ひじきと大豆の六目煮・煮る順番を設計してみる
画像の六目煮。これがとにかく旨い。ご飯茶碗に一杯、これをよく噛んで食べただけの朝ごはんだったにも関わらず、大豆のお蔭か、今朝は腹持ちもよかった。しかし、待てよ。「六目煮」なんて作り方も言い方もあるだろうか。ないない。日本では割りきれる偶数は縁起が悪いとされているし、「4」という数字も「死」を意味するとかで敬遠されている。が、しかし、今回の煮物は六品目なので、偶発的にそう名付けさせてもらうことにしたった。悪しからzzz。
さて、カラフルな彩のこの六目煮、見た目は、昔から日本にある副菜だ。作り置きの惣菜のチャンピオン的地位にあるのではないだろうか。ある人はこんなことからこの煮物を作ってみたいと表現されている。
「実は、幼い頃に火鉢に大豆が茹でてあって、大豆だけを腕にすくいあげ、汁なしにして、熱いうちに刻んだネギをまぜて醤油だけで食べていたのを思い出しおりまして御座います、人間の業の記憶とは!うまく行く事は望み薄で在りますが、やってみます。」
私にとってこの煮物は、学校給食の献立と言う刷り込みが強く、残念なことに母の味からではない。母は忙しい人で、食材の下ごしらえで時間差のあるような料理はしなかった。この場合で言うと大豆がそのネックというか主だろうか。
大豆を前日に水で戻して翌日、下煮をするという手間がこの料理の設計上、どこかでクリアーしないとならない。六目煮を作ることは難しいとは思えないが、難しくさせているのは、いざ作ろうというときに手順が描けないことではないかと思う。これは長年の料理作りで培われるものであるとは思うが、食材に対する柔軟な取り組み姿勢でもあるような気がする。だって、大豆は新物と古い豆では戻す時間も戻り方も違うし、ひじきは乾燥物もあれば生だってある。高野豆腐も、ものによっては戻す時間や戻し方が違う。いつも全てが同じではない。実際やりながらその様子を見て、戻し時間を延長したり短くしたりする匙加減が必要になる。この匙加減をせずにレシピの通りに作ると失敗することもあるジャマイカッ。「作り方」と書いてしまう事に罪深さを感じさせられるが、今日のレシピは、作り方云々よりも、こんなに美味しい煮豆があるんだぜ、てのを紹介したいと思っている。
さて、この日記には既に二種類のひじきの煮物があって、ご存知の方もいると思う。因みにこちら☞その1、☞その2。だが、肝心要の大豆が入っていないでしょ。大豆が入っていないと噛んで味わうという、あの味がしてこない。なので、品数を多くした六目煮の登場に相成ったというわけ。
因みに食品群の揃え方だか、「大豆、ひじき、人参、こんにゃく、じゃこ天、高野豆腐」の六目を選んでみた。栄養価はどうか緻密に考えると理科の実験みたいになってしまうが、それでも一度は拾っておくべきと考え、以下のように調べた。
畑の肉と言われるタンパク質の多い大豆、ひじきからビタミンAや繊維質、人参から β-カロチン ビタミンA 食物繊維 カリウムなど、こんにゃくから食物繊維グルコマンナン、じゃこ天(魚の練り物など)タンパク質やカルシウム、高野豆腐からは豆腐同様にイソフラボンやビタミンE・カルシウム・マグネシウムなどが豊富。高野豆腐は以下のサイトの商品を実際使用しているが、見事な栄養でびっくらこいた。(参照☞)
次に、食材の下ごしらえの段取りがあるので順に書いてみようと思う。
大豆の戻し方
- 今年収穫したばかりの新豆は半日ほど三倍の水に浸して戻し、豆に皺がなくなるまでぷっくら水を含ませる。
- 古い豆の場合は、前日の夕方から翌日の夕方まで位を目途に24時間ほどかけてゆっくり戻す。
- スロークッカーの場合は、豆の3倍の水を加えて「弱」で6~8時間で乾燥状態の豆から一気に下ゆで状態まで下ごしらえする。
- 魔法瓶に乾燥豆と三倍の熱湯を注いで12時間ほど放置して半下茹でにする。
