2010-12-14

変わったドイツとフランス-日本と韓国も変わるだろうか

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フランスの戦い
降伏したイギリス兵とフランス兵(北フランス)

 フランスの戦い(Battle of France)は、第二次世界大戦中の1940年5月に、ドイツによるフランス侵攻を目的とする二つの大作戦によって展開された戦でした。僅か一ヶ月の間にドイツの包囲作戦でフランス政府の降伏へと追い込んだ後、フランスはドイツの占領下になり、前権力をペタン将軍に委任するという条件の下にファシズム体制の国家となったのです。
 さて、12月10日、かつての侵攻国フランスにドイツ軍部隊が正式に着任したという小さな記事を見つけ(時事ドットコム)、これは、欧州の考え方の柔軟さであり、戦争の痛みを再び味わうことを避けるための友好的な安保体制をとったのだと解釈しました。今や、戦争を繰り返さないために軍備する時代の到来であり、軍備をしないで保身できるという時代の終わりなのだと感じました。
 一方、日本では皮肉にも韓国との間に米国を含む米韓日の合同演習の話があり、12月初旬の米韓統合演習後、日本にも演習に参加してはどうかという打診があるなか、結論が出ない状態です。にもかかわらず、菅首相の発言が物議をかもし出しているらしいのです。
 昨日毎日新聞が伝えたことによると、菅首相の「朝鮮半島有事の際の邦人救出に向け、自衛隊派遣を想定した協議を韓国側と行いたい」という発言が韓国を刺激したということで、朝鮮日報の社説記事に書かれたそうです(毎日JP)。

さらに「(こうした一連の動きを)中国は敵対的な動きと見なしている」と指摘し、韓国としては「何倍も慎重で敏感に受け止めるしかない問題で、菅首相の発言は誤解を招く不適切な発言だ」としている。

 一方、聯合ニュースは12日、菅首相発言に対する韓国政府側の反応を「ひとことで言えば『突拍子もない』というものだ」と伝えた。政府当局者は「韓国政府には事前に何の相談もなかった。敏感な安全保障の懸案に対し、日本の首相が突然切り出したのは、おかしい」と語った。

 また、青瓦台(大統領府)高官は「現実性のある話ではない」とし「おそらくそれほど深く考えて述べた話ではないのだろう」との見方を示したという。

 そして、昨夕、ハンギョレ新聞社説で、韓国感情というものが具体的に伝えられているのを知って、私自身の認識も新たになりました(ハンギョレ新聞)。以下がその抜粋です。

 まず延坪島事件以後、そうでなくても緊張が高まっている状況で友好国の総理が有事事態を想定した避難などの発言で国内外の不安を刺激しかねないという点だ。

 第二に、韓半島の不幸な事態を機会として利用し、自国の利益を獲得しようとする軽薄な内心があらわれている点だ。

 第三に自衛隊の活動範囲が自国民避難以上に拡大する余地があるという点だ。

 さらに大きな問題は、菅総理発言の没歴史性だ。韓半島は日本に強制的占領された傷を抱いている地域だ。さらには今年は韓国・日本強制併合100年となる年だ。ところが日本総理たる人が、韓半島に自衛隊を派遣する問題をためらいもなく話しているのだ。韓半島住民たちの感情などは知ったことではないという話だ。

 それでも、我が政府の一部では日本が要請してくれば検討することができるという意見が出ている。許されない話だ。どんな名目であれ、韓半島に日本兵力が再び進出することがあってはならない。

 最後の二段部分が韓半島住民の感情そのものではないかと思いますが、ポツダム宣言によって大日本帝国による朝鮮領有は終了したにもかかわらず、戦後ずっとしっくりいっていない日韓状態です。
 私事ですが、東京の朝鮮高校や朝鮮大学に友人はいましたが、戦争の話や日本人との結婚観などの話になると大変興奮し、その様子や話から、在日韓国人は親の代から戦争の痛々しさと日本軍の残虐性を言い伝えて育てているということが理解できました。
 つまり、和解には時間もかかれば納得の行く条件も整えるべく、韓国が何を望んでいるかいないのか、じっくり対話をする必要があるのだと思います。たとえ韓国の政府と日本の政府間で合意したとしても、韓国国民感情を逆撫でしないよう充分配慮する必要があるのです。そして、その条件は、きっと日本にとってはあまり都合のよい話にはならないような気もします。
 同じように第二次世界大戦の傷を負ったフランスが、今や、ドイツ軍を受け入れて安保体制を築いている一方で、日本が自国を守るすべとして、韓国との和解は必須であるのはいうまでもないことですし、共に、平和維持は揺るぎない合意点にも関わらず対話できない状態です。この問題を含めて、日本の安全保障を今度どのように展開するのか、この政府にやり遂げてもらうしかないのです。
 民主党が外交問題で失敗を重ねていますが、そのパターンを振り返ると、日本の都合だけを主張していることが多く、相手国が望んでいることに譲歩的な姿勢を見せているとは思えません。
 手前勝手な言い分だだけを通そうとする相手に対して、友好関係が生まれるなどあり得ない話です。そんなことは、子どもの喧嘩の仲直りと同レベルなのですが。

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