グラタン・ドフィノワ(Gratin Dauphinois)じゃが芋のグラタン:finalventさん絶賛の「修道院のレシピ」より紹介
![]() 修道院のレシピ 猪本 典子 |
「修道院のレシピ」Cours de Cuisine というレシピ本があるということは何かのきっかけで昔から知ってはいたのですが、忙しさにかまけて購入するチャンスを逃していました。偶然にも、先日、Twitterでfinalventさんが、「 レシピ本の最高傑作は「修道院のレシピ」とつぶやいているではないですか。すかさずこの話題に乗って、とうとう手元に取り寄せたのです。
私の憧れ的なレシピ本でしたが、実は、あえて買わなかったという理由もあったのです。それは、ブログを書くようになってから、できるだけ自分自身で考えて作った「我が家の料理」の記録として展開しようと思っていたため、レシピ本然とした本にはあえて触れないようにしていました。ところが、それに拘ってもあまり意味がないと思い始め、最近はTPOにあった相応しさが料理にはあると思うようになり、特にオリジナルに固執しなくなりました。
というわけで、早速この本を紹介したいのですが、ちょっと困った問題があるのです。本の紹介といっても、この本は正にレシピしか書いていないのです。料理の背景や季節感、食材の特徴といった情報は全くないと言ってもよいくらいです。ページをめくっても、時々著者が気に入っている料理の画像が出てくるだけで、普通の書籍にある「はじめに」みたいな部分に数ページ、この本が生まれるまでの経緯について書いてあるだけです。ですから、料理自体にストーリー性といったことはないのです。結局考えた挙句、書籍の紹介をするよりも、作ってその料理の話をすることで何か伝わることでもあれば良いのではないかと、そんな風に思って書き始めました。 ところで、憧れ的な理由以外に、この本がとても楽しみだっだ理由があります。
finalventさんが、「だけどある意味、この本はつまらない。」「暗号みたいになっているから。」そして、「Godmさんならわかりますよ。わかって驚くと思う。」と意味深な事を言われたのです。なんだかわくわくしてきて、久々に魅惑の世界の扉でも押し開けるようなそんな楽しみを抱いていました。
そうかと言って、レシピ本自体にあまり興味がない理由もあります。ここで話すのは初めてかもしれませんが、エッセイ的な部分や著者の料理に対する考えなどに興味があるのです。それは、どのような本が好きかという一般的な本に対する考え方を聞かれても同じ答えなのです。そういう意味では、この本はハズレなのです。が、届いてからその内容に触れて、例の言葉の謎にはどうしても関心が向き、何が「暗号」で、「最高傑作」と称される料理はどのような料理を指すのかと、レシピ本を読もうとして読んだのは始めです。そして、その謎が少しずつ解けてきました。でも、これは秘密です。
![]() 亡命ロシア料理 P・ワイリ, A・ゲニス |
さて、早速手頃な材料で作れるレシピはないものか、と探しているうちに、オーブン皿の上で薄い黄色の何かのスライスが並んで焼かれている画像が興味を引き、レシピを見ると、なんだか私の手間なしキッシュ(☞レシピ)の様ではないですか。 この料理は、 「亡命ロシア料理」のオムレツにならって卵液に小麦粉を加えて焼きますが、「修道院のレシピ」では小麦粉に変わって卵がつなぎになっています。しかも、日本では当たり前のようにベシャメルソースで絡めるグラタンが主流なのに対して、このレシピでは単に牛乳です。これは、カロリーコントロール上嬉しいことです。また、家にあるもので直ぐにできる料理です。よって、これに決定。
ところで、シンプルで美味しく簡単な料理ではありますが、これがこの本の代表料理というわけではありません。言い忘れましたが、600種に近い料理を一冊にまとめてありますから、代表料理を決めるのは困難極まりないです。また、これだけの料理が一冊にまとまるというのはちょっと驚異なことです。本を見ればわかると思いますが、システマティックにまとめてあることに驚くのはきっと私だけではないと思います。「暗号」の謎がここに隠れているのです。
➠お弁当に
材料
- じゃが芋・・400g
- 牛乳・・85cc
- 全卵・・1個
- 塩・胡椒・ナツメグ・・適宜
※使用したじゃが芋はアンデス。皮は紫色で、身は黄色くホクホクしているのが特徴。
作り方
- グラタン皿に輪切りにした(スライサー使用)生のじゃが芋を並べる(バターを塗布)。
- ボールに卵を割りほぐし、牛乳、塩、コショウ、ナツメッグを加える。
- じゃが芋の上に注ぎ、高温のオーブンで15分焼く。
※分量はレシピに書いてある量の三分の一にしました。また、オーブンの性質の違いもあるので、様子を見ながら焼き加減してください。
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コメント
Feecle,twitterではお世話になりました。
先日、フレンチシェフに料理教えてもらえる機会があり、この記事を思い出して、グラタンドフィノワとお願いをして作りました。とてもシンプルな料理ですが、とってもおいしかったです。素敵なきっかけをありがとうございました。
投稿: Torico. | 2011-11-15 16:16
Toricoさん、手軽にできてシンプルさが気に入っています。「修道院のレシピ」で、フランスの家庭料理がシンプルだということを知りました。レストランに持つイメージがガタッと崩れたのも、私の固定観念が崩壊したきっかけとなった本です。お勧めです。
ところで、Feecle,twitterでのIDとハンドルネームは同じ?「Torico」さんでは思い出せなくて困りました
投稿: godmother | 2011-11-16 06:10