2010-12-05

最悪な書き手が、だから書くなんてもっと変な話なんだけど

 ネット上ではブログを始めようが止めようがいろいろ聞かれることもあまりないのですが、リアルではそうは問屋が卸さないという温度を感じます。聞かれて、決して嫌な気分ではないし、それがリアルの交友でもあるわけです。逆に、この交友関係をネットで求めるのはどうか、という疑問はありますが、並べて比べるのは無理があります。ただ、自分の心の中の相手の存在がどのような位置にあるのかで、時には、リアルな交友関係で共有できることよりも掘り下げた話ができることもあります。自分から発することが、より純粋であるような気がします。まあ、ブロガーと言ってもいろいろなので、これは私の場合に関してです。
 ブログで書く行為は、私の場合読み手を想定して書くと言うことはあっても、読み手の解釈に注文をつけるようなことまでは願いません。そんなことは当たり前のことだった筈なのです。が、ここでそれがそうではなかった自分に気づき、愕然としました。自分に失望したのです。失望などと表現すると、いかにもこれまではそういうことはなかったかに思わせてしまうかな。そうではない。思い上がっていたつもりもないけど、でも、どこかで気づかないうちに読み手に寄りかかっていたのかもしれません。
 自分自身の純度が書くことなら、では何故人に「わかってほしい」と求めるのか。それが虚しいことは百も承知のことです。この体たらくな書き手は、書き手でもないわ。何者だ、と怒れてきたのです。
 先日「政治外交に関しては特に、自分自身の意見を書きましょう」という意見を頂きました。この言葉の背景には、きっと、私の書いた内容が受け売りだと判断されたからだと思います。ここで、「そうか」と受け止められない私の気持ちの抵抗があり、「ご理解いただきたい」と、言っている自分が正にそれだったのです。読み手の解釈に、書き手が注文をつけるって何?こんな馬鹿な話があってはならないことです。だから、私は書くことに失格したのです。自分で自分を戒めずに誰がするかと思えば私しかいないのです。
 これは自閉的な回路であるし、その先は、自分が煮詰まって自暴自棄になるか、腑抜けになるか。あまり若くはないので、そうめちゃくちゃなことは起こらないとは思いますが、もっと若いころ、この先には何もないことを味わってきたし、そこから這い上がることもやってきた。あれ以上のどん底はないくらいのところまで気持ちが落ちたことだってある。だからこの繰り返しは、時間を無駄にするくらいのことしかないのです。
 同じことを繰り返さないという賢い方法で、ここに両極端な分かれ道が見えてきたのです。一つは、自閉的な回路の向こうに何かがあるとしたらそれは何か、もう一回落ちて覗きに行く。もう一つは、書き手としてもっと腹を括って「人に自分への理解を求めない書き手を目指す」つまり、私という未熟な人間を晒しながら今は前に進んでみる。
 だったら後者だろ。
 ココログの料理レシピは膨大な数に膨れ上がり、データが飽和状態で、料理名や材料名で検索してもヒット数が多くて、慣れていない人や携帯からでは見切れないのが現状です。つまり、実用的ではないのが悩みの種でした。が、それに対応できる方策も見つからず、結局、ここはこのまま利用されるしかないのです。と同時に、料理に関して書きたいことはそこそこ書いてきたという気持ちもあります。
 書き手として止められない理由ははっきりしているのに、直ぐに何かを書きたいということでもないし、かと言って、ここでこのまま続けるのには無理があります。また、違う角度で模索してみようと思います。

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コメント

そうゆう生き方。

私は、好きです。

いろんな表現や意見を出していくことが、ぶつかりを生み新しいものを創り上げていく事に繋がりますし。

これからも御自分の想いを大切にしていっていただきたいです。

投稿: まる | 2010-12-05 14:43

>読み手の解釈に、書き手が注文をつけるって何?こんな馬鹿な話があってはならないことです。

ブログというのは原則として、あくまでブロガーが勝手に書きつらね、不特定多数の読み手が勝手に読むもの、と思っています。
ですがそれではなぜgodmotherさんは”コメント欄”を設けてらっしゃるのでしょうか?
知人からの連絡であればメールで事足りると思います。
テクストが一度公開されてしまえば、どう解釈されても書き手の手の届く範疇を越えてしまいますが、「こう理解してほしい」と望むのはごく自然な感情だと思います。
godmotherさんも自分の書いたものに誰かからの反応を求めたり、さらにブログを通して不特定多数とのコミニュケーションを求めてらっしゃるのではないでしょうか?

投稿: hydroxide | 2010-12-05 16:07

まるさん、お心遣いありがとうございます。


hydroxideさん、コメント欄を設置している私の理由は、料理と言う性質上、質問などあってしかるべきだと思うからです。そのことを通して交流するのが目的とは違います。が、否定もしません。いろいろな事が起こることを想定します。

不特定多数の方とコミュニケションを持ちたいか?と、問うてみると、コメント欄を通してとは思いません。それは難しいです。対話を拒むわけではありませんが、事と次第によっては、問いかけるような書き方もします。それに反応頂く時は、嬉しさも勿論あります。

>「こう理解してほしい」と望むのはごく自然な感情だと思います。

この感情はそうですが、求めるのは柵を越えてしまいます。今回は、その柵を越えたことで落ち込んだと説明しています。

今回取り上げたのは、ブロガーはあくまでも書くことが自己表現なのでそうしたまでです。嫌なら止めれば済むことを何故続けるのか?そのことを突き詰めて考えると、原点に戻ってみないと見えてこない実態もあります。

投稿: ゴッドマー | 2010-12-05 16:33

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