにした。特にトマトが好きでなくても、きっと気に入ると思う。また、その使用範囲が広いことにも感動するんじゃないだろうか。まず、ドライトマトは何に使うと美味しいのか、それが一番の購買ポイントなので、そこから話を始めたい。

ドライトマトは、大概、カリカリに乾燥させてあって、そのままではまったく意味不明な食材だが、この状態でもいいといえば、ポテトチップスなどのような食べ方がある。そのまま塩などを振って食べる方法だ。それはそれで吉として、お湯で戻して、更に好みのハーブやにんにくなどと一緒にオリーブオイル漬けにしておくと保存も効く上、いつでも手軽に料理に使える。また、創意工夫で、このオイル漬けを使った料理の幅には際限がない。例えば、きざんでニンニクやベーコンと炒めてパスタにしたり、バゲットなどに載せて漬け込んだオイルを塗って焼くのもよい。スープ素材や、煮込み料理のコクを付けるのには持って来いである。と、この程度の料理は、Webで検索すれば2~3ヒットするのでここでは紹介しない。ここでは、この時期ならではの越冬キャベツとオイル漬けのドライトマトの簡単な和え物の作り方を書いておこうと思う。トマトと漬け込んだオイルが調味料となって、それだけで十分美味しいが、味見をしてみて、好みでレモン汁をかけたり、足りなければ塩や胡椒を振っても良い。 

IMG_0524

越冬キャベツというのは、春キャベツと並んでちょうど春先の今頃、店頭に並べてある。その違いは、越冬キャベツは、いかにも肉厚で、葉にはシワがなく、しっかりと巻いている。手で持ってみると、ずっしりと重みを感じる。春キャベツは、葉がシワシワで、広がっているような大きさがある。にもかかわらず、軽い。葉の巻き方は10枚くらいだろうか。越冬キャベツは、寒さを凌ぐために葉が厚くなり、甘みも増している。生の千切りには硬くてちょっと不向きで、ロールキャベツなど、火を通す料理がその甘味を堪能出来る。   

IMG_0527という訳で、このキャベツを葉元からきれいに包丁で一枚一枚剥がし取り、湯気の立つ蒸し器で葉が透き通るようになるまで2~3分蒸して甘みを引き出しておく。だから、茹でるのは禁物。で、蒸しあがった葉は、重ならないように広げて空気に当てて冷ます。鮮やかな緑色の透き通った様子は、画像でご覧のとおり。また、この和え物の味付けも不要で、ドライトマトがその味のポイントになる。下手に塩など加えない方が絶対に美味しいよ。 

肝心のドライトマトのオリーブオイル漬けの方法は、まず、ドライトマトを熱湯で戻す。この時、トマトの酸味がお湯に出てしまわないように酢を加えて濃度をつけることが肝心。この酢を忘れると、味が抜けたトマトに戻してしまうので注意が必要だ。火から下ろして蓋をした鍋で5分ほど蒸らし、ザルにとって水気を切ったらそのまま3~4時間放置して戻す。この時、トマトの旨味が引き出されるので、充分時間を取ると良いと思う。

戻したトマトは、香りづけにピンクペッパーや黒胡椒と一緒に、オレガノ、潰したにんにく、鷹の爪、ローレルを加えて保存袋に詰め込み、オリーブオイルを加えて空気を抜いてから冷蔵庫で保存する。

これが、私の方法だが、瓶詰めの方法を採用している人をWebでよく見かける。沢山作って長く置く時は瓶のほうが素材の変質を避けられるが、ドライトマト100gくらいであればZip袋の方が場所を取らない上、オイルも少量で済む。

このオイルの分量だが、漬け込んだオイルがちょとした調味料になる。普通に炒め物やドレッシング、パンのトッピングにすると大変コクのある味わいが楽しめる。そのつもりで多く使っても良いのではないかな。少なめがいいとか多めがいいとか支離滅裂な言い方になったすまん。少ないと思ったら後から足してもオッケつことで、あまりオイルの分量に拘ることもないかな。ただし、漬け方のポイントは、外さないように以下のことは守ると良いよ。トマトが満遍なく油に浸かっていることが重要なので、少量で作りたい時は、Zip袋の口まで溜めた水に沈めて空気を抜き、チャックを閉じるととぴったりフィトする。油が馴染んだ2~3日後から使い始めるとよいと思うよ。  

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最後に入手先について、これは、ネットを常に眺めていれば価格の変動が著しいのも分かると思うが、今のところ、ドライトマトで最安値で提供してくれているお店は、東京上野・アメ横 小島屋さん(参照)だと思う。私はAmazon経由で買ったが、調べると楽天にも広告があった。都下にお住まいの人は、何かのついでの時にでもふらとこのお店を覗いてみてはどうでしょう。

