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2010年10月

2010-10-31

極東ブログ「生物多様性条約第10回会議が成功裏に終了、それとフーディアはどうなったか」やっと身近な問題になりました

 COP10のことはニュースで時々聞いて、その注目点のみを聞きかじるという程度で関心が薄かったです。極東ブログでは扱うのだろうと思っていたのも確かで、後で詳しく知ることができると高を括っていました。要するに、メディアが報じている内容だけでは私程度だと、関心を寄せるような関係や結びつきが見出せないのです。極東ブログの扱いで、始めて身近な問題なのだと分りました(参照)。しかも、自分自身で命の危険から守ることにもつながる問題だと思えて、大変参考になりました。
 COP10の話題は、なんと言っても遺伝資源の利用に関する合意や、その利益の分配方法などに話の焦点が寄っていたと思います。実は、今頃こんなことを取り決めるのか、と、ちょっと遅い出だしだと感じていました。これだけ医薬品が開発されている昨今で、では今まではどういう解決方法だったのかと疑問にもなりました。ここでその必要性が出てきたということなのでしょうけど、議長国である日本の力量も問われそうです。
 読み進めると、デタッ、また中国。と言ってはなんですが、儲け話に中国が絡むのは当然ですが、あちらも資源国としては大国です。後で揉めないような配慮も必要です。
 極東ブログでは露骨には書いていませんが、領土の問題やレアアースの問題では、いくら中国の内政混乱が背景にあるとはいえ、関係国にあれだけ理不尽な言い分を正気で通そうとし、一歩も譲らないあの姿勢では外交や議定書の取り決めもあったものではない国です。関係国にとっては、厄介な関わりは持ちたいくないのが正直なところでしょう。その中国が何の問題で今後絡むというのか?これが興味深いです。

 現在日本ではレアアースが中国の文脈でいかにも寝耳に水といった風情で話題になっているが、今回のCOP10のABS規制も類似の形態で今後中国が関わってくる。漢方薬の原料など想起すれば日本人なら誰もそうだろうなと思い当たるだろうが、日本の遺伝子資源利用のかなりが中国によっているからだ。しかも日本の特許に相当する中国の専利法は昨年10月から第三次改定され、これに遺伝資源の出所開示が含まれている。問題はそれが実際上どの程度のものなのかということだが、中国としては自国の利益に使えるものならなんでも使う主義なので今回のCOP10のABSはその水準を暗黙に示すのではないか。

 これだけでは分りづらいのですが、前段を読んでも詳しくは書いていないのです。このあたりは専門的になりそうだと思ったのですが、参照先の経団連の知的財産委員会がまとめている「生物多様性条約における「遺伝資源へのアクセスと利益配分」に対する基本的な考え方」は驚きでした。漢字が多くて、ゲッ、なのですが、内容は分りやすく、率直で面白いです。指摘されている部分は、正に対中を意識して読みました。合意すべきでない事項の(4)には、

営業秘密の流出に繋がり、企業の事業戦略に支障を来たすことから、特許出願明細書への遺伝資源の出所開示は義務化すべきでないと考える。

 ここまであからさまに書くものなのだということを始めて知って、へぇー、の世界です。ただ、このように日本が団結しても、中国という国はあらゆることをしてくるのです。例えば、昔からトラブルの元の日本のブランド商品も、中国で商標を登録してしまえば中国のブランドだ言ってくる国なのです。このようなことは日常茶飯事で、如何様にもしてしまう手強い相手ですが、漢方などは中国に頼るしかない日本だという指摘には納得しました。だから、日本は議長国として、難しい問題を背負っているわけです。
 もう一つの話題であるフーディア・ゴードニーという植物の話に移ります。ニカウさんならもちろん覚えていますが、この植物のことは始めてここで知りました。ニカウさんとの関連で記憶しておくことにします。
 これは何か?肥満解消の薬剤利用で注目を集めたと言うのです。食欲を抑制するP57という物質がこの植物から抽出でき、この作用を薬品として製品化しようという試みがあったそうです。また、開発着手の段階では特許が取得されたと言うのですから、きっとお金儲けの夢に馳せたのでしょうし、実際、製品化されればアフリカにとっても良いビジネスになったことでしょう。ところが、副作用などの点を懸念され、製品化は断念されたと言うのです。なのに、何故、現在日本でも売っているのでしょうか?よくもまー調べてくれました。本文の「フーディア・ゴードニー」にポインターを当ててGoogleで検索するとだらっと並ぶじゃないですか。
 ここが素人で分らない点ですが、副作用などの危険性からこの開発は中止されたはずなのに、何故、製品化させているのでしょうか?効果があるかどうかよりも、副作用などの点が大いに心配です。COP10というのは、このような問題を合法的に解決するための議定書を作成する会議なのですから、P57も、うやむやになる前に善処されるとよいです。

 現在販売されている各種フーディア・ゴードニーの健康食品については、サン人側との権利がどのようになっているかは、ざっと見わたしたところではやはりよくわからなかった。粗悪品が多いとすればそれ以前の問題なのではないかと推測される。

 と、意味深な言葉を残しています。間で、横流しなどを手がけて不正に儲けている誰かがいるに違いないのです。
 そういえば、中国から輸入された漢方薬で、肝臓病に効くという通販物で肝臓を悪化させた話がありました。完治できない疾病で苦しむ人が飛びつきそうな漢方薬などは、現在は個人輸入も出来る時代なので、それなりの知識がないと疑ってかかることもできない怖い問題です。
 こうしてみると、COP10は私達の生活にかなり関係してくるのですね。終わってから今頃ですが、やっとそのつながりを感じられました。

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スパイスだけで作るチキンカレー(短時間、さっぱり系)

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 スパイスを使い出したらきりのないのがカレーで、大昔は凝りに凝ってインド人のコックさんから伝授してもらったこともあります。が、以前も書いたように、最近はあっさりと作るようになりました。チキンカレーは特に、時間経過と共に旨味が出てくるので、香り付けよりも素材の味わい方を好むようになったと思います。参考までに、こってり作るときのレシピはこちらです☞
 今日のカレーは、骨付きもも肉を小さめにぶつ切りしたものを使ったので、火の通りも早く、時間的にも速く出来ます。本来なら、玉葱も形がなくなって飴色になるまで炒めると良いというのがありますが、ある程度まで炒めて形が残っているまま、次の煮込みに入ります。また、トマトは好みで加えても良いのですが、加える場合はじっくり煮込む方が良いので、その分、煮込む時間を多めに取ります。今回は加えていないので20分煮込んで仕上げました。

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 ターメリックライスは、いつものようにクルクミンカプセルの粉末を耳かきの先ほど振って色付けします(☞レシピ)。
作り始めてから30分は切ったり炒めたりと手をかけますが、その後30分は、煮込むだけなので短時間でできるスパイスカレーだと思います。

➠お弁当に

材料(4杯分)

  • 鶏ももぶつ切り・・500g
  • 玉ねぎ・・2個(300gスライス)
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • 生姜・・大さじ1(粗微塵切り)
  • にんにく・・2片(粗微塵切り)
  • クミンシード・・小さじ1/2
  • ローレル・・2枚
  • コリアンダー・・小さじ1/2
  • ナツメグ・・少々
  • シナモン・・少々
  • 水・・700g
  • 鷹の爪・・丸ごと1個
  • オリーブオイル・・小さじ1
  • 付け合せ・・南瓜・にんじんグラッセ

作り方

  1. 鶏肉に分量の塩の半分と胡椒を振ってよく揉みこむ。
  2. にんにくを潰してフライパンに乗せ、オリーブオイルを引いて弱火にかけ、香りを移す。
  3. クミンシードを加え、1の鶏肉の皮目を下に、弱火で焼き色がつくまで両面をゆっくり焼く。
  4. その間に、玉葱は5mm幅にスライスし、生姜をみじん切りにする。
  5. 肉が焼けたら一旦取り出し、入れ替わりに玉葱と生姜を炒める。
  6. 玉葱がしんなりしてきたら残りのスパイス、5の肉、水を入れて煮込む。途中余分な油とアクを掬う。
  7. スープが3割くらい減った時点で残りの塩で味を調える。
  8. 付け合せの野菜を蒸す。
  9. 大皿に全て盛り付けて出来上がり♬ 

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2010-10-30

finalventの日記「毎日新聞社説 社説:小6自殺 少女の死が問うもの」について

 下記は、finalventさんの日記で昨日取り上げられた、毎日新聞社説へのコメントを含めたエントリーでした。これが、突然削除されたのです。それが何故ここにあるか?該当ページを見たあと、そのページをタブに放置したままだったのでここにコピペした次第です。削除された理由は、「人がネガティブに思うような話をさして書きたいわけでもないので。」(参照)という理由だそうです。
 私は、彼のこの記事に付されたコメントをネガティブに受け止めるどころか、体験された話として貴重だと思うし、今、いじめの渦中の両者や教師に是非読んでもらえたらと思うので、こちらに転載させていただきます。

➠毎日新聞社説 社説:小6自殺 少女の死が問うもの

 オレはさ、小学校五年生のときのグループ自由研究で、自分で選んだ課題が「労働基本法」だったんだんだよね。そして、グループといってもオレひとりさ。別にかまわないと思った。小学校四年まではまあいじめられっこの部類だったけど、なぜかそのころ知能に変化があって成績が急に上がった(自分でも頭がよくなっていくのが不思議だった)。まあ、それでクラスのトップとかになれば普通にいじめられはなくなるのだけど、孤立した。それと以前も書いたけど、ひ弱な割に狂気みたいのもあってその一線を越えてきたら殺すからねと思っていた。今思うとどっかに武家の気概みたいなものがあったのかもしれない。よくわからん。ほいで、自由研究なんだが、グループでやりなさいということで、何が起こったか。他のいじめられっ子たちがオレに押しつけられた。 簡単にいうと、デブ2人とチビ1人とマヌケ(というかね)2人だったか。オレがリーダーで模造紙に労働基法成立までのまとめを書いて、プレゼン用にいじめられっこの台詞まで書いた。小学校五年生の時だった。そのあとも先生は味をしめて、このグループを押しつけてきた。ほいで、オレはさもリーダーだったか? 違うね、さらにそのなかで孤立していたよ。そんなもんさ。小学校は最低だった。多数の女の子の家にはピアノがあった時代。クソプチブルな子供はくそプチブルでしかない。でも中学校に入ったら別の学区には貧困でもハッピーなやつがたんといて、オレはさっさとそっちの仲間に入って、プロレスごっこをした。科学とかも楽しかった。社会というのはそんなふうに出来ているのかと思った。

 子供は社会の鏡というが、子供のいじめや自殺は社会の病理を映す。そう心に強く銘じて取り組みたい。(社説引用)

そのとおり。でも、それを傍観者で見ている者にも、正義面してバッシング対象をネットで探しているやつらなんかにも、わからないだろうと思うよ。

***     

 首を突っ込んだついでにちょっと。
 この記事が削除されるに至ったこともネットではありがちですが、嫌な気分になる元であり、このようなことがなくなるのを望むという意味で触れておきます。ついでに言うと、ネットでもこのような人同士が束になると、徒党を組んだいじめ集団になります。そして、このような誹謗中傷に傷ついて自殺した若い女性達もいます。以下は、私が黙ってはいられない、Mahalという人物がTweetしたことです。

"いじめ案件を肴にガキ時代の自分語りってのも、下は2ちゃん増田から上はアルファブロガーに至る定番で、それ自体がいじめ解決に両生動物のクソほども役に立つものではないが、読み耽りたく引力はあるよな、と。 http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20101029/1288312313 By Mahal

 これをTwitterで察知したfinalventさんが、「人がネガティブに思うような話をさして書きたいわけでもないので。」と言ってエントリーを削除したのです。
 この後この人物は、「別に役に立つエントリ書けとか役に立たないもの書くななんて意図はこれっぽっちも無いのだけど。」(参照)と弁解していますが、これほどのことを書いておきながら「意図はなかった」とはね。呆れたおこちゃま。ですが、やっていることは卑劣で陰湿です。こういうのがネット環境ではうじゃうじゃいるのです。これは、まだ程度が良い方かもしれません。「Mahal」という文字に怒っても仕方がないことですし、finalventさんがこれ以上を望むものでもないと思うのでこのへんで止めておきます。
 蛇足ですが、以下は、私の娘が保育園で体験したいじめの問題です。いい機会なので書いておこうと思います。

***    

 娘が保育園の頃の出来事です。遠足という特別の日でした。いつもの時間に迎えに行き、遠足での様子を聞きながら家に向かっていると、お弁当はあまり食べられなかったと言うのです。帰宅してそのお弁当を見ると、ほとんど残しているのです。これはおかしいと思い理由を聞くと、一緒に食べていた友達にお弁当に入っていたプルーンが欲しいと言われて断ったら、一緒に食べていた数名の子達が全員、いつの間にかいなくなってしまったと言うのです。そこでお弁当が食べられなくなって残したという話でした。当時の年齢では、それをいじめらとは受け取っていないこともあり、娘は状況をつかめていないこともあり、わけが分らないのです。読めないのです。ただ、母親の直感として、楽しみなお弁当が食べられなくなるような出来事があったというのは、軽いことではないということでした。
 その直後に保育園の担任に娘から聞いた状況を話し、変わった様子はなかった尋ねると、娘はいつも明るく元気が良いので・・・、と的が外れている。普段元気の良い子がこうしてお弁当も食べられなくなっている、とこちらは話しているのですが。聞いていることがなかなか伝わらない。話は平行線。ところが翌日、娘と仲のよい子の母親が、遠足から帰宅して元気がないというのです。話を聞くと、うちの娘が可愛そうだったと言って泣いているというのです。
 話は、娘にプルーンが欲しいと言ってきた子が断られたため、その時一緒に食べていた数名を誘って娘だけを残して立ち去ったという話でした。で、普段仲の良いその子は後悔し、元気がなかったという話でした。そこで、担任に通報したそうです。
 翌日、関係した子どもの親が呼ばれて担任と話し合ったそうです。ことは保育園での幼い子ども達の間に起こった些細なことなのですが、今世間でいう「いじめ」とは、このようなことと同じです。もっと年齢が上の子供達ともなると、まず、親が気づかないので厄介です。子どもも学校でいじめられているなどと言えないものです。言っていじめられなくなるとは、子どもは思わないものです。結局、いじめに会う子は弱虫というレッテルを貼られてしまい、孤立に追い込んでしまうのです。
 一言言うと、学校で起きている問題は、学校の教師の問題として取り組むべきことです。ただ、問題解決に当たって、当然、当事者である親の問題にもすべきなのですが、これが出来ない教師が多いのです。担任の指導力不足に尽きます。そういうクラスは、ある意味で学級崩壊しているものです。「いじめは許さない」とはっきり言えないどころか、手に負えない子どもを放置することもあります。どう指導したらよいか分らない人生経験の乏しい教師も多く、親の相談にどう対応したらよいか分らない教師も多いです。これからはこのようなことが増える世の中になることは間違いない、そう思っています。
 娘のプルーン事件では、相手の親は謝罪に来たのですが、当の本人は全く謝る気がなく、変だと思ったらやはり問題が山積みの家庭でした。また、母親は地元の名士の娘さんで、世間体ばかり気にする家庭でした。担任が打ち明けてくれた話によると、保育園でその子が何かをやらかして親に話をすると、翌日は、もっと酷く荒れるというのです。娘のプルーンの件でも、話し合いの翌日、その子供さんが手におえなくなるほど乱暴になったとか。母親は、本人によく言って聞かせました、という人です。
 思うに、いじめをする子どもにはストレスがあり、その元が家庭にあるということが当の親が分っていないという、なんとも気の毒な話しです。実態を知ると、子どもを受け止めるどころか、叱責してさらに追い込む始末です。で、その親も、子どもを受け止めるどころか、自分が問題を抱えているため、子どもどころじゃないという状況なのだと思います。これは、今に始まったことではないけど、昔ほど我慢強い人も少ない。昔はこれに貧乏というのが重なって、子どもの力じゃどうにもならないことまでがいじめの対象になったのです。
 ゲゲゲの女房の長女がいじめにあっていましたが、自分の見方になってくれた最初の人はお祖母ちゃんでした。この存在に勇気付けてもらい、一人じゃないという安心から少しずつ気持ちが解れて行く様子が分りましたが、あれも親は後回しでした。親には心配掛けたくないという気持ちが働いたり、私のように親に反感を持っていたりすると、親に助けてもらいたいとも思わないのです。だから我慢強く、自分で何とか守るのです。
 いじめの対象になった人の話や、いじめを経験した人の話というのは無駄じゃないのです。いろいろなケースがあるということを知って、時には手引きになるものです。
 また、いじめられる側は守られるべきですが、する側の問題は深刻なことが多く、そのことに早く気づかれると良いと、そう願っています。

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手製のぬか漬け鰊(ニシン)の三平汁

Pa280002  富山の名物で、鰯(いわし)を小糠と塩で漬ける保存方法があると以前教えてもらった時、鰊(にしん)で作ってみたいと考えていたことがやっと実を結びました。富山ではこれを「こんか鰯」と呼ぶそうです。「こんか」の言われは、「小糠(こぬか)」が変形したそうです。諏訪でも、例えば「あそこ」というのが「あっこ」というように、話し言葉になると縮まるのと同じだと思います。
 このこんか鰯と大変似ているのが、昔、石川県の小松の友人から頂いた鯖の糠漬け(へしこ)です。この味が忘れられなかったのです。後で調べて分ったのですが、青い魚をこうやって糠に漬ける方法は、北陸から東北地方の昔の人の知恵だったそうです。温度や魚の脂の乗り、発酵の度合いで微妙に味が違ってできると聞いて、挑戦意欲が湧いたのです。こういうものは毎年作ってみないと比較が出来ないので、まずは作ってみたのです。
 ところが、レシピというものはないし、ネットで調べるとあるにはあるのですが、こういうのは作る条件が一定ではないのであまり参考になりません。結局、漬物用の三五八漬け(☞レシピ)や鉈(なた)漬け(☞レシピ)を自作しているので、その経験から塩加減してみました。

Pa280001

 ところで、魚を糠に放り込んでも充分発酵しません。どのように進むかというと、糠を好む菌がついて糠の発酵を促す水分が適当にあり、発酵しやすい温度にして環境を一定にします。すると、半日くらいで発酵が始まります。
 ネットでは、麹を混ぜる方法を見ましたが、そこまですると大変なので、鉈漬けの応用に使った市販の甘酒の素と塩を糠を混ぜて糠床にして漬け込みました。ニシンの旬である春先でしたので、気温はまだ低く、発酵はゆっくり進んだと思います。二週間ほどそのまま置いてから冷凍保存しておいたのが今日の糠漬けニシンです。

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 かなり塩辛い筈ですが、思ったほど生臭さもなく、身が締まっています。これを水洗いして鱗を下ろし、ぶつ切りにします。あらかじめ昆布で煮て火が通った野菜の煮物に加えます。15分では塩が抜けきれず、20分で調味料を加えました。調味料の分量は、味を見て加えるしかないので、あくまでも目安です。
 三平汁にした理由は、塩抜きなどしないでそのままぶつ切りにして、鰊の塩分で味付けしたいと思ったからです。なかなか良いお出汁がでて美味しかったです。これは、やはり大人の味です。

ニシンの小糠漬け材料

  • ニシン・・3尾
  • 糠・・1カップ
  • 甘酒・・1カップ
  • 塩・・1/2カップ
  • 鷹の爪(種無し)・・1個

こんかニシンの三平汁の材料

  • こんかニシン・・2尾
  • 大根・・200g(7~8cm)
  • にんじん・・250g(1本)
  • じゃが芋・・300g(2個)
  • こんにゃく・・1丁
  • 野地シメジ・・70g
  • 長葱・・適宜
  • 水・・1600cc
  • 昆布・・10cm
  • 酒・・1/2カップ
  • 醤油・・大さじ1
  • 味醂・・大さじ2

作り方糠床の作り方

  1. 材料を袋の中で揉みこむように混ぜ合わせ、水気を拭き取った鰊を埋め込むように入れ、26度くらいの薄暗い場所で4日発酵させる。
  2. 1を冷蔵庫に移して10日置き、冷凍する。

こんか鰊の三平汁

  1. 野菜を適当な大きさに切り、分量の水に昆布を浸け、昆布出汁をとる。
  2. 鰊を洗って鱗を下ろして頭を落とし、内蔵を取り出してからぶつ切りにする。
  3. 昆布をつけたまま1に切った長葱外の野菜を加えて火にかけ、じゃが芋が煮崩れないうちに鰊のぶつ切りを加える。
  4. 20分ことこと煮込んでから長葱を加え、酒、味醂を加えて味見をし、足りない分を醤油で整える♬

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2010-10-29

極東ブログ「「大きな社会」に向けた緒戦にキャメロン英首相は勝った」で思うこと

 日本の言葉に「糠喜び」という言葉があります。糠のことを知らない人も多い時代になってきたかと思われます。これは、玄米を搗精(とうせい)するときに出る粉のことです。この糠が細かく小さいという意味から派生して「はかない」「頼りない」という意味で用いられるようになり、小さくはかない喜びのことを「糠喜び」と表現するようになったそうです。
 何のことかって、このささやかな糠喜びさえもなくなって、呆れた政治に諦め感しかもてなくなった最近の私のことです。「民主党の政治が悪い」と言うと、「民主党の悪政というよりアノミーの帰結。」とまた、叱られそうですが、つい口をついて言ってしまいます。
 そして、昨日までイギリスの緊縮財政が目指す「大きな社会」は失敗に終わると見られ、また、糠喜びに終わるのだから期待など持つまいと、心に言い聞かせるような私でした。それがどうでしょう、昨夜は朗報です。極東ブログでも、今か今かと待っていたかのように(いえ、多分待っていない。彼の予想が当たるのに95%賭けていましたから)早速エントリーを掲げてくれました(参照)。このホットニュースには驚きました。そして、嬉しく思いました。

 英政府統計局(ONS)が26日に発表した7-9月期(第3四半期)の季節調整済み速報値は前期比0.8%増だった。これはブルームバーグがまとめたエコノミスト35人による予想中央値0.4%の二倍であった(参照)。過去半年で見ても、この10年で最高の成長率を示し、市場の予想も超えるものだった。おかげで円売り・ポンド買いが進み円は81円台に落ちた(参照)。ありがとうキャメロン、ときっと「仙谷首相」も思っているだろう。

 あはは、「仙谷首相」だって。ヒールの好きな極東ブログでは、仙谷さんは「首相」に格上げされとる!これはスルーして、と。まさかにポンドに買いに寄るとは誰も思いもしなかった。ポンドかい?本当よ。
 81円だそうです。日銀の包括的緩和政策にも出来なった円安がポンドで出来ちゃうなんて!ドルもびっくり。
 エントリー冒頭にもありますが、最近私自身も日本の経済を考えるというよりも政治を読もうとするようになって来ました。これは視点の話ですが、自分の人生は国が何とかしてくれるなどとは思いもしませんし、頼ろうとも思いません。国には政治を以って仕組みづくりを問うことはあっても、面倒を見てらおうなどとは依存しません。もっぱら「入会金」と「会費」を払いながら、その仕組みの中で自分が生きて行くしかないのだと既に思っています。今の日本の政治は、人の生きる力をみな削いでしまうのです。政府が何かと介入してきて、自由に生きることすら奪うような仕組みを作り始めていると感じています。イギリスのポンドのお陰で円安になった喜びよりも、「大きな社会」への道程は、これからの日本の規範となることに期待をおきます。
 クルーグマン氏の識者としての見解や、イギリス政府内でもいろいろな見方をされているので、素人の私如きが何をかいわんやですが、不可能と言われていることを可能にしたのです。その手法を全世界が見守る中での快挙だと私は思います。
 久しぶり嬉しいニュースでした。

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 今年7月、キャメロン氏が5月に首相に就任してから訪米する直前にウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿された声明があります(参照)。

 両国の経済が必要としているのは真の刺激策だ。英国は特に米国に対し、ビジネスの門戸を開放している。われわれとの緊密な関係で両国民にとって雇用と繁栄がもたらされている。

 力強い筆致でメッセージを贈られていますが、これは、就任後二ヶ月で、キャメロン氏の政策が始まったばかりでした。その取り組みの結果が今出ていることに感慨深いものがあります。
 「大きな社会」とは、人びとが自立している国という点で考えると、日本にその日が訪れるのは長い年月がかかるように思います。本当にこのような社会を目指せるのだろうかという疑問の方が多いのですが、悪い部分だけではなく、良く出来た部分も見るように努力するというものですか。それでもこんなニュースを見るとがっかりです。
 昨日、読売で見かけた記事ですが、「雇用増の企業、法人減税…政府税調方針」(参照)では、

 政府税調では、企業が雇った人数や社会保険料の負担がどの程度増えたかを基準に減税額を計算する案が浮上している。今後、減税の対象とする雇用の種類や期間、新たな雇用に対応する減税規模などを協議する。

 雇用を増やした企業の税負担を軽くする措置は、菅首相が11年度税制改正での検討を指示していた。尾立源幸財務政務官は27日の政府税調後の記者会見で「雇用人数を一定期間増やしたら、何らかの比率で法人税を減税することがベースだと思う」と述べた。同様の措置は、すでに米国や韓国で導入されている。

 確かに雇用問題は難問ですが、「雇えば税金を割引するよ。」と政府に言われて、雇える現状なのかという疑問と、そんな子ども騙しのようなことはもうやめてくれ!と言いたくなるのと、政府と市民が結びつくと、そこに新たな誤魔化しができる、と問いたくなります。そうやって、減税という飴を企業に舐めさせ、市民には増税という鞭を与えることをまた繰り返すということです。かつての民主党なら考えられない政策です。どうすんの?ああ、また言っちゃった。
 日本に「大きな社会」が誕生する日は、本当に遠いと思いました。これも民主党のせいじゃなく、アノミーの帰結なんでしょうけど。

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大根と手羽中の炒め煮:短時間で味がしみこむ方法

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 今シーズンの大根は痩せて細いサイズが多いと思っていたら、それはどうも関東の産地からが多いようです。秋口に出回る大根は、夏に種を蒔いたものなので、雨の少なかった土では育ちにくかったようです。一方、地元産は、早くに種を蒔いた畑では全滅という話も聞きましたが、夏にサボって9月近くなってから蒔いた私の畑の大根は、まあまあのサイズに大きくなってきました。今日はその中でも一番育ちの良くないのを抜いてきて、手羽先と一緒に炒め煮にしました。新鮮な大根は、直ぐに火が通るので、煮ない方法でも充分味がしみこむ料理法があります。
 油で炒めたり、油通しなどがその方法です。味付けの前に大根が透き通るまで火を通すのがポイントで、米のとぎ汁で下茹でするのと同じ理由です(godmotherのHint&Skill)。
 まず、手羽先に焼き色がつくまで表面だけ軽く焼きながら、別の場所で、切った大根を油通しします。切り方にもよりますが、今日の大根のように少し厚みがある場合は、160度で3分ほど置きます。大根がどの程度透き通っているかが鍵ですが、仮に芯まで火が通らなくても失敗ではなく、そういう味わい方もあるので、別の大根の美味しさに出会えます。

