黒むつのすがた煮:魚好きのためのすがた煮
魚の煮つけは何度も、また、何種類もの魚で作ってきました。その都度レシピを紹介してきて来たわけでもないですが、行きつけの魚屋では切り身が多く、つまり多きく成長した魚の一部分を食べることも少なくはないので、すがた煮は特に触れておきた料理です。
クロムツだからだと思うのですが、大きく成長すると非常に脂も乗ってきて、名前のとおりむっちりしています。味が均一な切り身も良いのですが、脂ののりよりも食感や味の違いを楽しもうというのなら、今日のような小型ですがた煮がお勧めです。一人一尾が基本です。頭の方と、腹側、背側、尻尾によって身の味が全く違います。どんなに小さくても、魚好きにはたまらないのがすがた煮です。
今日の大きさは25cmで、煮付けにするサイズとしては最大級です。煮崩れを起こさないように、最初から最後まで魚に触れずに仕上げます。また、その原因となる破裂は、熱で皮が縮む時にはじけて起こります。壷抜きの要領で腸を取り出しますので、表面には切り傷がどこにもありませんから隠し包丁を背側に入れます。これが、皮が縮んだときの逃げ場となります。
煮汁は、いつものように最初に平鍋で煮立たせてから魚を盛り付ける側を上に、経木や竹の皮、またはクッキングシートなどに乗せてから平鍋に置きます。落し蓋をして最初は強火で、表面の皮にいち早く火を入れて煮崩れしないようにします。今日は、「煮崩れしない」を強調していますが、すがた煮が煮崩れすると、せっかくの濃い煮汁が全体に回ってしまい、塩辛くなるのです。そのことを意識して、魚に傷をつけないで内臓を抜く、「壷抜き」をします。この方法も毎回書いていますが、馴れるとどんな魚もすがた煮や丸揚げがきれいに仕上がるようになります。
調味料は、水を一切使わずに、醤油、酒、味醂を同量と、好みで砂糖を足すくらいです。臭み取りのしょうがのスライスと分量の調味料を煮立たせ、落し蓋をして煮汁が鍋底に少し薄ら残るくらいまで煮詰め、途中、時々煮汁を掛け回します。
☆➠お弁当に
材料
- クロムツ・・3尾(25cm)
- 生姜・・1片
- 醤油・・1/2カップ
- 酒・・1/2カップ
- 味醂・・1/2カップ
作り方
- 鱗を下ろして菜箸を口から指し込み、エラを箸の内側に寄せてそのまま腹の突き当りまで差し込む。
- もう一本の菜箸も同じように差し込んで二本を手で掴むように持ち替えてしっかり内臓を挟んだら捻りながら引き抜く。
- 内臓を取り出したら流水で内部を洗い流して水気を拭き取る。
- 平鍋に生姜のスライスと分量の賞味量を一緒にして中火にかけ、沸騰したら経木の上に乗せたクロムツを鍋の中央に置く。
- 落し蓋をして煮汁がそこに薄ら残るまで煮付ける。
- 途中、数回煮汁を掬って回し掛ける♬
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント