2011-07-16

竹島上空を飛行した韓国に対する日本政府の対応について雑感

 竹島を巡る韓国と日本の領有権の話しがまた始まった。と書きながら、私は、ここで竹島問題を取り上げてきちんと書いたことがない。うーむ、何故かなと振り返ってみるに、竹島問題は根が深くどこを切ってもナショナリズム的な問題に帰結しそうだし、そうなるとどちらがどうだという良し悪しが言いにくい。というか、そういう話しになると難しい。日露戦争まで遡って記録をざっと見ても、日本の領土だろと思う私は、日本人だし。だから書きにくいという点ははっきりあるが、この度の日本政府の対応には些か驚いた。外交ってそういうものですかみたいな疑問もあるし、これで本当にいいのかと考え込んでしまった。というか、100年以上抱えてきた腫れ物だけに、今の民主党の手に負えるわけはないので止めれ、と言いたいだけかもしれないが、思い切って書くことにした。記事のクリップ程度になるかもしれないが、状況だけはきっちり押さえて置くことにしようと思う。

 竹島が微妙な位置にあることは地図でも分かる通りで、いっそのこと、どちらの持ち物でもないとした方がタブーにならないのではないかと思うくらいだ。今回浮上した問題は、日本の国土だと主張するこの島の上空を先月、大韓航空のエアバスA380の就航記念でデモ飛行をやらかしたため、韓国に日本政府が抗議し、外務省は全職員に18日から一ヶ月間公務で大韓航空機に搭乗しないようメールで通達した。これに対して韓国の反論が始まった。
 Twitterのクリップ記事、朝鮮日報は次のように報じている(参照)。

 外交通商部(省に相当)の張元三(チャン・ウォンサム)北東アジア局長は14日、在韓日本大使館の水越英明公使を呼び、強い遺憾の意を示した。同部のチョ・ビョンジェ報道官はこの日の記者会見で「航空管制上の問題がない限り、韓国の飛行機が韓国の領空で何をしても自由なはずだ。現在の両国関係を考慮すれば、日本がこのような措置を講じたことには失望を禁じ得ない。撤回を求める韓国の要求にどう対応するか見守っていく」と述べた。
 日本と韓国が共に調印している世界貿易機関(WTO)の「政府調達に関する協定」は、加盟国の政府が民間企業から物資を購入する際、ほかの加盟国の企業も自国の企業と同等に扱うよう定めている。日本の外務省は、大韓航空機の利用を自粛するよう命じたことが、同協定に著しく反するものではないと判断したという。だが、外交通商部はこれに対し、問題提起の余地の有無について検討を進めている。韓国政府の関係者は「日本の外務省の職員たちは通常、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)を利用するため、実際に大韓航空に与える影響は微々たるものだが、政府レベルで民間企業に対する制裁措置を講じたことは、重く受け止めざるを得ない」と話した。

 韓国の言い分は、自国の領土の上空で何をしようといいじゃないかという点と、問題提起の余地として、WHO協定に触れているのではないかという点でも日本に反論する材料を模索中だと理解した。そして、引用部分の文末の「政府レベルで民間企業に対する制裁措置を講じたことは、重く受け止めざるを得ない」というのも韓国にとっては怒りの元にあるようだ。私だってこれはおかしいと思った部分だ。公私混同も甚だしい極みではないだろうか。正気の沙汰とは思い難い程幼稚な対応だと思った。が、ここでちょっと不思議に思ったのは、韓国の領土だとする独島(韓国の竹島の呼び名)のあの微妙な領域を何故わざわざデモ飛行したかだ。A380エアバスの見せびらかし?いや違うでしょう。と、思ったので記事を遡って調べてみた。
 毎日にこんな記事があった(参照)。

竹島問題:「国際司法裁へ提訴を」 県議会、全会一致で意見書 /島根
県議会は8日、竹島(韓国名・独島)の領土権確立のため国際司法裁判所へ提訴するよう政府に求める意見書を全会一致で可決した。首相や衆参両院議長に提出する。
県議会では、竹島に関する意見書はこれまで何度も可決されているが、国際司法裁への提訴を求めたのは04年10月以来。竹島周辺で韓国が総合海洋科学基地の建設を計画し、孟亨奎(メンヒョンギュ)行政安全相が先月、同島を訪問したことに対応した。
意見書では、韓国側の動きを「さらなる支配強化につながる恐れも想定される」と主張。国際社会へのアピールと国際世論喚起の必要性を説いた。

