東国原英夫氏の都知事選出馬から思うこと
二週間程前、突然知人が家に立ち寄り、何事かと思い、上がってもらって三時間ほど雑談するという日がありました。その前に、昨年の暮れに予告もなく現れた時、玄関先の立ち話で帰してしまったのが、ちょっと失礼してしまったという思いもあったのです。それもあって、じっくり話を聞く流れとなったのですが、何のことは無い、彼は4月の市長選に出るというのです。昨年、仄めかしていた時点で、なんとなく選挙のお手伝いでも頼まれるのかという予感はありましたが、友人だからとてそれだけのことで、彼と何かで関わることも無かったし、頼まれることも望み出ることも無く、そういう空気を感じたというだけの話の終わって内心ほっとしています。
今回うちに立ち寄ったのは、だから、選挙に協力するとかの話しではないのはわかっていましたが、特にこれという話も無くただの雑談。彼の選挙のための協力者という立場ならブログで触れるのはおかしなことになってしまいますが、その関係は無いとなれば、個人的に、選挙に関して悩む話でもしようかなといったところです。
東国原氏が、都知事選に正式に立候補を表明したという記事が、昨日、Twitterで流れてきて知り、ちょっと意外でした。これがきっかけで諏訪の市長選のことが気になり始めたと言っても良いくらいですが、まったく因果関係はありません。ただ、同年代である東国原氏の政治に対する思いに関心があることと、彼自身のやんちゃ時代をそれなりに見てきて、この人の人生みたいなものをそのまま見続けていいるという位の関心が常にあるのは確かです。コンビニ本として売っていた表紙が目立ったのもあり、買ってみた「日本改革宣言」ですが、読んだ印象では、都知事選ではなく出るとすれば国政だろうと思っていたのです。結構熱いです。因みに、内容はこんな感じ。
- 国民が夢や希望を持てる国にしたい
- 日本全体を活性化したい
- 国民が安心安全に暮らせる国にしたい
- 国民の生活に対する満足度や幸福度は一位であってほしい
- 夢を持てる、敗者にやさしい、弱者にあたたかい、
- ホスピタリティにあふれている、そんな目に見えないが
- 大切なソフトの部分での世界一を目指したい。
- 新しい価値観の提示は永遠のテーマ。
- 価値の変革、価値観の変革、自己の変革が
- 今の日本に一番かけていることで
- 一番必要なことかもしれない。
- 地方自治と国政のあるべき姿。
知事時代の経験談など、個人的な取り組みとして書いている部分を除いては、宮崎県知事を狙った時のように「東京をなんとかせんば」というよりも、「日本を何とかせんば」という空気しか本書からは漂っていないのです。この時点で狙っているのは国政だとはっきり思ったので、都知事選は想定外でした。そして、都民でもなので、私に都知事選を語る意味もないのですが、東国原氏と友人の市長立候補者としての共通点というか、これは私が感じていることですが、「タカ派」なところがそっくりなのです。こんな書き方をすのは批判めいてしまうかもしれませんが、そうではなく、はっきりとしないのですが、時代が巡り回っているのかというか、繰り返すような印象があります。
東国原氏の思い描く日本改革は、同じようなことをかつて打ちたてた民主党が今それをやっていて、で、成れの果てはガラガラと崩れ、朽ち果てようという寸前ではないのか?と現実がどうしても重なってしまうのです。なんと言うか、理想に燃えている青年政治家的な青い感じがするのです。それで、国民の大半が今の政府に政権を任せたのじゃなかったっけ?としらけた思いがあります。私個人は、民主党は、ポピュリスト的なパフォーマンスを求心力として国民の票を集めただけの政党で、財源の確保も無いままにマニフェストもあったものではないと始めから期待もしていませんでした。が、惨憺たるもので、こうも酷い政党だとは思いませんでした。さらに思い起こすと、この「タカ派」的なイメージは、昔の自民党とも似ている部分でもあり、言い換えれば、昔の自民党の劣化版が今の民主党とすると、一世代超えて舞い戻ってきたかなという印象で、まるで石原さんが若返ったみたいな感じ。
それはさておき、窮地にあった宮崎県を立て直すために一役買った東国原氏は、宮崎県知事としては、求められていた時に救世主的な出現をし、その役目を果たしたと思います。その彼が、理想社会を語り、それで東京に返り咲くというような構図かなと思うと、現実味がない話のように見えてくるのです。東京は、宮崎じゃないというか。それほど何かに困っているでもない、救世主を求めている風でもないように見えます。期待するとすれば、具体的な政策内容かな。
東京のことはよく分かりませんが、諏訪だったら、現市長が大きな問題を起こしたわけではないし、市民が不平不満をたらたら言う様な悪政でもないし、そこそこの暮らしをしています。平穏といえばそうで、ここに何らかの改革の手を入れるのであれば、それはかなり具体的に市民の意表をつくような、素晴らしい町造りでも見える政策があれば振り向くかもしれません。市民からみると、現市長の難を言えば、箱物が好きというだけで改革派ではないし、突飛な言動も特徴もないのですが、なんとなく人柄的に人気があるみたいで女性票を集めていると聞きます。さらに、現職の諏訪市長も石原都知事と同じく、これが4戦目なのです。歳はまだ若いけど、ちょっと長すぎるかな。でも、なんとなくこれで良いんじゃない、と今までも過ぎてきたような気がするので案外、このまま残るのかも。
で、初めて悩むというか、知人の枠をはずして一人の立候補者として彼を見たとき、この平穏な田舎町に何を持ち込もうというのか?これは、これから煮詰まって行くのでしょうけど、東国原氏と何かがダブルのです。聞いた彼の話の中に、名古屋の河村市長と懇談し、「減税の町」構想を描いているらしいことがわかった。新聞にも紹介されていたかな。
税を小さくして行くことはとても大切なことで、民主的に政治が行われるためには税負担のバランスは不可欠です。また、災害復興を考えた時、増税は無理な話で、彼の立候補は良いタイミングとも言えます。が、悩むところです。
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