2010-11-27

極東ブログ「延坪島砲撃事件で最初に挑発をしたのは韓国側か」から思うこと

  争いごとにはつき物である「誰が先に手を出したか」を検証したエントリーが、極東ブログであがりました(参照)。そこまで事態が深刻化してきたのかと思わざるを得ない延坪島砲撃事件は、予断を許さない緊張の中にあるのだと思います。
 当初の報道から、北朝鮮が砲撃したのは人が住む島を目がけてであり、威嚇射撃とは言い難い結果が残っているので、素人目にはどちらが先かを見極める必要性がどこにあるのだろうかと不思議な気もしました。何故その必要性があるのか、読み進めてちょっと意外だったのが、引用されているアメリカのニューヨーク・タイムズの記事です。これによると、韓国の演習砲弾を行ったことにまず非があり、それが挑発となった事と、砲弾ではなく抗議すべきだったと報じていることです。世界中のだれもが一つの意見であれば極東ブログのエントリーの必要もないのかもしれませんが、異論が出ればその論点をはっきりさせ、議論を展開するというのが民主的な方法です。例によって、詳しく調べられています。おそらくこの検証の段階を経て、この先も議論になる可能性が高いのではないかと思います。
 結論として、韓国の演習における砲弾は北朝鮮に向けられたものではないという状況が正しければ、北朝鮮が主張している砲撃の正当性はないにも等しいのではないかと思います。それにしてもアメリカの言動は、ちょっと矛盾していると思います。韓国には、北朝鮮のやることに我慢しろと言いながら、その韓国と合同演習を堂々と行い、しかも明日28日から12月1日までに予定されている砲弾演習を決行するというのです。北朝鮮の刺激にならないための配慮なのかどうか、気になります。
 今後何が起こるのか、または起こらないのかは分かりませんが、周囲に戦争と同様の負傷者がでるような砲撃戦が始まるのだけはやめてもらいたいです。
 些細な物音にも神経を注いで、それが戦争の発端となるかならないかの不安の中で、延坪島の島民は常にその恐怖にさらされていたというのは今回の事件で知ったような私ですが、日本は、その東側にぽかんと浮かんだ小さな島です。しかも、尖閣諸島、竹島、北方四島の領土問題をそれぞれの関係国と抱えたままです。が、この件を解決するために口火を切るのは相手国を刺激することになります。黙っていても先日の尖閣諸島のような中国漁船から被害をうけることも起こります。このピリピリした状態がこれからも続くのかと思うと、大変不安になります。
 今週12月1日付けのニューズウィーク日本版の表紙タイトル「アジアが戦場になる日」を見て、これを読まずにはいられないという焦燥感を持ちました(参照)。特集を組むほどの注目度の高い状況なのだと思いました。まだ全部を読みきったわけではありませんが、「MILITARIZED STATES アジアに広がる軍拡中毒」(ジョシュカ・カーランジック 米外交評議会研究員)では、「中国や北朝鮮などで軍の強大化が進み、周辺の民主主義国でも軍拡に拍車が掛かっている」という観方を解説しています。市販の週刊誌なので、著作権の問題もあり、あまり内容を引用できないのが残念です。
 共産主義国に対して民主主義国は、その考え方や論点で交わることがないという点を考慮すると、有事に関しては守ることを真剣に考えなくては他に方法がないこともはっきりしています。日本以外の民主主義国は、軍備をかなり増大してます。
 一方、アメリカやイギリスなどは緊縮財政の一環で、軍事費を大幅に削減しなくてはならない状況です。日本がアメリカの傘の下にいられるのもいつまでかと、その日が割と近くなるのではないかという気もしてきます。
  このコラムの最後のまとめ部分に触れて、何ともやるせない気がしました。

 北朝鮮やパキスタンなど、近隣諸国に大きな脅威を感じさせている国が開放的な体質に転換し、政治システムの透明性が高まる日がやって来れば、アジアの民主主義国は軍備増強の必要性を今ほど感じなくなるかもしれない。
 しかし、北朝鮮などの体制で起きつつあることを考えれば、このような楽観的なシナリオが実現するとは考えづらい。アジアを垂れ込めた軍拡競争の暗雲はしばらく消えそうにない。

 アメリカの研究者の一意見とは言え、北朝鮮や中国が周辺国に軍需拡大を余儀なくせざるを得ない圧力を持っているのは確かだと思います。
 後から気づいたのですが、ニューズ・ウイーク電子版に、池田信夫さんの「危機管理能力のない民主党と平和ボケした自民党」(参照)というタイトルのコラムが掲載さていて、今回の砲撃事件発覚後、日本政府がどのような動きをしていたかにつして詳しく書かれています。ここから浮かび上がる日本政府の危機管理のなさは言わずもがなですが、日本の平和がこれまでに至ったことについて、アメリカの抑止力をこのように話しています。

 日本は、戦後65年にわたって戦争を経験したことのない稀有な国だ。それは平和憲法のおかげではなく、米軍基地に守られていた からである。その証拠に、朝鮮半島から米軍が撤退した直後に北朝鮮が南に侵略して朝鮮戦争が始まった。戦争を起こすのは武器ではなく、それを使う人間であ る。もっとも危険なのは、軍事力の均衡が破れたときなのだ。

 「軍事力の均衡」とはどういう状態を言われているのか良くつかめませんが、独裁的な主導者や独裁政権である国の軍事力は、その軍備だけではなく扱う人間の考え方が軍事に直結しているというのは歴然で、他国の軍事力が均衡をとるのはもともと難しいことだと思います。今回の出来事は、それが「破れたとき」だと解釈すればよいのでしょうか。
 現政権は頼りない政党であることと、日本は皆平和ボケであるということが、いつか痛い思いをすることにはならないかと気がかりでなりません。

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