2011-02-27

まがい物だらけの中国-命だけは勘弁して

 一昨日の中国の大気汚染に関する記事が目に止まり、日本が歩んできた高度成長期時代の公害病や、その後の都市化が進む中で起きた生活公害である光化学スモッグ被害を思い出していました。このような事を取り上げると中国バッシングとなりやすいですが、そうではなく、日本が歩んだ道の二の舞はしてほしくないという気持ちから、取り上げて置くことに何らかの意味はあるのじゃないかと、少し調べてみました。
 最初に、まず驚いたのはRecord China記事「測定不能レベルの大気汚染=米大使館が北京市の汚染にコメント―米大使館」(参照)の画像でした。

Screenclip

2011年2月23日、環球時報は記事「米大使館発表=北京の空気は汚すぎて測定できない」を発表した。以下はその抄訳。

21日、北京市は霧に包まれた。空気汚染評価は2011年初の5級(重度の汚染)となり、「老人と子どもは外出を避けること」と発表された。米国大使館は「危険、測定不能なレベル」と異例の結果を伝えている。

米国大使館は2008年初頭以来、大使館に設置された大気観測所での調査を続けている。観測したデータは1時間ごとにツイッターで発表されている。昨年11月には「クレイジーなほど悪い」とコメント。後に「表現が不適切だった」としてコメントを削除する問題もあった。

中国側は、米大使館の観測結果は大使館区域に限定されたものであり、北京市全体の大気状況を示すものではないと指摘している。大使館地区は繁華街に位置し、車の交通量も多いため、汚染物質が多く観測されやすいという。

 中国側の指摘というか反論というかは、都合の悪いことには蓋をしたいという表れのような見苦しさを感じますが、紛れもなくこれは大気汚染で、日本の高度成長期(1970年)前後に発令された光化学スモッグ注意報の時の東京の空に似ています。
 これは、産業廃棄物による土壌汚染と並んで、生活公害と日本で呼ばれています。中国もここまでとうとう来たのかという妙な思いがあり、思えば、日本で最初に公害として認定されたイタイイタイ病は四大公害病の一つで、1955年に最初に確認されています。公害としての認定は、1968年の訴訟によるものでした。
 イタイイタイ病関連の当時のニュースも記憶にありますが、とにかく長い裁判で、中学の頃だったか、公害で苦しんでいるとはっきりわかっていることを何故早く認めて解決しないのかが疑問でした。先の記事にもあるとおり、公害が問題ではなく、発生した問題の解決や責任の所在を問うことが難しいから解決に時間を要すのは中国だけの問題じゃないです。日本の会社や政府も、叩けばホコリの出るからだです。だから言うのですが、中国という国は、都合の悪いことを隠蔽する国だということにかけては日本以上です。
 カドミウムに関して気になる報告「闇に葬られ続ける「イタイイタイ病」(日経ビジネスオンライン)があります。

 中国各地から報じられる環境汚染や公害から判断して、「公害病」の状況は、日本の「4大公害病」を遥かにしのぐほどに深刻と考えられるが、中国政府は依然として「公害病」の存在を公式に認めていないのが実情である。

 2011年2月14日発行の週刊誌『新世紀週刊』は、“宮靖”記者による“鎘米殺機(カドミウム米の殺意)”という特集記事を掲載した。2007年頃、南京農業大学農業資源・環境研究所の潘根興教授が中国の6地区(華東、東北、華中、西南、華南、華北)の県レベルの「市」以上の市場で販売されていたコメのサンプルを無作為に170個以上購入して科学的に分析した結果、その10%のコメに基準値を超えたカドミウムが含まれていたという。これは2002年に中国政府農業部の「コメおよびコメ製品品質監督検査試験センター」が、全国の市場で販売されているコメについてその安全性を抜き取り検査した結果の「カドミウムの基準値超過率」10.3%と基本的に一致したのである。

 この汚染がどれほど酷いものであるかの比較に、日本の米生産量との比較値にも言及されています。

中国のコメの年産量は約2億トンであるが、上述のごとく、基準値を超えるカドミウムを含むコメが10%あるとすれば、その量は2000万トンとなる。日本の2007年におけるコメの生産量は882万トンであるから、中国の「カドミウム汚染米」は日本のコメの年産量の約2.3倍もの膨大な量である。

 これに対する告発なり対応策はどうなっているのかと思えば、問題にもなっていないようです。

ある地方で公害病の存在が表沙汰になれば、その地方政府の環境保護局のみならず、衛生局、工商局など関係部門の役人の責任が追及されることになる。そんなことになったら「立身出世」に差し障りが出るばかりか、責任を追及されて免職になりかねないし、下手に告発すれば、どのような報復を受けるか分からない。そういう事なら、「触らぬ神に祟(たた)りなし」が一番の処世術であり、公害病はますます深刻化して行くことになる。
 『論語』には「過ちは改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」とあるが、中国政府が祟りを恐れず公害病という「死に神」の存在を公表するようになるのはいつの日だろうか。(2月26日 日経ビジネス 世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」 

 当然、日本にも隠蔽体質はあり、公害が問題視されてから認定までは15年近くかかっていますのでこの体質改善が先決問題だと思いますが、ここで中国にお節介な事を言わせてもらうと、難しい国だと思います。こう言ってはなんですが、日本は、先進国としての道を選んでいるということが中国との大きな違いです。それでも15年近くかかって目覚めたとも言い難いものはあります。
 ついでに言わせてもらうと、中国の対応が鈍い理由は、金儲け主義や責任転嫁が優先し、人命軽視の風潮がはびこっているからではないかと思います。国を挙げて先進国だという自負を抱かない、またはそこに誇りを持たない中国だからダメなのです。仮に中国が先進国宣言でもしていれば、この問題は、世界の先進国が黙っていない問題で、とっくの昔に人の命は救われています。
 人の命と言えばもっと気がかりなのは、幼い生まれたばかりの命です。粉ミルク問題は、中国はどうするのでしょう(読売)。

 中国産の粉ミルクの売れ行きがニュージーランドなど外国産に席巻され、低迷している。
 有害物質メラミン入りの粉ミルクを飲んだ乳幼児約30万人に健康被害が出た2008年の事件が尾をひいているためだ。問題の粉ミルクがいまだに市場に流通するなど、消費者の国産ブランドへの不信感に歯止めがかからない。中国紙「国際先駆導報」などによると、同事件が起きるまで、国産の市場シェアは約60%だったが、昨年は約50%にまで低下し、今年は外国産が過半数を占める見込みだという。

 中国産の粉ミルクが売れていないという記事ですが、あったりまえだ。そんなもん乳児に飲ますな、です。が、貧困層はそうも言っていられないという貧富の格差問題もあります。これは政府が悪いからで、中国程成長している国にあるまじき事ではないです。
 人命に被害が及ぶことを分かっていながら製品が改善されるでもなく、その指導をするでもなく、殺人粉ミルクを店頭に並べるこの感覚がある以上、驚異的な経済成長の先は見えたようなものです。そんなまがい物がはびこるような状態を続ける国が、どこまでも発展するとも思えません。景気が減退してみれば、自ずとその姿は想像つくものです。だから、公害問題を経験した日本は、それを中国にやらせてはいけないと思います。

|

コメント

4大公害病で 調べています。
昔 敗戦後 高度成長時代 そういう事件もあったですね。事件研究会(名前検討中 歴史研究会(名前検討中
文章が 下手な私です

投稿: 村石太ヒデ&テレサ・テン&レスリー・チャン | 2012-03-08 22:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/516876/50980770

この記事へのトラックバック一覧です: まがい物だらけの中国-命だけは勘弁して: