2011-07-30

菅さんの国会答弁は領収証の日付がどちらに転んでも二つの嘘が見えてくる

 昨日の参院本会議はNHKの中継が入っていなかったこともあり、菅さんが在日韓国人から104万円の献金を受け、それを3月14日に返金したことを表明したのは産経記事で午後に知った(参照)。早速、Youtubeに夕方、ビデオが上がっていた。

 この報告を知って、直感的に、菅さんは二つの嘘をついて逃げ通すつもりだと思った。今更騒いでも、事後承諾で逃げ切ろうとする菅さんを罪に問えるのかどうかは分からない。そんなことはしないというのならそれもそれ。私には、菅さん下ろしを担おうという意図もないが、間違いや嘘を容認した上、菅さんを応援する気持ちにはなれず、なんともすっきりしない。先日もこの領収証の件では、どう考えても腑に落ちない点があり、深い問題が潜んでいるような気がしたままだった(参照)。それが、昨日の産経が報じるた菅さんの報告で納得の行くものではないため、その不可解な部分を記録的にまとめてみることにした。
 結論から言うと、菅さんは、在日韓国人だと知って献金を受け取ったのではないかという点と、領収証に関する報告に偽りがあるのではないかという二点だ。
 前者は、立証しにくいこともありおそらく永久的に真実は明かされないかもしれない。だが、二点目の領収証の日付が正されれば、ともすると政治資金規正法ばかりか外患誘致罪にも問われかねない案件だと思う。現職の首相がこの罪に問われるなど信じがたいし、そのようなことが起こるとも思えない。理由は、重い罪だけに問われる前にみな辞職してしまうからだ。その良い例が前原元外相である。金額は、4年間で20万円と言われているが、前原氏は、在日韓国人であることを知って献金を受けたと国会であっさり認めた上、辞任してしまった。その職にない者を問える道理もなく、日本が大騒ぎする前にさっさと閣内からいなくなった。故意ではなくとも在日韓国人だと知って献金を受ければ、先の二つの罪に問われかねない事案だった。
 さて、菅さんの話に戻すと、まず二点目の領収証の偽り部分について、104万円の献金を返金した事を立証するための領収証の日付の点で、質問者と回答している菅さんの認識が違う点だ。以下の7月21日の国会の様子が掴みやすい(2011/07/21-12:00時事ドットコム)。

 参院予算委員会は21日午前、菅直人首相と閣僚が出席し、東日本大震災の追加的な復旧対策を盛り込んだ2011年度第2次補正予算案の総括質疑を行った。首相が、在日韓国人からの献金を返却した際の領収書の提出に難色を示したことに自民党が反発し、質疑は30分余り中断。理事による協議を踏まえ、前田武志委員長が領収書提出の可否を同日夕までに報告するよう首相に促し、質疑は再開された。

 委員会質疑では自民党の山谷えり子氏が、領収書の速やかな委員会提出を求めたのに対し、首相は「週明けのなるべく早い段階で(対応を)報告したい」と繰り返した。自民党は納得せず、質疑の続行を拒んだため、いったん休憩にして理事懇談会で対応を協議した。

 この問題をめぐっては、7日の同委で自民党の礒崎陽輔氏が、首相が受けた計104万円の献金について「3月10日に神奈川県の保土ケ谷パーキングエリアで、首相のスタッフがこっそり返したのではないか」と指摘。首相は「弁護士から、現金で3月14日に返金したと報告を受けている」と否定したが、自民党の要求を受け、同委は首相側に領収書提出を求めていた。

 昨日産経が報じた菅首相の報告の通り、7月7日にこの件が発覚してから一貫して「3月14日に返金し、領収証ももらっている」と答弁してきた。
 ところが7月7日、礒崎陽輔参議院議員(自民党)が返金の経緯を問い正し、報道前の「3月10日に保土ヶ谷PAで首相のスタッフが現金手渡しにより返金した」との情報をつかんでいる、と質疑した。これに対して首相は弁護士に任せていると答弁したため、磯崎議員は理事会にて領収書の提出を求めた。また、すでに在日韓国人の献金者は事情聴取を受けている事と、この献金者との利害関係が分裂したことを考え合わせると、「保土ヶ谷PA」という言及は生々しい。推測だが、これは事実ではないかと思う。ただ、この推測の上に妄想を加えても事実が引き出せるわけでもない。そこで、記事にある国会中継のビデオでその部分についての質疑応答を確認した(Youtube☞)。

