2011-05-23

ワシントンポストとエルサレムポストのオバマ演説に関する分析

 中東和平問題が気になる。一つには、オバマ大統領の演説からその真意が読めないことであり、大きな契機を迎えていると思っているからかもしれない。
 昨日のTwitterのクリップ記事、ワシントンポストのオピニオン「The blowup with Israel」(参照)を読んでみて、オバマ氏の意図していることが少し見えたような気がした。また、和平に向けた解決策の一つの提案として、新鮮なものを感じた。また、エルサレムポストの記事、「Obama’s sour notes in Israel are music to Europeans」(参照)は、ヨーロッパ諸国がオバマ演説をどのように受け止めているかという点などから分析した意見を発信している。これは、中東和平問題を多角的に見る一つの材料として厚みがついたような気がした。記事を引用しながら、少しまとめてみたいと思う。
 不安材料ばかりが頭にあった理由に、パレスチナ自治政府のアッバス議長が9月の国連総会でパレスチナ独立国家の宣言を求めることを発表し、その結果、イスラエルに波紋を呼んだ。これは、ともするとイスラエル・パレスチナ戦争の勃発にもつながる。 そんなことでも起きれば、おそらくアラブスプリング(中東の春)どころか、アメリカが世界に求める民主化を大きく後退させ、全てが失敗につながると思っていた。ここでアメリカがイスラエルを支持すれば、アラブ諸国全てを敵に回すことになりかねず、国連での議決ではアメリカは拒否権を行使するだろうと推測していた。こうなると、良い方法もあったものではない。昨日の「オバマ氏の狙いについて-ネタニヤフ首相とオバマ氏の会談より」(参照)で取り上げた産経大内記者は、「袋小路に陥った」とまで書いていた。こりゃ困ったと思った私は、さらにぐじぐじ言いながらも「そうかもしれない」とチラッと思っていただけに、内心打ち消したい思いがあった。
 さて、そもそもの私の推測の間違えは、アッバス議長の、パレスチナ承認に向けた提案の撤回はあり得ないという思い込みだった。その可能性すら思わなかったのが盲点だった。
 ワシントンポストのオピニオンはこう述べている。

Mr. Obama's intention is to persuade Mr. Abbas to give up his UN bid and return to negotiations with Israel.To do so, he endorsed one of the conditions Palestinians have tried to set for talks: that they be based on Israel's 1967 border lines, with swaps of land to accommodate large Jewish settlements in the West Bank.This is not a big change in US policy.Presidents Bill Clinton and George W. Bush, along with previous Israeli governments, have supported the approach.

オバマ氏の意図は、アッバス議長が国連への提出を放棄し、イスラエルとの交渉に戻るよう説得することである。 これを行うには、パレスチナ人が協議に設定しようとしたいずれかの条件を承認することである。:ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地に対応するよう1967年の境界線に基づいて土地の交換をする。これはアメリカ政策の大きな改革ではない。ビルクリントンとジョージWブッシュ元大統領らがイスラエル政府とのアプローチとして支持してきた考えである。

 国連という国際会議の場で採択する運びとなれば、世界は文字通り二分されてしまう。そうなる前に、アッバス氏に提出を諦めてもらうということだ。そのために、1967国境案に基いてパレスチナの要求をいくつかのもうということらしい。
 なんとなくトリックみたいな気がするのは私だけだろうか。つまり、今までとなんら変わりないことだ。何が違うかと言えば、国連会議の場を外すことだ。そのために要求をのめば、採択する案自体が消滅することになる。話し合いがまとまらずとも、時間の引き伸ばしにはなるとは思った。
 また、エルサレムポストもこれと似ている分析だ。

So the US feels it not only needs to offer sweeteners to the Palestinians to come back to the negotiating table, but also assurances to the Europeans that there's an alternative path for progress on the peace process.To that end, Obama's rhetoric hit the right notes on the other side of the Atlantic.

オバマ氏が国連総会での採択に反対で、これを避けるためにパレスチナには何か条件を与えて納得させ、欧州には国連で採択する以外の方法があることを示す必要があった。演説は、的を得た内容であったと分析している。

 国連まで話を持ち込まないことが和平交渉のポイントなのだと理解したが、果たしてできるだろうか。いや、希望的観測を言わせてもらうと、成功に導いて欲しい。
 ただ、ヨーロッパ諸国が変に利権問題などを熱く持ち込まなければよいなぁと、また変な思いが過ぎるのだが、しばらく今後の関連記事に注意しておきたいと思った。

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