2011-08-23

「自己矛盾」の解決について、困惑している件

 参加の権利がなく、黙って見ているほかないことにいろいろ言っても何も始まらないのは分かっているが、これはおかしい、変だろうと思う自分が変なのか、いささか困惑していることがいくつかある。これを書くのも、どの角度で視点を当てればよいのか躊躇する気持ちもあるが、自分の今のこの状態をそのまま書くことにした。
 まず、松本市にある創造学園男子バレー部がこの夏、インターハイで全国優勝した話から。
 監督であり学園長である壬生義文(岡谷工業高校元教諭)氏が、率いるバレー部の主将とNHK(長野)のインタビューを放送するという事前の知らせを夕方のニュースで聞いた。監督自身の秀でた教育理念や、世間の目を奪うような優れた選手、または何かのエピソードでもない限り、高校インターハイで優勝したチームのインタビューなどは普通は特化しないものだと思う。放送するにはそれなりのスポットの当て方もあるのだろうと思い、偏見を持たずにこのインタビューを聞いてみようという気になった。
 こう思ったわけは、壬生監督の岡谷工業高校バレー部監督時代の出来事にある。記憶に残っている人もいるかもしれない。何度か優勝経験のある名門といわれた岡工バレー部の二年生部員が2006年3月、風邪をこじらせて入院し、一時危篤状態に陥った。この件の問題は、監督の自宅を寮としていたため、生徒の健康管理にどれほど配慮があったかや、監督責任として生徒の体調管理上、怠った点などがあった。近くの病院で緊急入院をの必要を診断されたにもかかわらず、入院させず、そのまま練習させたことが直前の入院の原因となり、その後、敗血症などで一時心肺停止となった。この問題が明らかになったことから、長野県教委は前監督を県教委高校教育課付に異動させた上で、6月11日、停職6か月の懲戒処分にした。その後、創造学園からバレー部監督して声がかかり、就任後現在の学長に至っている。
 インタビューが始まった。
 主将と監督にそれぞれの優勝の抱負を聞いた後、監督の輝かしい過去の成績に焦点が絞られた。そして、壬生氏は最後に、「これまで自分が信じてきた指導方法は間違っていなかった。改めて確認することができた。」と抜かした。述べた。NHKのインタビューの趣旨は、これを言わせて日本の監督陣の代表者的存在をアピールするためだったのだろうと理解した。
 ひどい話だと思った。過去の責任はすでに世間は問うてはいないし、私も、監督としてやり直しのチャンスをもらったのだと、創造学園に就任した当時はエールを送って見守りたいとさえ思った。が、自分のかつての教え子が生死をさまようような状態にあり、バレーを諦めざるを得なくなった無念さや痛みのことなどを思えば、一生、壬生氏の心のどこかに戒めのように置かれているはずだと思っていた。それを抱えながら監督という道を選んだのだとしたら、立ち直ってほしいとエールを送ったつもりだった。が、あっさりと自画自賛してしまった。恥を知れと思った。腹も立ったが、責めるまでの気持ちもない。
 世間は、他人事をいつまでも覚えてはいないし、人の噂も75日ということわざもある。が、当事者は、その心に忘れてはならない事ととして残っているものだと思う。
 当時、壬生氏を必要とした創造学園の経営には問題があり、教員が学園を訴えたり、生徒が33名になるなどして危機的な状態だった。ここが公立との違いで、経営の立て直しに部活動の活性化は大きな役割となる。つまり、壬生監督は、創造学園を立て直すためにバレー部を強化するという使命があったのは当然のことだった。見事にその偉業を果たしたとはいえ、自画自賛するその姿勢から、人としての好感は持てなかった。
 これだけで今日はもう充分としたいところだが、これに似たことで政治家の節操のなさに嘆いてしまう件がある。ただ、この件を言っても、国民が選挙することではないのでどうにもならないジレンマがある。菅首相退陣後の民主党党首の立候補者に関することだ。
 先ほど報じられたばかりの情報によると、前原氏は首相に立候補する考えを固めたらしい。その理由を端的に伝えているのはウォール・ストリート・ジャーナルだろうか、以下の「前原氏、代表選出馬へ=きょう正式表明―主流派分裂必至」がその部分だ。(参照

 「出馬させてほしい。これで政治生命が終わってもいいという覚悟だ」と伝えた。23日夕にグループの会合を開き、正式表明する。既に立候補の意向を固めている野田佳彦財務相(54)と、菅政権を支えてきた「主流派」の票を奪い合うことになり、野田氏は戦略の見直しを迫られる。