この店の特徴は、薄利多売方式だと思う。だからというのもあるが、このドライトマトは、一袋500gである。これだと、少し多いと感じるフシもあるかもしれないが、他店の100g単位販売だと、びっくりするほど高価だった。また、オイル漬けにすでに加工され、オレガノなどを加えて売っているパックが、100gで¥700で販売していた。これらと比較して、小島屋さんの、500g単位でドライトマトの原型ではあるが、乾物の保存性と料理に対する多様性を思えば、さほどびっくりする量ではないと思う。友人と分け合ったりするのも良いのじゃないかな。戻す一回分の分量としては、その五分の一に当たる100gくらいでいいと思う。

以下に手順と、キャベツの和え物のレシピをメモしておこう。   
ドライトマトの作り方        
材料
    

  • ドライトマト・・100g    
  • 熱湯・・500cc    
  • 酢・・50cc(熱湯の10%)    
  • にんにく・・1片    
  • ピンクペッパー・・5粒    
  • ブラックペッパー・・5粒    
  • ローリエ・・1枚    
  • オレガノ・・小さじ1    
  • オリーブオイル・・1カップ    
  • Zip袋(小)       

作り方    

  1. 小鍋出お湯を沸かし、沸騰したら酢とドライトマトを加えて火を止め、蓋をして5分蒸らす。    
  2. 1をザルに上げ、水気を切って広げてそのまま3~4時間放置する。    
  3. Zip袋に2とにんにく以降の香辛料を入れて空気を抜いて封をする。

越冬キャベツの和え物の作り方    
材料    

  • 越冬キャベツの葉・・3~4枚   
  • スライスした玉ねぎ・・1/4個分 
  • ドライトマトのオイル漬け・・3個    
  • 漬け込んだオイル・・小さじ2

作り方    

  1. キャベツの硬い芯を切り取り、葉と芯をそれぞれ蒸気の上がった蒸し器で透き通るまで2~3分蒸す。    
  2. 蒸しあがったキャベツを取り出し、ザルなどに広げて冷ます。    
  3. 2のキャベツと芯を太めの千切りにし、スライスした玉ねぎと一緒に漬け込んでいるオイル2で軽く和える。    
  4. オイル漬けのドライトマトも同様に細く切り、3と和えて出来上がり。    
  5. まずは、このままで試食してみる。

調理例
ピザ風トースト:
漬け込んだオイルをパンに塗ってドライトマトを散らし、玉葱のスライス、チーズをトッピングして朝の簡単ピザ。

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かりかりバゲットと野菜のチーズソース和え:漬け込んだオイルを千切ったバゲットに塗ってフライパンでカリッと焼き、季節の野菜と一緒に手羽中の縦割りをソテーして和えたサラダ。温泉卵をのせて特性のチーズソースを掛けて出来上がり♪
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チーズソースの分量:マヨネーズ大さじ2+レモン汁小さじ2+粗挽きコショウ適宜+パルメザンチーズ大さじ2を混ぜ合わせる。

オープンオムレツ:ドライトマトと下茹でしたアスパラガスを一緒に、ドライトマトを漬け込んだオイルで軽く炒め、フライパンから一度取り出す。同じフライパンに溶き卵を広げて丸く半熟に焼き、アスパラガスとドライトマトをトッピングし、人数分に切り分ける。サラダなどを添えて出来上がり♪添えているサラダは「蟹・ビーツ・キドニービーンズのクリームサラダ:にんにくヨーグルトソース」レシピはこちら☞
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2012-03-06

「心拍計」を使った運動について

41b8twMECnL__SL210_先日、「ウォーキングには心拍計付き時計を」(参照)で紹介のあった心拍計、「SOLUS Leisure 800(レジャー 800)ホワイト」(参照)を迷わず買った。この様な計器があることは前から知っていたが、どういう用途で使うのか、あまり調べもせずに知らずじまい、買わずじまいであった。が、今回の紹介でおおよその使い勝手が分かったことで肩を押された。また、購入動機には、大きな理由があった。これは、心拍計の必要性について、特に、私と同世代の人で意識的に運動をしている人にとっては身体上の不安の解消になると思われる。また、運動などまったくしていない人にとっては、様々な運動場面での心拍数を知ることで、健康維持についての意識向上や日々の過ごし方について考えなおす良いチャンスにつながるのではないかと思われ、それを密かに願いつつ書き留めておくことにした。まず、私事から少し触れておきたい。

運動時の心拍数をなぜ管理するのか?その必要性として一番大きな理由は、心不全や心臓肥大による心臓疾患の危険を避けるためだ。ちょっと脅かしのようで大げさに聞こえるかもしれないが、日常的に充分起こりやすい事だ。この説明をするなら、私の母の例がわかりやすい。

母は、50歳に差し掛かる頃始めた山歩きで、面白ついでにホイホイ山に出かけていた。長い時は、一週間に及んで北海道の山々を縦走し、30㎏以上の重たい荷物を背負って歩きまわっていた。周囲は、歳の割に若くて活発な母を「山おんな」と呼んで褒めていた程だった。が、その母が80歳に差し掛かる頃、軽い山歩きで近くの山へ行ったところ、途中で急に胸が息苦しくなり、下山して病院で診てもらったところ、心臓肥大による狭心症と診断されてしまった。この時、私はかなりショックを受けてしまった。体に良いはずの山歩きを続け、それが仇となって心臓が肥大化したとは。想像だにしなかったことだった。同時に、私も母と同じ口だと戒める部分もあり、たらりと冷や汗が出た。

