2011-08-09

8月8日は何の日?

 昨日、記念日検索をしていて8月8日は、グルジア軍(親ロシア独立派地域)が南オセチアに侵攻し、南オセチア民兵や平和維持軍として駐留していたロシア軍への攻撃を開始した日だった。これに応戦したロシア側も兵力を増強し、両国は交戦状態に突入した。わずか3年前の話だ。もっとも、この戦争は始まってから二日後にグルジア軍が撤退したため、ロシアも12日には停戦を表明し、グルジアとロシアは和平に合意した。短い戦争ではあったが、難民の数は230000人とも言われ、南オセチアでの民間人の死亡は2000人、グルジアでは228名の犠牲者だったと発表された。が、この戦争はすっきり合意に至ったわけではなく、ロシア軍は完全撤退を拒否して駐留を続けたと欧米諸国から非難されているものの、ロシアはこれを認めていない。そして、グルジア領内の南オセチアとアブハジアの独立を認め、残るグルジアとは断交した。
 その後、このロシアの姿勢はどうかわったのか調べてみると、グルジア軍の再攻撃を抑止する意味で独立後の南オセチアとアブハジア自治共和国の両国に今も駐留しているようだ(参照)。さらに産経「グルジア紛争3年 2地域独立めぐり譲らぬ米露」(参照)で、米露間に先の未解決の問題がしこりとなって残っていることと、さらに、その問題がロシアの世界貿易機関(WTO)加盟問題を拗らせている事を知った。

ロシアはこの紛争で欧州連合(EU)との和平合意に署名し、部隊を戦闘前の位置まで撤退させることを約束した。しかし、その後は「独立承認」を盾に両地域に軍事基地を構え、EU停戦監視団の立ち入りも認めていない。

米国上院は先月末、アブハジアと南オセチアを「ロシアに占領された地域」とし、ロシアが「グルジアの領土保全」を尊重して和平合意を履行するよう求める決議を採択した。

メドベージェフ大統領は和平合意と2地域の独立承認を別問題とし、米上院決議には「根拠がない」と批判する。

ロシア以外で両地域の独立を承認しているのはニカラグア、ベネズエラ、ナウルの3カ国にとどまる。

両国関係の「リセット」をうたう米露は2月、新戦略兵器削減条約(新START)の発効にこぎ着けたものの、米ミサイル防衛(MD)計画をめぐっては対立が和らいでいない。

ロシア内務省幹部らの大規模不正を告発したマグニツキー弁護士が2009年に獄死した事件をめぐり、米国が先月、事件に関係する役人ら約60人の入国拒否を決めたことについてもロシアは強く反発、対抗措置の準備に入った。

グルジア紛争から3年の節目は、米露間のこうした暗雲をさらに濃くしている形だ。露科学アカデミーのカフカス地域専門家、アレシェフ氏は最近の公開討論会で「グルジア紛争をめぐって米露には譲れない一線があり、『リセット』には明確な限界があろう」との考えを語った。

グルジアではサーカシビリ大統領が開戦責任を回避して政権を保持している。グルジアは、米国が総論で支持するロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に反対しており、これも米露関係を複雑化させる要因になっている。

 ロシアがダブルスタンダードでもあるかもしれない。これが、グルジア領内の一部で軍事介入する用意がありながら、既にWHOに加盟しているグルジアにロシアの加盟を認めてもらえない状況を作ってしまったことになる。「昨日の友は今日の敵」と言う言葉を心に刻むと良いなどと言ってはいられない。ロシアの加盟は、エネルギー問題を解決する鍵にもなるメリットがあるからだ。
 それにしても、ロシアがWHOに加盟したいと意欲的ならば、既に加盟している国からロシアに注文をつけるいいチャンスでもある。ロシアに折れさせる絶好のチャンスだろ、と誰でも思うのじゃないかな。WHOにロシアが加盟していないとは思わなかったので、ちょっと意外だった。私もあまり関心がなったので、記念日検索のついでに調べて分かったことが多かった。
 で、さっきはっと思い出したのが、昨夕、Twitterのフォロワーが「ロシアは断固として普通の国として安定的に国際ゲームに参加するというあたりを国策に織り込まないと、つまり、天然ガス」というつぶやきだった。これ、さっぱり文脈が理解できなかったが、もしかしたらロシアのWHOの加盟問題かもしれないと、後で結びついたのだった。
 つまり、ロシアがWHOに入れてもらうためには天然ガスを手土産にすればおっけーよ、となる話?いや、あれだけの国土を持つロシアからガスが輸入できたらと心待ちにしている国も多いだろうと思う。調べてみると、国立国会図書館に資料があった(参照)。かなり詳しい説明が長く続くが、読んでみた。
 ロシアの加盟のメリットと承認する国のメリット、つまり利害の合致点が見出せればよいのだと思った。下の表がそれを物語っていると感じた。

Screenclip_2

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 本文で指摘されているが、天然資源の多い国が工業製品を必要とするのは、開発途上国の特徴で、中国が加盟するときもその認定では発展国とはならなかった。従って、ロシアは、表が示すとおりだと中国と似ているが、現実的にはもはや途上国とは言いがたい。であれば、国内消費用のガスの価格と海外輸出価格との格差を是正しろといった要望も出ている。因みに、ロシアの国内の販売価格は七分の一とも八分の一とも言われている。加入すると、ロシアの物価が上がることにつながるのはデメリットでもあるが、それはロシアのご都合主義と言われる所以で、「普通の国として」として国際ゲームに参加する最低の譲歩かもしれない。
 このレベルが最低の線という認識にロシアが立てるなら、これからはもっと柔軟な国家を期待できるだろうか。なんとなく楽しみになってきた。

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