2010-12-07

米韓FTAの決着のメリットは何か?日本は何もできないで終わる

 12月5日付け日経の社説・春秋 記事で韓国と米国が自由貿易協定(FTA)交渉を最終決着したことが、日本の農地・農協の抜本改革にどう迫るか、と投げかけられていました。(参照)。 APEC直前のオバマ氏訪韓の際に合意に至らなかった事からあまり日が経っていないだけに、意表を突かれたという印象を受けました。これを受けてメディアが報じていることは、日本政府の弱腰姿勢を叩たいていると、そういう印象です。
 米韓のFTA合意は、日本の自動車や電気産業の輸出に大きな打撃であるというのは事実だと思いますが、菅政権の政治手腕はそれに太刀打ちできない脆弱な体質だというのはどうなんだろか、という疑問を思いました。確かにそうだと思う部分と、政治家の背景を思うとそればかりが原因ではなく、政治が変わらない根本理由は、私達にあるのだと思いました。それについて、話をまとめておくことにします。

 結果論ですが、このFTAに対抗できるとすれば、TPPに参加する他日本の輸出を支える手立てはないようです。そのTPP参加の意向は、米韓のFTAが前提にあったとは思いませんが、菅さんは動いているようです。

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 菅首相は、「食と農林漁業の再生推進本部」を設置し、自らその議長に就任した上で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を具体化しようと積極的です。千葉県のトマト農家でトマトをつまんで、「十分意欲のある皆さんならばやれると心強く思った」(参照) と報じています。何ともほのぼのする光景です。日本の野菜や果物が、世界中で一番美味しいのではないかと思うのは私だけではないと思います。何年も前から誰もがそう言っていますが、それが、日本を支えるまでに成長しないのは何故か?専門家の意見はいろいろありますが、政治的に言えば、日本の政党を支えている各団体がうんと言わないことはできないのも背景にあると思います。
 農業改革が進まない理由に幾つもの問題があると思いますが、政府は、50年も前からこの改革に着手してきたにもかかわらず、いまだに何も変わっていません。考えられる原因は、少子化によって農業人工が増加しないことや、都市に移り住む人が増えたことによる過疎化などが大きいと思いますが、そもそも米(こめ)離れが進む日本で農業改革の名の元に規模拡大政策を打ち出しても意味がないと思います。このナンセンスな政策を繰り返しながら、農家にバラマキを施行してきた自民党は、現在でも田舎では人気があります。議席の確保も田舎あっての自民党です。そして、現在の国会はねじれているのです。菅さんが農業改革に本腰を入れてTPP参加の実現を目指せば、農業者の収入確保をどうするのかという問題が必ず出て来ます。農業だけは政府に面倒を見てもらっていると言えばそうです。問題は、その体質を変えるのか、同じようにばら撒きながらTPPに参加するのかですが、それは虫が良すぎると、今度は自動車工業業界や電気機器メーカーが黙ってはいないでしょう。それが、今回の韓国と米国のFTAの決着のオチかもしれないと思います。
 ただし、中国に関しては動きができるのではないかと思います。中国も韓国や米国を輸出先国としていますから、アメリカから輸入品が増え出すことによって、中国も黙ってはいられなくなるでしょう。中国の人民元が低すぎることが米国の失業率を高くしていると考えている事からも、アメリカの狙いは、中国を間接的に動かすことが目的なのかもしれません。元々、韓国とFTAを結ばない方がアメリカにとってはラッキーだったという見方もあったのです(参照)。経済大国のアメリカと韓国が手を組んでも、どちらにとってもメリットのないFTAだと決め込んでいましたが、損をして得を取るということもありなのか?この場合は。
 私の単純な疑問ですが、FTAの合意をし始めたらどの国とも協定を結ばなくてはならなくなる、というエンドレスな馬鹿馬鹿しさはないのでしょうか?将来のことは誰も思わないのでしょうか?カンフル剤だと言われる由縁も、中国を揺さぶるために、アメリカにとって韓国とのFTAは、日本とよりも意味がおおきいのかもしれません。

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