極東ブログ「尖閣ビデオ流出で溜飲を下げる水戸黄門様心情は中国には通じない」-APECへの影響は?
尖閣諸島沖で起きた中国漁船と日本の巡視船の衝突の一部始終を収めたビデオが流出したことは、結局何が問題なのか良く分りません。にもかかわらず、ニュースを聞いていたというのが正直なところだったので、この分析をエントリーで掲げられたことは何よりもよかったと思います(参照)。指摘されている通り、「水戸黄門様心情は中国には通じない」ということを日本人が理解すれば、このような大騒ぎが意味のないことだと分ると思います。
また、気になるのは、誰が何の目的でこのようなことをしたのかです。仮に、民主党内のアンチ仙谷の仕業かと疑うにしてはあまりにも間抜けなので、返って他の可能性を模索してしまいました。エントリーを読み進めると、どうやらその間抜けの仕業らしいのです。何よりも、世間がその無駄な模索に奔走するのをいち早く食い止めるという意味で、エントリーのタイミングが早くてよかったです。
極東ブログを読めば分ることなので、ここでさらに書くことはないのですが、気になることを少し書いておきます。
ビデオの公開者のIDが「sengoku38」というのが笑いが止まらない。リークしたのが内部関係者であれば、民主党がねじれているということを露呈したのは確かですが、問題は、来週行われるAPECへの影響です。この会議の前に「sengoku38」のハンドルネームを使う意味と、映像をリークする意味があったとしたら、このことで誰がダメージを受けるか?です。これが良く分らないのです。
日本政府にとってAPECは、中国とのギクシャクした状態を修復する絶好の場です。このチャンスを逸することなく、良いコンディションに持って行ってもらいたいものだと思っていた矢先だったので、このビデオ流出がどのように影響するのか、またはしないのかなどの意見が聞きたかったのです。
リーク以前の状況から見て、現政権にとって最大の懸案は今月中旬横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に胡錦濤中国主席を出席させ、ぎくしゃくした日中関係の修復を図ることだ。であればその後に「仙谷」政権としても国会に押された形での6分版映像の公開という流れを落としどころとしていたのではないか。今回のリークはその落としどころは阻止したことにはなる。
リークの効果が、胡主席の訪日阻止だったとまで言えるだろうか。疑問なのは中国には通じないこの程度のリークで、はたしてそこまでの効果があるものだろうか。ないのではないか。
この説明から、誰かが困るほどのことはないかに思えます。日本で拘置された船長は、中国では「英雄」です。その英雄が勇ましく日本の巡視船に立ち向かった記念すべきビデオなので、中国からダビングの依頼が来てもよさそうなものです。が、それがそこまで届くかが問題、そもそも。仮に届いたとしてもこれがリークなので、日本政府の中国への不義理にはなりません。また、国民の政府に対する「見せない」態度への不満は解消され、政府へのバッシングが逸れたことは何よりな話で一石二鳥です。
結局、誰も困る人がいないではないですか?
むしろ、今回のリークを水戸黄門様心情で喝采し、欧米のウィキリークに模して、機密情報はインターネットにリークされる時代とかのんきな受け止め方(実際のウィキリークは慎重にニューヨークタイムズやガーディアンと連繋している)を見ていると、リーク者がハンドル名「sengoku38」なのも、「うその三八」といったほどのこともなく単に「仙谷さんパー」と言いたいがための愉快犯のようなものではなかったと思える。
仙谷さんは、ハンドルネームが不愉快な様子らしいですが、これが謎を解く鍵ではないかとやっぱり思うのです。私は「sengoku3(左)8(派)」と最初に思ったので、民主党内のアンチ仙谷的な人物ではないか、と。ですが、エントリーをこうして読むうちに「うその三八」でもないだろうとも思いました。
ところで、極東ブログでは時々捕り物風味になるのですが、「うその三八」は普通に通じるのかな?という疑問は野暮でしょうか。江戸の治安のために家康公が引き連れた「三河」の「八部」をお供にした時、残った八部の人間が拷問による自白などで捕り物を請け負っていたため「うその三八」が通称になったらしいのです。「嘘っ八」というか。
「『うその三八』でsengoku38なのかな」と、仙谷さんが漏らしたそうですが(参照)、咎められるような疚しさが心に潜んでいますか?最近仙谷さんのキャラが面白くなってきたのは私だけではなく、このsengoku38さんも、ビデオリークでからかっただけなのかも。画像:6日午後、横浜市のパシフィコ横浜:横浜APEC開催を7日に控え、展示ブース開所式でラーメンを試食する仙谷由人官房長官(SANSPO.COM)。
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