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 油から引き上げて10分ほど置くと透き通ってくる様子で、予熱でかなり火が通ることが分ると思います。この大根と手羽先を一緒に鍋で炒め、調味料を一度に加えて蒸し煮になるように蓋をして3分待ちます。このあと、煮汁が飛ばすために蓋を取って揺すります。次第に煮詰まって、醤油の良い色がしみこんで行きます。因みに、今日の醤油は溜り醤油で、砂糖は使用せずに大根の甘味が引き立つようにしました。

材料

  • 大根(中心部分)・・400g
  • 手羽先・・6本
  • 鷹の爪・・種を抜いて1個
  • 炒め油・・小さじ1
  • たまり醤油(刺身醤油)・・大さじ2.5
  • 酒・・大さじ2

作り方

  1. 大根の皮を剥いて2cmの輪切りにし、十文字に切って銀杏切りにする。
  2. 手羽先を粗って水気を吸い取り、フライパンに並べて両面に焼き色がつくまで焼く。
  3. 同時に揚げ油を160度にし、1の大根を3分油通し、引き上げて予熱で火を通す。
  4. 2の手羽先と3の大根、鷹の爪を一緒に大なべで炒め、全体に熱が回ったら調味料を加えて蓋をし、3分蒸し煮する。
  5. 最後に蓋を取って鍋をあおりながら汁気を飛ばして出来上がり♬

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2010-10-28

極東ブログ「クルーグマンの予言:緊縮財政の英国は日本型停滞に陥るだろう」について

 一昨日の極東ブログの「欧米は緊縮財政から大きな社会へ。日本は大きな亡霊へ。」(参照)を受けて、その文脈を読むべく、イギリスの目指している「大きな社会」への道とアメリカの目指す社会について考えました(参照)。そして、午後になって、自分が書いたこととは言え、調べないで鵜呑みにした点があったなぁと、気になってTwitterでつぶやいていた時、プレスデモクラットのクルーグマン氏のコラムが流れてきたのです。これがさらに頭を悩ますことになったのですが、英訳も難しい。毎度のことながら、政治的な背景が見えないと、訳しても意味が腹に落ちないのです。そして、少し間を置いて極東ブログでエントリーされた「クルーグマンの予言:緊縮財政の英国は日本型停滞に陥るだろう」(参照)で、乗り上げていた暗礁から救出されたのでした。とは言え、イギリスの問題は現在進行している赤字国の取り組みそのものですから、問題は複雑で難しいですし、理解できたとは言いがたいものがあります。ましてや、外国の経済学者が日本を引き合いに出してくる時は、ろくでもないことの方が多いですし。
 現実に起こっている問題の紐解きや文脈の読みが片方にあり、他方では、クルーグマン氏の推論や持論が入り交じったコラムなのだと了解して読まなくてはなりません。極東ブログが、その辺の難しい部分をがっつり掴んで解説してくれているのでありがたいことです。私が昨日のエントリーで失敗だと思っていた部分もこの解説に含まれていて、それがズドーンと転がり込んできて、やはりどこかできちんと解決する運命にあったのだと観念しました。
 まず、イギリスのキャメロン政権が性急な緊縮財政に走っていることは、イギリス国民は本当にそれで納得しているのかという疑問です。極東ブログでは、これについて一昨日の極東ブログのエントリーではこう見ています(参照)。

 意外にも英国国民はキャメロン首相を概ね好意的に見ている。これからじわじわと中間層をしめあげていくのに。なぜか。
 簡単に言えば、福祉を国家が担うのではなく、社会が担うように「大きな社会」を構築しようという合意が取れつつある。

 この時点で、私は鵜呑みしました。イギリスの政策がだからと言って正しいかどうかは分らないことです。そこをどうなんだろう?という疑問の答えを求めるようにクルーグマン氏のコラムを読むと、それもまた正しいとは言えないのです。
 極東ブログの昨日の解説では一変して、イギリスが直面している問題は経済ではなくまさに「新しい政治の課題」としています。この原文は、クルーグマン氏のコラムで私が難儀した部分です。

Why is the British government doing this? The real reason has a lot to do with ideology: The Tories are using the deficit as an excuse to downsize the welfare state. But the official rationale is that there is no alternative.
英国政府がこんなことをしているのなぜか? 本当の理由は政治理念にある。保守派は財政赤字を福祉国家の縮小の言い訳にしているのだ。それ以外には公的な理由になりそうなものがないからである。

 ここは、あまりにも日本離れしているところで、そのまま訳せないと思っていたのですが、「保守派は福祉国家を縮小しようとしている」と、そのまま解しても理解できるでもなく文脈は依然難しいです。
 が、クルーグマン氏に触れたあたりでようやく見えてきました。

 財政危機による緊縮財政でもなく、経済再発展のための緊縮財政でもない。この経済危機を機会に、国家を縮小しようというのが、英国が今経験しつつあることだ。
 もっと言うなら、日本の停滞は官僚の失態でありながら微妙に官僚支配と整合的だった。これに対して、現在の英国は福祉国家から新しい、大きな社会をベースとした社会に転換することを目指している。クルーグマンは自身の政治理念で目をふさいでいるが、新しい問題が提起されているのである。

 そして、クルーグマン氏は何故ストレートに国家の問題に焦点を当てなかったのだろうか?と、他国の経済学者のことながら気になりました。つまり、これもお国の違いで、アメリカの保守派側の考え方から見ると、経済政策路線を変えて性急に緊縮財政にイギリス政府が走れば、それは自滅への道だとしか思わないからではないでしょうか。同時に、その考え方(アメリカの保守的考え方)で日本を見ると、政治家が官僚政治脱却といいながらしっかり官僚に負ぶさっている日本がお手本だと見えるのでしょう。それが、引き合いに出される由縁だと思います。
 でも、イギリスの政府はどうやらクルーグマン氏が予想しているような方向とは違うところに政治性を持っているようです。ここで一気に周囲が明るく見え始めてきたのですが、大きく踏み出したかに見えていて、問題はこれからなのだと思うとエールを贈りつつ密かに見守るしかないのです。
 私の最初の疑問に戻ると、イギリスが新しく生まれ変わろうとする方向での政治的な改革であれば、国民はこれに賭けるはずです。政府に牛耳られているとは思いにくいです。もしかしたら、英国民は財布の紐を引き締めながらも政府をサポートするくらいの自負を抱いているかもしれません。
 そして、気になる日本ですが、イギリスと日本は状況が似ているので、良くすれば日本もイギリスのような「大きな社会」を目指せる国だと思うのです。つまり「小さな政府」と、劣化前の民主党が言っていたような政府です。
 デフレ化であっても、少なくとも今よりは国民には活気がでたし、我慢のし甲斐が見い出せたように思います。「郵政民営化、結構じゃないやりましょう!」みたいなね。
 チャンスがないわけではないと信じたいのですが、希望は持てないというか、しぼんでくるのも仕方のない運命を感じます。一概に軍事力が無いせいだとは言いたくないのですが、アメリカに守ってもらう以上、アメリカを支えるという運命的なものを背負っているのです。

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餡かけ韮玉うどん:ニラは細かい方がイイに決まっている

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 韮玉うどんといえば、とろとろの柔らかい半熟卵と韮を絡めてうどんに乗せたようなイメージを持つと思うのですが、私は、噛み応えのある韮玉と一緒にうどんをもぐもぐ食べるのが好きなのです。で、ちょっと変ですが、炒り卵の単体ではとろとろが好きなのです。堅焼の韮玉は、うどんにあった食べ方のように思っています。因みに、ネットで調べると、とろとろ派が圧倒的に多いようです。探した範囲では堅焼の韮玉うどんはありませんでした。餡が絡まった韮玉とうどんは、美味しいのですけどね。
 そういえば、韮の栄養を効率よく消化させるためには、なるべく細かく切って切断面を多くするのが良いと言われています。理由は、ニラの成分が時間によって変化することにあるです。このことを簡単に説明されているサイトがあったので、引用します(参照)。

ニラ独特の匂いはイオウ化合物のアリシンで、糖代謝必要なビタミンB1の吸収を促進し、代謝効率をアップし、肝臓を元気にする働きがあります。このアリシンは、ニラを切って15分以上経つと血糖値抑えるジスルフィドに変わり、30分以上経つと血栓予防効果のあるトリスルフィドに変化します。つまり、血液がサラサラって訳ですね。だからできるだけニラを細かく切って切断面を多くし、酵素反応を起こさせるのがいいのです。

 私はいつの間にか細かく刻むのを日常化して、このことを忘れていましたが、以前ニラ玉の栄養吸収効果の実験をテレビで見て、その後ずっと韮を切るときには細かくきざむのを習慣にしていました(☞レシピ)。

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 さて、作り方は簡単。溶き卵に味付けして、きざんだ韮を混ぜてフライパンにのばすだけです。一緒に挽肉などを入れても良いのですが、どちらかというとこのうどんの他に肉を使った料理を一品用意するように作りました。
 息子は、時間がないと麺類が多いと言って、大概スパゲッティーだそうです。少し栄養が偏ってしまうので、例えばから揚げと野菜のお惣菜を買ってきても良いし、豚肉のスライスなどと一緒に野菜炒めでもよいと思います。

材料(一人分)

  • 茹でうどん・・1玉
  • 卵・・1個
  • 韮・・70g
  • 砂糖・・小さじ1
  • 塩・・小さじ1/2

出汁

  • 鰹出汁・・400cc
  • 醤油・・大さじ1.5
  • 塩・・小さじ1/2
  • 酒・・小さじ1
  • 味醂・・小さじ1
  • 片栗粉・・小さじ2(同量の水で溶く)

作り方

  1. 出汁を温め、茹でうどんを加えて味付けする。
  2. 卵を割って、韮のみじん切と砂糖、塩を一緒に撹拌する。
  3. フライパンに油を引き、2を流しいれて蓋をし、弱火でゆっくり焼く。
  4. 周囲が焼けてきたら裏返して火を通す。
  5. 1が煮立っているうちに水溶き片栗粉でとろみをつけ、2~3分煮込んでうどんをどんぶりにつぐ。
  6. 3の韮を食べやすく切り、うどんに乗せて汁を回し掛ける♬

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2010-10-27

極東ブログ「欧米は緊縮財政から大きな社会へ。日本は大きな亡霊へ」について

 タイトルの「欧米は緊縮材財政から大きな社会へ」(参照)で、まずコケました。「大きな社会」とか、欧州にはその動きはあったとしても、米国に関してはそのような観点で考えたこともなかったです。私の頭はもっぱら、QE2はどうなるのか、中間選挙の行方はどうなるのか?と、追いかけるのに正直精一杯なのです。このタイトルはどう考えたらよいのか、兎に角文脈を読むのが難しいと感じました。海外視点で政治や経済問題を読むのは難しいものです。私の解釈がどこまで極東ブログの文脈に近づけるのか自信などまったくありませんが、曲解だけは避けたいです。おかしな点があったらご指摘ください。
 まず、欧米諸国の政治が変革期を迎えているという点から語られています。

 欧州が緊縮財政に向かっている。政府が国民に大盤振る舞いをしたツケが払わされる時期になったのだとも言えるが、反面、米国ではさらなる金融緩和が予定されている。もっとマネーを市場に供給しようというのだ。一見、逆の方向にも見える。しかし、もしかすると米国は最後のあがきをしているだけで、いずれ欧州を追うようになるのかもしれない。

 イギリスの緊縮財政問題は、軍事費から削減するという話もあるとおり、かなり深刻です(極東ブログ「財政再建か、安全保障か」)(参照)。日本と違って軍隊を抱え、自国で守らなければならないにもかかわらず、財政再建を優先するという話は既に苦渋の決断とも言うべきことだと了解していました。そのイギリスが、「大きな社会」を目指しているということと、アメリカは、この欧州の後追いをする準備にかかっているのではないかということを、コラムニスト、ロバート・サミュエルソン氏が12日のコラム「The Age of Austerity」で示唆しているそうです。このコラムに驚きを覚えたfinalventさんが、該当エントリーで詳しくその話を分析し、解説されています。
 サミュエルソン氏が示唆する「緊縮財政は避けがたいが早急な対応は危険だ」と話すのは、何が危険なのだろうか?アメリカの不況と雇用問題は深刻化しているため、当然緊縮財政は避けがたいということはわかるのですが、この疑問が、今回の文脈のキーになったのが意外でした。
 結論から言うと、米国連邦準備制度理事会(FRB)の第二回目の金融緩和(QE2)は、金融政策ではあるけれど、同時に「中央銀行の政治性」だったのです。アメリカの量的緩和政策は、世界が注目する政策としてその結果にも関心が集まっていますが、アメリカにとってはこの政策は、国の行方を「大きな社会」へと導こうとしていることなのではないかというのです。finalventさんは、このことを午前中のTwitterで私に教えてくれたのですが、その時点ではちんぷんかんぷんだったのでした(参照)。

@godmother: そうですね。QE2は現実の問題を慎重に改善するためと理解することでした。
@finalvent:正確に言うとそうではないのですよ。中央銀行の政治性が問われるということ。

 この時点では私は、彼の話の文脈を読むよりも、私が何か曲解しているのかという点を疑っていましたから、QE2の解釈が間違っているわけでもないのに、なぜここで「正確」という文脈になるのか不思議でした。しかも、エントリーではこう言っています。

 ここで私はブログの世界にありがちなネタを思いつく。そして、それが案外あり得ないことではないのではないかと自らトラップしてしまった。言おう。米国の金融緩和は実は偽装された緊縮財政なのではないか?

 言っちゃった。Twitter発言は予告でもあったのです。そして、前段の「もしかすると米国は最後のあがきをしているだけで、いずれ欧州を追うようになるのかもしれない。」に繋がるのです。
 さて、その中身とは?
 どうせ始まるのが分っているアメリカの緊縮財政がどのように進められるかは兎も角、それを性急に進めてはならないと言うサミュエルソンの示唆を補う話に、ソロス氏の講演の話が紹介されています。それによると、ドイツや日本のような債権国の赤字削減は例外として、欧米国にとっては、「追加的な財政刺激策を講じることが危機から脱する方法」だと話しています。ここが良く分らない部分で、話が繋がりにくかったのですが、言わんとすることは、緊縮財政のためには量的緩和の効き目をゆっくりやれよ、と読み取れます。正にそれがQE2なのです。だったら、とっくの昔にアメリカは始めてもよさそうなものです。が、極東ブログでは欧州と米国の違いを挙げています。この辺もアメリカという国の理解度にかかるのですが、その読みの深さの違いを大きく感じます。両国は日本とも違うので、興味深く感じました。

 社会民主主義的な素性のある欧州の場合、政府の側が率先して緊縮財政に向かうが、米国の場合は草の根の大衆の側が政府を小さくするための緊縮財政への動向をすでにもって動き出したということではないか。
 であれば、米国では、その動向が極端に振れないように、小出しの、あまり効果がなさそうな金融緩和が目論まれているのではないか。なんというのか、日銀の知恵とでも言うものかもしれないが。いやそこまで言ったら冗談が過ぎるな。

 英国のキャメロン首相の緊縮財政はかなりキツイのだと想像しますが、市民から反発が出ない理由ものべてあり、それを知って国民性の違いも感じますが、政治に民意が反映されている証なのだということです。

 英国の新たな動向である。
 簡単に言えば、福祉を国家が担うのではなく、社会が担うように「大きな社会」を構築しようという合意が取れつつある。

 大きな社会とは社会資本支出の個人負担が大きくなるわけだから、社会への入会金がつり上がるのと同じである。現下の欧州の移民排斥は、従来のような異民族差別というより、大きな社会に向かう同一のプロセスと見た方がよい(入会金を払わないかたお断り、と)。

 国が移民を受け入れ、自国民はそれに概ね賛成しつつも、この政策は上から目線のような意味合いがあったのだと思います。緊縮財政となって国民が窮屈になると、移民の面倒までは見きれないという理屈から政府に反発も起こるということでしょう。ですから、意図されているのは、今後は移民も社会への入会金を払って同格の立場でやりましょうという政治に変革しつつあるのだと言うことだと思います。
 一方、アメリカは移民の国なので、イギリスとは歴史的なスタートも違います。アメリカが緊縮財政を行うには、国民からその要望なりが上がってくるような形にならないと議会も黙っていません。動かすのはアメリカ国民自身なのです。
 では、自分達の国には緊縮財政が必要なのだという動きが出てきているのか?
 劣化してしまったとは言え、ティーパティーがその最初の火付け役でした。このような市民運動が動き出すまで、アメリカ政府は国を支えるためにQE2を導入するという考えなのではないか。
 長くなりましたが、要はQE2は国民が一息つくための応急処置的なもので、この先は、緊縮財政に入って「大きな社会」を築きますよ、と。入会金も増やしますよ、と。こういうことらしい。
 これって私の生まれた国と同じじゃん。ここでハタと気づいたところで、最後の下りに行き着くのです。

 かく、他山の石をまったり鑑賞しつつ日本はどうなるのか。
 私は日本は企業や公務員・公務員的な系列といったものが「大きな社会」のような「大きなメンバーシップ」を形成していたと思う。しかしこれは今後じわじわと解体され、なのに欧州風の大きな社会も築けず、米国風の自立と連帯もなく、人びとは細分化するだろう。
 そして細分化された人びとの正義を吸収する形で、大きな政府が希求されてしまうのではないかと懸念している。ネットで見られる正義によるヒステリックなバッシングはその前兆ではないだろうか。その点において右派左派もまった同構造でもある。

 つまり、日本のこれからは戦後の自民党が築いた政府のようになるのではないか、ということみたいです。これについては何も言いたくないという気持ちです。賛成しがたいというか。昭和の後半で主に育った世代と、団塊世代は政治に希求するという点では共通する部分があるように見えます。
 私は、国の人口の大半を占めるこの世代の人々を横目に見ながら、孤立してしまうような気がします。もう既にその気配を感じています。その理由が、こういうことだったのかと、今知りました。仕方がないとは言え、かなりショックです。

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ごま鯖の炊き込みご飯:ちょっとした下ごしらえでさっぱりとした美味しさ

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 昨日の昼の「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」という番組で紹介されていた秋刀魚の炊き込みご飯が美味しそうだった、という情報を聞いて、早速サイトを見てみました(参照)。うん、確かに美味しそう。和食の先生なのに、パエリアのような作り方をしているな、と感心したのですが、既に買い物を済ませ、しかも小振りなごま鯖を買ってしまっていたのです。少し強引ですが、アイデアだけ頂いてほとんど自分流の作り方で進めました。
 同じ青い魚同士なので大差は無いのですが、強いて言えば、脂の乗りと生臭みの違いくらいでしょう。また、ごま鯖は、真鯖よりもかなり小さく、脂の乗りも控えめです。旬の脂の乗った秋刀魚と比べれば、少なく感じます。ある程度の下ごしらえでカバーできるので、無問題。鯖の炊き込みご飯もなかなかのものです。

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 さて、その下ごしらえですが、焼く前に塩を振って水が染み出してきた水を吸い取ります。この下準備が肝心で、臭みを残さないようにします。また、炊き込む前に焼いて余分な脂を落としますので、臭みの元はかなり無くなります。実は、翌日のお弁当用に多めに炊いて、食べる時に電子レンジで温めたのですが、気になる臭みは無かったです。また、ガリ(生姜の甘酢漬け)も、臭み抜きを手伝っています。

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 これから向かう冬には、魚介類の炊きご飯が嬉しくなります。恵まれたことに、日本の魚介類は何でもこれからが美味しさのピークです。
➠お弁当に

材料

  • ごま鯖・・1尾
  • にんじん・・60g
  • 生椎茸・・大2個
  • ガリ・・適宜(☞レシピ
  • 米・・2合
  • 味醂・・大さじ3
  • 白醤油・・大さじ2
  • 塩・・小さじ1/2
  • 鰹出汁・・味醂、白醤油を足して普段の分量に大さじ1を足す。

野菜に火を通す時に消失するため

作り方

  1. 米を洗う。
  2. 鯖の頭と尻尾を落とし、腸を出して二枚に下ろし、流水で軽く洗い流す。
  3. 水気を拭き取って両面に軽く塩(分量外)を振り、臭み抜きをする。
  4. その間に、にんじんを短冊に切り、椎茸を5mm幅にスライスする。
  5. 2の鯖の水気を吸い取り、グリルで軽く焼き色がつくくらいに両面を焼く。
  6. フライパンでにんじんと椎茸、分量の出汁から大さじ3ほどの出汁で火を通す。
  7. 続けて残りの調味料と出汁を加えて沸騰したら米を加えて均一にならし、5の鯖を乗せる。
  8. 沸騰したら蓋をして弱火にし、15分過熱後10分蒸らす。
  9. 器につぎ分け、千切りガリを乗せて出来上がり♬

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2010-10-26

極東ブログ「米国金融緩和がもたらすヌルい戦争」について

 今回のエントリーは、私の頭の熱を少し冷却してくれたような気がします(参照)。とりわけ確たる正論を持ったわけではなく、米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和政策を試金石的に見るという視点が、私が感じている緊張をクールダウンしてくれたという意味です。
 アメリカが11月に行おうとしている第二回目の金融緩和(QE2)については、アメリカ国内の学者の中でもそれなりの観点や理由をもって賛否両論あるということです。また、注目点が、「非伝統的手段(インタゲ)」による政策であるということと、アメリカのこの試みが、これまでの日本の経済政策を採点する基準になるという点が何よりも興味深いところです。できれば国民の暮らしが好転する方を願うわけで、今とは違う政策がきっと好ましいのではないかと期待はします。これが微熱の元なのですが、直ぐには結果は出ないこととして、じっくり経過を見て行くしかないようです。
 アメリカの今回の政策は、「雇用拡大と物価安定」のためだというはっきりした目的があるので、その点だけを見れば、頑張れアメリカ、日本も続くよ!とエールを贈りたいところですが、どうも先進国がこのように進んでよいものだろうか、という疑問もあるのです。先日私が取り上げたファイナンシャル・タイムズ紙に掲載されたマイケル・ハドソン氏の視点は、今までにない視点として大変重要なことにスポットを当てているので興味深かい話でした(参照)。新興国側であるブラジル、ロシア、インド、中国、BRIC諸国などにとっては、米ドルのレートが下がると、資本規制という二次的な対策を講じることを促し、世界は二分されてしまうという懸念を示しています。これが、極東ブログの次の文脈に繋がることだと思いました。

 中国が人民元を上げないなら米国がドルを下げるということだ。以前のエントリー「日本を巻き込む米中貿易戦争の開始: 極東ブログ」(参照)で述べたが、貿易戦争をするくらいなら通貨戦争のほうがマシだろうということだ。

 そうそう、この「貿易戦争」の話は物騒でした。中国にだけ輸入税を高くするという法案が可決され、オバマ氏がサインすれば始まると思われています。いくら中国が酷くてもそこまであからさまに制裁を加えるのは如何なものかと思いました。これによって貿易戦争を起こすよりは、ドルのレートでじわりじわりと応戦する通貨戦争の方がマシといえばそうです。確かに先日、人民元は少し上がりました。
 マイケル・ハドソン氏の示唆することは、かなり大人の目線から見ている論点で、極東ブログの引用にあるカーネギー・メロン大学のメルツァー教授の意見に近いものなのだと理解しました。新興国との溝を深めないのが先進国の示すことではないかとい言われればそうなのですが、どうもアメリカにはこらえ性がないようです。つまり11月の量的緩和は決行されるようです。先週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、通貨の競争的な切り下げを回避する合意はあったようですが、アメリカドルがさらに安くなるとの見通しで、アジア諸国は構えていると報じています(ロイター)。余談ですが、オバマさんがサインしなくても、11月の選挙では日本と同じ「ねじれ」を起こすのではないでしょうか。
 今回のエントリーで、FRBの力が思うほど大したものじゃないという点を押さえていることが、私の頭を冷やしてくれた部分なのです。反省点は、アメリカの金融政策に注意を払うあまり、FRBの動きにばかり注目し過ぎていました。影響や結果が出るよりも先に、報じていることに賛否の意見を持ち、偏った考えを持ってしまうような嫌いもありました。
 今後の点では、近くアメリカが発表する量的緩和を中国はどのように受け止め、それが今後の日本やアジア諸国にどう影響して行くのかを注視する身構えになりました。

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黒むつのすがた煮:魚好きのためのすがた煮

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 魚の煮つけは何度も、また、何種類もの魚で作ってきました。その都度レシピを紹介してきて来たわけでもないですが、行きつけの魚屋では切り身が多く、つまり多きく成長した魚の一部分を食べることも少なくはないので、すがた煮は特に触れておきた料理です。
 クロムツだからだと思うのですが、大きく成長すると非常に脂も乗ってきて、名前のとおりむっちりしています。味が均一な切り身も良いのですが、脂ののりよりも食感や味の違いを楽しもうというのなら、今日のような小型ですがた煮がお勧めです。一人一尾が基本です。頭の方と、腹側、背側、尻尾によって身の味が全く違います。どんなに小さくても、魚好きにはたまらないのがすがた煮です。

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 今日の大きさは25cmで、煮付けにするサイズとしては最大級です。煮崩れを起こさないように、最初から最後まで魚に触れずに仕上げます。また、その原因となる破裂は、熱で皮が縮む時にはじけて起こります。壷抜きの要領で腸を取り出しますので、表面には切り傷がどこにもありませんから隠し包丁を背側に入れます。これが、皮が縮んだときの逃げ場となります。
 煮汁は、いつものように最初に平鍋で煮立たせてから魚を盛り付ける側を上に、経木や竹の皮、またはクッキングシートなどに乗せてから平鍋に置きます。落し蓋をして最初は強火で、表面の皮にいち早く火を入れて煮崩れしないようにします。今日は、「煮崩れしない」を強調していますが、すがた煮が煮崩れすると、せっかくの濃い煮汁が全体に回ってしまい、塩辛くなるのです。そのことを意識して、魚に傷をつけないで内臓を抜く、「壷抜き」をします。この方法も毎回書いていますが、馴れるとどんな魚もすがた煮や丸揚げがきれいに仕上がるようになります。

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 調味料は、水を一切使わずに、醤油、酒、味醂を同量と、好みで砂糖を足すくらいです。臭み取りのしょうがのスライスと分量の調味料を煮立たせ、落し蓋をして煮汁が鍋底に少し薄ら残るくらいまで煮詰め、途中、時々煮汁を掛け回します。
➠お弁当に

材料

  • クロムツ・・3尾(25cm)
  • 生姜・・1片
  • 醤油・・1/2カップ
  • 酒・・1/2カップ
  • 味醂・・1/2カップ

作り方

  1. 鱗を下ろして菜箸を口から指し込み、エラを箸の内側に寄せてそのまま腹の突き当りまで差し込む。
  2. もう一本の菜箸も同じように差し込んで二本を手で掴むように持ち替えてしっかり内臓を挟んだら捻りながら引き抜く。
  3. 内臓を取り出したら流水で内部を洗い流して水気を拭き取る。
  4. 平鍋に生姜のスライスと分量の賞味量を一緒にして中火にかけ、沸騰したら経木の上に乗せたクロムツを鍋の中央に置く。
  5. 落し蓋をして煮汁がそこに薄ら残るまで煮付ける。
  6. 途中、数回煮汁を掬って回し掛ける♬

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2010-10-25

 極東ブログ「40年ぶりの天文台」の話に触発されて

 この休みに所用で実家に帰っていたので、三鷹の天文台に寄り道できたらどんなに良かったかと思いました(参照)。せっかくの機会なので調べてみると、木製の古ぼけたドームにはカール・ツァイス社製の天体望遠鏡が納めてあると知り、さらに興味が湧きました。どこかで話したような気もするのですが、好奇心が強く、もっと知りたいという欲望が旺盛な私は天体観測に夜な夜な出歩いた話があります。このことをまた思い出し、懐かしさと感慨にふけました。
 私は科学少女と言えるほでもなかったのですが、自然の不思議を知るのが好きでした。私には顕微鏡、弟は天体望遠鏡を親から与えられて、これがどのような経緯だったかは定かではありませんが、ある日家に届いたのは覚えています。親が始めて買ってくれた高価な買い物だったことだけは確かです。その頃、学校の授業で葉の細胞の不思議に触れて、いろいろな植物を顕微鏡で覗くのがマイブームでした。また、科学少年といったところの物好き男子数名と一緒に、うちの天体望遠鏡を使って夜中に天体観測をしたものです。真夜中の3時に校庭に待ち合わせたのでしたが、あれが何故夜中の3時で、学校の校庭でなければならなかったのか、それが後から不思議でした。
 また、傑作なのは、小さな天体望遠鏡だからこそ見つかってもよさそうなものですが、見たい星に焦点を合わせることはむずかしく、また、狙っている星そのものがレンズを通して見えている星かどうかも曖昧なのです。結局、見えるのは小さな点で、単に光っているというだけでした。今思うと、それに対してああだこうだ薀蓄を言うのが楽しかったのです。
 実家の倉庫に仕舞ってあるはずだと思って探すと、大きな木箱にそのまま入っていました。レンズにはカビもついていないし、まだ使い物になるとは思ったのですが、倍率が低いので見たいものは見られないという代物です。が、これをかついで夜中に歩き回ったことが懐かしく、同時に、親への思いにも感慨深いものがありました。極東ブログでは、中学二年で三鷹の天文台を訪問したとあるので、私も同じ時期に当たりますが、昔のこの世代というか時代というかは、地球儀から世界一周の夢、宇宙には宇宙人が住む星があるのじゃないかとか、いろいろな想像を膨らましていました。
 極東ブログの最初の画像が訪問当日の画像かどうかは分りませんが、大人が天体望遠鏡をセットしている様子をみて、あれがかつての科学少年達ではないかと思うと同時に、当時の私の同級生の顔が浮かびました。一人は学者として北海道の大学で未だに勉強をしているという変わり者で、星の話ともなると夢中になる彼の話し方は、中学時そのものでした。同級会でも当時の話が話題になって、あれは一生に残る笑い話だと盛り上がりました。他のメンバーは、職業的にも技術系の分野や開発にかかわりを持つポジションに就いていて、給料をもらって遊ばしてもらっているようなものだと言っていましたが、そこで何故私は進んだ道が違うのか?とちょっと複雑な思いを持ちました。考えてみると、中学の頃持った興味やそれに向かう姿勢が、そのまま当時抱いた「将来の夢」に繋がっていったのを知って、時代の良さというものを感じました。

 その他の展示も、もちろんいろいろと面白かった、熱心に説明してくれる科学おじさんや科学青年のかたとの話からは、科学が本来もつわくわくするような夢と情熱が感じられた。私は思うのだけど、平和教育というのは平和の理念や悲惨な写真を見せつけることより、科学のわくわくする夢を語れる青年を育てることではないだろうか。

 この下りを読んで、私のかつての仲間である科学少年達は、その道に進んで多くの学生達に夢を語って育ててきたのではないか、とそういう気がしてきました。30年という月日の経過を忘れさせるほど、彼らは昔と変わらない情熱をもっていました。
 長野県高遠町の国立信州高遠青少年自然の家では、ボランティアによる天体観測ができるようになっていて、小さなドームもあり(せせらぎホール)、ここで木星、土星、スバル、などの星を見せてくれます(参照)。昔、子ども達を連れて何度も行きました。また、調べてみると、三鷹の天文台でも観望会が開催されているようです。いつか一度行ってみたいと思います(参照)。

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2010-10-24

牛ミンチい入り牛乳キムチ鍋

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 世の中には美味しい食べ方があるものだと、きっと納得してもらえる鍋の紹介です。我が家ではずっと前から作っている、一応定番化している鍋なのです。が、豆乳や牛乳鍋ならおっけなのに、友人達は、キムチと牛乳のミックスに抵抗があるらしいのです。牛乳と牛肉、キムチを加えた時の味の設計が想像しにくいのでしょうか、大変栄養価が高く、体温まる美味しい鍋なのです。また、超短時間で出来上がる鍋料理なので、是非、試してもらいたいという思いからアップします。
 特徴は、牛肉ミンチを加えてコクのあるスープにし、肉の脂でスープが冷めにくくなります。ほかに肉類は加えないので、蓮華で掬って野菜と一緒に食べてしまいます。お年寄りや小さな子どもには良いのですが、キムチを入れてしまうと辛くなるので、その場合は、銘々の注ぎ皿に食べる分だけキムチの素を入れて加減すると良いです。

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 作り方は簡単。普通に鍋をするつもりで野菜やキノコ豆腐などを用意し、炒めた牛肉に牛乳と水を同量加えて桃屋のキムチの素で味付けします。この下地に野菜を加えて煮るだけです。スープも野菜と一緒に掬って食べるので、最後は鍋は空っぽになります。また、上手にスープを残せば、茹でうどんなどを加えて最後の締めをします。以上なのですが、鍋に入れる食材のパターンを変えると楽しくなります。
 因みに、面片(麺片)と呼ばれる小麦粉の生地を千切って放り込む食べ方があります。この方法は、うどんがないときには直ぐに役立つレシピなので参考までに(☞レシピ)。
 今日のレシピは二人分として参考までに書いておきますが、実際は一人分くらい余ったので、翌日のお弁当にしました。
➠お弁当に

材料

  • 牛挽肉・・200g
  • ほうれん草・・1/2束
  • 玉葱・・1個
  • エノキダケ・・1/2パック
  • 椎茸・・4個
  • 白滝・・1パック
  • 豆腐・・200g
  • 車麩・・4個
  • 桃屋のキムチの素・・大さじ4~5
  • 牛乳・・500cc
  • 水・・500cc

作り方

  1. 車麩はたっぷりの水で戻しておく。
  2. 野菜を適当な大きさに切る。
  3. 土鍋を中火にかけ、油(分量外)を少し引いて牛挽肉を炒め始める。
  4. 肉の色が変わったらキムチの素、牛乳、水を加え、2野菜や豆腐などの食材を加えて蓋をし、穴から湯気が出てきたら出来上がり♬

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2010-10-23

「ドル安の先には資本規制」マイケル・ハドソン氏の世界展望について-ファイナンシャル・タイムズ紙より

 本題が分りやすくなるために、ちょっとした三面記事から押さえておくことにします。 
 アメリカドルのレートが下がっていることの影響で円高が進み、それが元で起きている詐欺事件のことから。
 まず、イラク、スーダン通過の投資話しのトラブルなのですJastニュースから。

➠イラク、スーダン通貨の投資話 トラブル続出すでに被害10億円超(2010/10/22 20:18
「いま買っておけば、将来必ず儲かる」「希望すれば、いつでも両替可能」と説明されて外貨を購入したものの、その後業者と連絡がとれなくなったり、両替(換金)できなくなるなど、被害金額は10億円を超えた。

  そもそも、日本の銀行ではイラクディナールもスーダンポンドも、円に換金することはむずかしい。換金できたとしても、現在2万5000イラクディナールは2000円弱に過ぎないから、それを1枚10万円で販売する業者は「丸儲け」なのだ。
   購入した人のもとに外貨が届かなかったり、「いつでも両替可能」とセールスしていながら、両替(換金)を申し出ても断わられたり、最悪の事態は業者との連絡が取れなくなっていたりしている。

 「おれおれ詐欺」のヴァージョンアップ版といった内容ですが、要は、株で儲からない時代になったため対象を外貨に変えただけの話なので、円高を上手く利用した詐欺です。このような事件から、日銀の包括的緩和政策とやらはどうしたのか、とやや焦る気持ちも出てきます。円高が市民に直接的に影響するといえばこのような詐欺事件ですが、嬉しいと言えば、外国製品の値下がりです。
 例えば、国産のトマトのホール缶が180円に対し、外国産の同じタイプの缶詰が80円ほどです。セール品となると2缶で150円です。主食品とは違うので需要はさほどない商品だとしても、倍以上値段が違えば、誰だって安い方を買います。ここで問題になるのが国内産業の低迷です。
 需要が減ると製造が停滞し、業績不振となって従業員の解雇が起こります。デフレ不況とは、この循環を繰り返しながらどんどん下降する現象のことです。外貨やトマトの缶詰の例でデフレの仕組みが分ったところで、気になるドル安の話に戻します。
 アメリカは、中国の人民元対策としてドルを増やしています。理由は、アメリカの雇用問題は人民元のせいだからだと言っています。さっきのトマト缶の話と同じ理屈です。これ以上中国製品の輸入は勘弁ならんというわけで、ドルをぐっと安くして対抗しようというわけです。言う所のインタゲ(インフレターゲティング)です。また、中国の輸入品だけに限定した輸入税の増税をしようとしています。中国元も少しずつ上がってきているようですが、元が安いのでその成果は微々たるものです。ここで、アメリカは第二段の策に出ようというのが11月のQE2と言われている量的緩和です。これを決行するのか否かが大変気になる私です。先日も触れましたが、このドルの影響は、韓国も必死です(参照)。日本円との開きほどではないせよ、中国元が流れ込むとアメリカのような二の舞を踏む事を懸念しています。
 そして、先日イギリスのファイナンシャルタイムズのコラムで見かけた「Capital controls will follow the weak dollar By Michael Hudson」(ドル安の先には資本規制:参照)では、アメリカはQE2をやるべきではないと言及しています。先ほどのトマト缶の例のように、アジア諸国でもドル安の影響で投資家が国債を買いあさることを懸念して対策を講じようとしています。
 国債の購入は、国内の雇用問題を改善することには直接的な貢献度は低く、むしろ、輸出企業の価格競争力を弱体させるので、外国市場から締め出しをくうというのです。結局このことは、投資家が手を引いた時に、貿易パターンを崩壊させてしまうような逆行の流れができてしまうというのです。競争心のない輸出企業は、置いてきぼりになりますし、居場所がなくなるというのは道理です。そのため自国の資本の守りに入るのは当然ながら、アメリカにとっては面白くないことだとしながらも、ハドソン氏は「それは自分で蒔いた種だろ」とアメリカの姿勢に批判的です。
 ドル安を敬遠するブラジル、ロシア、インド、中国、BRIC諸国のブロックと、米ドルを中心としたブロックの二つに分かれてしまうと見ています。具体例として、イランや上海協力メンバー国と共に中国、インド、ロシアは、貿易決済通貨として自国の通貨を使用するための試験段階を踏んでいるということです。
 氏がもっとも言いたいことは、このように金融で二分するような動きを阻止するために、アメリカの経済成長の鈍化という代償を払ってでもQE2は見送るべきだということです。
 また、アメリカの政策の難点として、それが近視眼的に終わらないためにも、欧米諸国の銀行が外国通貨へ投機する事を禁止する新たな規制を設けるべきだとしています。それは、他国が自国通貨を守ろうとする措置を講じなくても済むようになることで、そうでもなければ、発展途上国への影響は断行されないだろうということまで示唆しています。
 トマト缶の低価格化や通貨のレート格差が引き起こす三面記事的な事件は、今後の資本規制の問題と同等の身近な問題でもあることに驚きました。先進国と後進国(新興国)の反目を回避できるのであるというスケールの話まで見えてきました。アメリカには、11月の量的緩和を取りやめるべく熟考を願います。

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素早く出来るアーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノ(にんにく唐辛子の効いたオリーブオイル)で、ヤリ烏賊のワイン蒸し)

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 烏賊がふんだんに出回るので嬉しいです。烏賊料理というと、単品では「焼く、煮る、揚げる」が多く、和食では刺身も好まれています。ヤリ烏賊は、特に今が旬なのでお勧めです。大きさは、スルメ烏賊よりも小振りのことが多く、身が薄くて、火が通るとこりこりする感じで、どちらかというと、丸ごと料理したものが食べ出があるような気がします。
 今日は、胴の長さが15cm~20cmなので、足と腸を取り除いてワイン蒸しにしてマリネを思いついたのですが、それをするのだったらオイルににんにくと唐辛子の辛味をしっかり移したオイルをまぶして食べたら良いのではないか?その方がオイルまみれにらないし、カロリー過多にもならないし・・・そういう不純な動機だったのですが、実は、このオイルがあると牡蠣のオイル漬け(☞レシピ)や、応用で塩〆の鰯(いわし)漬け、蒸し蛸のコンフィ(オイル漬け)が出来るのです。
 コンフィの王道は、魚介類や肉類を低温の油でゆっくり煮て作るのですが、これは、手間暇がかかり、昔の冬の食材の備蓄方法ですから大量に作るのが一般的です。私も、希少な鴨肉を手に入れた時に、ラードで作りましたが、大変美味しくできるのも事実です(☞レシピ)。ここまでのことはしないまでも、擬似的な方法で何とか近づけることは出来ないものか、と、オイルだけ作ってみました。今回はこのオイルをワインで蒸した烏賊にかけるレシピです。

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 さて、今日はこのような経緯からにんにくや唐辛子から濃いエキスがオイルに移る様に、少し加熱しながら作ってみました。そして、オイルがすっかり冷めると、香りと辛味の効いた「食べるオイル」が出来上がります。
 最初は烏賊のためのオイルでしたが、グリルで焼き茄子、フライパンでトマトや旬のキノコ(シメジ)に軽く火を通して付け合せにしたら、ちょっとしたオードブルに変身しました。
 いかがでしょうか。これから牡蠣がどんどん美味しくなるので、コンフィが楽しみです。

材料

  • ヤリ烏賊・・6杯(15~20cm)
  • 茄子・・4本
  • 完熟トマト・・中1個
  • シメジ・・1パック
  • アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノ・・適宜
  • 塩と胡椒・・適宜

アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノの材料

  • オリーブオイル・・400cc
  • にんにく・・4片
  • 鷹の爪・・3個(種抜き)

アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノの作り方

  1. オリーブオイルを小鍋にとり、潰したにんにくと種を抜いた鷹の爪を一緒に弱火にかける。
  2. オイルの温度が80度になったら、それ以上温度を上げないように20分キープして火を止める。
  3. 冷めたら出来上がり♬

ヤリ烏賊と野菜のオードブルの作り方

  1. ナスを皮付きでグリルで焼き、表面が焼けてパンパンに膨らんだら水に放って皮を剥く。
  2. トマトを輪切りにし、フッ素加工のフライパンで両面を軽く焼く。
  3. 直後に同じフライパンでトマトの汁を使ってシメジに火を通す。
  4. 小鍋にげそと軟骨を抜いたヤリ烏賊を入れて白ワインを振って弱火にかけ、約0秒ほど火を入れてアーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノをまぶし、皿に盛り付ける♬

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2010-10-22

極東ブログ「多文化主義は完全に失敗したとメルケル独首相」-制度化への過渡期だろうか

 「多文化主義は失敗した」とメルケル独首相が発言したという見出し(参照)で直ぐに脳裏を掠めたのは、スウェーデンの総選挙の内情でした(極東ブログ「スウェーデン総選挙に見る社会民主主義政党の凋落」参照)。念のため読み返して確認してみたのですが、率直に端的に言ってしまうと、イスラムの移民に反対する政権に政権が移るという傾向にあると解釈してよいと思います。
 スウェーデンの場合は、移民に寛容であった与党が僅か三議席を奪われ、政権が交代するという事態が起こりました。主な反対理由は「治安の悪化や、移民に対する福祉コストを疑問視する空気の広がり」とあり、ドイツの場合と何が違うかを比べてみました。
 ドイツでは、ウルフ大統領が3日、東西ドイツ統一20周年記念式典で「わが国はもはや多文化国家だ。イスラムもドイツの一部だ」と演説したところ、CDU右派の姉妹政党党首から「ドイツは移民国家になるべきではない」と異文化国家からの移民受け入れ禁止を求めてきたというのです。おもそも、メルケル首相は「今や誰もが、移民は我が国の構成員であると理解している。(しかし)彼らは同じ言語を話し、ドイツで教育を受けるべきだ」と話している通り、ドイツ文化を守るという立場をとっているのです(立前かもしれませんが) 。
 これだけならまだしも、このウルフ大統領は、メルケル首相が後押しをした人物だから分が悪いときている。また、これに追い討ちをかけるかの如く、州レベルの選挙が近づいてきているというのです。つまり、首相が政治基盤を固めるために、反対派である右傾化に舵を取らざるを得なかったというのです。

 弱体化した政権が右傾化する傾向にあることは他山の石といった赴きもないではないが、他山の石というなら、同じく多文化問題を抱える英国などでも同じで、英国高級紙テレグラフも18日付け「Multicultural mistakes」(参照)もこう述べていたのが印象的だった。

 この話がイギリスなら、日本の現民主党は政権をとっているにもかかかわらず、右傾化が何故起こったのか?それは、実際政権をとってみて始めてその難しさが分った殻でしょう。戦後の自民党の劣化版と化してきているのが実態です。国民からは、詐欺師呼ばわれされています。政権交代時にマニフェストにあった政策は、国民が知らない間に消してしまう始末です。頭が熱くならないうちにやめておきますが、これと似たようなことが、「移民」問題を介してヨーロッパでも起こるのではないかと思います。

移民側の努力の問題といった倫理的な問題のみ還元することはおそらくできない点だ。しかしだからといって、受け入れ国社会への同化の方向性を制度化するというのも別の問題を引き起こすだろう。

 少し整理すると、移民希望者が受け入れ側の条件を満たす前提で受け入れられているのなら、これは単に、契約違反のようなものです。政権争いする問題でもないと思います。思いっきり保守的な意見を述べるとしたら、現政府が移民にはっきりと違反の通告をして、国外退去を求めれば事務的にはそれで済むのじゃないか?と思います。それが出来ないというのであれば、それこそ選挙で国民の審判を仰ぐことでしょうか。ただし、仮に選挙で反移民側に政権が移っても、国外退去が簡単なことではないのは、直ぐにわかる筈です。先に述べた日本の民主党のような成れの果てになるのです。
 現在野党であるから反対できるのであって、政権交代しても、国民や議会からの反対にあえば、そうやすやすと、言ったようにはならないものです。これで失敗しているのはオバマ大統領であり菅総理です。民主的であるということは、常に誰もが折れるという平等的な姿勢が必要とされるのでしょうか。変な理屈ですが。

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極東ブログ「チリ鉱山落盤事故救出劇のプロデューサー」―嬉しい話

 すっかり救出が終わったという時点でやっとテレビの画像を見たというのが正直なところで、救出作業やこの成功に至るまでの一部始終を私は知りません。
 8月の暑いさなかにチリで落盤事故が起き、地中700mに人が生き残っていると聞いた時点で息が苦しくなったのです。窒息という苦しさをまるで私が味わっているかのような思いでした。その後、ニュースで報じなくなった辺りからがむしろ気になっていたのですが、生存の知らせを聞くと、希望を持つよりも息苦しさの方が先で気が気ではありませんでした。
 いよいよ救出開始と聞いてもニュースの映像はとても見る気になれず、本当に全員が救われるまで、朗報とは反対に悲劇からの数が一人ずつ減るという妙な数え方をしていました。絶望視していたので、そのような不謹慎なことは事は言えなかったのです。極東ブログが今日に至って始めてこの話題を取り上げ(参照)、どうしたことかと思ったのですが、やはり心境は同じだったようです。また、誰も取り上げていないような隠れた部分の話らしいのです。

 救済劇は成功した。フィッシャー氏は英雄になった。それでいいのだが、この物語には、もう少し変わったウラがある。いったい誰が、プランBの費用を負担したのだろうか?

 費用のことどころか、この奇跡的な救出作業のためにどれ程の技術が結集されたかも想像外のことなのです。でも、確かに言われてみれば相当の費用がかかったと思います。例えば、日本だと直ぐにかかる費用が算出され、ニュースで知るのはその費用面の話です。そして、税金の話なり、ああ、また出費かあと。他国の天災でも、日本からはいくら救済費として出されたかを直ぐに報じています。今回は確かに、金額面の話しもそれがどの国からのものかもまったく報じませんでした。
 公にしないときの理由は、それが私企業か個人的なものである場合がほとんどなので、今回は明かされないままになるのかもしれません。
 単純な疑問ですが、突然の災害で救出費用をどうするかという時、何時どのよう決まるのでしょうか。費用を出す人がいてその作業にかかるものなのか?徐々にそういったことが話し合われて行くのか?一連の作業が終わってから後で考えるのか?いろいろなケースが考えられますが、この場合はどうだったのでしょうか。ま、愚問ですね。手を挙げればその人から始まる話に決まっていますね。それが例え政府であろうと、そういうことですよね。
 今回は国名で、英国と日本の投資会社による採掘企業の支援金だと報じられたそうです。しかもその会社名も明かされず、ワシントンポストが少し触れているだけのようです。

 センターロックの技術を実現させた、いわばプロデューサーともいえるその企業はどこなのだろうか。そしてその背後にその支出を即決した一人の日本人がいたかもしれないと思った。

 言われてみると、今回の報じ方は不思議な感じがします。ワシントンポストもそうですが、各国の支援に関する物品にしても、日本のニュースも具体的な会社名などに触れた報道はなかったように思います。
 誰もがこのデフレ不況の中で喘ぐ中、このような奇特な方が日本にいたということは何より嬉しいです。また、メキシコ湾沖の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」の爆発事故では、イギリスのイメージダウンになっていたようでもあって、今回救出に協力されてよかったです。余談ですが、あの掘削機は韓国蔚山の現代重工業が建造したのだそうです。それと、偶然でしょうか、経済大国である中国の協力はないかったようですね。こういう時こそ経済的に恵まれている国の協力が大切で、それがその国に対する評価にも繋がることだと思いますが、中国は、他国との協調を図る気がなさそうなので望むだけ無駄かもしれません。兎も角、皆さんご無事でよかったです。

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南瓜(かぼちゃ)と隠元としめじの速煮―カボチャも今年はほくほく

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 今年のカボチャはほくほくが多いらしいです。この夏日照りが続いて水分が少なかったせいか、私が蒔いたカボチャは全滅でした。ところが、今日のカボチャは、諏訪のとなりの茅野市で知人が育てたカボチャなのです。天候には大差ないのですが、何故か、微妙な違いで育ち方が違ってきます。私のは全滅と言っても若くて木が枯れた状態になったので、この原因も、水分の問題かどうかはわかりません。いずれにしても、願うような野菜を育てるのは難しいものです。
 収穫直後の野菜はなんといっても水分量が多く、火の通りも速いので料理では嬉しいことでもありますが、ある意味注意が必要で、煮崩れを起こしやすい野菜もあります。カボチャは、古いカボチャでも種類やその出来具合によって煮崩れます。コトコトじっくり煮込むのではなく、芯まで火が通ったと同時に表面に味が付いていれば良いと思います。
 また、気になるからと言って料理の途中で菜箸で突ついたり混ぜたりせずに、煮上がる直前で鍋を軽く煽って上下を返すと良いです。

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 今日は、かぼちゃと一緒に莢付きのインゲンとしめじを一緒に煮たのですが、最初に気をつけることは、それぞれの火の通り方(煮える時間)を最初に見極めることです。今回は、両方共南瓜と同時に煮て、味付けも同時に出来る食材なので簡単です。

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 また、これはウー・ウェン先生から教えてもらったのですが、中国ではカボチャは皮を剥いて料理するそうで、その方が食べやすく、火の通りが速くて味の馴染み方も良いのです。お勧めの方法です。時間をかけないで煮る方法もある、という一つの例として活用できると思います。
➠お弁当に

材料

  • カボチャ・・600g(半分で、種つき皮付きの状態)
  • しめじ・・100g
  • インゲン・・70g
  • ごま油・・大さじ1
  • 醤油・・大さじ2.5
  • 酒・・大さじ2.5
  • 蓋付きの炒め物用鍋

作り方

  1. カボチャの種を取り出し、まな板に横に置いて包丁で薄く皮を切り落とし、3cm角に切る。
  2. しめじは小房に分ける。
  3. インゲンは、ヘタを切り落とす。
  4. フライパンに胡麻油を引いて火にかけ、カボチャに油回るまで2~3分炒める。
  5. インゲンとしめじを加えて軽く鍋を煽って混ぜてから鍋肌に醤油、酒を回し入れ、蓋をして5分蒸し煮する。
  6. 蓋をとって水分を飛ばし、2~3回鍋を煽ってでき上がり♪

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2010-10-21

料理って何だろう

 料理のブログを毎日書く傍ら、時事問題に触れるエントリーを書いているせいか、全く異質のものを取り上げているからこそ思うのかもしれませんが、料理に関しては私は進歩がないと自己診断しています。刺激がないから料理にエッセンスが加わらないのだろうか?食材の勉強不足だろうか?トレンディーな食材をもっと掴むべきじゃないか?料理法が古臭いのじゃないか?などの疑問をあえて自分に投げかけて、時々立ち止まって見直すことがあります。が、所詮は自分自身の考え方という固定的な枠内であることと、自問自答というのは結局巡り回って自分に返ってくるだけのような気がします。どこを切ってみても切り口から新しい発想が生まれない、または見えてこないというかです。
 先日、NHKでチラッと見た辰巳芳子(料理研究家85歳)さんを紹介する番組を見て、昔と変わらない口調だなぁとつくづく感じていて、その途端に番組を見る気がしなくなったのです。昔から知っている小うるさい料理のお婆ちゃんというか、あ、またかみたいな感じ。辰巳さんの大切にしているものは分っているし、ごもっともなのですが、押し付けがましいというか。聞く側に考える余裕を与えない口調と捉えているのは私なのですが、その奥に確固たる自分があって譲らない姿勢を強さと感じるのです。まるで私の母を見るようでした。実際の年齢も近いのです。あの時代の人と言ってしまえばお終いですが、でも、そういうこと。感性を問われているのはこちらの方で、相手はそのきっかけを言ってくれているだけなのです。昔の人に多いタイプです。実は、このように辰巳さんのことを思ったのが今回考える刺激になったのです。
 料理研究家と称する、年配の方の出演するNHKのテレビ番組は音声でも聞きます。朝のニュースから朝連ドラの流れですが、皆さん結構お歳です。辰巳さんよりも少し若いと見ても70歳代後半の先生も多いですが、辰巳さんとの違いを感じるのは、年齢から想像する相応の料理を裏切るというか、新しいことに挑戦的なのです。番組の趣旨やターゲットにしている視聴者のニーズに合わせた構成でしょうから、料理の先生の妥協というのはあるかもしれません。ですが、このような番組の要求に柔軟に対応できるというのも実力です。そういう点がすごいと思うのです。こういうことに触れて、さらに自問自答が始まるのです。
 料理する自分って、その魅力は何だろう?一番ピントがあうのが「このおいしさを知るのが人生の楽しみだよ」この言葉です。前にこっそり私に言ってくれた人がいて、言われた時に、何故この端的な言葉に行き着かなかったのだろうか、と考え込むほど新鮮でした。自分で考えても辿りつけない部分に、人の感性から引き出されて気づくということは良くあります。
 さて、「この美味しさを知る」という辺り、私は少し鈍っているかな。辰巳さんはこのように言っていました「あなたねぇ、このお出汁を使わなかったら、貴方は一生後悔しますよ。」脅迫的な言い方ですが、言いたいことはきっと「美味しさを知る」と同じでしょう。これを欠かしてはならないということではなく、「味を知りなさい」という叱咤激励かもしれません。ですから、この、「味を伝える」というのが最大のテーマです。これ、難しいです。作ったものを目の前で食べてもらっても同じように味わうことすら出来ないのに、、これを文字で書き表すというのはもっと間違えのようなもの。これは、人が持つそれぞれの領域の問題なので、踏み込むことの方が間違えなのです。強いて言えば、味わいは分け合えないけれど、喜びや嬉しさは共感できることではあります。
 何を意図して書くか、という提案する側のテーマを一方的に考えても良く分らないので、今の若い世代で、子育て真っ最中であったりする世代、つまり30歳代かな、この世代の女性がどれ程料理に関心があるか、時々知りたくなります。例えば、Twitterで見かける料理の話しなどから推測すると、食材に関してかなり知らない様子。それがダメだと言いたいのではなく、そこで思い知るのは、私が書く内容はこの世代(これらの人達)にはほとんど理解されていないのじゃないかということです。スタート地点がずれていては、元も子もなくなります。そして、書いていることに意味を見出せなくなったりするのです。こうなると、何故ブログを書くの?と、また、例のドツボにはまってしまいます。
 伝わらないことをこの先延々と書くことには意味がないのは明白です。では、ターゲットを自分目線に絞ったらどうか?いや、それしか出来ないが。ジャーその線でやったらいいやんか。と、戻ってくるのですが、心のどこかで、ブログというのはそもそも終わっている世界かな、とかぐずぐずと諦め感なども思います。
 話を戻すと、人生で出会う食材や料理と言っても、私の中にあるのは、目先の違いや新しいものではないことが多く、それこそ足元の小さな雑草のような気づきでしかないのです。ちょっとした食感の発見や、味わいの中のちょっとした苦味が美味しいとか。昔食べた酸っぱい果物や舐めた砂糖や塩の味わいとか。そんな中に、今でも忘れらない味わいとして残るものがあるのです。そういうことを私自身が楽しむ世界でしかない。そのことを小分けにしてここに時々書いてるといった程度のことなのです。でも、それが伝わらない時代というか、伝えにくくなったと感じています。以前、気になっていたことを思い出したのですが、当たり前のことではないかと思う以下のいくつかの点です(finalventの日記)。

料理がイマイチな7つの理由
 inspired by 自分で作った料理がイマイチな7つの理由 - GIGAZINE

  1. 素材を理解してない(魚の霜降りとか)。
  2. 調理プロセスの意味を理解していないで、実はレシピを誤解している。
  3. 味は調味で直せると思っている(味は最初から決まっているものとして作るといい)。
  4. 味の出し方のベースができていない(出汁やストックもお粗末)。
  5. 油の選び方、扱い方、管理方法がへた。
  6. プロの真似したり、コツで料理を作ろうとする。
  7. 珍しい素材や調味料で美味しくなると思っている(男の料理やめれ)。

 伝わらない壁と思うのはこれらのことがあるからかなと思います。それが私の前にやっと少し見えてきているということが残念であるのと、この辺で降参して、今後一切自分に問わないと決める、とか。思いっきりエゴの世界を生きるとか。どうなのかなあ。

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ホウボウの変わり揚げ―背開きで骨までカリカリに:きれいに仕上げる三つの技

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 ホウボウという魚はグロテスクな姿の割に可愛い目と、額から口にかけた部分の間延びした曲線が憎めない顔立ちをしています。これを料理にしちゃうんです。特に、出汁が絶品で、アクアパッツァ(☞レシピ)などのスープ料理でよく食べます。今日は、このホウボウを丸ごと食べてしまおうということで、丸揚げにしました。そして、仕上がりが一番美しくなるように三つの技法を使っています。

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 まず、見た目ですぐに分かる通り、背びれを中心に両方に開いています。通常、魚の唐揚げで中骨がカリカリになるまで揚げるとなると低温で一度揚げ、温度を上げて二度揚げをします。この方法だと、身の水分がすっかり抜けてパサつくのも致し方ないとしていましたが、背開きの方法だと骨が表面にでていますので油が直接当たって早くカリカリに揚がります。魚を菜箸で掴んで持ち上げてみた時、軽くフワっとしていたら大概大丈夫です。色も見分けるポイントです。
 さて、次の技は、魚に傷をつけずに腸を出す方法です。「壺抜き」と呼ばれていますが、菜箸を口から二本腸の部分を挟めるまで差し込んで、捻りながらエラも一緒に挟んで取り出す方法です(☞レシピ)。
 ここまで準備したら、揚げる前に一時間ほど室内にそのまま置いて表面を乾燥させます。これが表面をカリカリに仕上げる最後の隠し技です。

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 いつもと違う仕上がりになると思うので、是非お試しを。
【他の魚の料理例】
☆ 白ぎすの唐揚げ☞レシピ
☆ ハタハタ☞レシピ
☆ 鰯のトマトクリームソース煮☞レシピ

材料

  • ホウボウ・・4尾(23cm)
  • 塩・・適宜
  • 小麦粉・・小さじ2
  • 揚げ油
  • レモン汁・・適宜

作り方

  1. 胸びれと腹びれを短くはさみで切って取り除く。
  2. 口から菜箸を一本ずつ腹に向かって差し込んでエラを二本の箸で挟み、腸まで差し込んでから箸を掴むように持ち替え、ひねりながら引き抜く。
  3. 内蔵を洗い流して横に置き、背ビレに沿って中骨より少し深い部分まで包丁を入れ、頭の付け根から尻尾の辺りまで、切込みを入れて開く。
  4. 水気を拭きとり、笊などの上で一時間放置して自然乾燥させる。
  5. 軽く塩を振って小麦粉を刷毛でまぶし、180度の油でじっくり揚げる。
  6. 食べる直前にレモン汁をかける♪

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2010-10-20

極東ブログ「習近平氏が中央軍事委員会副主席に任命。背景に見えるドタバタ」リアルなパフォーマンスの舞台裏

 18日に中国で起きた反日デモの関連ニューは連日NHKでも報じていて、同じ映像が何度も繰り返し流れていました。その暴徒化したデモの影響が飛び火したり再発する危険に注意を促す内容ですが、あの反日デモは18日に起こすことに意味があったのだということと、その背景がくっきり見えてくるのが今回のエントリーだと感じました(参照)。
 また、最近話題になっているアメリカの量的緩和の対外的な影響についても、当然のことながら、中国との絡みで触れられているあたりがなんだか趣味の良い風味が漂っています。
 こう言っては何ですが、ニュースを聞いたり、他国の報じている中国についての記事を読んでも、中国の国内事情というものは掴みにくいものです。つい、その表面的な現象に気をとられてしまうのです。今回なら、尖閣諸島の領有権に絡めた反日デモなどにその特徴を見ることができます。直後に日本人が3人逮捕されたりと、まるで日本を目の敵にしたような頑なな外交を見せてくれました。あれがパフォーマンスとは思い難いほどリアルで、死活の危機感さえ覚えるような騒ぎでした。日本の政府は、中国政府に対して膝まづき、いわば「降参」したのが中国政府にとって良い結果を齎したと言えばそういうことなのです。日本政府は、国民にひどく批判されながらも中国政府を持ち上げておく方が良かったのです。よく頑張ったね的には終わりませんでしたが。
 これらの出来事を中国から出ているサインとしてその背景を見極めることは、今回に限ったことではなく、極東ブログの優れた視点から学ぶしかないことです。では、一連の中国のパフォーマンスは一体何のためだったのか?それが、一番の関心事です。暴徒化した反日デモの背景は分りづらいとしながらも、習金平氏の中央軍事委員会副主席選出劇を、それぞれの人物の背景を浮き彫りにした形で分りやすく説明されています。
 いきなりここでちょっと飛躍的なのですが、結論から言うと、胡錦濤国家主席とその後継者として一番近い椅子に座る習近平氏、温家宝首相の三人のそれぞれの権力争いではなく、温家宝勢力に対する利権集団が背景であったと読んでいます。先日の日本の民主党党首選挙戦にも似ていると思いました。日本の場合は選挙戦を公にしているので、映像的に見えてしまうこともありますが、選挙前には、その勢力と覚しき人派がこぞって集会を開いたりします。中国ではそれが対外的には閉鎖的に見え、様子がつかめないことが原因で憶測すらできないのが一般的な印象です。
 習近平氏が胡錦濤氏の後釜になることは、「出来レースのようなものだった」というのに異論はありません。が、出来レースにしてしまっては不都合な向きもあったというのです。この「読み」は、凄いと思いました。選挙がスムーズに運ぶと何が不都合なのか?その理由が中国のお国柄から来るものだと解釈すれば道理なのです。
 つまり、中国政府は国民の声を反映する民主政治ではないので、私のような日本産にはちと難しい感覚です。国民が民主化の煽りを受けて政府に刃向かうようになってきたというのが、現政権のレイムダック化(劣化)なので、これが謎を解くカギになっているのに驚きです。で、中国国民を抑える手法も手が込んでいて凄いのです。ここで尖閣諸島沖の例の問題です。
 中国は異様なほど日本に対して強行な態度でした。背後には、船長をヒーローとするような国民の声があり、この声にある程度答えておかざるを得ないというのが、現中国政権が如何に独裁政権がレイムダック化しているかを知る手立てです。政府も国民が怖いとはね。重ねて、民主化を唱える劉氏のノーベル平和賞受賞も、世界的に中国政府は非難の対象になってきているのです。このことも中国政府にとってはマイナス要因になっているのです。これらが増々中国政府を硬化させ、そこでさらに追い討ちをかけているのが、中国元に対する対外国の圧力だということころまでに示唆が及んでいます。困ってしまうのは中国政府で、これまでの独裁政治がやりにくくなる一方なのです。
 極東ブログのこの記事から見えるのは、政権争いではなく、むしろ先に挙げた三氏が一枚岩となって国民の勢いをどう抑えるかという課題であったということは納得できます。ですから、民主化をのむことは中国の堕落であり、連鎖して、対外貿易も世界のレベルに合わせるという政府の妥協が問われてしまいます。これをおびやかしているのがドルの造弊です。

 米国はそうはいかない。すでに相対的にドルを下げて実質人民元をじわじわと上げる。これは米国内経済上の要請よりも、じりじりと中国を軸とした世界の経済構造を変化させるという意味がある。ゆっくりとではあるが中国社会を締め上げるように変革を迫ることになる。

 アメリカの量的緩和は他国への影響もかなり大きく、並行して日本も及ばずながら包括的緩和という対応をとっています。また、お隣りの韓国もヤバイのです「10月22日、G20を迎えるにあたって」(参照)。その上、11月にも第二弾量的緩和(QE2)をアメリカは行なおうとしています。これには賛否両論あるようですが、じわじわじりじりのアメリカ抗戦はドルなのです。

 誰もがつらい時代ということだし、その先にさしあたって希望があるわけでもない。しいて言えば、単発のコメディーはあるだろう。米国からあふれた金は新興国に流れてその国にバブルをもたらす。すると、その国にはきちんと中国人がいて勘違いなパフォーマンスをしてくれる。

 景気としては好調なブラジルが悲鳴を上げ、韓国ではドルを見方につけようと今からはしゃいでいます(「韓国の中央日報が見ているチャイナマネーと今後について」(参照))。バブルが弾ける時は景気は絶頂を迎えていますから、懐にがっぽり札束を掴むのでちょっといい気分なのですが、あとが悲惨。日本を見て学んで欲しいとはこのことです。
 一方、日本は、

 なんとか中国という体制を維持してもらうには、それを理解している温氏に声援を送るくらいではすまない。届きもしない反中デモにまったりと構え、柳腰外交で日中友好を推進するよりも、日銀に高い円を支えてもらい日本人がじっとデフレに耐えるほうが、仙谷長官の言う「属国化は今に始まった話じゃない」日本にふさわしい。

 反中デモを報じる日本のメディアが一切ないことに一番がっかりなのは団塊世代の筈、という見方はもう古くなったようです。その力はすっかり衰え、菅さんのあの覇気のない国会答弁に代表されているかのようです。日本の老化もついでに見えてきました。

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りんごの豚肉巻きトマト煮込み

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 今年のりんごは小振りで傷のあるものが多いと聞いていますが、味に関しては外れがなく、どれも美味しく感じます。その中でも紅玉という品種は酸味が強く、焼き菓子(☞レシピ☞レシピ)やジャム(☞レシピ)、パン(☞レシピ)などに使うことが多いです。りんごを料理に使うことはあまりないのですが、それでも先日の豚肉のスライスで巻いてバターソテーした料理(☞レシピ)は大変美味しかったです。その延長で、目先を変えてみたのが今日のトマト煮込みです。
 りんごのお陰で、長く煮込んでも全く肉が硬くならず、フワフワとした食感と、トマトの酸味やチーズの風味が混ざって、何とも深みのある一品になりました。紅玉は早稲種で、一ヶ月くらいの内に市場からなくなるので、早目にレシピに載せることにします。

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 使用するのは豚ロースやもも肉の焼肉用より少し薄めのスライスで、一枚が約20g程度です。12枚用意して、りんごも12等分すると丁度食べやすく作りやすい数にできると思います。見つかった時には、是非、この料理も試してみてください。

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 作り方の手順は、皮を剥かずにりんごを12等分に切って豚肉で巻き、軽く塩胡椒してからバターでソテーし、表面に焼き色をつけます。取り出して、玉ねぎをいためてから肉を戻してワインと水、トマトを加えて30分ほど煮込みます。最後に塩と胡椒で味付けし、パルメザンチーズを振って出来上がりです。煮込むのは15分くらいでも良いのですが、りんごにしっかり火が通って透きとるくらいになると、スープに味が染み出すので、できればじっくり煮込むことをお勧めします。

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 試していませんが、スロークカーで作る場合は、ソテーしたりんご巻きとあらかじめ炒めた玉葱、トマトを加え、「弱」で4時間でできると思います。

➠お弁当に

材料

  • 豚肉・・スライス12枚(250g)
  • 紅玉・・1個
  • 完熟トマト・・300g
  • 玉葱・・1個
  • バター・・20g
  • ローリエ・・1枚
  • 白ワイン・・カップ1
  • 水・・カップ1
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • パルメザンチーズ・・適宜

作り方

  1. りんごを12等分し、芯を取り除き、豚肉で巻く。
  2. 玉葱は縦に5mm幅のくし型に切り、トマトは、皮を湯剥きして一口大に切る。
  3. フライパンにバターの半分をおいて火にかけ、溶けたら1の豚肉の巻き終わりを下に並べる。
  4. 時々場所を変えながら全体に焼き色が軽くつく程度に焼いて取り出す。
  5. 同じフライパンで、残りのバターを溶かして玉葱が透き通るまで炒め、4を戻す。
  6. 分量の白ワインと水、2のトマト、ローリエを一緒に加熱し、沸騰したら蓋をして火を弱め、30分煮込む。
  7. 最後に、塩と胡椒で味を調えて皿に注ぎ分け、パルメザンチーズを振って出来上がり♬

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2010-10-19

ウォール・ストリート・ジャーナルの二ヶ月前の記事が示唆することについて

 ウオール・ストリート・ジャーナルの二ヶ月前の記事は、今後の日本にとって大いに参考になる話だと思うので少し書くことにします。
 これは私の捉え方ですが、現在のアメリカ経済は良好になってきているという見方の上で、では、どのような経済政策を行ったのかと言えば量的緩和を行ったのです。そして、該当記事では、低金利政策は無意味だと言及しています。これの何が日本にとって参考になるかは言うまでもなく、現在日銀が行っているゼロ金利政策は無意味ではないのか?を考えさせてくれるからです。そして、アメリカ経済が何故良好だと言えるか?それは、このところの円高ドル安傾向が示しています。日銀が今月5日に行った包括的緩和政策を施行したにもかかわらず、ドルは安くなっているからです。
 事は、昨夕Twitterで流れたウオール・ストリート・ジャーナルの8月17日の「【オピニオン】FRBによる日本型量的緩和は間違い」(参照)の記事にありました。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の低金利政策に関して、ジェラルド・オドリスコル Jr.氏が意見を述べているコラムです。しかも、日本を引き合いに出して「確かに理論上はこうした効果があるのだろうが、教科書的な政策は現在の米国の状況には当てはまらない。」と明言しています。
 これを最初に読んだ時、アメリカが低金利政策を行おうとしているとは知らなかったので、ごもっともな指摘だとは読んだのです。が、アメリカが現実に取り組んでいない政策です。しかも、この記事は、2010・8・17の日付だったことに気づいてそれこそ意味不明で、何が日本に関係あるのか解せませんでした。「2ヶ月前というけどこれからの話ですよ。“@godmother: @finalvent あり得ない!降参。記事の意図を教えてください。”」(参照)という回答をもらってやっと意味が掴めたのでした。もしも記事を読んで混乱されたとしたら、それはきっと私と同じ思考回路です。お気をつけください。
 この指摘は何を指しているかというと、日本が今行っている低金利政策は(ゼロ金利政策)は、アメリカ経済の立て直しには効果がないとしながら、その理由をアメリカの情勢に照らしてまとめています。では、これが、アメリカだけの問題かよ?と、柔軟に思考を巡らせて見ると、日本経済の先が透けてみえてくると言うものです。必ずしも当てはまらない部分もあるにせよ、日銀のとっている現在の低金利政策の先行きを知る一つの具体例です。

 日本型の量的緩和に向けたFRBの動きは間違いだ。国際決済銀行(BIS)が2009-10年度の年次報告で警鐘を鳴らしている歴史的な低金利が、経済活動をゆがめるのは必至だろう。住宅バブルの時がそうだった。低金利によって資産価格が不自然に高くなるため、バランスシート回復が遅くなる。また、貯蓄が不利になるため、バランスシート再構築の過程が長引く。

 減税がなくなれば景気低迷の最中に限界税率が大幅に上がることになる。そうなれば、貯蓄や資本増強の一段の妨げになり、企業の事業拡大や雇用に水を差すだろう。ガイトナー財務長官は、1932年に議会を説得して増税に踏み切ったフーバー大統領の過ちを繰り返す提案をしている。

 ここに抜粋した二点がアメリカがやってはいけない間違え政策だと指摘していますが、「日本的な量的緩和」で指しているのは現行のゼロ金利政策そのものです。本来は、金利が低くなると貯蓄に魅力がなくなるので使う方に向かうという考え方のようです。これを市民感覚なレベルで照らしてみると、逆なのです。国民の総貯蓄高の近々は「BigLobeマネー:資産運用の考え方」より。  

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 このグラフから何が読めるかというと、国民の預貯金は1996年あたりからずっと横這いです。(資料の新しいものが見つかり次第差し替えます)日銀が為替介入をしたのは今年9月と10月ですから、効果がどのように現れるかは、少なくとも半年か一年先だとは思います。個人的な意見ですが、現行の0~0.1%のゼロ金利でも国民は預貯金を出すとは思えず、むしろ、デフレ不況がこれ以上長引くと、先行き不安のため財布の紐は固くなる一方ではないかと思います。アメリカの例では、こう話しています。

 大半の場合、投資ブームは健全なファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)とともに産業をけん引する。しかし、低金利の資金が出回り続けると、ファンダメンタルズは忘れられ、この過程は古い言葉でいう熱狂(mania)に変わる。持続不可能なものは持続せず、バブルは危機の中に幕を閉じる。

 バブルの崩壊は、日本は1980年代に通ったばかりです。1990年ごろからデフレ期に入り、現在のところスパイラルの渦中です。
 記事で指摘されている二番目の増税についてですが、日本は、じわりじわりと増税を止むを得ないとして始めています。喫煙者には打撃のようですが、それでも少数派である愛煙家には増税のための値上げでした。市中銀行のバランスシートは知るところではありませんが、「我が家の家計簿」単位では多少分ります。
 入ってくるお金に給料以外であるとしたら、受け取り利息である投資や預貯金の利息です。これを当てに生活できる時代も私は知っていますが、バブル崩壊後の世代にとっては、「何?これ」的な時代物になってしまっています。例え話が全く例えにならなくてゴメンネの世界ですが、言いたい事は、長引くデフレ状況では安易な増税はダメだと言うことです。この話は、昨日のエントリーの補足のような形になりましたが、ありがたい情報です。
 アメリカの金融緩和が功を奏して経済の立て直しが進むとすれば、日本は、平行して緩和しないと太刀打ちできない経済状態に陥ることを意味しています。
 書きながら、なんて当たり前な話だろうか、と思えてきたのでこの辺で終わりにします。

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煎り落花生:落花生について

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 長年の悲願であった落花生を作りました。
 落花生が好きなのは、硬い殻の先端の筋になっているところを指で押して二つに割った時に、その落花生が美味しいか不味いかを一発で当てる時で、これが後を引く魅力です。こう言っては何ですが、近年は市場も価格的に押されぎみか、中国産の落花生が出回るようになりましたが、美味しくないのです。豆に味がない上、香ばしさもありません。ためしに何度か買ってみたのですが、どれもこれも同じでした。かといって、美味しい千葉産は気をつけていないと見逃すことが多く、出回る量が少ないせいか、なかなか入手も困難です。そういうわけで今年は畑で作ってみたのです。何故そこまでして落花生が食べたいか?はですね、話しは長くなるので端折りますが、小学校に入学したばかりの冬のことでした。
 通学班の最年長である六年生のお姉さんとその妹さんに遊んでもらった時、冷たい関東の空っ風の防風対策でもあったと思われる稲の干し場がありました。庭と畑の境目に、まるで布団を干すように、大げさな高さの木の組み物にうず高く積んであったのが落花生でした。ここで、ちょっと落花生の話し。花が終わった後に触手のような子房柄(しぼうへい)が伸びて地中に潜り、その先端に実をつけるのです。名前の由来はそこから来ているようです。

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 おびただしい数の根っこと落花生が庭の方を向いて干してあったのです。この時は、どうやったらあの美味しい落花生になるのか?と、私の知っているピーナッツとの関係を不思議に思っていました。
 その後、何日か経って、干してあった落花生がすっかり取り除かれているので聞くと、煎った落花生となっていて、味見をさせてくれたのです。この時の落花生の味が忘れられずに、また、この時の味が私の生涯の落花生の尺度となっているので、食べる度に、不味い美味しいの文句が出るのです。

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 そして、念願の美味しい落花生にありつけたか?と言ったら答えは、「はい」なのですが、実は試作段階では劇的な再会を果たしたかに思ったのですが、翌日、追加で天日干ししたために半分失敗でした。落花生の水分が試作のときよりも減ったからだと思われ、オーブンの焼き時間が長すぎたもようです。一部の小さなサイズの落花生が焦げてしまいました。素人と言うものです。

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 試しに落花生を育て、たまたま育った豆を、試しに焼いたら成功した。そういう経緯ですから、オーブンで焼くときには、一気に同じ条件で焼いてしまったための失敗でした。約半分が焦げて苦くなってしまったのです。とは言え、残り半分の美味しい落花生に、私の感動はひとしおでした。
 落花生の記録だけでも書いておこうかと思ったのですが、落花生への思い入れを書かないと単に物好きで終わるかと思ったので長々書きました。
 実験結果みたいになるのも何なので、一応レシピっぽく書いておきます。
 ※画像の左が大きな粒で、成功した状態です。右は黒っぽく焦げています。中は、燻されてもっと真っ黒なのです。

材料

  • 生落花生・・5kg

作り方

  1. 天気の良い日に天日干しをして、全体量が二割減って4kgになったらオーブンで焼く。
  2. 落花生の大きさを3種類くらいのグループに分ける。
  3. グループ別に落花生を天板に重ならないように広げ、オーブン(200v二段式)を160度に予熱する。
  4. 一番大きなサイズのグループは、40分くらいで様子を見て必要であれば時間の延長する。
  5. 他の小さなサイズは、40分よりも早目に様子を見る。

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2010-10-18

10月22日、G20を迎えるにあたって

 昨夕の「“通貨安競争”回避へ議論」というNHKニュースで(参照)、「通貨安戦争」って言っていない!という点がインパクトで、つい内容に引き込まれてしまいました。この言葉は、ブラジルの財務相が「通貨安競争(currency wars )」と、言った事が広まったそうです。「戦争」ではなく「競争」という言葉を使うと印象は変わりますが、報じている内容には危機感があり、何ともちぐはぐ。私が理解していることとの矛盾があったので少し触れておきます。
 ニュースは、22日から韓国で二日間開催されるG20での主なテーマとなることについて報じていて、「通貨安競争」についてが主な意見交換の主題となるとしています。

会議では、輸出を増やして景気回復を図ろうと、自分の国の通貨を安値に誘導する、いわゆる「通貨安競争」について意見を交わす見通しです。「通貨安競争」は、保護主義的な動きにつながるなど、世界経済に悪影響を及ぼしかねないという懸念が出ています。

