2010-10-22

極東ブログ「多文化主義は完全に失敗したとメルケル独首相」-制度化への過渡期だろうか

 「多文化主義は失敗した」とメルケル独首相が発言したという見出し(参照)で直ぐに脳裏を掠めたのは、スウェーデンの総選挙の内情でした(極東ブログ「スウェーデン総選挙に見る社会民主主義政党の凋落」参照)。念のため読み返して確認してみたのですが、率直に端的に言ってしまうと、イスラムの移民に反対する政権に政権が移るという傾向にあると解釈してよいと思います。
 スウェーデンの場合は、移民に寛容であった与党が僅か三議席を奪われ、政権が交代するという事態が起こりました。主な反対理由は「治安の悪化や、移民に対する福祉コストを疑問視する空気の広がり」とあり、ドイツの場合と何が違うかを比べてみました。
 ドイツでは、ウルフ大統領が3日、東西ドイツ統一20周年記念式典で「わが国はもはや多文化国家だ。イスラムもドイツの一部だ」と演説したところ、CDU右派の姉妹政党党首から「ドイツは移民国家になるべきではない」と異文化国家からの移民受け入れ禁止を求めてきたというのです。おもそも、メルケル首相は「今や誰もが、移民は我が国の構成員であると理解している。(しかし)彼らは同じ言語を話し、ドイツで教育を受けるべきだ」と話している通り、ドイツ文化を守るという立場をとっているのです(立前かもしれませんが) 。
 これだけならまだしも、このウルフ大統領は、メルケル首相が後押しをした人物だから分が悪いときている。また、これに追い討ちをかけるかの如く、州レベルの選挙が近づいてきているというのです。つまり、首相が政治基盤を固めるために、反対派である右傾化に舵を取らざるを得なかったというのです。

 弱体化した政権が右傾化する傾向にあることは他山の石といった赴きもないではないが、他山の石というなら、同じく多文化問題を抱える英国などでも同じで、英国高級紙テレグラフも18日付け「Multicultural mistakes」(参照)もこう述べていたのが印象的だった。

 この話がイギリスなら、日本の現民主党は政権をとっているにもかかかわらず、右傾化が何故起こったのか?それは、実際政権をとってみて始めてその難しさが分った殻でしょう。戦後の自民党の劣化版と化してきているのが実態です。国民からは、詐欺師呼ばわれされています。政権交代時にマニフェストにあった政策は、国民が知らない間に消してしまう始末です。頭が熱くならないうちにやめておきますが、これと似たようなことが、「移民」問題を介してヨーロッパでも起こるのではないかと思います。

移民側の努力の問題といった倫理的な問題のみ還元することはおそらくできない点だ。しかしだからといって、受け入れ国社会への同化の方向性を制度化するというのも別の問題を引き起こすだろう。

 少し整理すると、移民希望者が受け入れ側の条件を満たす前提で受け入れられているのなら、これは単に、契約違反のようなものです。政権争いする問題でもないと思います。思いっきり保守的な意見を述べるとしたら、現政府が移民にはっきりと違反の通告をして、国外退去を求めれば事務的にはそれで済むのじゃないか?と思います。それが出来ないというのであれば、それこそ選挙で国民の審判を仰ぐことでしょうか。ただし、仮に選挙で反移民側に政権が移っても、国外退去が簡単なことではないのは、直ぐにわかる筈です。先に述べた日本の民主党のような成れの果てになるのです。
 現在野党であるから反対できるのであって、政権交代しても、国民や議会からの反対にあえば、そうやすやすと、言ったようにはならないものです。これで失敗しているのはオバマ大統領であり菅総理です。民主的であるということは、常に誰もが折れるという平等的な姿勢が必要とされるのでしょうか。変な理屈ですが。

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