2011-03-15

「計画停電」は理解に苦しむ

 昨日、東京で計画停電が施行されたのは夕方でした。一日前、計画停電の発表を夜半に聞いた東京に住む長女は、同市内に住む弟二人と、東京と埼玉のほぼ県境の埼玉側に住む私の両親に、この計画停電が該当する時間帯を調べた上で知らせてくれました。住んでいる地域がどのグループかと、そのグループがどの時間帯に停電になるかを調べるのに、思いのほか難航し、結局、夜中までかかって実家へは何とかファックスで連絡し、息子二人へも連絡が取れてやれやれだったと聴いたのは朝の6時ごろでした。
 「げっ、あと20分でおばちゃんのところが止まるね。」と話していた矢先、中止になったと(昨日)知りました。NHKテレビ放送を音声で聴いていた私は、6時20分から停電する予定の第一グループの該当駅で、人々が立ち往生していると知りました。 計画停電に該当する沿線駅はシャッターを閉めた状態であったため、電車の運休を知らずにいつもの通り駅に向かった人々は立ち往生し、タクシー待ちに転じて長蛇の列を作っていると知りました。はっきり言って、これは、計画停電の伝達が不徹底極まりない。夜八時に計画停電の実施だけをニュースで予告し、十一時過ぎにグループと時間割を知らせ、東電のホームページなどを使って詳しく見よ、というぶっきらぼうな報じ方だったそうです。私の両親がネット環境にないことを知っている娘は、慌ててどのグループに属するのか両親の分まで調べ、時間割を夜中にファックス送信したという意味が、これで納得できたのです。
 余談ですが、私は長野の諏訪に住んでいますが、実家は埼玉で、娘や息子達はみな東京北部なので、私自身が都内のことを把握しているうちに、なんだか都内に住んでいるような感覚なのです。これが、語り口がそうなる由縁です。
 停電を知っていたグループ1の人達は、大方、こんな風に準備し、悠々とその時のために待機していたことでしょう。偉い偉い。よかったね、ホッ。また、極東ブログがこの計画停電を待っていた一日の様子を書いてくれたのも途中読んで、なんとなくドタバタの様子は垣間見ていました(参照)。ところが、その停電が中止となった。ええええっと思った娘から電話が入り、一言文句が出た。そりゃそうでしょう。
 昨日の計画停電は、東電にしたら「計画」でも、市民にとってはとんでもない混乱を招いた無計画停電で、しかも、不発だったのです。何故こんなこんな混乱を招いたか、それは、東電の善意からでもあるとは思います。できるだけ停電を避けたいという思いと、電気の需給バランスを見極めるのは、相場師的なスキルも必要で、全部行っちゃう寸前で部分的に送電を切るのだそうです。苦労されているのは分かるのですが、市民にとっては準備する時間がいかせん足りなかったようです。
 状況が状況なだけに、政府が全体感をもって指揮を取るのは当然ですが、イラ菅ではまとまらないし。電車がいきなり止まるというのは予想だにしないことでした。えっ、信号もですか、と承服できる範囲は、落雷までです。が、今回は、天災ではなく国が相手。この圧倒的な権限に、手も足もでないといった無力さを感じたのは初めてでした。すごいな、国って。やる時はやるんだ、と脱力でした。地震と津波騒ぎで中東の話が飛んでいますが、この時、エジプトの軍のことを思っていました。軍が、大統領を下ろしたり代わりを立てたり、市民に対する食糧供給やライフラインの復旧にいたる全てを軍が動かしているエジプトに、一瞬、私は日本の官僚政治にそれを見たのです。
 まあ、それはさておき、明日からに備え、このブログも馬鹿なことばかり言ってはいられない、なにかお役に立てる情報をと思い、ネットから最新情報をいくつかピックアップしました。

まず、計画停電の日程表は、

東電の15日~18日の計画停電概要 ☞家電Watch

原発に関する正しい科学知識の入手先情報

MIT研究者Dr. Josef Oehmenによる福島第一原発事故解説☞A Successful Failure

買い物に関して、以下のTweetは一人一人が心する点かと思うので拾いました。

とりあえずフォロワーさん1700人いる人間としての責任を持ってつぶやきます。流通業出身の人間ですが、明日も明後日も普通に食料は入荷されます。海外、関西の物流は生きているので買占めさえしなければ普通に食卓に出回る量は明日も仕入れられます。皆さんいつも通りの買い物につとめましょう!yowanep

 このところ、買い物に行った方は分かると思いますが、どこもかしこも品切れ状態です。だからということも言えるし、困らないように備えるという心理も分かります。災害による非常時とはいえ、買い物に行ってあの混雑と品切れを目にしながら、「いつも通りの買い物につとめる」というのは難しい。焦燥感とでも言ったらいいのか、目当てのものは大概入手困難ですから、殆ど諦め状態です。
 私がこの状態に最初に遭遇したのは、11日の大地震が発生し、同夜、中越に震度6強の地震があった翌日でした。混雑はある程度予想していましたが、開店後30分頃に行って、まず駐車場で並び、店内では生鮮食品以外の保存食やレトルト、缶詰類、ガスボンベの棚がガラッとしていました。そして、カートには山のような買い物を積んで、15台近くあるレジにはぎっしり人が並んでいました。騒然たるものでした。あれから買い物には行っていない私ですが、日に日に品薄になるようで、昨日の東京の娘の情報では、コンビにカップ麺や缶詰がなくなっている上、最寄のスーパーには張り紙で、在庫不足で閉店とあったそうです。まるで、オイルショックのときのトイレットペーパー品切れ騒動並みです。
 危機感は、人の、物を溜め込む心理に働きかけ、ハムスター化させます。計画的な生活が送れるような情報も、イマイチ少ないです。食品やガソリン、灯油などの入荷見通しなど、できれば情報が欲しいです。
 あとね、最後になちゃったけど、災害関係の報道ばかり丸一日は勘弁ね。やりすぎです。緊急情報は兎も角、普通の番組を入れながら、間歇的な地震報道をダイジェスト版くらいで括ってくれるとよいです。三日三晩続いた上、携帯の緊急地震速報のサインが鳴ると、体が硬直して、恐怖感が拭えません。何かリラックスできるような番組をお願いします。

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