2010-11-27

極東ブログ「[書評]ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡」(シルヴィア・ナサー)」について

 昨年の丁度今頃、「今年の読書のことを振り返るとしたら、おそらく・・・」と語っていたのを思い出し、バックナンバーを探してみるとありました。2009年の記念すべき本は村上春樹「1Q84」を振りきって「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(上下)ディヴィッド・ハルバースタム」だったのを思い出しました。釣られて買ったは良いけど、読むのに何とも時間がかかったのを覚えています。そしてその記憶と、先日の25日、黄海の延坪島で起きた砲撃事件がなんだか皮肉なタイミングで、しかも時期が同じであることがさらにこの問題を印象付けることになるのは明らかです。あまり覚えていたいとも思わないのですが。

cover
ビューティフル・マインド
天才数学者の絶望と奇跡
シルヴィア ナサー

 そうですか。今年の代表はあの「もっとも美しいゲーム理論」(参照)で紹介されていた数学者ジョン・ナッシュの生涯ストーリー「ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡」(シルヴィア・ナサー)に決定ですか(参照)。
 映画化された「ビューティフル・マインド」を見ておけばよかったと直ぐに思ったのですが、この書評によると、画像の記憶が邪魔になったと書かれているので真っさらな状態ではあります。ほっ。が、600ページには驚きです。人物の生涯を描く書籍で600ページとは、大作の部類です。しかもこんな風に感想が述べられているのです。

読みづらい本ではないし、訳文もこなれているのだが、とにかく内容が濃く、しかも600ページ近い大著でもあり、読書には手間が掛かった。
 いや違う。すらすらと読んではいけない書籍なのだと覚悟して、日々修行のように読んだ。読後新書50冊分くらい読んだ実感がある。いやそれも違う。新書50冊を読んでもこれほどのずしんとくるインパクトはないだろう。新刊書ではないが私としては今年読んだ本のなかでもっとも強烈な本となった。

 その強烈さにこのように触れていますが、その辺に関して直ぐに思い浮かんだのだのが同級生の数学者のことでした。世界的に有名でなくてもちょっと変人だし、などと昔を思い出しつつ、世界的な数学者と照らしても仕方のないのですが、数学をやる人はやはり変わり者が多いというのが印象にあります。
 ナッシュという人物には大変興味があります。が、半生は心の病といか、統合失調症を患っていたというのには驚きで、しかもその病の中で数学的な業績を上げているというです。ますます興味深い人物です。が、果たしてこのスーパー数学者の理解者に私はなれるのだろうか、という疑問の方が先に立ちます。
 あれこれ言ってないでまずは読め、だと思うので早速注文しました。私もここへ来て注文した本が続々と届き始めているので、順を追ってゆっくりじっくり読むことにします。
 「朝鮮戦争」はここだけの話2ヶ月かかったので、そのつもりになってみます。あ、もっと大変な本があったけど、二回読んでも良く分らなかったという記念すべきは、「破綻したキリスト」(参照)でした。考えてみると、結構いい加減な読み方をしたまま年越ししてきた嫌いがあります。この本も。いつかきっとまた読み直す日が来るとは思いますが、人生で読んだ本の中で、読み直したいと思う本があるのはよいことです。分ったと思った瞬間に思考も停止してしまうものですし、読むことについては、読ませる本に出会うのが何よりも私自身が可能性を感じられる時です。今回は、その本に潰されなければ良いのですが、楽しみです。

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