2010-11-08

極東ブログ「米国中間選挙の感想」から受けた印象

 選挙について、人の感想を聞くのは合わせてその国の政治を読む情報として興味深いものです。米中間選挙が分りきった予想通りの結果を齎したという点で、退屈な話かといえばそうですが、当てられている角度によっては見えてくるものが違うのだと感じ、エントリーではその感想に興味深い点があります。(参照)。
 まず、ティーパーティーが反共和党的な性格を持ち合わせていることに気づいたとき、時既に遅かりしだったとしながらも、その文脈とは違う角度の風景です。それを、米国民気風をあえて選挙の「波」として捉えて説明されていることです。そして、これは私の印象ですが、ペイリン氏は、ティーパーティーが反共和党的な性格を持っていることを見えにくくするような煙幕的な存在だったような気がします。実質的には、彼女が率いた共和党ではなかったのです。
 米国の大統領選挙に関心がある人なら、ペイリン氏といえば2008年の合衆国大統領選挙の候補者ジョン・マケイン氏に副大統領として指名され、保守層の支持を集めてオバマ氏を一時逆転した人物です。が、そこからこの選挙を見ない方がアメリカの政治情勢が分りやすく、すっきりと見えるのだということが分りました。
 引用されているワシントンポストのクラウトハマー氏の「正常に戻った」というのがあまりにも端的に明瞭です。結果的に共和党が議会に復帰した点は、オバマ氏への評価なので、かなり具体的に今後の政権を揺する機動力となるのは間違いないのです。そこで一番気になるのは今後の日本への影響という点ですが、良くなるのではないかというのが興味深いです。

むしろ、共和党の勢力が議会に復帰したことで、議論が促進され、内向きな民主党よりも国際政治に発言力が増してくるので日本にとっては好都合だろう。また、自由貿易も促進されるので、日本の環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(TPP)への態度も強く問われるようになるだろう。

「議論が促進されると内向きな民主党よりも国際政治に発言力がましてくる」ということは、かつてのオバマ氏の陰が薄れているという前提で言われているような気がしますが、そうなのだと思います。余談ですが、私が混乱するのはいつもこのパターンなのです。
 日本の場合で言うと、政権を獲得した民主党は野党時代の民主党ではなくなり、野党に逆転した自民党以前の、戦後の自民党のように変化しつつある点などは最たるものです。このことを日々の現民主党の変化として落胆的に見てきた今、アメリカの中間選挙でその姿に近いものを感じています。が、これが日本にとっては「好都合」という文脈ではまだ受け止められない私です。この辺が実感としてわいてこないのですが、今後のアメリカの動向を掴む他ないと思います。
 気になるのは、日本です。民主党政権になってから、これと言った目の覚めるような手腕を外交政策に見たことがありません。手際のよさ、すらもないです。最近の対中国・ロシアにしても、頼りない対応だったと情けないです。ついでなので言ってしまうと、一線を引かないと中国に乗っ取られてしまいますよ、日本は。竹島が取り戻せなくなったように、侵食されて行くようで、怖くて仕方ありません。アメリカの中間選挙とは関係ない話ですが、でも、アメリカがどれ程日本にとって好都合になろうと、肝心の日本がそれを生かす力を持ち合わせているか?ということが、何よりも絶望的に見えてこないです。ここにアメリカのコラムニスト・トバイヤス ハリス氏の意見があります。これは、昨夜のTwitterで見つけたクリップです。
 ニュース・ウイーク日本語版の「菅は貿易協定で「小泉」になれるか」に、鋭い意見が投じられています。

 私が思うに、日本がTPPや日米自由貿易協定などの大胆な貿易協定に参加するためには、首相が問題に正面から取り組み、貿易自由化支持派を結集し、国民に支持を呼び掛ける以外に道はない。ひとことで言えば、小泉純一郎元首相が郵政改革を推進するために行ったのと同じことをするしかないのだ。

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                  日本の舵取りを期待(?)された頃。

 これが本来の民主的な手順だと思いますが、現民主党は政権についてから民意を問いながら政権運営しているとは思えません。暴走しているといえばそうですが、無視されている観が強いです。

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