の「「通貨安競争」は、保護主義的な動きにつながるなど、世界経済に悪影響を及ぼしかねない」の部分で、正にアメリカが口火を切った金融緩和政策であり、続く日本の包括的緩和政策のことではないですか。先のG7では、貿易黒字を保っている中国が、アメリカのこの緩和政策に反対的であったのは明白です。ドルが増えることでドル安になると、その影響として中国元が上がるという理屈です。ニュースでは、こういった背景から、新興国の反発が強まっている中での会議での論点を挙げていますが、会議の目的がはっきりしているようですが、ズレを感じます。

会議では「通貨安競争」を避けるため、各国がどこまで議論を深められるかが焦点となります。また、日本にとっては、先月実施した円売りドル買いの市場介入は、あくまでも急激な為替の変動に対応したものだとする主張に、各国の理解が得られるかも課題になりそうです。

 ここが私の気になった部分です。
 「通貨安競争」を避けようとして議論を深めるのが会議の目的のように報じている部分ですが、そうなん?
 まず、対中と対ブラジルでは、その対応策が違ってくるというのと、「通貨安競争を避ける」という点で、その必要が何故あるのか?です。
 前者の中国に関しては、中国の協調性を期待するのは日米だけに限らず韓国も非常に注視している部分で、先日も中央日報の社説のチャイナマネーを味方につける話を紹介しました(参照)。この中国の反発に対して日本は、「あくまでも急激な為替の変動に対応したものだ」と説明し、中国に対する圧力ではないとことを強調するのは良いとしても、はっきり言って、日本の金融政策は微々たる物で、他国に影響を及ぼすほどではないと「メディアが書き立てる「通貨安戦争」悪者論を鵜呑みにするな G7で為替介入に理解を求めた政府のお粗末(高橋洋一:ニュースの深層)」(参照)で言及しています。

量的緩和については、他国に対抗するためには基金規模の増加分が少なくとも40兆円以上ないと効果がでてこないのに。日銀では、GDP比で見て日銀の資産はすでに大きいとかいうが、重要なのはGDP比の水準ではなく変化率だ。日本の水準が高いのは、日本が現金社会というだけだ。

 さらに、ブラジルに関しても中国と同様の不満があるようですが、他国とブラジルが違うのは、インフレ率4.7%という数字からも、景気は良好だと言えるというのです。因みに日銀の目標は1%です。そこにも到達していないほど日本はデフレ状況です。ブラジルほど景気が良好であれば、周辺国が多少通貨を増やしても体力はあるでしょう?と、私も思います。
 さて、問題は「通貨安競争を避ける」と報じられた件です。
 高橋氏は、まったく無問題としています。1930年の例を挙げて、その後のアメリカの経済学者の分析では、国の経済を立て直すために通貨を増やしてインフレ傾向にすることには限度があり、そのコントロールの範囲で強調するため、心配ないとしています。

それは以下のような理由からだ。どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的には外国はマイナスの影響を受けるが、外国も金融緩和する。そうすると両国ともにインフレ率が高くなるが、両国ともに許容できるインフレ率に限界があるので際限のないインフレにはならないように、金融緩和競争はいつまでも続かない。世界の先進国では2%程度のインフレ目標があるので、4、5%のインフレにはならないだろう。

 各国ともそこまで馬鹿じゃないんだからインタゲやりなさい、という文脈でしょうか。この辺りから日本経済を見ると、如何に馬鹿かと言われているように感じます。日銀については、「フィナンシャル・タイムズが日銀を褒め殺し」(極東ブログ)が、海外の視点として分りやすく説明しています。
 話を戻すと、メディアで「通貨安戦争」などという言葉をやたら連発して流行らすので、無知な私などは何が起こるのかと不安になるのです。それが起動力となりいろいろ調べてみるのですが、飛び交う情報の中身や意味を知らないと、言葉に振り回されてクタクタになります。この件で調べている最中、酷い記事(「世界通貨戦争、敗者は誰だ」日経ビジネスONLINE)に出会いましたが、多くのメディアが「通貨安戦争」を過大解釈し、言葉を面白がって報じているように感じます。「マスゴミ」と言われる由縁ですが、言葉の解釈や意味について行かれないがための災いでもあると痛感しました。
 問題は、G20です。この会議が建て前で終わってしまうと、日本の政治を支える柱がぐらつき、ついては国民が不安な年明けを迎えることになるのです。望みをかけるのも甚だしいことですが、しっかり取り組んでもらいたいです。

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じゃが芋の旨煮:たまり醤油を使いこなすレシピ

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 今日の煮物は、出汁で煮た挽肉と玉ねぎに、茹でたじゃが芋とモロッコインゲンを加えて最後にとろみをつけた和風の旨煮です。煮込んでいませんから短時間料理です。だからというのも理由なのですが、いつもと違って「溜り」のまったりと濃い醤油で味付けしました。とろみがついた料理は冷めにくいので、これからの季節には体の温まる料理としてお勧めです。
 この、溜りの醤油を使っている理由は、色の黒い割りに塩分は普通の濃い口醤油よりも少なく、角が取れたまろやかな味わいがあります。別名、刺身醤油と呼ばれ、ほんのり甘くてコクのある醤油です。私は、香りが良いので煮物などに使いますが、野菜の色も同時に黒っぽくなるのが難点で、あまり料理には使われない醤油です。あえてこれを料理に使っているので、料理法も変えているのが今日のポイントです。

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 大変濃いので、じゃが芋などはこの醤油と一緒に煮ると真っ黒になりますし、味を染みこませる必要はないのです。せっかくの醤油の香りが抜けてしまうのも煮込まない理由なので、ここは、最後に餡に味付けして全体に絡めて仕上げします。
 参考までに、春先に「白醤油」で作った同じような煮物がありますが(☞レシピ)、色の違いを見ると、溜り醤油の仕上がりは、正に冬ヴァージョンという感じがしませんか。醤油の色は、日本の冬を感じさせるので、好きな色です。

材料

  • 新じゃが芋・・大2個(350g)
  • 玉葱・・中1個(100g)
  • 豚挽肉・・150g
  • モロッコインゲン・・70g
  • 砂糖・・大さじ1
  • 鰹出汁・・350cc
  • 溜り醤油・・大さじ2
  • 酒・・大さじ1
  • 片栗粉・・大さじ1(同量の水)

作り方

  1. じゃが芋は洗って真ん中で二つに切り、ラップで包んで電子レンジの強で8分加熱する。
  2. ひき肉に分量の砂糖を混ぜてよくかき混ぜて馴染ませる。
  3. タマネギの皮を剥いてくし形に(縦に)1.5cm幅に切る。
  4. 鍋で出汁と2の肉を混ぜながら火を通し、肉の色が変わったら3の玉葱を加え、蓋をして透き通るまで蒸し煮する。
  5. 1のじゃが芋に竹串を通し、スッと通ることを確認してから一口大に切って4に加え、馴染むまで加熱する。
  6. 酒と醤油を加えて調味し2~3分煮たら水溶き片栗粉でとろみをつけてでき上がり♪

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2010-10-17

曰くつきのノーベル賞について

 極東ブログの「政治的だった2010年ノーベル経済学賞」(参照)に触れて、昨日私も少し意見をしましたが(参照)、妙に気持ちに残るものがあるせいか、ネットのニュースにその関心が向きます。
 昨日は、パキスタンが中国に加勢するかのように劉氏への授与を批判する声明を出したと報じていました(asahi.com)。

パキスタン外務省は15日、中国の人権活動家、劉暁波(リウ・シアオポー)氏へのノーベル平和賞授与について、「賞の授与の原則に反し、権威も損なう」と批判する声明を出した。極めて友好的な関係にある中国に配慮したとみられる。

 中国の民主化を願う劉氏がノーベル平和賞を受賞したことに対して、社会には様々な意見はあるとしても、一国のトップが他国の受賞者に批判や賛否の意見を個々に表明するような現象に驚いています。先日はオバマ氏が、パキスタンとは逆に賞賛していました。この受賞が、意図的になるべくしてなったとは思いたくないのですが、あまりにも不自然です。何か図られているような気味悪さがあります。
 このように、連日私の思いが巡るのは、一つにはスウェーデン王立科学アカデミーには、誰に授与するかの決定に何かの意図があるのか?またはないのか?という疑問や、もう一つは、人が単に、利害関係をこの時とばかりに持ち込みたがるだけなのか。このような気がかりが潜在しているため、昨日私が書いた時は、そこから出てきた一種の嫌気のようなしらけた気分でした。普段はあまり強く思っていませんが、これを機に蓋が外れたというか、でした。
 しらけた気持ちになっている時は、自分の見たいくないものを見まいとするような力が不自然に働きます。昨日触れたように、ノーベル賞を政治の道具に使って欲しくないと思っているのは、私にはまだ諦めきれない反骨心のようなものがあったのかと自分でも驚きです。このような思いがあるうちは、自分の力で何とかできるというおごりがあるからかもしれません。
 心の深い部分なので普段は気づかないのですが、反応の気持ちを調べてみると、自分自身の心の中で正義感とそれを打ち消そうとする気持ちが反目し合っているのに気づきます。普段は、この意識の存在を自覚できていないだけではないかと思うのです。これがノーベル平和賞に対して反応したのだと思います。
 この賞は、それを扱う人によって賞自体が不思議な力を持ってしまうことと、それによって、受け取る側や周囲にいろいろな意見が出てくるようです。私の猜疑心もその一つで、たまたまそれは薄汚い、と、私が嫌悪するのです。
 私って、何故この賞にこれほど拘るのか分りません。こんな風に捉えたのは今回初めてです。その受け止められない部分が表出し、それを昨日書いたのだと今頃分ったのです。これはノーベル平和賞を政治の道具に使うべからずという「反目」です。そして、自分自身の内面の問題だということが分ってきました。
 平和って何?と聞かれても、その説明をしようとすると、相反する不和な状態の存在を無くすことが平和だと言ってしまいそうになるのです。それは、個人的な幸福感を満たすだけという虚しさを残すのです。平和は一体どこにあるの?と慌てて探すような焦る気持ちになってきます。
 「平和」は何故これほど非現実的なんだろうかと落胆するのは、少なくとも、私自身にそれがないのが現実なのです。

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ビックル液に軽くつけ込んだ鶏肉とじゃが芋のオーブン焼き(しっとりした食感にカリカリの皮が魅力)

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 今日のレシピは、鶏のもも肉をオーブンで焼くという方法から思いついた料理です。塩と胡椒だけでも充分美味しく焼けるのが鶏肉なのですが、ハーブの香りは何にしようかと考えているうちに、私が良く作る胸肉のハム(☞レシピ)の作り方とそっくりな組み合わせになってきたのです。ハーブの香りを肉に移すには、少量の誘い水を使ったほうが早いので、結局塩味も香りも一緒くたにしてみました。ハム作りでは「ビックル液」と呼ばれる味付け液に肉の塊を漬け込み、味をしっかりしみこませてから焼いたのがハムです。ですから、同じ方法でスケールを小さくしたのが今日のレシピです。

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 このオーブン料理をお勧めしたい理由は、余分な脂がすっかり抜けてしまうにもかかわらず、存外にジューシーに仕上がることと、何よりも料理の手間がかからない上美味しいという点です。このところオーブン料理が続きますが、合わせて紹介したいと思いました。さっぱりとした仕上がりなので、少し大きめな肉でも思いのほか食べてしまいます。

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 もも肉は二枚に切り分けて漬け込み、そのまま焼きます。かなり大きいと感じても、オーブンで焼くと脂は溶けて出てしまうので目方は少なくなります。
 また、塊肉のオーブン料理では、肉を室温に置くとよいです。表面から熱が伝わる時、中の温度が低いとムラ焼けになったり生だったりする原因になります。加えて、加熱する時は、予熱をしないで焼き始めます。徐々に温度が設定に近づくにつれて中心にも熱が伝わります。そのため、急激に肉が縮んだり乾燥することもありません。

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 付け合せのじゃが芋はころころとした一口サイズに切ってあるので、この場合は、水から茹で始めて沸騰後1分で火から下ろします。肉と一緒にオーブンに入れて同時に焼きます。した茹でをしていないと芯まで荷が通らないことがあるので、安全のためと、アク抜きの意味でこの方法にします。
後でわかったのですが、ビックル液が肉の10%位だと、30分後には肉が全て吸い込んでしまうようです。ですから、ビックル液の吸い込み状況で下味のつき方が判別するとよいです。

材料

  • 鶏もも肉・・1枚
  • オレガノ(ホール)・・小さじ1/2
  • バジル(ホール)・・小さじ1/2
  • タイム(パウダー)・・少々
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • 水・・30cc
  • じゃが芋・・適宜
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • レモン・・1/3個

作り方

  1. もも肉の余分な脂を取り除いて筋目に包丁を軽く入れて、筋切りする。
  2. ポリ袋にハーブなど全てを混ぜ合わせ、1の肉を入れて揉みこんで水分が無くなるまで下味をつける(約30分)。
  3. じゃが芋を洗って一口大に切り、水に1%の塩を加えてから茹で始め、沸騰後1分で笊に取る。
  4. 2の鶏肉に分量のオリーブオイルを加えて肉に絡める。
  5. 耐熱の器に油を塗り、4の鶏肉の皮目を上に並べて空いている場所にじゃが芋を散らす。
  6. そのままオーブンの上段に置き、タイマーを25分、230度の温度設定で加熱を始める。
  7. 途中、20分くらいで様子を見て、皮目に焼き色がつくまで焼いたら皿に盛り付け、レモン汁をかけて出来上がり♬

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2010-10-16

極東ブログ「政治的だった2010年ノーベル経済学賞」―曰くつきについて

 うー、こゆの結構好き。政治的に陰謀が絡んだようなストーリー展開に期待。と、読み進めたのです(参照)。え、一回読んだだけじゃ「何が政治的で、どこにそれが潜んでいるのかわかんねぇなー」というわけで、もう一回読んでみた。
 そっか、先を急ぐあまり、一番最初の段落が頭に入っていませんでした。

今年のノーベル経済学賞は、露骨に政治的だったと言えるのでないか。もちろん、ピーター・ダイアモンド(Peter Diamond)教授(70)の受賞が不当だというわけではない。問題は、タイミングだ。

 「政治的」と「タイミング」がキーワードですね。
 二度読んでも、あれ?わかんない。胡散臭さの匂いがしません。今回のエントリーは、よほどヒントを与えたくないらしく、どちらかというと尻切れトンボ的。酷いぢゃないですか、ヒントなさ杉。
 三回目。「タイミング」と言っても、それがどれを指すのか分らない。
 オバマさんが「雇用問題に真摯に取り組んでいない」という批判の口封じのために、ダイヤモンド教授を指名し、米連邦準備制度理事会に据えるという対策をとったそうです。その後、同教授の受賞が決定した、と。ここまではまったく無問題です。よね?
 で、このいちゃもんをつけたとされる野党米共和党が上院の夏季休暇を狙って8月6日のワシントンポストに、教授の専門性が適任でないことと、FRBの行った金融緩和が増税の愚作だとの趣旨で茶々を入れた、と。問題かどうか分りませんが、上院が夏季休暇中を狙うことに時系列上の意味があるのでしょうか?(一応、タイミングがキーワードなので、抑えておきますが)依然、夏休みとの関連がつかない私なのですが先に進みます。
 で、ここでいきなり「いずれにしても、ダイヤモンド教授のFRB理事承認が米国内で政治的に紛糾しているなか」と、中をカットしたみたいに結末に繋がっちゃっているんですよね。私が文脈が読めなくなるのはここなのです。そして、ダイヤモンド教授にここでノーベル経済学賞が決まっちゃうのです。
 これは、オバマさんの人選が成功したと評価される部分で、雇用問題でアップアップしていたオバマさんの株も上がったという話しです。
 ここに何か良くできた話があるのでしょうか?唯一疑うとすれば、昨年ノーベル平和賞を授与したオバマ氏が、アメリカ経済をも立て直して世界を引っ張る牽引力の助けとなるよう経済学賞も与えるか、という力が働いたとでも言うのか?そうかもしれない。それだったらありうる話です。特にわくわくするような陰謀論的な文脈はなしってことで。
 スウェーデン王立科学アカデミーにどのような意図や評価が裏にあろうと、ダイヤモンド氏の研究に授与されことには変わりないのです。ここに、賄賂の話などが持ち上がらない限り、何ら事件性を問う必要もないわけです。

 「ノーベル経済学賞に貴重な見識があるとしても、スウェーデン王立科学アカデミーには米国FRB理事を決める決めることはできない」ともシェルビー議員は述べている。 

 と、最後の一言は、ちょっとヒントでした。言い換えれば、米国FRB理事に指名された人をスウェーデン王立科学アカデミーが受賞者に選んだのは事実です。
 良く分らないのですが、近年のノーベル賞はほとんどそれなりの意図や何らかの配慮なり計らいがあるように思うのです。それが悪いということではないのですが、昔のように単純に喜べないのです。私の感覚も妙にこれに慣れてきていますが、考えてみると、日本人の受賞者の大半はアメリカが研究の本拠地ですし、中国の劉氏も民主化の世論の流れを汲んでいます。なんとなくですが、アメリカの政権交代が今世紀のノーベル賞を総ナメして完結するような、そういうストーリーでも書けそうな筋の上に成り立つのです。だからと言って、受賞されている方の研究に文句を言うものではありません。
 先日、劉氏の受賞のことをここで扱った時に「そんなめんどうなこと考えないで素直に喜べばいい話で、ふつうの国民はそう考えてるだろう」というコメントを通りすがりさんから頂きました。授与する側にどのような意図があってもそれはそれで結構ですが、そこに奇異を感じる人間もいるということです。たとえそれが普通でないと言われても。
 「昔は、もっとすっきりと授与され、心からお祝いしたものでした。」という思いがまずあるので、今のノーベル賞ははっきり言って、曰くつきが多くてしらけるのですよ。

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韓国の中央日報が見ているチャイナマネーと今後について

 昨日Twitterで拾ったクリップ記事は、13日付けの韓国中央日報紙の社説でした。思わずこのタイトルに引かれて読んでみると、日本の経済のことも透けて見えてくるようで興味深く、また、分らないこともあったので調べてみたりする昨日でした。

「押し寄せるチャイナマネー狂風」中央日報社説2010年10月13日

 この記事が気になっている理由は、「チャイナマネー」が狂風だとしながらも、それも受け止め方次第だという示唆を含めて書いてあるからです。
 つまり、世界がモンスターだと恐れているチャイナマネーに煽られるのではなく、味方につけようという話ですから前向きじゃないですか。ところが、その部分の記述があまりにも少なく、また、乏しくて情けないほどの私の知識では経済が読めないのです。それで、ついつい調べ始めというわけです。ここでは、その部分について書いておこうと思います。
 まず、「チャイナマネー」は、なぜモンスターと言われて恐れられているのか?
 おそらくアメリカの国債を買占め、固定金利であるために他国に対して一枚岩的な頑固さが強みとなっているからでしょうか。それと、国債を買い占める、というとてつもない資金力のため、歯が立たない相手として天敵と見なされているようです。記事の冒頭で、

すでに韓国にもチャイナマネーは流れ込んでいる。金融監督院によると、今年に入って中国投資家は2兆8710億ウォン(約2200億円)分の韓国債券を買った。韓国の株式も766億ウォン分を買い越している。巨大な外貨準備高を背景とする中国投資公司(CIC)と中国の最大年金基金の社会保障基金(SSF)が先頭に立っている。

とあるので、チャイナマネーがどのようにコントロールされて中国から流出して来るのか調べてみました。
 「中国の国家ファンドの脅威とは 古森義久」(杜父魚文庫ブログ)が端的に説明しています。

 中国政府がこの新しい金融モンスターとなる国家ファンドの主役たる「中国投資有限責任公司(CIC)」を設立したのは二〇〇七年九月二十九日だった。この機関の目的は中国の国家としての保有外貨をこれまでのアメリカ政府ドル建て債券への伝統的な投資を超えて、新たな方法により、多様に管理し、運営していくこととされていた。

CICは中国の中央銀行である中国人民銀行から約二千億㌦の当初資金を得て発足し、その出発点ですでに全世界でも最大規模の国家ファンドの一つとなった。

 「新たな方法により」というのが気になるのですが、これは2007年の時点で、中国が外国国債の獲得を政策として本格的に始めた時点での方法で、これに特徴があります。他国が国債を買う目的とは全く違う、という点が如実で、これに苦しめられているのが実情です。では、このCICは何を目的にしているのか?

 各国の一般投資ファンドがみな商業的な原理に基づき、利益や蓄財を求めて機能するのとは異なり、中国の国家ファンドは国家の対外戦略そのものの政治や外交、安全保障などの目的のための機能を第一義とする。だから商業的に損失を覚悟してでも巨額の資金が外国の企業や政府機関に投入されることもある。狙いは単なる金融面での利得ではないのだ。

 損しても外国国債を買うとは、驚きでした。しかも、中国政府がバックというか、ほとんど国営のようなものです。政策において運営されているというCICが、アメリカの国債をガッツリ買い込んだ目的は何?と、疑問がどんどん出てきて調べるのが面白くなるのですが、道を外すのでこの辺で戻ります。
 韓国がチャイニーズマネーを味方につけるか敵につけるか、でしたね。同紙は、次のようにこの社説を結んでます。

 お金には荷札がないだけに、あえてチャイナマネーを差別する理由はない。外国為替市場の完全自由化で韓国がチャイナマネーの流出入を防ぐ手段もない。しかしチャイナマネーの空襲はまだ始まったばかりであり、今後その規模がさらに増えるのは間違いない。韓国にとってチャイナマネーは諸刃の剣だ。うまく利用すれば雇用が増え、景気浮揚に役立つ。

 このように中央日報は見ています。「雇用が増え、景気浮揚に役立つ」、そのうまい利用方法は何でしょう。人民元を味方につける話は今まで実例がないからか、ぴんと来ません。単純に考えると、チャイニーズマネーとは言え外貨獲得なのですから、循環させて景気回復の脇役的になればよいのだと思います。流入してきた外貨をどんどん使って景気回復のきっかけになるかに思います。
 しかし、日本はデフレスパイラルの中でお金が動かないで喘いでいるのです、菅さんはお金を使えと言いますが、先の見えない日本経済でどうやって出せると言うのですか?プールしているお金が無い人もいます。ここで円高は進み、デフレはデフレのままです。
 ドル安に対する対応は、日、中、韓、それぞれ違うとは思いますが、韓国にも難しい問題があるとは言え、日本の芝生は青く見えるようでもあります。先日の日銀の「包括的緩和」のことにも触れています(参照)。

 しかし韓日中の対応方式は違う。中国は人民元の価値がさらに上がらないよう事実上固定している。日本は先月15日、6年6カ月ぶりに市場に介入し、円高の勢いを一時的に阻止した。

 一時的に阻止したのは何時だっけ?というくらいあっという間の出来事でした。今はさらに円高が進んで80円代です。これを阻止できるのは量的緩和しかないと思っていますが、それと同時に、流入した外貨をどうするかが当面の課題でありチャンスのようです。
 今後影響を受けるであろう韓国の様子も注視して行こうと思いました。

 

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チキングリーンカレー(ストックのほうれん草ペースト使用):骨付きもも肉のぶつ切りで美味しいスープ

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 今日は、市販のカレールーを使わずに香辛料だけで作ったカレーです。通称グリーンカレーと呼ばれ、日本ではインドの人が経営するカレー店などで食べることができます。諏訪にもそういうお店があって、今日のカレーの作り方は、このお店で教えてもらった方法です。私は、お店の人に良く話しかけるので直ぐに友達のように親しくなるのが常で、食事を待つ間のおしゃべりから、注文したカレーがどのように作られるのかを聞いたりするうちに覚えてしまうのです。日本人向きに辛さや香辛料の数は減らしていますが、鶏がらスープとソテーした鶏肉に、ほうれん草のペーストを組み込むという方法は、彼に教えてもらいました。

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 ▶この三種類のことを一度にやったとしても二時間くらいでできます。一番時間がかかるのは鶏がら出汁をとることなので、骨付きのもも肉のぶつ切りを沸騰させないように低温で一時間ほど茹で、肉を取り出して上澄みと分けておきます。
 ほうれん草のペーストは、柔らかめに塩茹でし、水に放って粗熱を取り、軽く絞って2cmの幅に切ったら鶏ガラスープ少々と一緒にミキサーで2分ほど撹拌します。とろみをつけるために電子レンジで蒸したじゃが芋を入れて撹拌します。

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 ▶最後は鶏肉のソテーです。この段階は仕上げです。先のがらスープとほうれん草のペーストは既に出来上がっているのが条件です。使用した肉は、がらスープを取った骨付きもも肉ですが、脂もすっかり抜けていますので、カロリーが低くなって私には丁度いいくらいです。物足りないというようであれば、別にもも肉を用意すると良いです。ついでの話ですが、ここで鶏肉以外の肉類を使うのもまた、目先が変わってよいです。例えば、マトンやフランクフルトソーセージ、豚肉、ミンチボールなどです。

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さて仕上げです。オリーブオイルでにんにくと鷹の爪、コリアンダー、クミンシードを弱火でローストします。香りが油に移ったら鶏肉の皮目を下に、焼き色をつけます。火が通っているので焼き色をつけるだけです。ここにほうれん草のペーストを加え好みの濃さになるまでがらスープを注ぎ、一煮立ちさせて塩と胡椒で味を調えます。
えっと、これだけです。実は簡単なんです。
☆➠参考までに、我が家の「香辛料だけで作るカレー」☞レシピ
➠お弁当に

材料

  • 鶏骨付きもも肉・・ぶつ切り500g
  • 水・・3リットル
  • ほうれん草・・1束
  • じゃが芋・・100g
  • 3%の塩水・・1リットル(ほうれん草の茹で用)
  • オリーブオイル・・大さじ2
  • にんにく・・2片
  • クミンシード・・小さじ1
  • コリアンダー・・小さじ1
  • 鷹の爪・・1個
  • 塩・・小さじ2
  • 胡椒・・適宜
  • ターメリックライス(クルクミンカプセル使用)について☞レシピ
  • 付け合せのじゃが芋・・適宜

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2010-10-15

勘違い劇場そのものな記事とブックマークについて

➠民主・輿石氏、ノーベル賞の劉氏釈放要求「私が言っても無駄」MSN産経ニュース
 このニュースに昨夕気づいた時点では全く関心がありませんでしたが、時間が経って見てみると、同じような意見のブックマークコメントが付いていて不思議でした。よく読むと、記事自体が勘違いかしら、と気になったのと、劉氏のノーベル平和賞受賞に触れて先日書いたことでもあり(参照)、少し思うことを書いておくことにします。
 ニュースの内容は、無いよー、と言いたいほど、何故こんなことがニュースになるのか不思議なくらい輿石氏の返答に問題性を感じない私です。と、こんな書き方をすると、輿石氏と同じような批判を受けるのかと思いますが、そもそも記事自体が間違っているように感じたのです。以下の短い記事です。

