極東ブログ「どういう法的根拠でグーグルは尖閣ビデオ流出記録を開示するのだろうか」について
先日の極東ブログエントリー「尖閣ビデオ流出で溜飲を下げる水戸黄門様心情は中国には通じない」(参照)が、中国人のみならず日本人にも通じないらしく(中国とは逆の意味で)、ブックマークが賑やかな様子です。他の方法で関連した記事を検索すると、陰でいろいろ言ってる人のブログも目には止まるのですが、大きく勘違いしたり誤読の上で非難しているようなケースも確かに多いです。
結局、どう説明しても通じる相手ではないと思うのですが、「辟易して書かない」と、finalventさんから言われるのが読者としては一番困ります。ところが、ガラッと角度を変えた形で昨夕、「どういう法的根拠でグーグルは尖閣ビデオ流出記録を開示するのだろうか」(参照)が掲がり、やったー!ありがとう。また、揶揄の嵐かと思ったら意外にそうでもなさげ。ふーん、偏った見方からはこのエントリーは、揶揄するに値しないの?私にとっては、一本の筋上でつながっています。
それは、尖閣諸島沖の衝突ビデオは元々国民が見る権利を有するビデオだという筋です。少し記憶も薄らいでいるので、当時のNHKニュースの内容がHPから引いてこられるかと思ったのですが、該当ニュースは見つかりませんでした。何の話しかというと、当初、この衝突を報じた時に、何故ビデオ公開を同時にしなかったのかという点が不可解でならないのです。つまり、「公開しないことで守られるべき国益」とは何か?です。
政府筋の見解に、公開するのはマズイという理由があるのは理解できるので、当初は政府の考えを尊重したつもりです。ですが、ここへきてリークされた後の政府の対応を見ていると、どこに尊重されるべき理由があったのか、と馬鹿馬鹿しくなりました。中国側にも日本国民にも何の説明もないのです。そして、犯人捜しにだけに躍起になって奔走している現在です。この実態は、極東ブログでつぶさに分析されています。
隠す意味は何だったのか?と、問い正したいのはこちらです。それをあろうことか、Googleにお伺いを立てているとは、まったく呆れます。だから、本来は、陰謀論も存在しないし、中国の肩を持つ必要もないのです。国家機密にしたため、リークされればそこに「犯罪者」を作ったかに見えるだけのことです。中国外交に描きがないからそうことになるのです。そもそも、国家機密なるものが施錠もない部屋で自由に使用できるPC、という環境に置かれていたとはね。
当初は、これを言うにはあまりにも無根拠で、言ってしまえばただの誹謗中傷になってしまうので控えていましたが、極東ブログの今回のエントリーでの分析を確認するうちに報道の流れがつかめてきたので、ここではっきり言っておくことにします。
その部分というのは、政府の方針を仙谷官房長官が言及した内容にあります。
「現在の秘密保全に関する法令の罰則では抑止力が必ずしも十分ではない」と述べたうえで、今後、守秘義務違反の罰則強化も含め、秘密保全に関する法制のあり方について検討を進める考えを示しました。
これは、NHKの11月8日12時13分のニュースです。この内容は、もっともらしく聞こえますし、国の機密に関してはそうあるべき物もあると思いますが、今回のビデオに関しては、元々「衝突の事実を報じる情報の一部」として扱われるべきものであって、これを端から国民の前に公開しなかった政府の方がおかしなことをしていると思います。その上でYoutube運営会社であるGoogleに、「投稿者の私的情報を開示せよ」とはよく言ったものです。悪徳お代官様宜しく、甚だしく思います。
もちろん、その必要はあるだろ。しかし今回の事例で言うなら、もしかするとこの情報は国民が知るべきものだったのかもしれない。ディープスロートからイランコントラ事件まで米国の現代史を見ていると、民主主義とリーク情報にはそうした微妙な関係がある。
なのにこの「仙谷」政権は、脊髄反射的に、あるいはご主人様のご機嫌を損ねまいとする小姓のように、目先の取り繕いで厳罰化に走ろうとしている。この強権志向の姿勢はどうなんだろうか。これが自民党政権に変わって登場した民主党政権の姿なのか、あと何歩でスターリニズムに到達するだろうか、そんな懸念まで浮かぶ。
この政府を言い当てる、比喩する良い言葉はないものかなあときょろきょろしちゃいます。いい足りないほど頭にくるというか。スターリニズムへと暴走を始めた政府と言っても過言ではないと思います。
私の考えでは、現段階では、グーグルは投稿者の情報開示に応じるべきではないと思う。この国は報道の自由を弾圧する中華人民共和国ではない。自由な情報を持ちうる日本国である。中国の情報弾圧に屈しなかったグーグルなのだから、中華風味の日本政府による情報弾圧があればはねのけてほしい。
極東ブログからGoogleにこのメッセージが発信されていることに私も同調します。また、民主的解決方とはこれだと、日本のお手本になるようわが政府に見せてほしく思います。
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コメント
楽しく読んでいますが、レシピにコピペが多いので、出典を明らかにされてはいかがでしょうか?