- 炊飯器の「保温」で乾燥豆と三倍の熱湯を注いで半日ほど放置し、様子を見ながら半下茹でにする。
※ 大豆は下茹ですると薄皮がとれてしまうものもあるが、大抵は残っている。繊維質として食べたいのでそのまま残すが、味の染み込み方が若干悪くなる。その反面、大豆らしい味わいも残る。
大豆の煮方
- 戻した生の大豆と戻し汁をそのまま鍋に移して中火で加熱。沸騰して灰汁(白い泡)が吹いてきたら掬って火を弱め、豆が湧かに踊る程度の火加減で約30分茹でる。または、10分ほど煮て、蓋をしてタオルなどで包んで余熱煮する。
- 大豆の堅さは味見をして決める。歯ごたえを残す場合は、10分ほど煮てそのまま火を止める。
- 上記の「戻し方」で半茹でにした場合は固めで戻るため、大豆と戻し汁を鍋に移して好みの堅さに煮る。
乾燥ひじきの戻し方
たっぷりの水で30分ほど戻し、笊にあげて水けをきる。
高野豆腐の戻し方
たっぷりの水で、20~30分戻す。
こんにゃくの下ごしらえ
Hint&Skilのこちらを参照してほしい☞、
三つ方法があるが、ここでは1の下茹で後、2の乾煎りを採用している。理由は、こんにゃくの臭いを嗅いでみたらちょっと臭いがきつかったため下茹でし、こんにゃくに味が染み込みやすくなるように乾煎りして水分を抜くためだ。これでぷりぷりの触感と、小さなさいころに切ったこんにゃくの存在の生意気さが窺えるだろう。
昆布鰹出汁の取り方(水4リットル作って余ったものは冷蔵庫保存)
- 昆布・・15cm
- 花かつお・・二掴み
- 水・・4リットル
水に昆布を入れて一昼夜置き、沸騰させないように10分煮出すか、時間がない時は、水から沸騰させないように昆布に軽く泡がつている状態で30分煮出す。そのままの状態に花かつおを二掴み加えて10ほどに出して火を止め、そのまま冷ましてさらに出汁を取る。
さて、これらのしたごしらえを進め、そろそろすべてが準備おっけになる頃合いを見て、人参やじゃこ天などをさいころに切る。レシピはここから書き始めることにしようと思う。
材料
- 乾燥大豆・・カップ2
- 乾燥ひじき・・カップ1
- 人参・・150g
- こんにゃく・・1/2丁
- じゃこ天・・1枚
- 高野豆腐・・2個
- 出汁・・約500cc
- 酒・・大さじ3
- 味醂・・大さじ3
- 醤油・・半カップ
※ 今回は愛媛のこちらの甘口醤油を使用したため、味醂は使用していません。コクと香りのよりこのお醤油はお勧めです。
作り方
- 大き目の鍋で水けをきったひじきを乾煎りする。鍋に張り付かないよう時々鍋を煽る。ひじきが崩れてしまうため、ヘラなどで混ぜない。
- 鍋からプチプチ音がしてきたらさいころに切った人参とこんにゃくを加えて同様にしばらく乾煎りする。
- 戻した大豆と高野豆腐を加えてひたひたになるくらいに鰹昆布出汁を加え、蓋をして弱火で煮る。大きく沸騰させないように火加減しながら大豆が好みの堅さになるまで煮る。(煮汁はこの時、半分ほどになる。)
- ここで酒と味醂を加えて2~3分煮る。
- 続けて醤油を加え、じゃこ天を加えて10分ほど弱火で煮る。ここで煮汁は鍋底に残る程度になる。
※ 煮物は冷めながら火が通って行くため、長く煮込んで煮詰めて辛くしてしまわないよう、出来上がりはやや薄味に仕上げるとよい。
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コメント
お久しぶりですお元気でしたか?
投稿: mochan | 2011-12-01 19:06
mochanさん、お久しぶりですね。元気です。気持ちを切り替えて下のひよこのアイコンでTweetしています。情報の置き場所程度で、相変わらず大したことはつぶやいていませんが(-_-)zzz
投稿: godmother | 2011-12-02 03:31