2011-02-08

NPO法人の派遣でスーダンで働くgodmother-ただの睡眠障害か?

 私は、独立したばかりの南スーダンで、現地の女性たちの中で料理ならぬ、お裁縫を教えていました。貧困の生活でろくな栄養も摂れていない子どもたちを賄う母親に料理の技術を教えるため、日本のNPO法人の一会員として南スーダンにやってきたのでしたが、その目的のとおりには事が運んでいない毎日でした。料理を教えようにも食材が十分整わず、得体の知れない虫が泳ぐ水を相手に、思うに任せない日々が続いていました。
 ここ、南スーダンは油田が多いとは言え、独立前から決着の付いてない利権問題があり、現在も境界線がまだ決まっていない部分があります。所有がはっきりしていないため、南北両政府の派遣で軍が巡回しています。貧困の差が激しく、都市部にはまるで中国を思わせるような高層のビルも立ち並んでいますが、家賃が高く、借り手がないために70%は空き家となっています。
 都市部を離れると、道はなくなり、人々はまだ裸足の生活をしています。小さな村落に井戸が一つあれば良い方で、何キロも離れた場所の井戸まで水を汲みに行くのが女性の仕事になっているのです。このような場所で、料理の手ほどきをするとは、日本でもっと現地調査をすべきじゃないかと憤慨したところで、組織には上も下もないNPO法人なのです。改善すべきは自らその点を考え、次に繋ぐしかないのです。何事も自主運営であるため、文句を言う相手もないのです。まだまだ自分は未熟だなあ、とそんなことを思いながら、物事がスムースに運ばないことにストレスを感じる日々の連続でした。
 そして、何故お裁縫を教えることになったのか、その経緯がすっかり飛んでしまっている私なのですが、アフリカの女性たちの仕事は、手先の器用さが支えていくと考えたのでした。
 宝石の多いアフリカには、彫金や宝石デザイナー、レザークラフトでラクダの可愛いブローチやマスコット、バーニュ布で作ったスカーフやブラウスなどを生産コストに見合った金額で販売するなど、きっと小さな産業として育って行くに違いないと、そう信じていたのでした。
 ところが、ここに水をさすようなニュースが昨日飛び込んできたのです。南部の独立が取り消しになるかもしれないというのです。それは、国境線のない例の油田のそばで起きた戦争に原因するものでした。見出しは「Fighting in south Sudan kills 30」(BBC 6 February 2011)で、あろうことか、私の誤訳で南スーダン内部の内輪揉めと読んでしまったのです。それをTwitterで指摘してくれる人がいて難を逃れたのですが、いや焦りまくり。下手をすれば、誤報としてアフリカの日本人に配信するところでした。因みに、私は、現地の日本人に情報を提供するような仕事にまで首を突っ込む始末です。とは言え、誤報はマズイ。非常に責任の重い事ですから、大事に至る前に間違えを忠告してくれたことに感謝しています。
 このへんで目が覚めたのですが、これ、全部夢の出来事です。夢の中で思っていたことをそのまま書いたのですが、おかしな夢を見たものです。すごくリアルで、目が覚めたというのにしばらく夢の続きで会話していて、覚醒と睡眠の奇妙な空気にいました。
 途中に出てくる南スーダンでの戦争は、実際に起きていて、私が誤訳をして泡を食ったのも本当です。 スーダン南北の10年間の騒乱に終止符を打つべく、選挙によって南スーダンの独立が叶う直前だというのに、何もここで戦争を起こすこともないだろうと、ニュースの全容が見えたときには呆れました。因みに、私が誤訳をしでかす時は、大概戦争ニュースです。この原因は単に未熟だとしか言えませんが、武器や軍組織の単語は訳が難しい上、既にメディアで固定的に使用されている単語も多いので、邦語と英語の新聞が別物のような錯覚も起こすのです。
 こんなに鮮明な夢を見たのも不思議です。おそらく、誤訳した時の印象が強く、それがそのまま夢に絡んだのだと思いますが、夢の最初のほうで、翻訳の仕事で大変なドジをやらかして自信をなくした私が、NPO法人で人助けに関わり始めたのがこの流れになったみたいです。結構、自分の中に昔の仕事で悔いを残している感じがあるのは本当です。逆に言うと、また返り咲きたいみたいな願望のようなものなのかもしれません。

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睡眠はコントロールできる
遠藤 拓郎・江川 達也

 と、妄想し始めて思い出したのが、「睡眠はコントロールできる」(遠藤拓郎・江川 達也)です。先日、極東ブログで紹介されていて、なんでもiPhoneのアプリケーションで読めるとあって、それに飛びついてiPhoneに入れたのです。目につく場所にないので、今頃買ったことを思い出したのです。
 まだ、読み始めもいいところなのですが、紹介記事にはこうあるのです(参照)。

 簡単に言うと、各種の精神的な問題、あるいは勉強や仕事などに関連する社会的問題が、本人は自覚していないけど実は睡眠に起因しているという側面をよく描いている点にある。いろいろ現代思想するんじゃなくて、それ、睡眠障害だよ、みたいな。

 ね、なんとなく読書意欲をそそられるのです。思うに、今日のような夢は、「それ、睡眠障害だよ」って言われる類なのかな、とか思ったのです。日中に起きた出来事が夢に出てきて、その理由がわからずにもんもんとすることはたまにあります。自覚しないところで酷く傷ついた可哀想な私、みたいな妄想をした上に、それを被害妄想に発展させてしまうとも限りません。現に、昨夜のNHKクローズアップ現代の「鬱を“心”から治せ 有効性」などを聴いても、心の病は自分でかかっているようです。おお、さらに気になってきた。早速、本気を入れて読んでみることにします。

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