 この総合海洋科学基地の建設の話はいつ頃から日本のメディアで騒ぎ出したのか調べると、ざっと見て4月、日本が震災でてんやわんやしている頃のようだ。私も、原発問題にかなり気をとられていたときだったようだ。この背景を4月4日、Yahooニュースが伝えている(参照)。

独島の総合海洋科学基地、今月着工へ
聯合ニュース 4月4日(月)15時2分配信
【ソウル4日聯合ニュース】韓国政府が4日、独島の実効的支配を強化するため、今月中に独島総合海洋科学基地の工事に着手する予定だと明らかにした。
今月末に陸上で基地の構造物製作に着手し、12月まで組み立てを完了する計画だ。総合海洋科学基地は独島北西側1キロメートル海上に建設される鉄骨基地(延べ面積2700平方メートル、事業費430億ウォン)で東海(日本名:日本海)の海洋、気象、地震および環境などを観測する装備を備え、通常時には無人自動化システムで運営される。
 政府はまた、年内に独島に海水通過が可能な防波堤(長さ295メートル、幅20メートル)建設に対する基本設計を完了し、7月完工予定だった独島住民の宿泊施設工事を5月初めまでに完了するとした。
そのほか、1日には独島が韓国領土であることを強調した学習副教材を発刊して全国の小学校に配布。今後、独島教育広報館の設立も推進するとした。

 かなり批判的に、情感を交えて産経も怒っている(参照)。

 しかも、日本は今、東日本大震災の復旧・復興に向けて悪戦苦闘している最中だ。そのような時期に工事を始めるとは、隣国としての信義にももとる。
 松本剛明外相は衆院外務委員会で、ソウルの日本大使館を通じて韓国に抗議したことを明らかにし、「韓国の竹島への措置は到底、受け入れられない」と強調した。当然である。

 震災の事を持ち込む辺りは置いといて、この記事を引いた理由は、松本外相がこの件で韓国と関わった当人だということをはっきりさせたかった。冒頭の朝鮮日報の引用部分に続いて、韓国紙では、松本外相が最終的に大韓空港搭乗の一ヶ月禁止を命じた張本人だとして、これを菅政権の愚策に結び付けている。

 日本政府がこうした姿勢を見せる背景には、独島の領有権をこれまで以上に積極的に主張しようという意図があると考えられる。また、今年3月11日に発生した東日本巨大地震以降、極度の混乱に陥った政界の事情が背景にあるとの見方もある。菅直人首相が福島第一原子力発電所の事故をうまく収拾できず、辞任を求める圧力にさらされている中、菅首相の率いる民主党政権も、合理的な政策を打ち出すのではなく、無謀な措置を打ち出すことが多くなったというわけだ。大韓航空機の利用自粛令を最終的に承認した松本剛明外相は、民主党に所属する国会議員であり、伊藤博文の子孫に当たる。

 なんだかこの新聞も先の引用の産経に似て、松本外相があの500円札の孫だとかまで教えてくれなくてもよさそうなものだけど、何かと日本をコケにしたいのか、韓国人の喧嘩はこんなもの。オマエのカーちゃん出臍ー的。子どもの喧嘩宛らであるが、本気になるのも無理はない。事業費430億ウォン(約31億円)もかけて冗談を言っているとも思えない。
 独島の近海に建設することが独島の占有権を主張するために有利に働くと報じているが、そうかどうか私には分からないが、島根県が政府に国際司法裁判に諮るよう要請したとあるし、法律で解決できることであればそれに越したことはないと思う。が、この問題が昨日報じられた大韓航空機の不法航行につながったとしたらそれはそれとして、大韓航空機に搭乗させないという制裁措置のようなものは日本は取るべきではないと思う。これについて朝鮮日報が指摘するように、民間会社を巻き込むべきではないと思う。松本外相が詰られても仕方がないところだが、私は冷静にこのやり取りを見ていたい。ふとTwitterを覗くとBBCでも小さくではあるが、取り上げている(参照)。あまり事を大きくしたくはないな。
 当初は、ナショナリズム的な展開に発展することを懸念したが、松本外相の対応から、そんなものにも程遠いし、子どもの喧嘩程度で終わりにして欲しい。というか、首を突っ込んで欲しくないな。

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