2010-11-16

極東ブログ「第五管区海上保安本部海上保安官を逮捕できず」について

 タイトルの「逮捕できず」が「逮捕した」であったら、私はどれ程この政府をコケにしたかと思います。その根底には、機密情報の扱いも充分にできず、中国との裏取引も満足に守れず、挙句の果てが「逮捕した」としたら、それは政府の怠慢を一人の国家公務員のせいにして「卑怯者」呼ばわりする以外にありませんでした。今回のビデオ流出で、警察から事情聴取を受けている最中にAPECが開催されたことも相俟って、一時は、本当に「逮捕」の線で逃げ押せるつもりなのかとも疑ったほどです。よくよく考えると、私にはそれくらいの信頼しかこの政府にはおいていないということだのだと情けなくもなりました。心に正直になると、そういうことなのです。
 昨日のTwitterでは、「逮捕されない」というニュースについては予想以上の反響も無く、大方国民の納得の行く結果だったのだろうと思ったと同時に、多くの国民が今の政府を支持していないのだということも思い知ることになりました。極東ブログの「第五管区海上保安本部海上保安官を逮捕できず」では、当初からこの流れを「政府」の関与とその責任の所在という文脈で確かめることができます(参照)。
 ビデオ流出発覚時からfinalventさんの拾うニュースに沿ってきたという点で、同じような観点で考えてきた私です。が、昨夕のNHKニュース「逮捕せず任意捜査進める方針」(参照)では、思考パターンの違いと、何を問題と捉えるかという焦点の当て方の違いを知りました。余談ですが、この違いは、民主的な解決をしようとする時には大切です。「同じであると嬉しい」の反対に、「違うと嫌い」になりがちな日本人の多くは、これでやってきた国なのです。これは民主的な解決を遅らせる根本だと私は思っています。一般論として、「違って当たり前」と言う言葉を合言葉にしているうちはよいのですが、実際に違う意見や批判に何らかの反発的な感情がある時は、その感情を棚上げしないと話が進みません。喧嘩から始まるのです。国民性というかお国柄として、日本人が民主的に事を進めるには、試練や経験が必要だと思います。余談とは言え、これが今の政府ができないことなので大きな問題です。
 話をニュースにもどします。

 警視庁と東京地検は、政府が一般には公開していない映像を職場の共用パソコンから入手した疑いがあることから、国家公務員法の守秘義務違反に当たるという見方を強め、15日、今後の捜査方針について協議を行いました。その結果、これまでの説明に事実関係と大きく異なる点はなく、みずから出頭していることから、証拠を隠したり逃亡したりするおそれはないと判断し、海上保安官を逮捕せず、任意で捜査を進める方針を固めました。 

 この内容に関して直ぐに浮かんだのは、保安官が自らビデオを流出させたことを認めてはいるものの、入手先は一切明かしていないということと、捜査の途中、同僚の一人がパソコンからUSBメモリーに取り込んで持ち出したという話が持ち上がった時に、共犯説も浮上したことです。このことが解明されなくてもよいのだろうか?保安官が「sengoku38」と同一人物か否か、それを究明されなくてもよいとは思えません。さらに捜査が続くのであれば、同時に、「共犯」という形で守秘義務違反を問う人物が増える可能性もあると思ったのです。そこで返ってきたレスポンスは、「いえ問われるのは馬淵さんですよ。」だったのです。これが先に述べた「焦点の当て方」です。ここで、この件の本当の恐ろしさのようなものを感じました。
 見るべき視点はその奥の真髄部分であり、そこから目を逸らしてはいつまで経っても政治家の誤魔化し言い逃れが繰り返されるのです。私も含めて国民の多くが今まで、各論の表層部分にばかり目を向け、そこに潜む核心部分を引き出せずに見過ごしていたのではないでしょうか。体たらくな「仙谷」政権から露呈した様々な醜い部分を、きっと、もっと知ることにもなるのだと覚悟するつもりです。
 馬淵さんの出鱈目な発言は、責任逃れだと問われるべきですし、保安官と政治家は問われる責任が違うなどと発言して、馬淵氏を庇うような姿勢を示した仙谷さんの責任を問わなくてはならないと思います。片や「機密」であると、情報は守られるべきだとする政府にしてはあまりにも矛盾したその管理体制を、言い逃れや屁理屈で通させるわけにはいかないと言うのが国民感情であれば、大いに議論されるべきです。
 遅かれ早かれ問責決議案が提出されれば、そのやり取りを傍観できると信じたいです。そして、この議論こそが民主政治に託されているのです。まな板の鯉か針のむしろといった嫌いもあるでしょう、が、潔く議論に応じてもらいたいです。

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