2010-12-11

地球温暖化に関するCOP16(メキシコ)における日本と今後について

 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で、京都議定書の延長に反対する日本と、延長を促す関係国が対立状態になっていることが関心事ですが、この問題は、単一的に環境の部分だけを取り上げるというよりも、日本の国際的な信頼の損失や国内産業の今後が気になりました。
 私は、昨日の午前中までこの件で「多勢に無勢」の感を思い、日本の妥協もありうることだと思っていましたが、どうもそういう雲行きではないらしい。松本龍環境相は、各国代表と会談し、京都議定書の延長反対と、ポスト京都の新しい枠組みに支持を求めたというのです。多数派の途上国はこれとは逆に、日本に妥協を求める声が強まっているというのです。では何故、日本が強行に言い張るのか?延長することによって米中の参加が見込めるというわけでもなく、さらに温暖化削減効果が薄く、公平性を欠くと考えているとしています。理屈ではそうである部分と、現実問題は必ずしもそうではないという途上国側の日本に対する非難があり、交渉が進んでいない状態です(日経)。

 これまでの交渉でポスト京都の合意が遠のいた最大の原因は温暖化ガスの二大排出国、中国と米国の同意を得られていないことにある。中国は国内の削減目標はあるが、自主目標だとして外部による検証は拒否。米国も中間選挙で温暖化対策を推進する民主党が敗北し、削減義務を伴う新枠組みは受け入れにくい。

 新興・途上国はこれからも先進国が削減義務を負うよう要請。「京都議定書の延長を目指すべきだ」(中国の解振華・国家発展改革委員会副主任)との主張を繰り返した。日本などが延長を受け入れるなら、自らにも緩やかな規制の網がかかる新たな枠組みを受け入れる姿勢を示し揺さぶりをかける。

 この状況を松本環境相は、電話で管首相に報告し、そのやり取りとりが以下です(時事ドットコム)。

「中国と米国を(温暖化対策の枠組みに)巻き込むよう頑張っている」などと交渉の状況を報告した。福山哲郎官房副長官が明らかにした。
 これに対して首相は、「その方向で頑張ってください」などと激励した。環境相はこのほか、京都議定書について「(延長拒否という)日本の立場を守れるよう、最後まで頑張る」とも述べた。(2010/12/11-00:14)

 この会話が事実だとすると、菅さんは問題意識が薄いとしか思えません。日本は関係国が交渉に応じてくると信じているのでしょうか。ここまで拗れていると決別という形になる寸前でどこかで日本が折れるか、現時点を決断の限界として関係国との妥協点、つまり京都議定書の延長を認めるという結論するところだと思うのです。日本がここで柔軟姿勢をとれないで終わると、今後の日本経済はどうなるのか?そちらの方が怪しくなると思います。
 内需の拡大という観点から、COP16が存続し続ける意味があると思います。これは日本が望める唯一の経済効果でもあると思います。最近言われなくなった「グリーン・ニューディール政策」はアメリカのオバマ氏が2008年に当選当時打ち出した経済政策です。今となってはオバマさんも人気が低迷し、あまり言われなくなった感もありますが、日本は、この政策にあやかって脱温暖化をはかり、二酸化炭素排出量を削減するなど、自動車や電気機器産業が生き延びる兆しを持った感はありました。これまでのダムや道路を作る公共事業から脱温暖化に切り替え、環境と経済を活性させるのが政策課題とした筈です。
 ここでもまた、鳩山と出て来るのですが、結構尾を引いています。鳩山さんは、当時、全ての主要国の参加によるという前提で「25%削減」を言ってのけたのです(読売)。

民主党の25%削減は国内削減分だけでなく、日本の技術や資金を使って海外でガス削減に取り組んだ分や国内の森林吸収量も含んでいるが、その内訳は示していない。今後、どのような手段で目標達成を目指すかが焦点となりそうだ。

 批判もありましたが、企業の開発意欲に拍車をかけたのも事実だと思います。が、言っただけで無策でした。まったく「焦点」などありませんでした。民主党政権の環境エネルギー政策がつまずいたのは、既にここで始まっていたわけです。今度は、ここに菅さんです。COP16の結果如何では、菅さんの命取りになるかと懸念します。というか、日本は世界から見放されるのではないかとさえ思います。

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