2011-07-12

手製のカルピスのパンの話

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カルピス社員のとっておきレシピ

 最近、話題になることの多いカルピスの会社は、誕生から92年にもなる。うーむ、中国共産党よりも二歳年上かぁ(サーチナ)。なんとも感慨深いものがあるものだと、再び例のカルピスのレシピ本「カルピス社員のとっておきレシピ」*1を手に、新レシピを考えていた。ここでは、先日も紹介したばかりだ(参照)。この本のレシピの傾向は隠し味か、ソース類の甘みと酸味のような使い方で、そこがヒントと言えばそうだが、毎日食べる主食としてのパンにカルピスの乳酸菌を働かせてみてはどうかと思っていた。
 発酵食品が体に良いことはこの本にも書いてあるが、カルピス以外では、ヨーグルトや納豆、酵母パン、醤油、味噌などの食品を食べていればそれなりに摂取できる。パンを主食にすると、上記の食品はなかなかおかずになりにくいではないか。まー、ヨーグルトか、納豆のせトーストとかかな。それも何だし、いっそのことパンに練り込んで焼いてしまおうか、というのが作る動機となった。後で調べたら実際に食パンとして発売されていた(参照)。
 30ccに60億個もの乳酸菌が生きていると本に書いてある。これを生かして「サワードウ」(参照)を作れば、パンを発酵させる酵母が出来上がる。小麦粉と水だけでも出来るのがサワードウなので、カルピスでも出来るとは思っているが、これはまだ作ってみていない。個人的な趣味の域で、近いうちに試してみるつもりでいる。

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 私は、ヨーグルトをスコーンやパンの生地に練り込んで作ることがある。生地を一次発酵させる段階で乳酸菌が働きかけるせいか、非常に伸びの良い生地が出来上がる。このことからヒントを得て、生地にカルピスをそのまま練りこんでも柔らかくて美味しいパンになるんじゃないかと思った次第。結論から言うと、実にもっちり感のある生地ができた。が、その理由がカルピスの乳酸菌によるものかどうかは科学的な裏づけはここではできない。そのため、「カルピスの乳酸菌で美味しい生地が出来る」とは言及できない。が、試しに二度作ったら結果は同じで、伸びの良い生地ができ、しっとりとしたもちもちのパンに焼き上がった。画像がそのパン。
 分量の目安の割り出し方はこういう感じの展開だった。
 この本の解説の通り、飲料としてのカルピスは、5倍希釈が飲み頃の甘さらしい。個人差はあるが、私にとってはかなり甘い飲み物だ。砂糖の半分くらいの甘さだろうか。そう思って、パンに使用する砂糖の倍の容量に少しプラスして80ccを500gの小麦粉に使用してみた。市販の食パン生地の甘さよりやや甘い感じなので、二度目は減らして60ccにしてみた。食事パンならこれくらいがいいかもしれない。ここでちょっと甘みについて触れておくことにする。
 カルピスをパンの甘みに加えるならどれくらいが妥当だろうかと言う観点で考えてみた。これには、咀嚼も関係するからだ。小麦粉の甘さは噛むことででんぷんから糖分に変わるため、よく噛んで食べることが味わうことにつながる。が、砂糖を沢山入れたパンは噛まなくても甘いため、あまり噛まずに食べてしまう人が多い。これに気づいていないとすると、もしかしたら今回のレシピは味が薄いという評価を頂くかもしれない。だから、レシピを書く難しさがここにある。人の嗜好は、いろいろな要素で出来上がっているため、好みに合わせるのは難しいと言える。だから、好みを今日のパンに合わせて欲しい。実は、カルピスを使ったレシピを紹介するのを躊躇った理由もここにある。せっかくの歴史を持つカルピスに泥を塗ってはマズイと思ったが、それでも生地の出来栄えを足せば、軍配はカルピス入りのパンに上がると思う。ということで、またまた砂糖との比較で決めることにした。
 600g(2斤)の小麦粉を使って食パンを作る時、私は、24gの砂糖を使用する。ざっと、パン焼き器のレシピの三分の二程だ。この分量は至って少ない方。リーンなパン(塩だけで砂糖は加えないパン)以外で砂糖(素精糖)を使う時は、非常に少量に抑えている。だから、カルピスの原液の甘さを加味して、この倍の約50ccになんとなく10cc色をつけて60ccを採用した。参考までに、パン焼き器に付属しているレシピだと、250gの小麦粉に対して大さじ2の砂糖が一般的だと思うが、重さでいうと大さじ2は18gなので、二斤だとこの倍の36g。因みにカロリーは150㎉となる。

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 焼き上がった生地の食感はもっちり感があり、いつまでもしっとりしているし、冷めると分かるが、遠くでカルピスが呼んでいるような味がする。また、弾力がありながらもっちりとした食感の由来は、カルピスの酸味からかもしれない。これは、フランスパンを焼く時にビタミンCを加える理由でもある。
 今日のパンレシピは分量を参考にされたら良いかと思い、成型は特に拘ることはないと思う。変な書き方だが、パン作りは多様化してきているため、材料を仕込むだけのパン焼き器で応用出来るレシピにした。私は、捏ねるのはニーダーを使うが、成型して焼くまでは全て手作り。因みに今回のパンの形はこうして作った。

 ①二次発酵後の生地を14個に分割した後(1個は約61g)丸めて10分休ませる。楕円形(角の取れた長方形が望ましい)に延ばして中央で出会うように両端を折り、片方を半分までもう一度折リ込む。最後に閉じ合わせ、転がして15cmほどの細長い棒状の生地を作る。これを休ませながら同じように他の生地を棒状に作り、途中で休ませていた生地を30cmほどに転がして延ばす。この作業を繰り返して14本を30cmに伸ばす。成型は、真ん中に親指が二本入るくらいの穴を残して結び、その穴に片方ずつ端を上と下から通し、最後に片方の端を真ん中に出して花びらのように見せる。
 このパン生地の特徴は、生地を細長く棒状に伸ばすため、画像のように繊維が揃って細長くなる。この食感は、ケースパンにはない歯応えが楽しめる。

道具

  • 25cm以上のサイズのボール
  • 電子計量器(こういうの☞)
  • オーブンシート
  • 刷毛
  • 布巾・・2枚
  • レジ袋・・1枚
  • ビニール80cm×50cm(ゴミ出し用の袋を切るなど)

材料(1個が61gで14個分)

  • 国産強力粉(北海道産みのりの丘)・・500g
  • ドライイースト・・8g
  • 塩・・9g
  • 水(夏場のため氷入り)・・240cc
  • カルピス原液・・60cc
  • ショートニング(トランスファットフリー☞これ)・・30g ※カルピスの風味を重視したのでバターは使用しなかった。
  • 溶き卵・・少々(最後に表面に塗って焼き色をつけるため。なくても良い)

作り方(手作り)
全ての材料を計量する。

  1.  電子計量器にボールを乗せ、小麦粉、塩、イースト菌を計りながら加える。
  2.  小さな氷を大さじ2~3と水、カルピスで300gになるように混ぜ合わせる。

捏ねて発酵させる

  1. 上の1に2を加えて箸で混ぜ合わせ、粉っぽさがなくなったら台に移して手首の付け根で押し付け、生地が滑らかになるまで約10分ほど捏ねる。
  2. ボールに移してぬれ布巾を被せ、レジ袋に入れて結んで一次発酵させる。
  3. 生地が倍以上にふくらみ、指で押すと軽く戻ってくる程度になったらスケッパーやヘラで取り出す。
  4. 全体を計って14等分になるように一個の分量を割り出して分割する。
  5. 成型し(上記のの通り)してオーブンシートに乗せ、倍くらいに膨らむまでぬれ布巾を被せた上にビニールなどを被せて二次発酵させる。

焼き

  1. オーブンを180度に余熱しながら、溶き卵を生地に塗り、12分焼く。
  2. 蒸れないように網などに乗せて冷ます♪


*1)
 本書は極東ブログの書評で知った。カルピス誕生について興味深い話がたんまり味わえる。☞こちら

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