2010-10-05

極東ブログ「ゲーム理論で考えよう:J国とC国がある海域の漁業資源を争う事例」期待値の答えは

 漁業資源を争う二国の損得を、ゲーム理論に当てはめて考えてみようとは今まで思わなかったなぁ。読んでいて「ゲーム理論」に興味が湧きました(参照)。実に面白い。J国とC国を日本と中国に読み変えると、リアルに今までの両国の経過が思い浮かんで概念と実際のことが入り交じってしまった。ゲーム理論で考える時には、実際のことはまず棚上げして、あくまでも客観的に取り組まないとすっきり考えられない事がはっきりしました。日常では確率で行動しているわけではありませんが、CとJの漁業資源問題のように一定条件を定義して二者の争議を確率でみるとしたら他にどんな例があるかな、と考えてみました。
 が、その前に人はどうして確率を意識するか?物事は常に偶然なのか?という疑問があります。何故そのような疑問を持つのか考えてみると、自分がこうであったらいいなぁと将来に期待を持ち、出来れば失敗のない人生をゆったりと歩みたい。私の場合は、そう願っていると言う理由が大きいです。その願いをC国やJ国の例に置き換えると、漁業資源の獲得によって将来の食卓事情を安定させ、安心を得たいからだとすると、争っている場合かよ!と、こうなります。それを感情で争うのではなく、知的にゲーム理論で考察することができるという。しかも、「ゲーム理論を使わずに、人間の協力的な社会行動を理解することは難しい。(トム・ジーグフリード)」とまで言い切っている研究者がいるらしい。ここでちょっと昔の数学を思いだしたのです。
 数学で「確率」を勉強した時に、「期待値」というのがあったことを思い出しました。可能な限りのチャンスを書き出してそれに出来うる動作を掛けて出た答えを全て足し、動作の回数で割るのです。この求めた答えが期待値です。分りやすい例で言うとサイコロを転がして出る目の期待値や、宝くじでいくら手にすることができるかの期待値などです。ゲーム理論では、この期待値にリスクを組み入れて条件設定し、もう少し複雑化した問題に関する確率を求める方法のようです。今回のエントリーで、眼から鱗だったのはこの点なのです。
 数学というのは勉強しても殆ど実生活には役立たないと思っていました。いや、もちろん中学までに学んだ基礎学習のうち、半分くらいで生活に困らない程度に数学が役に立っているとは思っています。が、高校以後の数学はあまり実際では必要ない気がしています。何かの「例え」で確率を学習して、それが実生活に役立つのであれば話は別です。そして、それが今回の極東ブログでのエントリーの展開です。
 C国とJ国のことは、非常に分かりやすい例でした。自分の問題として引きつけることで、ゲーム理論が身近になりやすいと思います。と、書きながら、今回のエントリーは二国間の漁業資源の争いを解くためのエントリーではなかった気がしてきて、なんか違う路線にはまっている自分なのかなと我に返ったのです。

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 書評っぽく書いていてタイトルには[書評]と書かれていないのはどうして?と聞きたくなるのですが、実はこの「もっとも美しい数学 ゲーム理論 (トム・ジーグフリード:文春文庫)」の解説は、極東ブログの管理者であるfnalvent氏が本書に書いているのです。私は書店で見て知ったのですが、Twitterで一頃話題になっていました。その時点では、今更数学なんてというヤル気のなさで買いませんでしたが、極東ブログにこのような形で紹介されていて、やっとその気になったのが正直なところです。

 同書、「もっとも美しい数学 ゲーム理論」の単行本は2008年に出ていたが、今月9日に文庫本が出た。ありがちな文庫化というと、そうではない。わけあって、単行本の原稿と文庫本の原稿を前ページに渡って比較してみたが、ほぼ前ページに渡って翻訳が改善されており、読みやすくなっている(単行本に誤訳があるというわけではない)。しかも、見出しも増えて段落の意味がとりやすい。
 あと、文庫本には素っ気ないけどちょっと意外な解説が付いている。

 と、言う「意素っ気ないけどちょっと意外な解説」に準じて、まずはアチラのAmazonアカウントから買わせて頂きました。当初はちょっと早とちりしたのですが何のことはない、数学を勉強するのが本題ではないのです。「ゲーム理論を使って数学的に目前の問題を理解することから始めよう。」という呼びかけに聞こえてきました。その切り口になるのなら、知らないよりは知っている方が人生はお得と思いました。

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