2010-10-12

円高はさらに進む―何が問題なのか

 今日は、経済のことも時事問題もお休みにしようかと思いつつも、真夜中に12日付けのネットニュースに目を通していました。その流れでちょっと気になったという程度でしかない上、これを愚痴にしたくないなぁと思いながら書いています。結局。
 というのは、このところの円高の状況です。
 今月5日、日銀が決行した為替介入は、関心のある人にとってはちょっとしたニュースだったと思います。その意味や解釈はいろいろだと思いますが、私は、あまり期待できない内容だと思っていました。白川総裁の発表する様の一部始終を日本経済新聞が制作したビデオで視聴しましたが、あれは白川総裁のパフォーマンスだったのか、胸をはって「包括的暖和」の政策を発表していました。日銀としては思い切った一歩という印象付け的な効果を期待したのでしょうか。でも、数字は黙っていません。あんな程度で円が下がるわけはないと、誰しも思った目標を提示されて驚いたのはこっちでした(参照)。結果的に、もっと上がっちゃったのですから。
 かくして、成る可くして成ったさらなる円高で、昨日は81円でした。因みに、日銀が発表した直後の6日は一時的に84円だったと記憶しています。一方、野田財務相は日銀をフォローするかのごとくG7ではこう話しています(参照)。白川総裁も同行し、コメントを出したようなので書き添えておきます。

 野田佳彦財務相は9日、米ワシントンで現地時間8日午後開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、日本政府・日銀が先月実施した単独の為替介入について経緯や背景を説明し、各国から理解を得たとの認識を示した。

 野田財務相は日本の為替介入について「今後の話はまだ言っていない」としながらも「この間の経緯は説明した」とし、「基本姿勢が同じであることは理解していただけたと思う」と述べた。財務相は介入についてこの先も「必要な時には介入も含め断固たる措置を取っていく」との姿勢を国会などで表明している。

 一方、野田財務相とともにG7に出席した日本銀行の白川方明総裁は記者団に対し、「世界経済全体については大きな方向として回復の軌道に向かっている」とした上で、「そのスピードについては国によって若干のばらつきがあるが、大きなシナリオが変わってきたということではない」と述べた。

 このお二人のコメントを素人目で見るに、もっともらしく聞こえてならないのですが、私は、まともじゃないと思っています。対外的にはこれで本当に通用することなのか?という疑問が私にはあります。介入前よりも円高が進んでいるのは、白川総裁の説明の路線で言うと矛盾します。スピードについては「国によって若干のばらつきがある」では、説明になっていません。スピードとは何を指すのでしょうか。急激に進んでいるのは、円高です。どう考えても為替介入の効果が今後あらわれてくるとは思えません。
 また、為替介入というのは他国が口をはさめることではない、手前味噌的な性格の政策ではないですか?G7でその件について理解を求めるというのはお門違いな気がしてならないのです。この辺が、どうもおかしな説明であり、これで日本は世界に通用するのか、という疑問も持ちました。
 ここで、高橋洋一さんなどはどのような意見をお持ちかと「ニュースの深層」を見ると、丁度、昨日のコラムでそのことに触れています(参照)。ここで私がほっとしている場合ではありませんが、まともな意見だと思います。「まとも」というのは、言葉の裏に何かを隠しているという印象を受けない、直球的な意見という意味です。厳しいけれど、私は、こういう話し方の姿勢が好きです。

➠金融政策は「大砲」、為替介入は「ピストル」

しかも、財務省も間抜けだった。財務省の櫻井副大臣は、7日の記者会見で、「日銀の政策決定会合で我々が想定している以上の政策を打ち出していただきました。この点については、日銀の皆さんのご努力に対して心から感謝を申し上げたいと思っております」と述べた。これでは、G7の前にもう為替介入がないと宣言したのに等しい。

 櫻井副大臣は、単にお人柄とお育ちが良いだけではないかと、なんとなく鳩ぽっぽを思い出しますが、海千山千の経済界では全く評価されない「余計なこと」を言ってしまったようですが、高橋さんはさらに手厳しくこう話しています。

金融政策が不十分な中で、財務省副大臣の不用意な発言もあり、野田佳彦財務相がいくら介入すると言っても無力だった。

しかも、通貨安戦争が悪いと思い込んで、日銀のように金融緩和を怠り円高になっても、外国は助けてくれない。金融緩和競争が当たり前で、悪いことでない以上、それに日本が参加しないのは、外国の利益だからだ。

たとえていうと、金融政策は大砲だが、為替介入はピストルだ。先進国のルールでは、大砲を撃つのはいいが、ピストルはダメだ。しかし、日本は、このルールを知らずに、大砲を撃たずにピストルで対応しようとする。

国際通貨の交渉の場も為替市場でも、今の日本はおいしいカモだろう。

 めちゃくちゃな批判とも解釈できますが、高橋さんは、同胞を思いやる声なのだと感じます。他人事ではないからここまで言えるのだと思います。この気持ちが白川総裁に届けば動くのではないかと期待します。私たちは、デフレに喘いで苦しい生活を余儀なくされているのです。早くなんとかしてください。

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