2011-03-20

福島原発4号機対応と菅政府についての雑感

 昨日まで福島原発事故に関する記事をTwitterでフォローしながら、情報が錯綜しているのか、私自身が状況整理ができていないのか、やや混沌とした状態です。拾えばキリなく出てくる情報の、何を拾うのかが大変問われます。合わせどころは、安全と安心の確保以外の何ものでもありませんが、情報収集の難しさを痛感しています。少し整理しておくことにします。
 政府の判断で作業が進めらる中、私たちはそれを任せて見ている他ないのですが、居ても立ってもいられないというか、気がかりな点はこのところの政府の判断です。大きくは、①変化する原発の状況を正確に把握しているのか、②最悪のシナリオを想定した上での的確な対処が行われているのか、のニ点に絞られます。4号機に対するアメリカと日本の見解の相違があるのを知った時点から、この①と②に照らして政府の動向を気にかけて記事を拾い始めたのですが、そのきっかけとなったのは、日本政府が半径30km半径以内から避難するか、またはそれが困難な状況にある人は屋内待機という避難命令が出たとほぼ同時に、アメリカ政府が在日アメリカ人に出した避難命令が80km半径以内と、見解の違う避難勧告が出された時からでした。これは大きな差であるし、同時に、横須賀や東京で微量ながら放射能が検出されたことも相俟って、確実な判断を出して欲しいと政府に拝むような思いでした。
 実はこの時、測定されていた放射能数値は人体に直接影響の無い数値だと報じたため、80km半径というアメリカの見解はいかにも大げさと高を括ったのです。そして、それを裏付けるように、政府は、「1号機、4号機共に水はある。安定している。」(参照)と発表し、3号機の上空からヘリコプターで散水する事を決定しました。このような作業が可能なのも、1号炉と4号炉が安全圏内であるという判断に至るまでの東電の調査と政府の判断を信じたからでした。
 これ以降、政府はヘリコプターから数回水を上空から垂らし、アメリカの避難命令が変更されるでもなく、並行して、地上から放水作業も行われました。翌日の18日、その効果の程はどうだったか、ニュースを聞くと水温が何度か下がったもようでしたが、それが散水や放水の効果かどうかは定かではないと。そして疑問に思ったのは、危険に晒されながら放水が続けられている点です。効果の程が見込めないような作業を続ける理由です。
 クリスチャンサイエンスモニターが報じていることによると、外部から冷却する意味は無いに等しい。内部の水に直接的に働きかけることで冷却しないと意味が無い、というような見解もあります(参照)。そして、この辺りから私の政府への信頼度が猜疑心のようなものに変化しました。データー的に3号機のプールの温度を下げる効果に大きな期待は持てないにもかかわらず、危険を冒してこの作業を続ける根拠は何なのか。江戸時代のような「男の沽券」など、持ち出さないで欲しいとも思いました。
 実は、私はTwitter上で17日、finalvent氏にニュースのピックアップをお願いしています。これは、私がどれ程臆病かという問題で、信頼のおける人の拾うニュースをフォローしながら私自身の安心どころを見つけるためです。誰かのためになどという美しいものではないです。この日以降三日間、特に海外からのニュースがありがたかったです。
 冒頭の4号機の水の有無に関して、日本政府とアメリカの見解の相違という点が見え始めるきっかけになったのは、ニューヨークタイムズ紙の次の部分です(参照)。

But, in public at least, they offered no sharp rebuttals of the comments made by Gregory Jaczko, the chairman of the United States Nuclear Regulatory Commission , that there was little or no water left in a pool holding hundreds of spent fuel rods at Fukushima Daichi's No. 4 reactor.
“There was a slight delay conveying to the US side the information about whether or not there is water,” the government spokesman, Yukio Edano, said about the No. 4 reactor.Mr. Edano was responding to a question asked by a Japanese journalist at a morning news conference — the single one that dealt with Mr. Jaczko's comments.

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 ヤツコ氏のグループが指摘しているのは4号炉には「水はない」であるのに対し、枝野氏の会見では「水があるかないかの情報をアメリカ側に伝達するのがやや遅れた」としながら、ヤツコ氏の見解を否定するでもなく肯定もしない、日本からの情報が遅れたためと言い留めています。この枝野発言を裏付けるソースがないのですが、17日の日本の作業を振り返ると、3号炉にヘリコプターから散水を始めたため、ヤツコ氏が「水はない」と指摘している4号炉には水が入っているという判断が政府にあったことを意味していると思います。 また、この見解の相違がアメリカの80kmと、日本の30km半径の避難範囲のちがいとして現れたと言う点は、今だから納得できますが、この情報を得た時点での私は少し混乱気味でした。極東ブログでもこの辺りのやり取りを別のソースの引用で説明されています(参照)。
 ここまできて、4号炉の冷却が最も急がれているではないか。ここで散水したらよいのは4号炉だったのか、とか間違っても思ってはいけない。そんなことをしたら焼け石に水というものだと言うことらしい。極東ブログの引用を借ります。

"It's a bad idea to drop water onto the fuel racks. You could get an inadvertent criticality. That means you could have a nuclear reaction, similar to that in a reactor core, in the fuel pool," Gundersen said.
 「燃料棚に水を投下するのはまずい考えです。予想外の臨界になるかもしれない。つまり、核反応を起こしかねないのですよ。燃料プールのなかで原子炉内に似たことになります」とガンダーソンは語った。

 リンク先を読むと、この手の原子炉で働いた経験者の話だそうですが、この記事は17日で、その時日本政府は4号炉には冷却水があると判断しため、難を逃れたとも解釈できます。その後、4号炉のプールの冷却水が少ない、ないしは「無い」と、未だ判断されている訳でもないのがどこまでも不安の材料です。そして、この4号機の水の有無が未確認のまま、放水を計画中だとしています(読売)。これは、上の「予想外の臨海」につながる可能性を意味します。
 私なりに一市民として身の安全を思う時、4号炉についてのみではありますが、①の正確な状況の把握と②の的確な対処に政府を当てはめると、①は、意見の違うアメリカを否定したままであることと、②は、①の状況下で4号炉に水をかける方法は的確な対処になりえず、非常に危険な判断だと思います。はっきり言って、こんな政府はキチガイじゃないかと思います。それでも、菅政府を応援するしかないのです。作業に当たられている方に、くれぐれも気をつけてください。お願いします。

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