馬淵澄夫前国土交通相は、なぜ「終戦の日」の二日前に靖国参拝したかについて雑感
元国土交相 馬渕澄夫氏が13日、靖国神社参拝をした件に関して、メディアは静かだった。Twitterでも大した話題になっていなかったようだ。私はというと、いくつかの情報を目にして、馬渕氏が参拝したのは事実なんだろうと思っていたし、その行動を奇異に感じていた。こう書いてしまうと私個人の関心事にとどまってしまいかねないが、そうではない。靖国参拝の是非に関心があるのではなく、政治家が靖国参拝に対して政治的な意味をどう考えて行動しているのかという点は、政治家の資質を見分けるいい材料だと思っている。
閣僚が靖国参拝をすると、中国や韓国の人々を刺激することはわかっているが、それを避けるのか、それとも対話してゆくのかなどの外交問題である。しかも、民主党には、韓国人との関係でいろいろと疑惑がある。先月、菅首相が国会で質問を受けた例の献金問題は、そのままになっている。これについては「菅さんの国会答弁は領収証の日付がどちらに転んでも二つの嘘が見えてくる」(参照)でばっちり書いた通り、民主党と韓国人の選挙ブローカーとの関係は、日本人からしたら普通の癒着ではないようにも思う。だから、韓国人が嫌うことを民主党はしないというか、石原都知事の「あいつらは日本人じゃないんだよ」が痛快な皮肉でもある(参照)。
昨日、極東ブログ「馬淵澄夫前国土交通相は閣僚を辞していなければ靖国神社参拝をしなかっただろうか」(参照)で疑問視されている点は、まさに私の奇異に感じた点に呼応していた。ここで、気になっている点をまとめておくことにした。
まず、政権担当をしている民主党内の不一致な点や、馬淵氏の単独参拝をどう見るかの点が上がる。
昨日のTwitterクリップ記事で、献花の扱いに対する民主党員の話が記事の通りだとすると、参拝に対する考えがはっきりしていないことが窺える(参照)。
さらに、民主党自身も左翼・リベラル色が濃かった菅政権からの脱皮を模索しているようだ。今年は政権交代後初めて、党として靖国神社に戦没者追悼のための「献花」を行った。
関係者によると、当初は拝殿から本殿に向かう中庭に松原仁衆院議員ら有志が「民主党有志」名で菊などを供えるはずだった。
ところが、執行部側が「それでは格好が悪い。自民党が党として出しているのにメンツが立たない」と言いだし、最終的に民主党としての献花とした。
有志による「献花」の予定が、自民党を意識しての体面と執行部の意見になびいたのが理由で、「最終的に民主党としての献花」になったというこの二点で、当初の「有志による献花」とした理由がぼやけてしまっている。ここで議論されたわけでもなく、状況に流されたのが実態ではないだろうか。意見が出なかったとしたら、それは政治家としての自覚がないに等しいのではないだろうか。
また、これをどう見るのかという点で、馬淵氏の参拝も件も含めて次のようにまとめている。
「首相も閣僚も誰も参拝しなかったが、国のために命を落とした人の慰霊に行くのは当然だ。花の代金を出したことで党は自己矛盾に陥ったとも、少しは前進したともいえる」
松原氏はこう話すが、ただの混乱なのか、党は変わりつつあるのか。15日には政府内からも笠浩史文部科学政務官らが参拝したほか、次期首相候補の一人である馬淵澄夫前国土交通相も13日に参拝しており、一定の変化の兆しはある。
この部分は極東ブログでも切り出している部分で、私が一番疑問になった点だ。馬淵氏が参拝したのは多分、事実だったと思う。目撃証言として扱っても良いと思う根拠に、Twitterノクリップ記事「元国土交通大臣 馬淵澄夫氏靖国神社参拝」(参照)で、当日、馬淵氏がお連れの2名と共に参拝している様子に驚いた、と書かれている。
馬淵氏のこの行動をまるで何かの犯罪人の裏取り調査のように仰々しく書いていしまうが、この事実は後に、ともすると馬淵氏の外交姿勢が問われるともなりかねない問題だからだ。馬淵氏だけではなく、閣僚の靖国参拝の何を問題とするか、その視点をはっきりしておきたいが、民主党にその考えがはっきりあるとは思えない。それは、先の松原氏の発言からも窺える。
これは私の勘繰りだが、小泉元首相のように、終戦記念日とした当日でなければ「個人の参拝」と言い逃れができるということかもしれない。この方法だと、自己矛盾は解消できるし、体面上も、逃げ口上だと非難されるに等しいとはいえるが、議員間では非難されずに済むからだ。人としてはどうか?私は、「セコイ」としか思わない。また、そこまでして律儀に靖国参拝をする馬淵氏の根拠が一番の謎だ。どうだろう、首相に立候補すると息巻いている馬淵氏からもう少し勘繰りを入れてみた。
自主党の動きに連動して靖国参拝していることから、馬淵氏の立候補の勢いは、自民党の後押しか何かがあるのかもしれないか、馬淵氏が首相になるために媚を売ったのではないかと思った。たぶん、後者。そして、自民党が馬淵氏に義理立てする理由はともすると、菅首相の領収証問題で3月11日に保土ヶ谷のPAでお金の受け渡し(仮定)の事実を自民党に漏洩したのは馬淵氏かもしれない。そのつながりから、政治的に仲間意識のようなものがあるのかもしれない。打倒、菅、のような。これが現実問題になるとは思いたくないが、極東ブログの疑問点は、そこを問うている。私は、漏洩問題を外しては考えられない。
以下がその問題だ。
馬淵澄夫前国土交通相となると、三つの疑問が生じざるをえない。(1)もし閣僚であったならこの機の靖国神社参拝はどうしたのだろうか、(2)彼は首相候補に名乗りを出ていることと、この機の靖国神社参拝はどういう関係があるのだろうか。(3)首相になったら参拝はしないのか。
私の馬淵氏に対する「セコイ」という評価が正しければ、仮に現職の閣僚として考えても同じで、回答はこうなる。
(1)は、菅首相の意に反した行動はとらない。よって、閣僚であれば参拝はしない。(2)は、自民党との仲間意識を育む意図で、動きを同じにした。そもそも、首相という立場で参拝することが問題ではない。(3)は、自民党の様子を見て決める。
仮に、馬淵氏が私の呼ぶ「セコイ」度が低かったとしたら、民主党の他の議員と一緒に明朗なDutch会計による「民主党の献花」に賛同していたかに思う。
【参考までに】:「終戦の日」が8月15日とは言いがたい問題もあり、極東ブログ「終戦記念日という神話」が詳しく解説している☞こちら
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