 民主党の輿石東参院議員会長は14日の記者会見で、ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家で服役中の劉暁波氏の釈放を求めるかどうかを問われ「俺が釈放しろったって(中国政府は)釈放しないよ。そういうムダなコメントは答えない」と述べて、劉氏の釈放について発言するのは無意味だとの考えを示した

 この記事の間違えの部分は、「劉氏の釈放について発言するのは無意味」とは言っていないにもかかわらず、言ったように書いてあること。しかも、それが「考え」だとも示していませんよ。単に「答えない」と言っているだけです。また、「俺が釈放しろったって(中国政府は)釈放しないよ。」には「仮に言っても」という含みがあります。それを、あたかも「発言しない」と言っているような書き方は、ご本人の思いとは異なります。これは、記者さんの捉え方一つで、人の微妙な思いが伝わらなくなるどころか、かえって誤解を生じる一例だと思います。その勘違い記事に素直に反応したとは言え、とかく政局問題にしたがる方達のブックマークコメントが勢揃いで、これは日本らしい風景です(参照)。下記は、その一部です。

Erlkonig neta,:society 政治家の政治離れが進む昨今。「政治家の皆さん、もっと政治に関心を持ちましょう!」
wackunnpapa:政治, これはひどい さすがの自己認識だが,自分で言ったら政治生命おしまいだろがボケ(嘆息)。
momo21C:政治 民主党の大幹部でさえこのレベル。民主党は絶望的だな。

 ここまでのことを引き出すために書いた記事とは思いませんが、でも、だから文責を問われる事です。
 もう一つ気になるのは、質問の中身です。中国に対して釈放を求めるか?の質問ですが、この意図が全く理解できない私です。
 他にこのような質問をされている政治家のコメントがあるのだろうか?と思い、調べると、あるのですね。オバマ氏と菅氏がそれぞれ釈放の要求の意向があるか無いかの質問に答えるかたちで、菅氏は明言を避け(参照)、オバマ氏は釈放要求の立場で明言しています(参照)。ここでの疑問は、「答え方」ではなく、劉氏の釈放を他国のトップが要求できるのか?です。これは、トップでなくてもそんなことは無理でしょう、と思います。そのようなことを要求して、釈放が可能になることでしょうか?他国の法律と感情論は異次元の話しで、これをごっちゃにして胸を張るオバマさんは、中国にその辺を読まれてしまっている筈です。外交のしくじりもあるとの事ですが、中国には中国の法律があり、中国人は中国国民として、その法の下に生きているというだけに過ぎないことだと思います。
 劉氏のノーベル平和賞の受賞は、氏の平和への願いが中国国民に伝播することには意味があるとは思います。そして、その国民が平和を願って国を変えようとするのなら、それは中国が向かう方向であるとは思います。一方、他国が中国をこの件でバッシングすることは、それこそが反目です。受賞の意味がなくなります。
 そういう意味では、ムダな質問をするものだと、私も思います。

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塩味の大根菜飯二種(梅と紫蘇の実)

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 ここ諏訪では、大根や蕪などは「葉」がついて売っているのが普通です。何故か、スーパーに出回っているものには葉が付いていません。野菜を育ててみてわかったことですが、大根や人参のような根菜の葉を普通に食べるという事や、皮を剥かずに料理しても味が染み込むので、ピーラーを殆ど使わなくなったことなどがあります。それが当たり前になると、葉がついていない野菜は、生産者が自信がないのかな?などと憶測してしまいます。どこにでもあるとは思いませんが、大根に葉が付いていたら是非食べて欲しいです。
 今日は、栄養たっぷりな大根の葉を食べきるレシピです。
 毎年必ず何度か作る「菜飯」で、普段は信州味噌で味付けしますが(☞レシピ)、今日は、色鮮やかに仕上がる塩味です。ご存知の通り。大根の葉は、生だと青菜臭くてそのままでは食べにくいのです。色が悪くなるのを承知で炒めたりするのが味噌味の時ですが、塩味の場合は、茹でる前に塩でよくもんで青臭みの元の水分をできるだけ出します。80度くらいのお湯で軽く茹でたあとに、もう一度塩を振って最後の味付けをしたあと、混ぜ物と一緒に酢で味を締めます。

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  これででき上がりですが、味付けに関していは様々な条件の違いがあるので、分量を固定できないのが正直なところです。ここで明記するのは私が作った分量ではありますが、必ずしも当てはまらないので、重要なことは、味見で確かるということです。そこで、味付けで一番失敗しやすい部分に注意を払うことだけ特記します。が、それほど難しいことではないので、何度か作るうちに身につくように、味見を大切にすると良いと思います。

☆ 最初に塩を振って水気を出すときの塩は多目でも良い。
☆ 茹でたあとに絞りが甘いと塩を吸わないので、出来上がりが薄味になる。
☆ 混ぜるシラスや梅のカリカリ漬け、紫蘇の実の塩分も加味して、大根葉の味付けは薄味にする。

材料(シラスと紫蘇の実二種)

  • 大根葉・・1本分(600g)
  • 振り塩・・大さじ2
  • 調整用の塩・・小さじ2
  • 酢・・大さじ1
  • しらす干し・・大さじ4
  • かりかり梅・・2個
  • 紫蘇の実・・大さじ1☞レシピ
  • 半ずり白胡麻

作り方

  1. 大根の葉は洗って水気を切り、7~8mmの小口に切り揃える。
  2. 鍋にお湯を沸かす。
  3. 大きなボールで1の大根葉に振り塩をして良く混ぜ合わせ、10分ほど置いて固く絞る。
  4. 2のお湯が沸騰したら3の大根葉をほぐしながら入れ、火を弱めて(沸騰させないように)3分茹でる。
  5. 笊に取って流水で粗熱を取ったら硬く絞ってボールに取る。
  6. 味見をして塩を加え、シラスと和えてから酢で味を引き締める。
  7. 6をに等分し、片方には紫蘇の実を混ぜ、残りにはみじん切りのカリカリ梅を混ぜ合わせてでき上がり♪

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2010-10-14

極東ブログ「中国によるパキスタンへの核武装強化の支援」から見る中国の姿について

 どれほど恐ろしい内情の炙り出しが飛び出すのかと、怖いもの見たさというかドキドキしました。
今朝ほどエントリーでも触れたように(参照)、中国のこのところの軍備のスピードと、それにやや手を焼くオバマ政権率いるアメリカとの二国間に、何が起こるのかとヒヤヒヤしている私です。日本は、何が起こっても、両手を揚げて戦争は仕掛けませんとしか言えない国ですし、核兵器を持つ中国や北朝鮮に仕掛けられたら終わりです。こんなことを言うと「そんなことは直ぐには起こりませんよ」と言われそうですが、ここをどう見守るのか、本当に深刻な事態を迎えていると思います。
 極東ブログでは、昨日のエントリー「北朝鮮の核開発が一段と進展する中国は非核化にコミットしない」(参照)からさらに考察が深まっています。当然ですが、中国の核の扱いには注意の眼差しを向けているようです。
 今回のエントリーは、私も気になっていた中国の、パキスタンの原子炉保有と同時に、パキスタン国内の新原子炉建設を支援するという話から展開して、現在の中国像を描き出しています。そして、その姿を日本政府がきちんと捉えることができたなら、私がワナワナ震えて怯えることもなくなる、という日本の取り組みまでも引き出して言及されています。
 これは、文脈をどう読むかにもかかると思いますが、私はこんな風に感じました。ずる賢くしたたかな中国というイメージから一転して、「幼稚で、実は扱いやすい中国」なイメージです。だからといって気を緩ませる相手でも勿論ありませんが、付き合い方次第のような、なんとかなる相手という感覚を持ったのです。果たしてこの読みが正しいかどうかは分かりませんが、でも、中国がどういう国なのか、その具体例を知ると納得です。
 まず、中国は何故、パキスタンに介入して原子炉を作る支援をしたり、プルトニウムの増産を世界に隠れてやらないのか?なのです。本当なら、後ろめたいはずだという見方は、核軍縮を推進するアメリカが持つのは当然なのです。理由は、

 中国は、核拡散防止条約(NPT: the Nuclear Non-Proliferation Treaty)に署名していない国に核施設の販売を禁じる原子力供給国グループ(NSG: Nuclear Suppliers Group)ルールを無視してきた。

 だからです。では、中国はこのルールを知らないのか?そんなことはありません。加盟する以前の問題だから正当だと言っているそうです。
 もう一つ中国が強気な訳は、

 中国にも中国の理屈があり、またインドのNSG免責は西側諸国のご都合ではないかという批判もあるだろう。だが、現実を見れば、インドの核化は既定でありパキスタンも対抗して核化した以上、この均衡を取るしかない。しかも、パキスタンについていえば、実質アフガン戦争の主体であり、タリバンがパキスタン核を入手または支配する危険性もあり、国際社会はパキスタンを抑圧せざるをえない。他方、中国はといえば、これは対インドの軍事関係上のバランスからパキスタンに肩入れしているのだが、よりによって核を選んでいるにすぎない。
 

 こんな子どもじみた言い分、と言っては話が終わってしまうのですが、そっちがそうならおらっちも、といった中国のこの態度にどう付き合えばよいのか?また、どうすればアメリカ側のルールに従わせることが出来るのか?やっと日本に御鉢が回ってきたようです。

 重要なのは、中国の、結果的な核化拡散の攻勢をできるだけ国際社会の話題の上にあぶり出し、国際社会の正しい振る舞いを表示し、これに中国を従わせることだろう。
 そしてその最先端に立たなければならないのは、非核原則を持ち、武力攻撃を放棄した平和日本であるべきなのだろう。

 私もそうだと思います。話は飛びますが、ルワンダは世界から孤立させてはならない国ですが、中国は逆のようです。
 「武器を持って戦いを仕掛けないと誓った日本が本当は一番強いのだ」と、戦争に駆り出された小学校の先生がいつも話していました。「日本は力では負けるから頭で勝つんだ。両方なくてもいいんだ。」とよく話してくれました。
 昨日、国会で日本の武器製造の関わりについて、これまでの法を緩和するような要望を言っていた野党のバカちんがいましたが、覇気のない口調で菅さんは、緩めるつもりはないと断言していました。ここで、もう少し元気だしてくれよぅ、菅さんと思ったのは私だけではなさそうです。
 オバマさんは、このところ武器や戦闘機の輸出を盛んに増やしていますが、日本はアメリカとは違うのです。非核三原則(「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」)によって、戦争に加担しないと、故佐藤栄作総理は誓ったのです。国がどんなに貧乏でも、戦争ごっこで私腹を肥やさないと誓った国なのです。
 見る所を間違えては困ります。

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極東ブログ「北朝鮮の核開発が一段と進展するなか中国は非核化にコミットしない」―中国と北朝鮮の関係について

  タイトルの言い回しが「非核化」「コミットしない」と二重に否定形となっていて、何故このような言い回しになっているのか奇異に感じながら読み進めていくと、極東ブログが六カ国協議の立場から書いているということがわかりました。つまり、六カ国協議における北朝鮮と他国(実質はアメリカ)との関係の仲介役であるはずの中国の態度が変わったということをすっぱ抜いています(参照)。それは、北朝鮮と結託の関係にあるのではないかと見ているようです。これには些か驚きました。それというのも、昨日の午後、北朝鮮が六カ国協議に応じる姿勢だというニュースを見た直後のエントリーだからです。何が本当なのか、最初は混乱しました。
 その前に、この六カ国協議というのがあやふやになので、少し触れておきます。
 ロシア、韓国、米国、日本、中国、北朝鮮をさしますが、この集まり自体があまり機能していないというのは周知のことです。2002年に、北朝鮮で核開発を行っているとういう疑惑が浮上した後、NPT(核拡散防止条約)を脱退したため、核開発の放棄を求めるためにアメリカが中心になって始まったのが六カ国協議です。が、北朝鮮が参加に応じないこともあって難航しているというのが現状のようです。日本は拉致問題を抱えているということもあるせいか、アメリカとは別の意味で北朝鮮とは話し合う場も必要だという立場です。結局のところ、仲介役は中国だというのが私達の理解です。
 昨日の午後知ったニュースというのは、日経の北朝鮮代表が中国を訪れ、その会談で、北朝鮮が六カ国協議参加に積極的だと報じていたのです。

➠北朝鮮は6カ国協議再開に積極的中国・武大偉代表 日本経済新聞 2010/10/13 2:01) 
 北朝鮮の金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官は12日、空路で北京入りした。中国外務省で武大偉朝鮮半島問題特別代表と会談し、核問題を巡る6カ国協議の再開について話し合った。会談後、武氏は記者団に「北朝鮮は6カ国協議の再開に積極的だと感じた」と述べた。ただ、再開時期については「まだ分からない」と語るにとどめた。

中断している6カ国協議の再開について中国は(1)米朝協議(2)非公式の予備会合(3)公式協議――の3段階方式を提案し、北朝鮮側と認識が一致しているとの見解を示している。12日の会談では、米朝協議や南北関係改善に向けた環境整備に関しても話し合ったとみられる。

 ここまで具体的な内容を見れば、中国は仲介役としての務めを果たしていると見て良いと思ったのです。ところが、極東ブログの分析は、中国は北朝鮮の核開発を手伝っているというのです。しかも、その分析の元になっている情報は、かなり信頼性のある出典です。ますます、中国という国が分からなくなったのと同時に、怖くなりました。ついこの間まで、直ぐに戦争が始まるようなことはない、と高を括っていたました。この日経が報じた情報はあくまでも中国筋の話で、信憑性がないということが分かりました。
 では、極東ブログはどう見ているかです。

 六か国協議の枠組みで、北朝鮮の核化抑制でもっとも期待されている中国が、端的に言えば、最大の問題になっている。実質北朝鮮の核化をバックアップしているからだ。
 さらに中国は、米国側からのこうした報告のさなかに、金正恩の権力ショーに中国共産党の周永康政治局常務委員を堂々と参加させている。このことは、「北朝鮮による核開発を食い止めるため、中国を含めた国際的な取り組み」とやらが、すでに明確に機能していないことを示している。米国オバマ政権の対北朝鮮政策がすでに破綻していることも同時に意味している。

 繰り返すが、すでに中国は、北朝鮮の核化が進むという報道のさなかに北朝鮮を支持する表示を行うことで、北朝鮮の非核化にはコミットしていないという明確なメッセージを出しているのである。

 オバマ政権の外交の失敗を明確にしたというものですが、中国がここまで飛躍的に行動するとは驚きです。このところの中国の核に対する動きの中で一番具体的な話ではないかと思います。
 今回の中国の動きのように、見える内はまだいいのですが、見えないところで、気づかれないうちに何が起こるとも限らないので用心するべきです。イギリスのテレグラム紙によると(参照)、中国はパキスタンの核開発にも積極的だということが発覚したばかりです。
 衛星画像の分析で、パキスタンでは、極秘で開発したと見られる原子炉が一ヶ月以内に完成する見込みだと報じています。また、プルトニウムの増産に中国が支援を始めるという点と、パキスタン国内に新たに二箇所の核施設を増設するに当たっても中国の支援を明らかにしているというのです。
 これらの中国の核に関しての動きを見ていると、相当、軍備に力を注いでいることが分かります。その意味が何かを思うと、日本は、軽率に動くべきではないように思います。事態は深刻です。

 

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銀鮭のオリーブオイル焼き:何もしないから美味しいオーブン焼き

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 放りこむだけの煮込み料理道具の筆頭が「スロークッカー」だとすると、焼く料理の筆頭は「オーブン」です。私が使用しているオーブンは、20年前に家を新築した時に組み込んだビルトイン式で、しかも、ビッグオーブンです。庫内の内法が45cm×35cmで二段式の200v仕様です。付属機能は、電子レンジとグリル、それを併用できるコンビネーションの使い分けができます。と、こんなことを書いて何が言いたいかですが、毎日レシピを平然と書いていて、各家庭が使っている器具は千差万別だろうに、我が家の器具がどんな基準であるかと言うことにはあまり触れてこなかった気がしています。なので、少し触れておきます。
 また、今日の鮭のオーブン焼きに使う器具でもあるので、持っていないという方には、オーブンはお薦めな器具だと言いたいのが密かにあります。独身時代はないくても何とかなりますが、食べさせて育てる側になったとき、オーブンの使い方に慣れておくと、それは強い味方になります。

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 さて、放りこむだけで美味しく出来上がるために、何をどのような順番でセットするかが鍵です。鮭は薄く塩の効いた切り身もありますが、よほど慣れて買い付けている店のでないと、塩分の度合いが分からないで失敗のもとになります。出来れば、生の鮭切り身で購入します。オーブン料理では味はあまり染み込まないので表面に濃い目の味付けをすることが多いですが、食べるときにソースやレモン汁、追加の塩や胡椒などで調節できるので、旨味を引き出す程度の下味でおっけです。
 また、肉や魚の乾燥が一番天敵なので、焼く前にオイルをたっぷり塗ってコーティングしておくことが必須です。切り身などの肉や魚は、オイルが繊維の間に入り込むので、それだけでも柔らかい出来上がりになります。そして、表面が最初に焼け、中まで火が通る時に全体の表面から均一に熱が中心に向かうため、焼き過ぎにさえならなければ、水分が閉じ込められた状態になるので、ふっくらとジューシーにできます。

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 これらの料理のコツと、オーブンの癖を掴んでしまえばもうこっちのものですが、途中で挫折してしまう人も多くいて、オーブンは持っているのにあまり使わないという話を聞きます。そういう方が取り組むのに、今日のレシピはかなり失敗率が低いです。なんせ切り身ですから、熱の通りも速いし、何よりも肉眼で焼き加減が確認できるからです。
強くお薦めします。

材料

  • 銀鮭切り身(生)・・2枚
  • 玉葱・・1/4個
  • じゃが芋(大)・・1個
  • プルーン(生)・・2個
  • 塩と胡椒・・適宜
  • オリーブオイル・・小さじ4
  • レモン汁・・適宜
  • オーブンペーパー
  • 白ワインと水・・各大さじ1を一緒にする

作り方

  1. 玉葱は5mm幅にくし型に切り、じゃが芋は5mmの厚さに輪切りにしてオーブンシートに広げる。
  2. 鮭の両面に塩と胡椒を軽く振り、オリーブオイルを全体にまんべんなく行き渡るように手で揉む。
  3. 2の鮭を1の野菜の上に乗せて白ワインと水を振りかける、プルーンを添える。
  4. 230度に予熱したオーブンに3を入れ、12分にセットして焼く。
  5. 出来上がったら皿に盛り付け、レモン汁をかけてでき上がり♪

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2010-10-13

極東ブログ「2010年8月のルワンダ大統領選について」―「正義」との相殺を求めるべきか

 ルワンダの現況について、昨日の極東ブログの補足エントリーでかなり鮮明に見えてきました(参照)。私はというと、前回の極東ブログのエントリー(参照)を受けて、ジェノサイドが問われている背景の状況把握と、模索の中で感じたことを掲げただけに終わってしまいました(参照)。とはいえ、「正義」という言葉に含まれている価値観を問われているのだということが重く心に残っていて、答えのない疑問といつまでも向き合っているのも事実です。
 エントリーにも書きましたが、たとえ問題が16年も前のことであろうと疑惑が浮上した以上は調査し、未来に再び同じ事が起こらぬように現職のカガメ大統領を罪人と認定する事が良いのか、または、現在落ち着いてるルワンダをそのまま見守ることが良いのかという自問自答があります。
 先進国の価値基準による「正義」をもってカガメ大統領をジェノサイドの首謀者として問うことは、「権力」をいたずらに振りかざす横槍に過ぎないような気がしてなりません。補足の極東ブログのエントリーを読んで増々そういう気持ちになったのですが、言及しにくいことでもあります。その理由は、やはり、「正義」に対する固定観念の存在が邪魔しているのだと思います。これは、「正義」は正しいこと、という価値基準の成せる技です。ここで「正義」とはどう定義されているのか、調べてみました。辞書によると、

せい‐ぎ【正義】   

1 人の道にかなっていて正しいこと。「―を貫く」「―の味方」
2 正しい意義。また、正しい解釈。「四書―」
3 人間の社会行動の評価基準で、その違反に対し厳格な制裁を伴う規範。

とあります。私は確かに、「正義」をこのように解釈していると納得しました。
 では、カガメ大統領をこの「正義」によって裁かないとする事はどういうことか?仮説を立てると、逆に「不正」を問われてしまうのです。だから胸に痛みを覚え、正しき行ないを遂行することを「善」だと信じようとするのです。これが私に内在する気持ちの部分です。
 人は、「不正」を正すために法律や裁判を用いて公的に裁く事や、裁かれたことを当然としてきたのですが、これを当てはめない方が良いのではないかとということが、ルワンダについては思ったのです。
 有権者の90%以上が支持する指導者が大統領になっていることに普通は驚きます。極東ブログではこの選挙が「出来レース」であり、これが重要だとしています。

 通常の国ならば、独裁政治による不当な選挙と批判されがちだが、ルワンダおよびカガメ大統領にはあまり風当たりは強くはない。日本でもあまり話題にすらなっていないと言ってもよいだろう。

 つまり、カガメ体制を批判しているのは、知識階級や欧州先進国であって、ルワンダ国民は経済を重視して、「強権的と批判される政治手法」を支持しているという見解である。
 朝日新聞記事にもあったように、強引な選挙とはいえ、約93%の得票はあまりに圧倒的であり、国民の信任があると言えるだろう。

 ルワンダは主権国であり、多くの問題を抱えつつも現状明白な大規模な人権侵害の状況にあるとはいえない。ヒューマン・ライツ・ウォッチが示した懸念もあるが、国際社会も懸念を持って見守る以上のことはできそうにはない。

 有権者の90%以上から支持されている大統領を、国際的に犯罪人と認定してしまうことは、ルワンダを孤立させてしまうことになるか、内乱が起きる事になるのではないかという懸念があります。すると、結論は自ずと見えてきます。私は、善し悪しの判断基準を論じる前に、「人の幸福」とは何か?という点から考えると、ルワンダで人々が戦った挙句、混乱を乗り越えて建国に至った今、その戦い方がどうであったかを問うことに意味がないのではないか?と思うようになったのです。仮に行使したその先にあるのは、カガメ大統領を非難し、自責の強要にしか至らないのではないだろうか。
 かつて、アメリカと戦争をした日本は、世界で唯一の被爆国です。原爆を投じたアメリカにいつまでも「非」を求められるだろうか?日本は、アメリカに「やられた」のだろうか?日本だけが被害者なのだろうか?戦争という痛ましいかつての行いに「正義」をもって裁く事により「罪人」の認定を行い、謝罪を求めるとでも言うのだろうか?それで何が相殺されるのだろうか? このような疑問を持ちながらも、実は、全てに意味のないことだとも思っています。
 ルワンダを先進国固有の価値観ではかるのは、解決に導くどころか、新たな戦争を起こすことに他ならないと思います。
 では何が出来るのか、「許す」ことと「追悼」することではないかと思うのです。

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シェルパスタと茸と野菜のチーズ風味サラダ:飽きのこない味付けの工夫

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 料理の工夫を問われてしまうのは何故か?毎回同じパターンだと飽きてしまう、という理由が料理の腕を磨く原動力だと白状するしかありません。
 一度封を開けたパスタは、湿気たり他の匂いを吸ってしまったりするので早めに使い切りたいというのがまずあります。一回作ると、翌日のお弁当にも入れることが多いので、作る度に目先を変えないと味に飽きてしまうのです。ですから、少し目先を変えて、シェルパスタのチーズ風味サラダを作ってみました。
 先日は、野菜を沢山入れたカラフルなサラダにしましたが(☞レシピ)、今日は、ブナシメジを加えたので、酸味よりは乳製品でクリーミーな感じが良いかと思い、パルメザンチーズを多めに加えてみました。パスタとチーズの相性が良いので、馴染みのある味付けになって良かったと思います。また、チーズと合う茸ならどんな茸でも良いですが、パスタとは対照的な食感がある茸を組み合わせると良いと思います。

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 パプリカも甘みを引き出すために、茸と一緒にオリーブオイルで炒め合わせましたが、水分が出てしんなりしてしまうと食感がなくなってしまうので、強火で油が全体に回る程度に炒めます。そして、熱いうちにレモンで和えて下味をつけます。レモンの酸味でしっかり下味をつけておくと、翌日になっても味がぼやけませんし、塩分の使い過ぎ予防にもなります。
 パスタが茹で上がったら水気を切り、炒めた野菜を加えて混ぜ合わあせてからパルメザンチーズを振りかけて冷まします。
➠お弁当に

材料

  • シェルパスタ・・100g
  • ブナシメジ・・1パック(80g)
  • パプリカ赤・黄・・各1/2
  • パルメザンチーズ・・大さじ3
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • レモン汁・・1/2個分
  • にんにく・・1片
  • パセリ(みじん切り)・・大さじ1
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜

作り方

  1. パスタの10倍の水(1リットル)を沸騰させ、1%の塩を加えてシェルパスタを袋の表示のとおりに茹でる。
  2. その間に、シェルパスタと同じくらいの大きさにパプリカを切り、ブナシメジをほぐしてレモンを絞る。
  3. フライパンに分量のオリーブオイルと潰したにんにくを入れて弱火にかけ、香りをオリーブオイルに移す。
  4. 2のパプリカとブナシメジを強火で炒め、塩と胡椒で調味し、レモン汁をかける。
  5. 茹で上がったパスタの水分をよく切って4の野菜と一緒にボールに移す。
  6. パルメザンチーズとパセリを振ってサックリ和え、冷ましてでき上がり♪

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2010-10-12

円高はさらに進む―何が問題なのか

 今日は、経済のことも時事問題もお休みにしようかと思いつつも、真夜中に12日付けのネットニュースに目を通していました。その流れでちょっと気になったという程度でしかない上、これを愚痴にしたくないなぁと思いながら書いています。結局。
 というのは、このところの円高の状況です。
 今月5日、日銀が決行した為替介入は、関心のある人にとってはちょっとしたニュースだったと思います。その意味や解釈はいろいろだと思いますが、私は、あまり期待できない内容だと思っていました。白川総裁の発表する様の一部始終を日本経済新聞が制作したビデオで視聴しましたが、あれは白川総裁のパフォーマンスだったのか、胸をはって「包括的暖和」の政策を発表していました。日銀としては思い切った一歩という印象付け的な効果を期待したのでしょうか。でも、数字は黙っていません。あんな程度で円が下がるわけはないと、誰しも思った目標を提示されて驚いたのはこっちでした(参照)。結果的に、もっと上がっちゃったのですから。
 かくして、成る可くして成ったさらなる円高で、昨日は81円でした。因みに、日銀が発表した直後の6日は一時的に84円だったと記憶しています。一方、野田財務相は日銀をフォローするかのごとくG7ではこう話しています(参照)。白川総裁も同行し、コメントを出したようなので書き添えておきます。

