2010-11-13

時論公論 「対ロシア情報収集強化」-何もしないAPECもあり

 今回のAPECで、日本と中国が会談を持てるかのかどうかは期待するものではないと、昨日書いたとおりです(参照)。仙谷さんが中国に送った密使を介して、尖閣ビデオを公開しないという密約を成立させていたとすると、その約束は果たせなかったわけで、中国は日本を相手にしないだろうという結論に達します。そして、もう一つの気がかりであった、対ロシア外交に関しても、日本は何もしないと予想を立てていました(参照)。ここへ、昨日のTwitterクリップ記事で「時論公論 「対ロシア情報収集強化」(By石川一洋 NHK解説委員室)をキャッチし、目を通してみるに、次の部分があまりにも率直なので感心したのです。

 APECで日ロ首脳会談を行う方向で調整が進んでいますが、メドベージェフ大統領の国後訪問の後、何の戦略もなくただ会うためだけの会談であるならば会わない方が良いでしょう。APECでの日ロ首脳会談は領土交渉を再構築するための外交的戦いの場であるべきです。
管総理、前原外務大臣のリーダーシップの下、外務省では今度こそ情報戦に負けないように詳細で正確な分析に基づき、緻密な戦略を立てて、日露首脳会談に臨むよう求めます。

 これには私も同感で、尖閣ビデオ問題に隠れてロシアに関する情報の詳細を見落としたのかも知れませんが、このところあまり聞きません。政府は準備しているとあるので、そうなのか?と半信半疑ではあります。
 極東ブログではこの動きを追うように11月1日のエントリー「ロシア、メドベージェフ大統領の国後島訪問の思惑は二島返還だろう」(参照)に随時「追記」が加筆され、最終部分では、メドベージェフ大統領の予定が分るようになっています。

 【ウラジオストク共同】北方領土を事実上管轄するロシア極東サハリン州の複数の当局者は10日、共同通信に対し「近い将来、メドベージェフ大統領を受け入れる予定はなく、準備もしていない」と述べ、北方領土や同州では今のところ、大統領訪問の兆候がないことを明らかにした。
 大統領は同日、ソウルに到着し、韓国、日本への歴訪を開始。14日午後に日本を出発する予定だが、日本訪問後の北方領土再訪問の可能性は低いとみられる。
 メドベージェフ大統領は10~12日は韓国の李明博大統領との会談や20カ国・地域(G20)首脳会合出席のためソウルに滞在。その後、13~14日に横浜で行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため12日夜に日本に到着する予定。
 北方領土の択捉、国後、色丹各島の当局者によると、10日現在、大統領の受け入れ準備は行われていない。

 この部分を見て、私がさらに思ったのは、「ロシアンスクール」解体後、外務省にはロシアを熟知した官僚が少なく、ロシアの情報を集める能力が乏しいと言われる日本は、その専門の組織だったものが必要になるのかもしれないということです。外国のそういった組織に代わるのが、日本では外務省ですが、役人の人事移動は癒着問題などを回避するためにあるようなもので、部署によってはそれが弊害になります。石川氏も指摘している通り、内部の適材適所の観点から「宝の持ち腐れ」は免れないことです。
 中国やロシアだけでなく、その国の情報を収集して政府の外交が円滑になるような組織なりシステムなりが機能するとよいと思うのです。私如きが言っても届くことでもないですが、長い目で見たら、日本はこのまま外交の苦手な孤島になりかねないです。
 APECの関心事として、対ロシアのことも気になります。今日から始まる首脳陣の協議がどのように展開するのか、気をとめておくことにします。

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