せっかくいい内容が多いのに、変なところからクレームが来ては残念なので、老婆心ながら。。。
投稿: しもきた | 2010-11-09 23:22
godmotherさん、はじめまして。
ご指摘のように、どこからが、国家公務員法が守秘を要求する「機密」情報なのでしょうかね。たとえば、大物政治家の政治資金疑惑を今年、ある新聞がスクープしました。公式発表以前なので情報漏えいしたということです。証拠隠滅の可能性だって考えられたでしょうに…。もっと言えば、スクープというのはたいていリークがあってのものなのです。しかし、この資金疑惑をはじめとして、公務員が法律違反を問われることはほとんどありませんね。
投稿: バジル | 2010-11-10 05:25
バジルさん、リークに関しては勿論「漏らす」のであって「漏れる」のではないと思います。民主党が一枚岩ではないということを露呈したのに過ぎないと思います。また、問題ビデオについても、全部でもないですし、もしかしたら問題はもっと隠れた部分にあるのかもしれません。と、後で思いました。民主党が躍起になればなるほどそう思います。
公務員の違法といったら年金だって誰も・・・でしたね。国民の積立金を無駄な箱に使いまくって。隠滅したにもかかわらずです。まったく。
投稿: ゴッドマー | 2010-11-10 05:40
しもきたさん。
お言葉を返すようですが、他サイトのレシピを「コピペ」し意図的に出典先を書かないなどということはありません。また他の料理系ブロガーさんを訪問することですら、意図的にしません。理由は、しもきたさんが「老婆心」ながらご指摘のように、トラブルの元になるからです。こちらで紹介する料理は全て自作であり、他者の料理を参考にする時には、その出典先、出版先、番組名共に明記しています。
また、僅か6分ほどの滞在でどれ程の情報をお持ちになったかは図れませんが、該当記事の特定もなくメアドの明記もないこのようなコメントは、せっかくですが私へのご厚情とはお察しできません。なので本来は削除するところですが、当サイトの姿勢を明記する良い機会ですのでこうして反応しています。
なお、今後のトラブル予防の意味を含めて、しもきたさんのリファラを取得しています。悪戯にコメントされませんよう警告させていただきます。
投稿: ゴッドマー | 2010-11-10 06:01
『尖閣ビデオ』流出問題に垣間見る通信の秘密の法律・傍聴法の無力化(URLかリンクマークの参照お願いします。)
投稿: 『尖閣ビデオ』流出問題に垣間見る通信の秘密の法律・傍聴法の無力化 | 2010-11-16 01:52
「Tea & Coffee Time」の管理者様、ご指定の記事は拝見いたしました。貴記事の内容に疑問があるという意味ではまったくありませんが、このブログの扱い(プロフィール)にもあるとおり、本記事に触れる内容や関連付けが貴ブログ記事にはまったく見られません。したがって、リンクの表示はお断り致します。悪しからず。
投稿: ゴッドマー | 2010-11-16 05:37