 このビデオのスタートから3分30秒地点から約3分間で、保土ヶ谷の密会の件と、返金日について微妙なやり取りがある。磯崎氏はこう言い残している。

震災当日の3月11日の決算委員会で始めて知ったと答弁しているが、もしも、10日に返金していたとしらこれは大事になると言うことだけは申しておこうと思います。

 そして、7月21日、選手交代して山谷えり子氏から、先の予算委員会で磯崎氏が求めていた領収証の提出を再度要求されるも、これを拒否した形となり、議事が紛糾した(Youtube ☞

 領収証の日付、つまり返金日について両者の言い分が物別れになっている。ここで整理してみた。
 両者の主張するそれぞれの日から仮定してみると、磯崎氏の主張する3月10日の場合、3月11日に初めて知ったと答弁した菅首相は、虚偽答弁したことになる。菅首相の主張する3月14日の場合、保土ヶ谷PAで現金を手渡しで返金したことが証明されれば、領収書捏造になるのではないだろうか。また、前者である3月10日であれば、在日韓国人だということを知っていたという可能性も出て来る。つまり、発覚前に証拠隠滅を企てた可能性もあるということではないだろうか。そうなると、物騒な話だが、外患誘致罪ともなりかねない。因みにこの罪は、外国と通謀して日本国に対して武力を行使させることを内容とするとあり、量刑は死刑のみとある。
 また、政治資金規正法に抵触すると公民権停止の対象となり、選挙権はなくなり、勿論議員でもいられなくなる。
 話のぶり返しになるが、前原前外務大臣は、外国人献金問題で辞任という良い前例を作ったとは思う。が、メディアは市民に真実を伝えて本当の意味でよい教訓とさせてくれただろうか。振り返ってみると、その価値を下げたのは、メディアだったのではないだろうか。
 当時の朝日新聞社説は、次のように述べていた(参照)。

 自民、公明など野党は、参院への問責決議案提出も視野に、前原外相の辞任を求めている。民主党内でも、辞任やむなしとの声が上がっている。
 しかし、この問題はまだ表面化したばかりだ。女性から献金を受けることになった経緯や献金の総額など、前原氏による事実関係の調査と、国会や有権者に向けた説明はこれからである。
 「事務的なミス」(民主党の岡田克也幹事長)なのかどうかを含め、解明すべき点は多い。辞任か否かの判断はその後のことだろう。
政治的駆け引きのなかで、重要閣僚の進退がこれほど短兵急に取り扱われる展開には首をひねらざるをえない。
 予算案と関連法案の修正が焦点となるなか、野党が政権打倒一辺倒になって世論の共感を得られるだろうか。
疑惑の当事者には、まず徹底して説明責任を果たしてもらう。それすらしないという強硬な態度は論外として、辞任で手早く幕引きにするというのも責任ある姿勢とはいえない。

 かつての朝日の記事の勢いを知っている世代である私からすると、この記事は朝日らしくはない。これが自民党だったらと思うと、叩く程度で終わっているかどうかを疑うような勢いだった。その朝日が、これほどに静かで、ちょっと間違うと前原擁護とも言われかねない内容にとどめているのも民主党だからだろ、と思う。であれば、徹底的に菅擁護となるように社説子の筆致で、一貫してどこまでも擁護して貰いたいところだ。だが、事案が致命的なため、おそらくこの件に関して触れられることはないだろうと思う。

 極東ブログでは昨夕、この件で詳しく検証されているが、私とは少し違う角度でもあり、大変興味深く読ませてもらった☞こちら菅直人首相はたぶん、嘘をついている

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