2011-04-22

「When will we stop the genocide in North Korea? 」ロバート・パーク氏のワシントンポストへの寄稿記事から思うこと

 米特殊部隊(CBIRF)が来週帰国することになり、これで福島原発の緊急性の危機を脱した状況ではあるようです。災害の影響を受けて40日が過ぎ、避難されている方達の今後の暮らしや将来的なものがなかなか描けない中、大変な頑張りで辛抱強く暮す様子をテレビで見ると目頭が熱くなります。私には何もできませんが、被災された皆さんの望まれる将来に、一日も早く辿り着けるよう願っています。
 昨晩Twitterでクリップされていた記事を読んでいて、原発や中東・北アフリカのことばかりに気が行って、北朝鮮のことがすっかり抜けていることに気づいた。リビアで内戦が始まった当初、独裁政権に起こっている反政府運動を、同じく独裁政権国である北朝鮮にも何か似たようなことは起こりはしないかと、一時は注視している時期もあった。その前に、中国で、民主化運動家達がデモを計画していたが、あまりも盛り上がらず、私の関心もやや遠のいた感じだった。
 事は、民主化運動と括ってしまえばそうだが、その内側は人が何百万人も犠牲となって死んでいる。ただ傍観しているのは辛いものがあるが、それでも民主化を訴え、自由を勝ち取りたというのであれば、望みがかなうまで突き進む姿を見守らなければならないと思う。今だからこれは言えることで、民主化運動がチュニジアからエジプトへ飛び火した当初、感情的なものが整理できずに、ニュートラルな気持ちではなかった。
 さて、北朝鮮に話は戻るが、読んだ記事は、ワシントンポストの「When will we stop the genocide in North Korea?」(参照)で、いきなり、「北朝鮮の虐殺をいつ止められるの?」と問われる。これで直ぐにピンと来たのは1994年から1999年の食糧難時代を「苦難の行事」と呼び、食べ物がなくても苦難に耐えろと強いられた北朝鮮国民が大勢餓死したことだ。それは今でも続いている。読み進める中で、やはりこの件に触れて書いてあった。当時、脱北して中国や韓国へ逃げてきた人々は、金正日のことを悪魔だと言っていた事も覚えている。
 北朝鮮に民主化はあり得ないと思う理由に、まず、この世界一臆病でキチガイのような独裁者が居座る限り国際社会の介入すら難しい国であるし、そのキチガイが核を保有していることだ。道を閉ざされているのは確かである。こう考えていた私だったが、該当記事を読んで、角度がガラッと変わった。寄稿されたのは、Robert Park氏で、2009年12月から2010年2月まで北朝鮮で拘留された人権保護活動家で、宣教師だ。
 北朝鮮から何かされまいとすることではなく、金正日の虐殺行為に国際社会が一丸となって抗議するとしたらどうだろうか。この視点が、この記事では具体的に三つ提案されている。私自身の気持ちが前向きになった部分であり、書きとめておくことにする。

l An NGO strike. The nongovernmental organizations supporting the genocidal Pyongyang regime must withdraw all support from Kim Jong Il immediately and unambiguously declare their action a protest of the North’s concentration camps, systematic diversion of food aid and mass atrocities.
NGOのストライキ。 大量虐殺平壌体制をサポートしている民間の組織は、ただちに金正日の支持を解除することで、これは、北部の強制収容所の扱いに対する抗議だと明白に宣言しなければなりません(食糧援助と大規模な残虐行為の組織的転換)。

 日本のNGOは、脱北者の支援もしているようですが、国際社会が北朝鮮に制裁を加えている中、一方では食料を供給している現実を直ちにやめるべきだと提案しています。

l Use our resources effectively. The United States, South Korea, Japan and the rest of the international community must recognize that there is a way to effectively save those in desperate need. It is through the refugees, most of whom still have relatives and friends in the North with whom they are in secret communication. North Korean refugees and their ally organizations must be provided all possible resources.
効果的に我々の知恵を生かす。アメリカ合衆国、韓国、日本や他の国際社会は、効果的にそれらを収集する方法があることに気づくべきです。 それは難民を通してです。彼らが秘密に連絡を取り合う友人や親類の殆どは、北に暮らしています。 北朝鮮の難民と彼らの同盟国組織にすべての可能な知恵を提供することです。

l Mass demonstrations. Never have more than 100,000 people gathered to protest the mass atrocities in North Korea. All who object to the genocide must organize, assemble and make their voices heard.
We should get to work immediately, realizing that we are already far too late.
The writer is a human rights activist and missionary who was detained in North Korea from December 2009 to February 2010.
大規模なデモ。 大規模な残虐行為に抗議するため、決して100,000人以上程度の人々が結集するくらいではだめです。大量虐殺に反対する人全員で集まって組織化し、彼らの声が聞こえるようにしなければなりません。
我々はすぐにこの事業に取り掛からなければなりません。そして、もうすでに相当に遅れていると気づくべきです。

 ここを読んで直ぐに思い出したのは。「「Why Libya is different from Darfur」ハミルトン氏の考えを知る」(参照)で触れた、ハミルトン氏のダルフールの争乱についての意見だった。
 彼女によると、ダルフールでは、多くの人が虐殺され、助けを求める人々の叫びを国際社会が聞き逃した点を指摘していた。ついでに言うと、リビアの内乱に軍事介入する決断が早かった理由は、反政府側の代表が国連に助けを求めたのがきっかけだったからだ。つまり、パーク氏が言いたいのは、同じことだと思った。
 北朝鮮で大量虐殺に反対する人は、軍部関係者を除けば、大半の国民ではないかと思う。それが束になって金正日に抗議するという案だ。
 この三つを簡単にまとめてみる。

  •  デモの正当性を食料難にするため、周辺国は北朝鮮に収容所の大量虐殺を証拠に、全ての援助をストップする。
  •  脱北者とは密接に情報交換し、新しい情報を常に入手して政府や軍の動きを察知する。
  •  国民はデモ組織を作る。

 まずは、中途半端な支援をストップすることからだ。これなら簡単にできることだ。武器も資金も必要なく始めることができる。出口のないトンネルだと、入る前から怯んでいた気がしたが、なんとなく向こうの方に小さな光の点が見えてきたような気がする。

|

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/516876/51456822

この記事へのトラックバック一覧です: 「When will we stop the genocide in North Korea? 」ロバート・パーク氏のワシントンポストへの寄稿記事から思うこと: