2011-08-25

極東ブログで指摘されたasahi.comの不可解な記事について、朝日新聞社に問い合わせた件:その2

 昨日のエントリー「極東ブログで指摘されたasahi.comの不可解な記事について、朝日新聞社に問い合わせた件」(参照)で、朝日新聞お客様窓口の次長中島氏の回答について書いておこうと思う。
 この質問の趣旨は、朝日新聞社の紙の新聞と内容がまったく同じであるasahi.comの13日付けの「住民検査で初の1ミリシーベルト超検出 南相馬の男性」(参照)の一部の記述が、はてなブックマークの痕跡に残る同記事と見られる記述の内容と一部が異なるため、事実関係を明らかにするものであった。その肝になっている部分は、南相馬市で行われた内部被曝の検査で、60代の男性から検出された「1ミリシーベルト」は、一年間の被曝換算か50年間換算によるものかを問うものである。問題の焦点になっている理由は、この「1ミリシーベルト」は、一般人の一年間の被曝限度であるため、記事の記述が「50年間の換算」であれば、福島原発事故の被曝が無問題であると言い切れるような朗報である。
 逆に、これが一年間の被曝換算であるなら、この男性が事故後に水を探して山歩きをしたのと同様な行動をした人は、念のため検査を積極的に受けたほうが良いという判断基準ともなる。そして問題はもう一点。この記述の有無から、それが誤記による編集か、仰天記事のように仕立てるために改竄を試みたものなのかである。
 一部のサイトで引用されて残るものもあれば、時系列的にはもっと古いにもかかわらず、記述のない記事のコピーが見つかったりと、時系列の違いなども重なってその軌跡が不可解さを残している。
 混乱を回避するために、極東ブログで引用されているものを簡単に整理してみることにする。

「将来にわたる総量を50年換算(成人)で評価した」の記述の有無とその引用の元記事

  • 2011年8月13日20時26分 2ch掲示板-(asahi.comの速報記事引用)
  • 2011年8月13日20時55分 asahi.com(朝日新聞(紙)14日掲載記事と全く同じ記事)-
  • 2011年8月13日20時55分 阿修羅掲示板-(sahi.com速報記事引用)
  • 2011年8月13日21時43分 はてなブックマークの痕跡ー(asahi.com速報記事引用-

 上記の「asashi.comの速報記事」というのは朝日新聞社の説明によると、速報性を重視しているため、元の記事がある場合はそれを編集した記事であったり、速報記事として、紙の新聞とは別に独自に記事を起こしたりもするということだった。
 で、今回のケースは、朝日新聞社の記事が元にあり(14日発刊)、この発刊よりも一日早い13日にasashi.comが速報でまずインターネット上にアップした。その速報記事に「50年換算」の記載があるものとないものがあるというのは、編集時点で編集者の考えに基づくもので、速報記事ではよくあることで、訂正や編集などを加えることがあるという説明だった。ここではてなの痕跡についてだが、加えて、はてなという会社が運営しているブックマークの機能がどのように設定されて記事を抽出するかの点で、asashi.com記事そのものであるとは言い切れないなどの指摘もあった。
 上部に挙げた記事を確認してみると、一番早く引用記事をアップしたのは2chの掲示板で、「50年換算」の記載はない。阿修羅は有り、はてなブックマークの痕跡には有るが、そのリンク先のasahi.com記事には無い。無い→有る→有る→無いと、実際このように編集されるケースはあるのかと質問すると、(編集した本人しかわからないことだが)推測すると、最初の記事を書く時点で、間違えが見つかったり、何を記事でアピールするのかという点などを検討する段階で編集されたと解釈するほかない、という意見だった。つまり、客観的な見方からではこれが改竄であったかどうかは判断できないという意見であった。
 このような回答しかもらえないということは質問当初から分かりきっていた事でもあるが、中島氏の発言で、「仮に、50年間換算による数値なら記事にはしないでしょう」という言葉が残った。この言葉の根底に、中島氏の記事性に対する考えを垣間見た気がする。
 そして、産経の記事を思い出した。タイトルは「1人が内部被曝1ミリシーベルト超 南相馬市が900人調査「緊急治療必要なし」」(参照)。被曝の数値に関する部分にこうある。

2011.8.13 20:48
福島県南相馬市は、小中学生を含む市民約900人の内部被曝(ひばく)検査で、体内に取り込まれた放射性セシウムによる被曝線量が今後50年間の換算で1ミリシーベルトをわずかに超えた人が1人いたものの、ほとんどの人は0.1ミリシーベルト以下だったとの調査結果を13日、まとめた。

 また、asahi.comのタイトルは「住民検査で初の1ミリシーベルト超検出 南相馬の男性」(参照)で、数値の部分は次のように記述されている。

2011年8月13日20時55分
福島県南相馬市が住民の内部被曝(ひばく)を調べたところ、60代の男性1人から1ミリシーベルトを超える数値が検出されたことが分かった。市立総合病院が13日発表した。住民の検査で1ミリシーベルト以上の内部被曝が明らかになったのは初めて。

 同じ事実を伝える記事として、それぞれが何を伝えようとしているか、その違いがはっきり見て取れる。
 朝日新聞社の中島氏と話して確認した通り、「記事には編集ありき」からみて、asahi.comの編集回数や、昨日のエントリーで指摘した文脈の辻褄が合わない点等を思うと、不自然な振る舞いを感じる。その不自然さは、記事の改竄を隠蔽するためか、捏造を試みて後に修正したとしか思えない。そう疑ってしまうのが正直なところだ。
 こうして調べてみて、不可思議な部分が更に色濃くなった。残念なことだ。

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