心臓肥大(Wikipedea)を読むと分かることだが、文字通り、心臓が大きくなってしまったのだ。過度の運動に対応すべく、心臓はフル稼働して体内に血液を送り込もうと心筋を働かせるため、筋肉を強化することになる。継続的に鍛えられた結果、筋肉質になってしまった心臓の状態が心肥大である。若いころ、からだを鍛えた経験がある人なら、この状態(運動に負荷をかける)は誰でも分かるだろう。その調子で、運動能力を向上させる一方、心臓に相当な負荷をかけてしまっていることに気づかなかったわけだ。運動量を自分の年令やこれまでの運動歴などに合わせて管理すると言っても、昔とった杵柄で「えいっ」とばかりについ頑張ってしまうあれだ。中高年ともなると、若い頃に鍛えたようにはからだの内部はついれ行かれなくなってしまうようだ。

奇遇だが、この時計を注文した日の翌日の朝だったか、NHKで健康維持のための運動についての番組を見た。視点は、正しい姿勢による運動で得られる筋肉バランスだったか。これが、結果的に、体内の筋肉を満遍なく使う働きを促すことになり、消費エネルギーが増え、体重を減らすことが出来るという話だった。ここで専門家が、「適度な運動」の話をしていた。

この「適度」とは、一体、どれくらいのことを言うのだろうか?ウォーキングなら、人と話ても息が切れない程度が「適度」だということらしい。うーむ。ここで沈黙。私などは、平均以上の体力の持ち主で、肺活量も、一般女性の倍近い6000cc近くある。従って、ウォーキング程度の運動で息が上がったりはしないし、少し走っても、呼吸が整うのが早い方だ。だが、ここが、母の陥った失敗でもある。母も、体力のある人で、一般的には頑丈な方の部類だったからだ。

番組で、この辺の落とし穴に気づいたのも母の失敗からで、益々、心拍計が届くのが待ち遠しくなった。私に相応しい「適切」な運動とはどれくらいを指すのか?今まで、歩く速さや心臓の鼓動を気にしながら歩いていたが、今度は心拍数を計りながら適正速度を身につけることができそうである。

届いてから早速、心拍計の設定をした。が、ここでちょと疑問が出てきた。心拍数の上限と下限のパーセンテージの根拠だ。添付の説明書にあるとおり、グラフの心拍数と管理する心拍数のパーセンテージの根拠がわからない。下の図で、自分の目標とする運動種別に合わせて心拍数の上下限がわかれば問題はないのだろうけど、折角の機会だし、このパーセンテージが何を元に算出されたのか調べてみた。

solus

「フィットネス ビギナーズノート」(参照)というサイトに、運動時の目標心拍数の算出方法があった。読んでみると、どうやら数式が決まっているようだ。肥満度や体脂肪率などの算出時に使われるような数式と同じで、運動の目的別に単純に数字を当てはめて計算するだけのようだ。以下がその内訳。

1つの目安として目標心拍数というのがあります。
心拍数とは1分間に心臓が拍動する回数を言い、運動する時の
理想の心拍数を目標心拍数と言います。
目標心拍数は以下の計算式で求められます。
目標心拍数=(220-年齢)X0.6~0.7

例)40歳の場合
目標心拍数=(220-40)X0.7=126
(220-年齢)は最大心拍数と言うもので、心臓の働きが最大に
なった時の心拍数です。この最大心拍数の60%~70%くらいの
運動強度がウォーキングに丁度良いと言われています。
最大心拍数の何%にするかは、今までの運動経験などによって
個人差があります。
また一般的に言われているのは、ダイエットに適した目標心拍数は
最大心拍数の50%~65%くらいが良いと言われています。

気持ちのどこかに、この様な計器を使って正しく心拍数を計ってウォーキングするのが良いと思っていたし、健康維持のための運動がともすると命取りになることもあるとあっては、かなり慎重に行われるべきなんのだと納得できた。サイトの最後の方で触れているが、運動を続けて行くと心肺機能が上がり、同じ運動では物足りなくなる。ここでつい、運動量を上げてしまいがちなのだが、そういう時にこそ、心拍数を計って自制したいものだと思った。また、特に運動をする時間を設けていない様な場合でも、腕に心拍計をつけて意識的に計ってみると、思いがけず運動量を増やすことを思わずにはいられなくなるのではないだろうか。運動不足の解消にも役立ちそうである。

因みに、先日手打ち蕎麦を打った時の、「捏ね」のピーク時に心拍数を計ってみると120近く、体脂肪コントロール範囲の上限である75%に3%足りないだけであった。大して息が切れたわけでもないが、この程度の運動で既に、ダイエット効果も望めるのかと感心したところだった。

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