 野田佳彦財務相は9日、米ワシントンで現地時間8日午後開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、日本政府・日銀が先月実施した単独の為替介入について経緯や背景を説明し、各国から理解を得たとの認識を示した。

 野田財務相は日本の為替介入について「今後の話はまだ言っていない」としながらも「この間の経緯は説明した」とし、「基本姿勢が同じであることは理解していただけたと思う」と述べた。財務相は介入についてこの先も「必要な時には介入も含め断固たる措置を取っていく」との姿勢を国会などで表明している。

 一方、野田財務相とともにG7に出席した日本銀行の白川方明総裁は記者団に対し、「世界経済全体については大きな方向として回復の軌道に向かっている」とした上で、「そのスピードについては国によって若干のばらつきがあるが、大きなシナリオが変わってきたということではない」と述べた。

 このお二人のコメントを素人目で見るに、もっともらしく聞こえてならないのですが、私は、まともじゃないと思っています。対外的にはこれで本当に通用することなのか?という疑問が私にはあります。介入前よりも円高が進んでいるのは、白川総裁の説明の路線で言うと矛盾します。スピードについては「国によって若干のばらつきがある」では、説明になっていません。スピードとは何を指すのでしょうか。急激に進んでいるのは、円高です。どう考えても為替介入の効果が今後あらわれてくるとは思えません。
 また、為替介入というのは他国が口をはさめることではない、手前味噌的な性格の政策ではないですか?G7でその件について理解を求めるというのはお門違いな気がしてならないのです。この辺が、どうもおかしな説明であり、これで日本は世界に通用するのか、という疑問も持ちました。
 ここで、高橋洋一さんなどはどのような意見をお持ちかと「ニュースの深層」を見ると、丁度、昨日のコラムでそのことに触れています(参照)。ここで私がほっとしている場合ではありませんが、まともな意見だと思います。「まとも」というのは、言葉の裏に何かを隠しているという印象を受けない、直球的な意見という意味です。厳しいけれど、私は、こういう話し方の姿勢が好きです。

➠金融政策は「大砲」、為替介入は「ピストル」

しかも、財務省も間抜けだった。財務省の櫻井副大臣は、7日の記者会見で、「日銀の政策決定会合で我々が想定している以上の政策を打ち出していただきました。この点については、日銀の皆さんのご努力に対して心から感謝を申し上げたいと思っております」と述べた。これでは、G7の前にもう為替介入がないと宣言したのに等しい。

 櫻井副大臣は、単にお人柄とお育ちが良いだけではないかと、なんとなく鳩ぽっぽを思い出しますが、海千山千の経済界では全く評価されない「余計なこと」を言ってしまったようですが、高橋さんはさらに手厳しくこう話しています。

金融政策が不十分な中で、財務省副大臣の不用意な発言もあり、野田佳彦財務相がいくら介入すると言っても無力だった。

しかも、通貨安戦争が悪いと思い込んで、日銀のように金融緩和を怠り円高になっても、外国は助けてくれない。金融緩和競争が当たり前で、悪いことでない以上、それに日本が参加しないのは、外国の利益だからだ。

たとえていうと、金融政策は大砲だが、為替介入はピストルだ。先進国のルールでは、大砲を撃つのはいいが、ピストルはダメだ。しかし、日本は、このルールを知らずに、大砲を撃たずにピストルで対応しようとする。

国際通貨の交渉の場も為替市場でも、今の日本はおいしいカモだろう。

 めちゃくちゃな批判とも解釈できますが、高橋さんは、同胞を思いやる声なのだと感じます。他人事ではないからここまで言えるのだと思います。この気持ちが白川総裁に届けば動くのではないかと期待します。私たちは、デフレに喘いで苦しい生活を余儀なくされているのです。早くなんとかしてください。

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豚肉スライスの油淋豚風焼肉:簡単ソースが決め手

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 今日は、豚肉の粕漬けや味噌漬けと同じ感覚で手軽にできる油淋豚風の焼肉です。浸け込んだ元になっているのは、中国の紅糟で、紹興酒の麹の元になっている原料から取った糟です。
 「油淋鶏」は、料理法からこの名前がついている中国料理で、簡単に言うと、鶏肉に油を回しかけながら火を通します。日本では唐揚げに甘酢のタレがかかっている料理だと解釈されていると思います。食べるお店によって見た目も全く違うように写るので、どれが本当の油淋鶏なのかわかりません。
 私は、中国の紅糟に肉を浸け込み、旨味を閉じ込めるために片栗粉や浮子をまぶし、中華鍋で多目の油を回しかけながら火を通します。たっぷりのキャベツの千切りに乗せて甘めのタレをかけます(☞レシピ)。この方法で豚の厚切りも作ってしまうのですが、油をかけならがら火を通して行くせいか、肉がジューシーで柔らかく出来上がります。勿論、紅糟の酵素の働きが肉のタンパク質を柔らかくするのです。
 今日は、これをスライス肉で焼肉風に作ったレシピです。また、この料理の引き立て役であるタレは、今回は、タイ産の「スイートチリソース(甘いピリ辛味)」に、私がいつも作り置いている「酢・昆布・醤油(酢と醤油が1対2の混合☞レシピ)」を同量ずつ混ぜ合わせました。これが大変深みのある味になり、油っこい肉でもさっぱりいただけます。

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この紅糟には、液体と練り合わせのペース状のと二種類あり、私は両方使いますが、今日は、ペースト状の方を日本酒でのばして肉を漬け込みました。最低30分、出来れば1時間ほど漬け込み、その間に、付け合せの野菜とタレの用意ができたら肉を焼くだけです。
 肉の焼き方は、強火で焼くのではなく、中火よりも弱火加減で、静かに肉に火が通るようにします。肉の表面から肉汁や血が浮いてきたら裏返し、肉の色がすっかり変わったら野菜の上にのせ、肉が熱いうちにタレを回しかけます。肉の温度が下がると共に、タレの味が染み込んで行きます。冷めても美味しいので、お弁当にもよいです。
☆➠お弁当に

材料

  • 豚肩ロース・・250g(13枚)
  • 紅糟(ペースト)・・小さじ2
  • 酒・・大さじ1
  • キャベツ千切り・・適宜

タレ

  • 長葱・・5cm
  • タイ産スイートチリ・・大さじ1
  • 酢昆布醤油・・大さじ1☞レシピ

作り方

  1. バットで紅糟を酒でのばし、肉を一枚ずつ両面に絡め、ラップをして冷蔵庫で1時間浸け込む。
  2. その間に、キャベツの千切りと、細かく切った長葱とタレの調味料を混ぜ合わせる。
  3. フライパンを弱火で温め、油を引いて肉を広げ、肉汁や血がにじみ出てきたら裏返す。
  4. 完全に火が通ったらキャベツの上に乗せ、出来上がった順にタレをかける♪

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2010-10-11

極東ブログ「国連報告書によるルワンダ現政府軍による虐殺(ジェノサイド)」―問われる正義の追求

 今回の摘発に関して、「ブログとして取り上げておきたい」という意向の元にエントリーが公開されました(参照)。人権問題としてジェノサイドが21世紀に持ち越されるとも思いたくない問題ですが、現実問題のようです。このエントリーのお陰でいろいろ見直す機会となったというのが正直なところで、ルワンダの虐殺は私の中では歴史上の事件として過去のことになっていました。
 さて、冒頭の部分で私の勘違いがあって、過去の事件が覆されたと思い込んだのです。これが違って、新事実が浮上したと理解するまでにやや時間がかかりました。このような勘違いは余りないこととは思いますが、念のため遡った部分から記録的に書いておくことにします。
 まず、タイトルにある「ルワンダ現政府軍による虐殺(ジェノサイド)」の前に、「ルワンダ虐殺」と呼ばれている1994年に起こった民族紛争が第一段階にあります。これは、同じ言葉を使う民族であるフツ人によるツチ人の大量虐殺です。
 この「ルワンダ虐殺」が起こった発端は、フツ系ハビャリマナ大統領らの航空機がツチ系により撃墜されたことで、政府軍やフツ系過激派民兵らによるツチ系住民やフツ系穏健派の襲撃が始まり、80万~100万人が虐殺されたと言われています。
 この紛争が終息したのち、フツ系のパストゥール・ビジムングを大統領に、ツチ系出身のポール・カガメを副大統領に新政権が立ち上がりました。そして、この政権が、現在カガメ氏を大統領とする現政権へとつながって建国されたという経緯があります。
 問題は、この政府軍が虐殺を起こしたのではないかという疑惑です。因みに、少しさかのぼって、極東ブログ「戦争犯罪としてのダルフール危機」(参照)ではこのように触れています。

 ルワンダのジェノサイドについては、一般大衆が多数参加し、農民がナタを持って殺戮を遂行したとの理解が流通している。しかし、公刊された文書資料や聞き取りから状況を再検討すると、民間人が殺戮に関与した例もあるにせよ、多くの場合、軍や警察が近代的武器を持って殺戮を実践したことがわかる。また、殺戮の動員に際して重要な役割を担った民兵組織は、一党制時代に由来するものであった。殺戮実践の方法は、ポスト・コロニアル国家の構造と密接に関連している。

ルワンダ・ジェノサイドは「軍や警察が近代的武器を持って殺戮を実践した」のが重要な点で、まさにその点において、ダルフール危機と重なる。

 以前読んだ「ジェノサイドの丘」(フィリップ・ゴーレイヴィッチ著)に描かれているカガメ大統領は、規律正しく清廉で公正な政治家というイメージで、これまでルワンダの英雄として尊敬され、国も成長を続けてきたのです。

Photo

 批判を許さない独裁者か?と、問われる事になるとは残念です。
 カガメ氏がどのような経緯で虐殺だと問われているのかをいろいろ調べたのですが、ニュースソースとして拾っておくのが無難だと思い、ニュースウイーク「「英雄」カガメ大統領が逆虐殺に関与?」(2010・9・2の記事で、9月8日号掲載)を引用します(参照)。

さらに先週リークされた国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)の未発表報告書で、ルワンダ軍が90年代後半にジェノサイド(大量殺戮)を行った疑いが浮上した。

 仏ルモンド紙が入手した報告書によれば、94年とは逆にツチ人部隊がフツ人部隊を追ってザイール(現コンゴ民主共和国)に侵攻した96年、ルワンダ兵らは何百人もの男女や子供を集めてくわやおので虐殺したり、フツ人難民を焼き殺したりしたという。

 ルワンダ政府はこの疑惑を否定し、報告書が公表されればスーダンのダルフールでの平和維持活動から撤退すると脅しをかけているという。ルワンダの平和には、まだ不安定な要素がありそうだ。

 また、国内でも報道があるというので検索してみると、確かに9月14日にはMSN産経ニュースが報じています(参照)。
 また、NHKでも報じた痕跡はありますが、ソースの保存はありませんでした。
 16年前にルワンダで起きた第二の虐殺の首謀者が、2010年8月の大統領選挙で93%の得票率で再選されたカガメ氏だという疑惑が正しいとなると、国際的な犯罪者という扱いになるのです。ルワンダはどうなるのか。国家が崩壊してしまうということになるのだろうか。これが深刻な問題にならないはずはないのです。

 報告書はジェノサイドの断定については、国際司法裁判所が決めることだとしているが、ルワンダ政府は公表以前にこの報告書の草案を察知し、発表すれば、ダルフールに同国から派遣している国連平和維持活動(PKO)部隊を撤退させると脅しをかけた。国連はそれに屈することなく発表に至った。
 発表後もこの報告書について、国連の背景に国連の失態を糊塗するといった非難もある。また、現ルワンダ政権への反発を正当化し、政情を不安定化させるといった非難もある。後者については当然とも言える非難だろう。
 どうしたらよいのか。当然ながら、大変な難問である。
 主権ある国家を崩壊させる懸念を侵してまで、正義を追究する必要があるのだろうか。少なくとも、ジェノサイドはその必要性を問いかける大きな問題である。

 調べたことを並べただけに過ぎない内容になってしまうのですが、調べるているうちに思ったのは、「虐殺ではなかった」とは思いがたいです。仮にカガメ氏が国際的な犯罪者と断定されても、彼が大統領として建国のために費やした熱意や功績と虐殺の問題は別であるということ。また、16年間ルワンダ国民が信じた指導者が、虐殺という非人道的な行為の基に現職に就いているという事実を受け止める他ないということです。これには当然時間がかかることだと思いますが、虐殺された中に家族が含まれているとすれば、残った家族のカガメ大統領に対する気持ちは、憎悪に変わるでしょう。そして、反感を持ったり非難も起こり、再び紛争が起こることも予想されます。この時代にあってはならないことですが、暗殺も可能性の範疇に入れておく必要もあるかもしれません。
 16年前に起きた事件が公正な裁判で虐殺であると認定され、有罪であっても、現職大統領としての資質を問うべきではないのか。または、裁判にかける事の是非を今からでも問い直す必要があるのか。ルワンダ国民の胸中は、混乱と戸惑の中にあることは言うまでもないことですが、日本人である私は、この問題をどう捉えようとしているのか、それすらもはっきりしないというのが今の気持ちです。

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里芋とほうれん草と茸の速炒め:野菜の高騰:夏蒔きほうれん草の収穫

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 「お母さん、東京では野菜の値段がそうとうヤバイことになっているよ。」と、生活感のある話を息子から時々聞くようになりました。生きるということがわかってきた様子ですが、そんなことに喜んでいる場合じゃないですね。確かにニュースでも報じていました。デフレで物価が下がっている傾向の中で、天候で市場相場が左右される野菜などは、想定内のこととは言え高値だそうです。
 夏場に雨が少なく高温があれだけ続けば、秋に収穫を見込んで蒔いた野菜は、芽も出ずに全滅と聞きました。ここをしのぐには、成長の早うて回転率の良い水菜などの水耕栽培野菜です。逆に白菜やキャベツは見込めず、9月に入ってから育ち始めたほうれん草や小松菜などが今後少し見込めるかもしません。

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 そういう展開でもあった中、私が育てていたほうれん草は、雑草に囲まれて養分が回らなかったので生育不順でした。それというのも、7月に顔面を蚋(ブヨ)に噛まれて癖癖してしまい、草引きをサボったせいなのです。生き物は何でも正直だなとつくづく思いました。
 その中で生き延びたほうれん草少々を収穫したので、早速炒め物に加えました。今日のレシピは、今年美味しい里芋と、常に入手可能な茸とほうれん草を一緒に炒めたレシピです。最後に鍋肌からさす醤油が味付けのポイントになっています。

 ▶里芋は先日から繰り返し話している通り、表面を洗ったら耐熱の皿にのせてラップを軽く乗せ、電子レンジで八割方蒸します。
 ▶そのまま置いて余熱で完全に火を通すと同時に冷めます。芋の付け根から皮を剥くと綺麗に簡単に剥けます。
 ▶里芋の下準備が出来るまで、ほうれん草を洗い、茸をほぐしてベーコンを1cm幅に切って置きます。
 ▶里芋の皮を剥いたあと食べやすい大きさに切ります。
 ▶フライパンにベーコンを広げて弱火にかけ、炒め油にするために脂を出し、カリカリの状態にします。
 ▶ここでほうれん草と茸を一緒に炒め合わせて軽く塩と胡椒を振り、油が回ったら里芋を加えます。
 ▶里芋が馴染んできたら醤油を鍋肌からさして、香ばしい香りを全体に広げます♪

材料

  • 里芋・・250g
  • エノキダケ・・60g
  • ブナシメジ・・60g
  • 舞茸・・60g
  • ベーコン・・3枚
  • ほうれん草・・120g
  • 塩・・小さじ1/2
  • 胡椒・・適宜
  • 醤油・・大さじ1.5

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2010-10-10

極東ブログ「来年は證厳法師にノーベル平和賞を」中国の民主化と平和のために!

 ノーベル平和賞が誰の手に渡るのが世界平和のためなのか、誰が平和に貢献したのか、ということを私が思うようになったのはここ数年のことです。ノーベル賞という賞は、もらって終わりではなく、誰かの手に届いた瞬間から周囲の空気が変り、そこに平和を齎す力のようなものがあると思います。少なくとも、この賞をそう捉えてきた私です。
 昨日は、今年の受賞者である中国の劉暁波氏に触れて、日本の政治家との関わりの部分について書きました。せっかくの賞なのにと思いつつ、劉氏という人物とつながるのはそっちのことでした。そして、極東ブログではこの平和賞を台湾の尼僧に与えたかったと話しています(参照)。

 関連する報道やツイッターを漫然と見ていると、民主化を促す劉暁波氏の受賞は中国に大きな変化をもたらすだろうという意見もあった。どうだろうか。私はむしろ、證厳法師にノーベル平和賞を与えたほうが、中国社会を根底から変える大きなインパクトを与えることになると夢想した。

 まず、この意見を知って、自分自身が不思議な反応だと思ったのは、ノーベル平和賞は誰の手に届いてもそれなりの評価は受け入れているのですが、つまり反対意見として言いたいことがあるのではないのですが、劉暁波氏の受賞で中国の平和が描けるのか?という疑問を持ったのです。そして、前途多難な将来を想像してしまいました。平和な中国、その周辺の平和なアジア地域が想像できないのです。理由は、劉氏の受賞後の中国の反応を知ってそう思ったのです。
 中国政府は、劉氏を犯罪人だとして投獄しているため、その犯罪人があろうことかノーベル平和賞を受賞したのです。その賞自体が現中国政府を否定するものである他ないのです。それが理由で硬直化し、頑なに世界をシャットアウトする状態になりつつあります。具体的には、中国は、ノルウェー大使を呼んで抗議したというのです(日本経済新聞

中国外務省は「劉暁波は中国の法律を犯した犯罪者で、賞の趣旨に反し、賞を侮辱するものだ」と批判する馬朝旭報道局長の談話を発表。ノルウェーとの関係に「損害を与えるだろう」とも指摘した。ノルウェーへの対抗措置を検討しているとみられる。

 私は、中国には中国の法律があり、傍目でそれがどんなに独裁的に見えても、それが中国です。劉暁波氏は、中国政府に楯突く犯罪者なのです。そして、その論法を通すのならこっちの論法も分かれよ、は通じない相手なのです。ついでに言えば、そのやり方で中国は輸出入をし、特にアメリカを大いに悩ましています。自分の言い分は通しても他の言い分は聞かない、という中国に最近変化してきているようです。少し前の中国はどうだったか?かつての鄧小平氏の「才能を隠して外に出さない」という方針で続いた「微笑外交」は、その効果があったと思います。
 国交を開いたばかりの中国は神秘な国というイメージで、日本からも、中国を旅行先に選ぶ人も多く、万里の長城をたどって歩いてよかったなどの土産話に花が咲いたものでした。中国もにこやかでした。それが、このところ「中国は横暴だ」と言われるようになったのです。
 その理由をニュースウイーク日本語版では、世界的な経済危機によってアメリカや周辺国よりも遥かに強力になったのが第一の理由で、第二に、二年後に控えた胡錦濤国家主席の退任後、軍部内に支持基盤を持たない国家副主席の習金平氏が有力視されているため、主導者としてのチャンスを狙う勢力が反対側に起こっている、と分析していて、それが現在の中国に見る緊迫状態の原因だとしています。
 話が中国内政になってしまいましたが、つまり、このような状態の中国で、劉氏がノーベル平和賞を受賞して喜ぶのは一部の反政府の民主化運動家達であり、この人達が何かを起こすとすれば、それは天安門広場でかつて起こったような暴動で終わるのがオチなのです。中国政府は、国民の反発による暴動を阻止する位の力を持っています。つまり、劉氏の受賞で中国が民主的な国家に変身することは到底あり得ないのです。天安門の暴動がどれほどのものか知らない世代にとっては、ともすると民主化も可能かと勘違いする節はあると思います。
 さて、話を極東ブログに戻すと、「證厳法師にノーベル平和賞を与えたほうが、中国社会を根底から変える大きなインパクトを与える」のであれば、私も證厳法師に!「胡錦濤氏にノーベル平和賞をもたらせば、中国内でナショナリズムを煽る勢力を押さえ込むことができる。」(「胡錦濤国家主席にノーベル平和賞を」極東ブログ)それが中国に民主化と平和を齎すのであれば、それに!と思います。
 胡錦濤氏の話は、昨年オバマ氏が受賞した後、極東ブログがこのような意見を表明されたのですが、その願いも虚しく今年の受賞はなりませんでしたね。でも、中国が民主化されれば、チベットの問題も含めて全ての問題が解決へ向かうと、そういう気がしてなりません。そのためには、「来年は證厳法師にノーベル平和賞を」に私も一票。

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虹鱒の中華風蒸し物(県内産):薬味とタレで蒸すだけ

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 諏訪には諏訪湖があるのに、虹鱒の養殖はしていないそうです。養殖しているのは、ワカサギの稚魚だという話です。なので、地元民としてはちょっとほっとしています。ほんとに情けない話ですが、諏訪湖の水質はあまりよくないのです。諏訪湖に流れ込んでいる川はそれなりに浄化されつつあるらしいのですが、まだまだ残念な状態です。そして、虹鱒が入荷してくる先は安曇野だと聞きました。この土地は、私は大好きなんです。水質が良く、信州の川として誇れます。ここで育った虹鱒なら申し分ないです。何だか変な話からスタートしていますね。水質に関して関心があるので触れたい気もするのですが、この話は又の機会にします。

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 今日は、25cm程の大きさので丸ごと中華風に蒸してみました。
 この中華蒸しは、今までにも白身の魚などで散々食べてきた方法ですが、どちらかと言うと海の魚で食べることが多かったです。川魚は塩焼き、ワカサギは唐揚げみたいに定番化しているのかもしれません。川魚の甘みは塩で引き出されると思い込んでいましたが、いや、実際そうですが、タレに浸したまま蒸す方法でも身の甘さは充分堪能できますし、それより何よりソフトで柔らかなでき上がりに驚きました。蒸し料理の醍醐味です。
 早速お薦めするのですが、蒸し料理は苦手。魚が捌けないという人にですが、以前は頑張れ、みたいなことを言っていましたが、今はあまりそういうことは問題にしなくなりました。もちろん、自らの意志で習得したいというのであれば無問題です。「やらねば」みたいなプレッシャーを感じてまで料理を修業のように取り込む必要はないですし、今の若い方達に「喝」を入れるようなこと気はないです。ですから、切り身を使うなり、魚屋さんに捌いてもらうなりで、下ごしらえが整えば充分だと思います。

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さて、大きめの蒸し器にすっぽり入る耐熱の器を用意します。蒸し器がなければ、大きな鍋が上げ底になるように底に何かを置きます。その上に皿が乗せて簡易蒸し器にします。内蔵を取り出し、余分な尻尾を切り落としたらさらに並べる。合わせ調味料を回しかけ、薬味を散らして蒸し器で15分ほど蒸すと出来上がりです。

  • 虹鱒(25cm)・・2尾
  • 長ネギ・・10cm
  • 生姜の千切り・・大さじ1
  • アスパラガス・・6本

合わせ調味料

  • 醤油と酒・・各大さじ1.5
  • みりん・・小さじ2
  • ごま油・・小さじ2

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2010-10-09

劉暁波氏のノーベル平和賞受賞で、日本の外交が問われることについて

 ノーベル賞受賞者の発表が相次いています。一昨日は、日本人でアメリカにその研究拠点を置く根岸氏と、同じ研究でアメリカの故ハーバート・ブラウン教授と同門である鈴木氏のノーベル化学賞が決まり、日本は沸き上がっています。また、昨日は、中国の作家であり詩人である劉暁波氏がノーベル平和賞の受賞が決まりました。こんなことを言うのも何ですが、化学賞を受賞したお二人の日本人の研究拠点はアメリカです。アメリカの投資によりその研究が極められ認められたので、日本が賞賛すべきは、アメリカの研究者に対する寛容なその姿勢だと思います。これはアメリカが受賞したようなものです。
 また、中国の劉暁波の受賞は、中国の一党独裁政治を批判し、民主化を訴えて公開した「○八憲章」の共同起草者で、政府を批判する政治犯ということで服役中です。問題は、この中国の劉暁波氏の受賞です。
 この受賞と日本の政治の関係が大きな問題で、民主党政治が大いに問われる問題を含んでいます。と、私が見立てているわけではなく、極東ブログが長きに渡って中国という国を追い、これまでに蓄積してきた情報を元にそう感じているのです。
 この件に触れる前に、昨日この受賞の発表直後、finalvent氏が自らが「「〇八憲章」主要起草者、劉暁波氏の初公判の文脈: 極東ブログ」(参照①)をTwitterに紹介された時、この記事を読んで二つの事を思っていました。
 一つは、中国の民主化を訴える運動家のイデオロギーに加担する自分と、もう一つは、彼のその運動や現在投獄されている背景である中国の権力闘争への関心です。二番目は、finalvent氏に

いやこれも複眼的に考えた方がよいのですよ。中国としては劉暁波を国外追放したかったのです。また、この問題、ブログにも書いたけど、民主党・小沢さんは軽率でした。

 と、いう意見をもらってからはっと我に返ったというのが正直なところで、ここで先の記事を再読したのでした。また、「「中国の民主化や人権問題」というように中国を特定しないのが民主化や人権問題の重要点」という指摘ももらって、どうしても運動家の受賞にデオロギーのような血が騒ぐようで、これでは冷静に客観視できなくなるということを自覚しました。
 さて、中国と日本の政治問題ですが、尖閣諸島沖の問題はやっと沈下しつつあるとは言え、あの問題が政治的解決にならなかったのは非常に残念に思いました。日本の検察が尻拭いをしたという形で記者会見されましたが、結末を何故そうしたかな?管さん、と伺いたくなったほどでした。政府があの時点で見解を表明できなかったのは、中国に日本が及び腰であると悟らせただけではなく、国民からの支持も得られない結果に終わったのです。成功だったとは言い難いものが残ります。ところが、政府が政治的解決ができなかった本当の理由との関係は兎も角、中国をヘタに刺激できない理由が中国にもあるのです。この辺りは、極東ブログの「尖閣沖衝突事件の背景にポスト胡錦濤時代の権力闘争があるのでは」(参照)でその詳細を詳しく知ることができます。また、ここが重要で、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が逮捕された当時の中国の時事問題と重なるのです。
 それは、昨年、習近平国家副主席訪日と、それに伴う天皇との会見を実現させた立役者(失敗者)である小沢氏が民主党の対中政治の道を踏み外す結果となったという見立てが正に的中で、現時点の日本の対中政策が如何に無策かを問われる結果につながっているのです。

 問題は私の見立ての正否というよりも、「習副主席の次期最高指導者としての「身分」をめぐる同国指導部内の意見対立」の有無であり、有るというなら、民主党政権の対応がそれにどうかかわったか、かかわっていくかについては、日本国側の今後の問題になる。そしてその点で、その後の文脈が重要になってきた。

