2010-10-04

スーダン南部独立のための選挙に関して産経ニュースが報じていることについて

 アフリカ・スーダンの南部の独立の是非を問う住民投票が来年1月に予定されていますが、産経ニュースの報じるところによると、それが難しくなっているそうです。大きな理由として以下のようにまとめています(2010.10.3 23:52参照)。

➠揺れるスーダン南部独立 住民投票めぐり南北再び緊迫も

 投票まで3カ月あまりに迫った現在も、南北の境界線が決まっていないほか、有権者登録などの事務作業も進んでいない。投票事務をめぐる政府とSPLM(南部の主要勢力スーダン人民解放運動)の主導権争いも取りざたされる。

 この記事の書き方はやや複雑で、選挙を難しくしている要素が整理されていない上、原因となっている問題を机の上に散らかしているような感じがしてどうもよく理解出来ないのです。かく言う私が分かっていないせいもあると思いますが、現時点で他社がこの問題を取り上げてもいないので比較もできず、とりあえず、疑問点を挙げておくことにします。まず、境界線が決まっていないから選挙が難しいという点について。

Darfur_mapja

 政府側である北部から南部が独立し分離する目的の選挙であるなら、境界線の問題は、独立することが選挙で決まってから解決すれば良いことではないかと思うのです。これが困難だとする理由のもう一つに、「中部の油田地帯アビエの住民に、南北どちらに帰属するかを問う内容」と、記事にはありますが、南北の問題にそもそも中部の問題は存在しません。それがある、とわざわざ記事で触れている理由がはっきりしません。政府の弾圧から独立を希望する南部の要望を全体で選挙で民主的に決めようとする問題に何故「中部の油田地帯」とわざわざ言及するのか、もしも、その中に選挙を難しくする要素が含まれてるのであれば、そこは説明すべきと思う点です。内容を整理して欲しいと言いたいわけではないのですが、言っています。
 また、記事中に、中国の介入について次のように触れています。

一方、これまで政府側を支援してきた中国は、石油資源が豊富な南部の独立も視野に、北部だけでなく南部との関係強化に向けた布石も着々と打っている。

 この中国の関わりは何を意図して記事に書かれているのか、それも皆目わかりません。中国の関わり方は、その事実は抑えておくべきこととしての関心はありますが、南北の選挙に関して中国関わりで何か示唆することでもあるというのでしょうか。武器を輸出しているという点で、中国はこれまで北部の政府側に大きな関わりを持っているのは知っていますが、何か問題でも?
 このような書き方が多く、曖昧で、全て尻切れトンボな文章なんですよ。結果、何が言いたいのか焦点が絞りにくく解読できません。結局、無内容なんです。
 スーダンの選挙を応援し国を挙げて支援する、と公約したオバマ氏の演説(極東ブログ:スーダン情勢についてのオバマ米大統領演説☞参照)も知っていることかと思いますが、やっとスーダンの問題に世界が注目し始め、政府自らが行うジェノサイドがあってはない事として見る空気が醸成されつつあるのです。日本で報じるメディアが少ない中、こうして記事に取り上げることにも一応の敬意は感じていますが、あまりにもお粗末な内容で、報じる意味を感じません。日本のジャーナリストの資質が問われます。
 と、結局産経ニュースの記事を腐して終わりそうですが、そうではなく、スーダンの問題はスーダンだけの問題ではないのです。体が傷を負うと、ありとあらゆる体中の仕組みがその傷を治そうと動くのです。その当たり前を、「知」ある人間が地球規模で治そうという動きに過ぎない当たり前の事なです。もう少しましな記事でそのことを正確に知らせてください。

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