2011-06-30

バジル大統領、中国に旅をする-雑感

 昨日、国際刑事裁判所のお尋ね者であるスーダンのバジル大統領が中国を訪問した。周知の通り、バジル大統領の容疑は、スーダン西部のダルフールで起きた民族争乱の際の大量虐殺を首謀したからだ。国を出れば捕まるものだと以前、無知な私は思い込んでいたが、国際刑事裁判所との調印を交わしていない国においてはその効力はない。従って、中国へ渡っても、中国が拒否さえしなければ拿捕されることはない。それどころか、バジル氏は今回、真紅の絨毯で国賓として胡錦濤国家主席に迎えられた。画像では表情は固いが、凄い歓迎振りだ。これを報じるのを知ったのは、29日のBBC記事でTwitter経由だった。ちょっとした問いかけのつもりが、適格な言葉ではなかったため、意味不明なつぶやきとなってしまい、Twitterでは上手く対話ができなかった。

Sudan_1933154c

 飛んでしまった中間部分の思いとして、このところのスーダン政府の南部攻撃激化が何故なのか、それがまず頭にあった。これを隠していたわけではないが、押し黙った心のどこかにあった。ここで中国と親密になるためには原油を確保し、権力基盤を固めて中国との外交関係を良好に保とうという意向の表れかと思った。それを中国の「プレッシャー」と、裏を返して表現したのも変だった。
 Twitterで短い文字でと思うばかり、かえっておかしな言葉を用いてしまって後悔した。他にもいろいろあるがそれはさておき、バジル氏のことを簡単に整理し、中国とスーダンは今後どのような関係になって行くのか、少し考えてみようと思う。
 南部が独立することは、バジル氏の権力基盤にとってはマイナス要因。これまで南部独立を妨害していた理由がその全てで、ここで南部の独立が迫り、バジルが係争中のアビエイで圧力をかけ始めた。国際社会からは非難を受け、この地に両者とも近づかないよう宣告されている。中国は、自国の石油輸入高量の7%をスーダンに頼っており、また、これはスーダンの総生産量の二分の一に相当している。つまり、中国はスーダンにとってはお得意様である。また、テレグラム紙では次のように伝えている。

The main item on the agenda for Mr Hu and al-Bashir was how to maintain Sudan's oil flow to China despite the splitting of the country into two states next month. For years, Sudan has supplied roughly seven per cent of China's oil needs – the equivalent of half its daily output – in exchange for financial and military support, including in the form of weapons.
胡氏とバシル氏の主な議題は、来月国が二分されても中国に供給するためのパイプラインを維持する方法だった。スーダンは長年、中国の石油需要の7%を供給してきたが、これはスーダンの一日の石油採掘総量に等しく、交換として軍事的な支援と資金援助を含めて行われてきた。

 今回のバジル氏の訪中は、胡錦濤国家主席にとって南北の分離後も石油の供給を確保するための合意を取り付けたかったと言うことが第一目的のようだ。その表れとして、バジル氏を歓待したしたのは言うまでもないと思うが、記事で気になる点が少しある。

Human rights groups have been appalled by Beijing's reception of al-Bashir, who faces several charges at the ICC. Around 300,000 people are thought to have died in Darfur since 2003.

The US State department said it continued to "oppose invitations, facilitation, support for travel by ICC indictees". However, the US is thought to have tacitly condoned al-Bashir's visit, calling on China to help broker peace between the North and South.

人権保護団体は、北京の歓迎ぶりにに愕然とした。バシル氏はICCでいくつかの嫌疑をうけているからだ。およそ300,000人の人々が、2003年以降にダルフールで殺害されたと考えられている。
米国務省は、「ICCによる被告は、招待行為、集会、旅行行為を阻止すべき」と述べている。しかし、米国はバシル氏の訪問を暗に容認したと考えられます。そして、中国に南北間の和平の仲介の援助を求めたいという思惑がある。

 中国に頼まずとも、中国は自らが求める石油を得るために、結局スーダンの南北と上手く付き合って行かなくてはならない。そのために、バジル氏が北部と犬猿の仲では商売がやり難くて仕方がない。また、アメリカは、漁夫の利を得たと言うものだろうか。
 視点がずれるとどうしようもない妄想で終わってしまう内容だが、現段階での私の読みは以上。

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