2011-05-19

1号機のベントは標準的な手順として行うべきだった

 昨日、Twitterの原発関連のクリップ記事で気になることがいくつかあった。情報の信憑性もさることながら、現時点での個人的な推測もどうかという思いがあり、書くのを躊躇っていた。
 先ほど極東ブログで正にその件で考察された「GE製MarkⅠはそもそも欠陥だったのかもしれない」(参照)が挙がり、考えていた道筋は違うものの事故後のそれぞれの進み具合が何故違うのか、また、何故ベントが人為的に操作できなかったのかという点がかなりすっきり見えてきた。そう言ってよいのだと、なんだか噛み締めるような思いだ。ただ、自分なりに考えて来た点と、おそらく今後も2、3号機の変異が1号機のそれと何らかの形で関係してくるのではないかと言う思いもあるので記録的に書いておきたい。
 1、2、3号機の燃料棒はそれぞれ、70%、30%、25%と破損していることは東電の発表にあった通りとすると、1号機は燃料が全てメルトダウン(溶融)してしまった状態になっているため、再臨界の可能性はないとされている。であれば、2、3号機の燃料の残量から見て、仮に冷却が上手く行かず制御不能のような状態にでもなれば水素爆発の危険性などを思っていた。ところが、昨日、その3号機が別の意味で深刻な状態であることを知った(参照)。
 始めは3号機も、1号機の辿った道を同じように辿るのだろうと思っていたため、半信半疑な部分もあった。TBSの画像ニュースだったため、既にそのページは存在しないが、ニコニコ動画に誰かがコピーをアップしてくれていた。以下は、Cashから読んだ内容だ。

1号機よりも、さらに事態が深刻であることが明らかになりました。
福島第一原発の3号機は、炉心の温度がたびたび上昇するなど
不安定な状況が続いていますが、1号機と同様、燃料が溶け落ちたうえ、
原子炉に注いだ水が十分燃料に届いていないとみられることが、政府関係者への取材で分かりました。

原子炉には「シュラウド」と呼ばれる壁と圧力容器との隙間を
通して水が注がれていますが、底に固まっている燃料に
十分に水が届いていない可能性が高いことが分かりました。

専門家は、この状態が続いた場合、燃料が発する高熱によって、
圧力容器の底が抜ける可能性がある「深刻な事態だ」と指摘しています。
東京電力では当面、3号機への注水量を増やして監視を続ける方針です。

Screenclip

 この「シュラウド」が曲者らしい。が、冷却水を注いでも一時的に下がるだけで、シュラウドに詰まった破損燃料でそれ以上水が注入でいないということは、冷却のコントロールをどうするかという新たな問題が発生したということだ。
 そして、極東ブログで記事比較に引用されているウォール・ストリート・ジャーナル(参照)とニューヨークタイムズ(参照)の両紙も同様にTwitterでクリップした。この時点で私は、記事比較にまで至らず、前者のウォール・ストリート・ジャーナルだけで実はため息が出てしまった。原発事故の直後から事細かにドキュメンタリーのように書いているため、その描写が当時読んでいた記事と重なってしまい、酷く感傷的になってしまった。この件はさておき、人為的にベント(圧力を抜く)が間に合っていたらあれほどの爆発は起こらなかったのではないかと何度も悔やまれただけに、このベントが、実は、もしかしたらGE製MarkⅡの欠陥品ではないかというニューヨークタイムズの記事を疑いたくなった。これは、原発に反対するアメリカ下院議員が喜びそうな記事であるし、同紙が煽っているのではないかとか・・・、その可能性も充分あるとは思う。だからとうか、それが理由で書き控えたというのも理由だった。
 ベント出来なかった辺りの現場の騒然とした状態や、原発所長と東電社長の機微も伝わってきたが、トップ同士が何故ぶつかるかというか、それどころではなかったのではないだろうか。現に、緊急時にベントするというのは標準的なマニュアルだと後で知ったが、あの時、ベントすることを決断していれば、その弁が開いたか開かなかったかというが判明したはずだ。それが現実に起こっていれば、別に議論されていただろうと思う。ここで、欠陥の「疑惑」で持ち上がる問題ではなった可能性もあったといえると思う。
 全ては過ぎ去ったことで、結果から推測する作業が今始まったのだとやっと思えた。

追記:書き忘れたが、3号機の今後の点でベントの必要性が出た場合、ベントできるかどうかテストすることもできるかも知れないと当初思ったが、既に人為的には試した結果、開かなかったという報告が記載されている通り、欠陥品であると言い切ってもよさそうだ。仮にその必要性がでた場合、おそらく1号機でできなかった理由と同様、人が近づけるような状態ではないだろうと思う。

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