 前原氏は幹部との協議後、記者団に「自分の決意をあす(23日)述べる」と語った。

 ここで突っ込みを入れると、「政治生命」は、改めてここで言わずとも、外務大臣を辞任した時点で、ある程度絶ったのではないか?と思う。故意の献金ではなかったと後に釈明したそうだが、では何故やめたのか?という疑問を蒸し返すと、報じられていないことがある。この件は、極東ブログ「前原外務大臣辞任、呆れた」(参照)で、綺麗に浮き彫りになったことで、沖縄問題から逃げたという推論がますます色濃く事実に近づいた気がする。

 前原氏は当初、外国人献金問題で3月に外相を辞任した経緯から出馬に慎重だった。一転して出馬を決断したのは、各種世論調査での高い人気を背景に、グループ内で待望論が高まる一方、野田氏の支持が広がらず、同氏を推しても勝算がないと判断したためだ。前原グループの議員は22日、野田グループの議員に「前原氏が出るなら推せない」と伝えた。

 ただ、党内では「スキャンダルのうわさもあるのに、大丈夫なのか」との声も上がっており、前原氏がどこまで支持を広げられるか不透明だ。

 野田氏が財務大臣を置いて首相に立候補する理由は、増税しかないのだろうと思うが、メディアが大騒ぎする理由がよくわからない。私からすれば、財務大臣を置いて立候補している場合じゃないだろ、と言いたい。第一、野田氏を推さない議員も多く、首相としての支持率は確か4%ほどだったと記憶している。当選の可能性が薄い人と、40%支持率だという弾突に人気がある前原氏を比較に出す先のWSJ紙もよくわからないが、前原氏に決まる可能性は高いと思う。
 だが、その前原氏への野党の反応はというと、国民が言い出し兼ねないようなことだと思った。産経記事が「「人間としてありえない」参院自民 前原氏出馬に反発」(2011.8.23 00:4)で次のように伝えている。

 民主党代表選に出馬の意向を固めた前原誠司前外相に対し、野党側は「献金問題で引責辞任してわずか5カ月。性懲りもない」(参院自民党幹部)などと反発を強めている。 

 今年3月、前原氏を在日外国人からの献金問題で、閣僚辞任に追い込んだ自民党の西田昌司参院国対副委員長は22日、産経新聞の取材に「前原氏は禊(みそぎ)を終えたつもりかもしれないが、説明責任を果たさないまま辞任しただけで、その後も何ら釈明していない」と指摘。「何の反省もなく表舞台に出ようというのは、バッジを付ける人間としてあり得ないことだ」と怒りをあらわにした。

 そのうえで、「きりがないほど問題点がある」として、前原氏が首相に就任した場合は国会で厳しく追及する考えを示した。山本一太政審会長も22日の記者会見で「最初から『政治とカネ』の問題で追及せざるを得ない」と警告した。

 今は、喉元過ぎれば熱さを忘れても良い世の中なのだなと思う。
 前原氏は表向き、国会議員としての責任を自ら取る形で辞任したはずだが、沖縄問題から逃げたのではないかとすると、それが恥ずべき行為だったと反省されたとしても、首相になるとなれば、どこかで自己矛盾は起きないのだろうか。この話を持ちだして前原氏を責め立てたいわけではなく、こういった問題は、自覚の問題だという前提で考えてみている。先の壬生氏の件と同じように、自己矛盾の解決の問題だとすると、それを隠したままの行動に疑問は起きないのだろうか。心が痛まないのだろうか。
 壬生氏と前原氏だけに限らず、最近、こっちから見ていると変な世の中だと感じることは多い。これは、自己矛盾の解決を問うから問題になってしまうのだろうか。それとも、自己矛盾などは最初から存在しないのだろうか。人を嘘で誤魔化すことよりも、その自分の嘘を、弱い私は抱えきれない。嘘をつき通す責任は重すぎて、くたくたにくたびれてしまうのは小さいころに経験して懲りている。この感覚から外れてしまうと、私には理解できない問題となってしまう。

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コメント

将来のある高校生の未来を奪っておきながら、この指導者は反省していない。
同じことを繰り返す。
危険。

投稿: たまご | 2014-12-23 15:20

サイコパスです。

投稿: ひよこ | 2015-09-11 13:47

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