 この時点で既に民主党が中国との関わりを懸念するニュアンスを含んでいいることが分かります。が、はっきり言って、日本政府は無策なのです。

 日本としては、国際的に非難を浴びるこのような中国外交に天皇を駆り出してまで日本が同意しているのではないことは、中国に直接的に対抗するという稚拙な手をとらずしても、アジア諸国やその他の国際社会にアピールしていく必要があり、つまりは民主党の課題でもある。

 小沢氏は、天皇を政治利用したという批判を浴び、スタンドプレーというレッテルも貼られ、あまり良い結果を残さなかったため失策だったと言えますが、政府も中国を読めていない迂闊さなのだと思います。
 また、劉暁波氏の逮捕は、オバマ氏の訪中直後に行われたタイミングやその理由に関しても、民主化を訴えて政府批判をする運動を沈下させるためであったのは言うまでもなく、参照①では詳しくその点にも触れています。
 この受賞で中国が怪訝な思いを顕にしているというのは納得できることですが、両手を挙げて劉暁波氏の受賞を日本が喜ぶというのは、これがまた微妙です。既に中国はノルウエーに矛先を向け始めています(「中国 ノルウェー大使呼び抗議」NHKニュース)が、この中国の勢いをどう見るかという点でNEWSWEEK日本語版2010・10・13日号の「中国はなぜ横暴か」が大変興味深かいです。副題はこのようにあります。

 

中国「平和的台頭」を捨て去り利益を脅かす者には牙をむく「新・超大国」と世界の新しい関係

 日本政府はヘタに動かない方がよいと同時に、中国に対する日本の政治姿勢が今後さらに問われ、最重要課題になってくると感じました。

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レンコンのはさみ揚げ(牛挽肉とたらこ&豆腐ペースト):フライの衣付けを効率よく一人作業でやる方法

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 今日は、蓮根(れんこん)のはさみ揚げです。我が家としては初レンコンですが、今年のれんこんは8月に取れ過ぎで、9月下旬には市場にあまり入ってこないと聞いていました。そんなことがあるのかと驚いたのですが、今年の気温の異常性が蓮根の育つ沼地に影響しても然りです。その後、首を長くして待っていた甲斐があったというもので、蓮根がいつになく美味しいと感じました。キメが細かく、シャキシャキとした食感と甘味に久しぶりに感動しました。
 蓮根に挟んでパン粉をつけて揚げると何がいいか?って、それは、蒸された蓮根がむっちりしているくせにしゃきしゃきとした食感がとてもいいのと、何が間に挟んであるかが楽しみだということです。プレゼントを開ける時のあの楽しみでわくわくする感じと同じです。で、今日のわくわくは、牛挽肉と、ペースト状にした木綿豆腐に鱈子を混ぜ込んではさみました。特に注目は、鱈子と豆腐の具で、蓮根の間で蒸されていることと、蓮根自体に癖がないせいか、それぞれの香りが楽しめました。

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牛挽肉は小さく丸めて軽く潰してから蓮根に挟みます。粘着性が良くなるように片栗粉などをまぶす方法を見かけますが、その必要は蓮根の場合はありません。蓮根自体がでんぷん質なのです。
 また、豆腐の加工は至って簡単で、先日トルテローニ(☞レシピ)で使った具ですが、豆腐の水分をできるだけ抜いたらすり鉢ですって練り、ここに鱈子をほぐして混ぜるだけです。
 具を作ったら5mmくらいの厚さに輪切りにした蓮根にはさみ、軽く押して安定させてから衣をつけます。
 一人で作業する場合は、まず小麦粉を刷毛で叩くのを一気にやってしまいます。材料が一つゆったり入る程度のボールにパン粉を半分ほどいれ、卵のつなぎ液をくぐらせたらボールに移します。▶この時は、手を濡らさないように菜箸などを使います。ボールを軽く揺すって材料にパン粉が被ったら最後に手で軽く押してパン粉を落ち着かせます。今回のパン粉はカロリーを最小限にするため、油をあまり吸い込まない細挽き(潰して細かくする)にしましたので、使用量は普通の半分です。
 この作業が終わったらバットに並べてラップをかけ、冷蔵庫で30分休ませます。こうするとパン粉が馴染んで、油に剥がれ落ちなくなります。
 ▶170度の油でじっくり揚げ、練り辛子を添えてでき上がりです♪

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材料(8個分)

  • 蓮根・・270g(12~3cm)
  • 牛挽肉・・60g
  • 木綿豆腐・・60g
  • 鱈子・・30g
  • 小麦粉・・小さじ2
  • 溶き卵・・大さじ1.5(同量の水)
  • パン粉・・カップ1(細挽きだと実際はその半分)

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2010-10-08

極東ブログ「「オバマの戦争」でパキスタン補給路が閉鎖」まずは状況の把握

 「「オバマ戦争」がまずい局面を迎えている」という書き出しで、パキスタンで些か芳しくない情勢が起こっていることを知ることになりました(参照)。この地域の問題は、状況を読むのが非常に難しいです。作日Twitterで流れたクリップ記事「How long can US troops withstand rupture of Pakistan supply lines?」( October 6, 2010 Monitor)を読むのですが、このニュースからパキスタンで起きている情勢を掴むのは非常に難しいと感じました。
 この難しさは、英語の和訳は総合力であるし、情勢を読むというのはその文脈を読めてこそなのです。難しいのは承知で、私なりにこの問題は理解しておきたいと思っています。理由は、オバマ氏が核廃絶を公約しているということや、アメリカの中間選挙の結果によっては日本と同様に、議会とのねじれを起こす可能性があり、すなわち様々な公約がスムーズに通らなくなることが考えられ、日本は少なからずその影響を受けるからです。知らんふりはできないという感情からです。
 一番のネックは、アメリカとパキスタンの関係は微妙だということです。パキスタンのスタンスがイマイチよくわかりません。分かっていることは、アフガニスタンにおける対テロの戦いでは、アメリカと同盟国という立場であること。その一方で、パキスタンはインドからの干渉を受けまいとするため、アフガニスタンを支配すること(または、自国影響力を保持しようとすること)を目論んで内通関係があるということです。このつながりは暗黙の了解とされていて、パキスタンの三軍統合情報部(ISI)と、アフガニスタンのタリバン、ハッカーニー・ネットワーク、そしてグルバディン・へクマチアルの率いるヒズブ・イスラミ(イスラム党)とのつながりです。話はさかのぼりますが、この暗黙の了解でというのは、内部告発サイト「WikiLeaks」がアフガニスタン紛争に関連する大量の米軍機密文書を公開した時の一部です。これってアメリカにとってどういう事かと言えば、パキスタンのダブルスタンダードではないかとアメリカが怒って然りだと思うのですが、逆にパキスタンの方が強気なので話が複雑に思えます。
 ここで「パキスタン給油路が閉鎖」、というパキスタン政府の決断について、極東ブログではこの原因を端的にこう見ています。

 パキスタン政府が補給路封鎖を決断したのは、パキスタン領で実施される無人機空爆への反発である。誤爆によるパキスタン市民への被害が激しく、パキスタン政府としても反米気運が高まる内政上放置できなくなった。
 背景は現状の情報から判断しがたい点もあるが、概ねマクリスタル司令官更迭後の戦略の変化である。

 確かに、軍のトップが変わると周辺の関係者が牽制を入れたりするもので、日本の政権が民主党に交代後、中国の東シナ海、南シナ海海域での動きが変わったのと同じような状況を想像します。ですが、このパキスタンの関しては、理由はこれだけでもないような気がして、過去においてパキスタンがアメリカに対して悪感情を持つような背景はないのか?という疑問から少し調べてみました。

 79年にアフガンに侵攻した旧ソ連に対抗するため、米国はパキスタンを通じてイスラム勢力を支援。
 89年の侵攻終了でパキスタンから撤退。
 01年の米同時多発テロ後、対テロ対策でパキスタンと共闘する。

 このアメリカの関わり方は、パキスタンにとってはかなり一方的だも言えると思います。日本だったら利用されたと受け取るのではないでしょうか。パキスタンにこのような潜在意識があったとしてもおかしくはないと思います。
 昨年、オバマ政権は5年間で75億ドル(約6225億円:1$≒¥82)を非軍事支援として決定しています。今年の7月には、クリントン国務長官が5億ドル支出すると発表しました。いや、まだ、支払っていないらしい。
 極東ブログでは、ワシントン・ポスト社説の一文を見逃さずに「少し気味が悪い」として引用しているのが憎い。

オバマ政権はパキスタンと断絶してはならない。国境がからむ問題の過失に補償すべきであるが、仮にパキスタン具が動かないのであれば、米軍によって北ワジリスタンでの強固な軍事活動を主張しなければならない

ようするにパキスタンへの飴と鞭が通じなければ、力ずくで米軍とNATO軍が行動するということである。イラク戦争で見慣れた光景でもある。
 そうなるかどうかは、もうしばらくの事態の推移で決まるだろう。

75億ドルが言うところの「飴」だとして、この飴を嫌がるのなら力ずくでもというのは正にイラク戦争の風景です。が、オバマさんはそう踏み切るとは思えない私で、もう少しスマートで平和的、なおかつ、政権交代とはこういう事だというお手本になるような政策で当たってもらいたいと期待します。
 そうれはそうと、ワシントン・ポストも結構煽るんだぁ、と思ったのは私だけ?

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極東ブログ「フィナンシャル・タイムズが日銀を褒め殺し」日銀、リフレ政策に非ず

 何から書き始めようかな。うーんと、まず、私の誤解であり誤読というかが昨日ありました。だからって、誰かを不利な立場に追いやるような迷惑をかけたほどの影響があったとも思わないですし、私なりにその誤解は何故起こったのかということは直ぐに自覚しましたが、ここで正しておかないわけにはまいりません。夕方、極東ブログから「フィナンシャル・タイムズが日銀を褒め殺し」というタイトルでエントリーが挙がった時に(参照)、「あれま、褒め殺しに引っ掛かったのは私じゃん!」と、思えて笑った次第です。言い回しが巧みなんですよ、ファイナンシャル・タイムズって。それもあって和訳には微妙に気を使うのですが、和訳の言い回しを見落とすことも誤読の大きな原因です。極東ブログが今回のエントリーを挙げた理由についてこう言及しています。

 今回も試訳を添えて見ていこうかと思っていたら、JBPressに翻訳が上がっていた(参照)。原文と比較してみたが、訳抜けもなく平易に訳されている。なので関心のある人はそれを参照されればよく、このブログで扱うこともないかとも思ったが、どうも微妙に誤解というか微妙な部分が読み取れていない人がいるかもしれないし、過去のエントリの経緯もあるので言及しておこう。

 しかも、「どうも微妙に誤解というか微妙な部分が読み取れていない人がいるかもしれないし」と言及されていて、推定一名、私だよなぁ、と、一エントリー挙げてもろたことに痛み入りました。昔小学校の先生に「間違った答えを発表したら、それはみんなの代表だから、良い行いだ」と、言われたことがよい教訓になっています。 
 で、誤解したままだとこの先どうなのか?は言わずもがな、あの日銀の行いが今後の日本の経済状態をどう左右するかと見るときに、とんだ日銀批判にもなり兼ねないことだと思いました。
 まず、先日日銀が発表した直後に、「10月5日、日銀発表の「包括的暖和政策」について」というまんまのエントリーを私は書いています(参照)。日銀のとった経済政策の大きな三点についても列挙していますが、それらは、一歩踏み出したという点で評価はしたものの、デフレの経済がインフレに向かえる数字だとはとても思えないという感想を書いています。殆ど期待薄です。そして、確かその日のうちに、日銀の今回の金融政策をどう見ているかについてのファイナンシャル・タイムズ英文版「Bank of Japan puts a toe in the water」がTwitterで流れ、ざっと読んだ時には手厳しい指摘だという感想を持ったのです。「puts a toe in the water」は慣用句で、「To start slowly and carefully」と英語では解釈する言葉です。日銀は用心深く始まった、とでも訳すと良いのか。全体の要約としては、「日銀は及び腰」だとファイナンシャル・タイムズは見ているのだと解していました。ところが、JBPress掲載の和訳が出たというので、これを読んだために誤読が生じたのです。この部分です。

 今回の決断により、日銀は対策が不十分だという非難に反駁している。資産買い取りにつながる扉の錠を外すことで、ほかの公開市場操作(オペ)の結果保有する資産に対して日銀が自ら課した制約からの避難経路が開ける。今後、さらに資産購入を拡大することは容易になるはずだ。

 つまり、ゼロ金利政策は大した意味がないが、とりあえず資産買い入れに向けて一歩を踏み出したと見るなら、日銀も前進したではないか、ということだ。えらいぞ、日銀、と。

 先の私のエントリーでも触れたのですが、日銀にあるまじき行動(意外性)として今回の政策を見るような空気が漂うだけでも市場というのは動きますし、その効果を狙うとういのもあると思っていた部分です。

 ここで日本の日銀が動くという発表をしただけで株価に直ぐに影響が出てきたり、これに伴って為替やレートに影響が現れますから、一気に目標を高く置くとよいかどうかもわかりません。

 この部分とリンクして自分に都合よく誤読したというわけです。「自分に都合よく」と言うのは、日銀の政策が良い経済効果を生むことへの期待です。その期待にある程度近づいてくれ、お願い~だ~♪日本のデフレ!ヤーッ!みたいな願望があるがために、「褒め殺し」に引っ掛かったのです。木遣りじゃねーっつのよ。
 極端に言えば、日銀はリフレ政策をしたのだという誤解のまま、今後経済が良くならなかったとしたら、極東ブログが言及しているような奇妙な問題になると思うのです。

 むしろ奇妙な問題となるのは、このまま民主党政権がじり貧にダメになっていたとき、リフレ政策は実際には財政政策と一体化しないと効果はないのに、魔女狩りのように単純な日銀バッシングが始まる可能性もないではないことだ。

 こうなると、日銀だけのせいではないはずです。
 ここまで書いきてふと思ったのですが、ファイナンシャル・タイムズ日本語訳を誤読した私だけに限らず、日銀の今回の政策に対して糠喜びしている人が多くいるのではないかという気がしてきました。
 民主党からは、日銀の今回の政策を高く評価しているというコメントがすぐに出ましたし、政府と日銀が二人三脚で・・・。みたいな書き方をしている新聞も目に入り、少なからず経済の上向きに期待感を持った人はいると思います。
 ですが、円相場がその後高止まりっしたままですし、それを思うと、市場は正直だなと思います。リフレ政策でもないのに何だか変な期待感があるような、そんな気になってしまったら、それは間違えというものです。

 昨晩、こんなニュースがまたしても飛び込み、念押しを頂いたと解しました。

日銀ゼロ金利の“まやかし”「表現多彩も内容は陳腐」★35兆円買い入れ 実際は「5兆円」ZAKZAK)

元財務官僚として政策の裏側を知り尽くす高橋洋一・嘉悦大教授は「表現は多彩だが内容は陳腐」と批判する。日銀の公表文書を検証すると、実はそんなに大騒ぎするような内容ではないことが透けてみえてくる。本紙コラム「民主党政権下の日本」の執筆者でもある高橋氏に、そのあたりを特別寄稿してもらった。

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栗の炊き込みご飯:進化した栗の剥き方

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 ジョギングの途中の道脇に栗畑があります。この二年間この道をずっと走っているので、栗の木のお世話の仕方は目学問として入っている私です。実際育てたことはないのですが、良い実が実るための苦労はかなりあると思います。一番大変そうなのは、実を取った後の始末と越冬準備の剪定作業のように思います。一本の木の周辺に梯子をかけながら、木全体の枝を剪定するのを見ていると、見ている私のほうが腕と首が痛くなりそうな作業です。栗が実るまでには、大変な作業を経て育っているものだと感動しています。
 今日の栗は、知人から頂いたのですが、栗の木を育てている方の栗なので粒は揃って大粒です。しかも新鮮です。久しぶりにこのような大きな栗に御目文字しました。あの通り道の栗のイガを見るにつけ、中の実の大きさを想像していましたが、きっとあのような大きなイガから生まれたに違いありません。ご飯と一緒に炊き込んだほっくりした栗を想像するだけで、楽しみになりました。

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 今まで二回「おこわ(もち米)」のレシピを挙げていますが、どちらも栗の剥き方についての取り組みをメインに書いています。今回は、その両方の利点を生かして、また新しい方法で試してみました。実を剥き過ぎず、ものすごい力も要しません。これから栗料理をされる方にとって、剥き方の参考になればと思います.

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 方法は、以前は鬼皮を道具で剥く方法(参照)でしたが、その道具(くり栗坊主)は借り物で、私は持っていません。そこで、里芋の皮剥きの要領で3分ほど茹でてから鬼皮だけを剥き増した。このとき、渋皮も剥ければしめしめでしたが、ダメでした。そこで、第二回目の剥き方である、冷凍してから渋皮を剥く方法を取り入れたのです(参照)。これが大成功。ぽろぽろ剥がれるように綺麗に取れました。アクが出て栗が真っ黒になるので剥いたそばから水に浸け、ご飯を炊く時までそのまま2時間ほど置きます。
 今回は、ご飯に同量近くのもち米を混ぜて、おこわに近い感じに炊きました。炊き方は、厚手の鍋です。

➠お弁当に

材料

  • 栗・・500g
  • 米・・2合
  • もち米・・1.5合
  • 水・・3.5合
  • 酒・・大さじ2
  • 塩・・小さじ2
  • 黒ゴマ・・適宜

作り方

  1. 鍋にたっぷりお湯をたぎらせ、栗を入れて3分茹でる(沸騰しなくても可)。
  2. 栗が手で持てるくらいに冷めたら横に置いて平らな部分の一部を包丁で切り落とし、そこからとがっている方へ鬼皮を剥く。
  3. 2を冷凍庫で凍らす。
  4. 3の渋皮を剥いて水に浸し、2時間ほどアクを抜く。
  5. 鍋に30分前に洗った米ともち米、水を入れ、調味料を加えて最後に4の栗を上並べて蓋を取ったまま火にかける。
  6. 沸騰してきたら蓋をして火を弱くし、10分炊いて火を止める。
  7. さらに10分蒸らしてお櫃に移す(なければボールなどに移して空気に当て、布巾をかぶせる)
  8. 器に盛り付け、黒ゴマを振って出来上がり♬

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2010-10-07

極東ブログ「No Pressure: ひとつの表現手段? 悪い冗談? エコテロリズム?」悪意のないイギリス流の表現では?

 元鳩山首相が国連で、2020年までにCo2を25%削減すると公約し、イニシアティブをとったかに見えたのは2009年9月23日でした。Oh,もう一年以上も前の話になるのですね。懐かしい。あの頃、鳩山首相という人物をあまりにも知らなさ過ぎで、まさかに公約の普天間基地移転が自民党計画案以上に最悪な結果を齎し、日本国民をがっかりさせるような結果に落ち着こうとは思いもしなかった。さて、その延長でもあるこの25%削減の話が急に湧いて驚いたのは、環境問題に敏感な製造業者や、とりたててEcologyに関わりのある研究者達だったのはニュースでも報じられました。日本人って真面目なんですね。
 加えて、麻生政権が残してくれた「エコポイント制度」も手伝って、国民は何がその景品かも決まっていないというのに、環境にやさしい品質認定を得ているテレビや電気自動車をこぞって買ったものです。あのコマーシャルで一躍有名になった小役の小学校一年生の僕ちゃん、彼も加勢しています。これらの運動の結果、削減のほどはどうなっているのでしょう?私の感覚では、Co2削減の目標よりも、人々は、損か得かに意識が集まってしまっているような気がします。そのついでに、環境にやさしいのであれば一石二鳥くらいの感覚でしょう。環境にやさしい商品が高価では、エコとも言えないのですがね。
 言いだしっぺである当の日本の取り組みの具体的なことはよく知りませんが、さほど国民に浸透しているとも思われません。イギリスは流石です。ちょっと調べてみると、昨年の9月24日付で、NEWSWEEKも報じていますが、綿密な計画が立てられていたようです(参照)。そして、よくある話ですが、各界の著名人を賛同者として呼びかけ、運動を起こすための団体が立ち上がって行くのです。
 極東ブログが昨日取り上げた(参照)イギリスのスプラッタな映像が、地球温暖化を10%削減しようとする「10:10」という団体が制作したコマーシャルビデオであった事を知りました。というか、午前中にTwitterでいきなりこのスプラッタな映像のURLが「グロ注意 YouTube - How to Cut Carbon Emissions http://goo.gl/KOVE」と流れてきたのです。これを見たとき、登場人物の英語がクイーンズイングリッシュだということから、正に極東ブログで書かれる通り、に感じたのです。

ロッキーホラーショー(参照YouTube)も好きだし、モンティパイソン(参照youtube)も好きだ。サウスパーク(参照YouTube)も当然。だから、その手のものは理解したいと思う。ただ、これはなんというか、当初、ちょっと微妙な感じもあった。主張に対するひとつの表現手段? 単なる悪い冗談? まさかエコテロリズム?

 理由は、何かのプロモーションビデオでもあるとしたら、イギリスの場合は捻っていることが多いからです。BBCの番組の合間によくあるコマーシャルという感覚のものです。ただし、このビデオは普通に見ない方がいいよ、と言いたくなるのです。スプラッタな映像は作り物とは言え、胸糞悪くなります。で、疑問。何でこんなビデオを誰が何の為に作ったのか?です。私は最初、まさかにイギリス政府の政策でないとは思ったのですが、じゃー何処が?と思わないではられませんでした。これもTwtter情報ですが、他の方から「皮肉じゃなくて本気らしい。エコテロリストたちの考えること。 http://bit.ly/bRZ1ye」という情報をもらったので早速読んで内情がつかめたのです。イギリスならありうると思っていた通りでした。「少し度が過ぎてしまってごめん。」程度ですかしら。私はむしろ、10%削減目標に批判的な立場の人物が、政府の取り組みがあまりに厳しいか、圧力的であるということを皮肉に表現したのかと思ったほど、割とこの手の手法に違和感はないです。ちょっとグロ過ぎではあると思いましたし、日本では考えれない下品さともなるでしょう。その感覚のほうが一般的だからでしょう、アメリカの保守的なメディア「フォクス」の批判的な記事では、この団体を「環境ファシズムや環境テロリズムに置きたい」となるのです。日本はどちらかというとアメリカナイズされていることもあるし、そもそもグロテスクな映像は苦手派が多いと思います。批判するよりも「キモイから見ない」となりがちです。
 気になったと言えば、どれほどの問題になったのを知らなかった私でもあるのでボーっとした印象ですが、政策に関わった有名監督が悪ふざけをしているようにしか思えないのです。で、どこかにそれこそ「オチ」があるのじゃなかろうか?そういうところに着眼してしまうのです。
 そのオチと言うのが極東ブログでは、「自虐的なギャグ」としています。この映像のお陰で私も調べ物をしましたし、その結果、最近関心が薄らいだかなという意識に少し光が当たりました。コマーシャルというのは、そういう働きかけであると思うのですが、その点ではこのグロコマーシャルの意図は的中していると言えます。しかも、謝罪する気がサラサラないという謝罪記事です。

“Many people found the resulting film extremely funny, but unfortunately some didn’t and we sincerely apology to anybody we have offended.

このフィルムの成果がきわめて面白いと思う人が多くいますが、残念ながらそう思わない人もいます。私たちは気を悪くした人に心から謝罪します。

 「気を悪くしたら謝る」という謝罪は、「意図したんじゃないよ」という場合が多いですから、普通に解釈すると、面白いフィルムだと自負しているのだと思います。アメリカのフォックスなどはフンッと鼻で笑うでしょうね。

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豚ももスライスのりんご巻きバターソテー:豚肉を柔らかくするためのヒント

 今日は、私の住む信州育ちの「サンツガル」を豚肉のスライスで巻いたバターソテーです。今年は、9月の中旬頃から店頭で見かけるようになりました。この種のりんごは「早生種」として、お盆を過ぎた頃から食べられるようになります。足が早く、収穫後早めに食べないとボケてしまうのです。店頭に並ぶ頃は収穫してから一週間以内ではあると思いますが、家に置いても4~5日で食べきるのがよいと思います。今日は、うっかり長く置いてしまってややボケ気味。とにかくりんごがぼけるとこれ(☞レシピ)とかいって、コンポートにするのですが、如何せん一つなのでコンポートでは作り甲斐もありません。なので、りんごと相性の良い豚肉のスライスで巻いて、蒸し焼き状態のりんごにして、バターでソテーした豚肉の香ばしさと同時に味わえる料理にしました。

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 ここでちょっと裏技を使ったのですが、豚のもも肉は脂こそ少ないので、カロリーコントロールのためにも出来れば部位としては「腿」を選んでいたいです。が、繊維が気になるので敬遠する人も多いはずです。肉屋さんの話でも、もも肉は人気がないと聞いています。対策として、私は、片栗粉をパラパラとまぶす方法も使いますが、りんごの季節になればすり卸しをまぶします。軽く酸味と甘味が乗って美味しくなる、という効果も同時に狙っています。
 料理法にはいろいろあって、その応用などを思うとここに書ききれないことが多く、少し気になっていますが、りんごのこともそうでした。ここで言及するのが初めてではありませんが、この情報を知っていたら、と何か後悔の様な思い当たることでもあったら試してみてください。 

➠お弁当に

材料

  • 豚ももスライス(大)・・4枚
  • りんご・・1個
  • バター・・10g
  • 塩・・少々
  • 胡椒・・少々
  • 白ワン・・大さじ1

作り方

  1. りんごを10等分して芯とヘタを切り落とし、一個はすり卸し、一個は食べる。
  2. 豚肉スライスを縦に二等分し、バットに移してりんごのすり卸しをまぶす。
  3. 2の豚肉を広げ、りんごを端から丸めて包み込む。
  4. フライパンにバターを置いて中火にかけ、バターが溶けたら豚肉のまき終わりを下にして並べて焼く。
  5. 時々場所を変えながら全体に焼き色が付いたら塩と胡椒を振って表面に味付けし、皿に盛り付ける。
  6. 残ったバターに白ワインを加えてアルコールを飛ばし、5にかける♬

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2010-10-06

10月5日、日銀発表の「包括的暖和政策」について

 昨日日銀が、「包括的暖和」と称して、金融政策を打ち出しました。それは、久しぶりに聞く朗報というかで個人的には嬉しかったのです。ニュースを断片的に聞いていた範囲では画期的な計画のもとに実施されるとありましたが、どうも聞く印象とその計画の中味がチグハグで、次第に、喜ぶほどの数字かな?と思うようになったのです。また、白川日銀総裁の記者会見の印象では、思い切った政策だと話していました。その内容とは、ゼロ金利政策の復活、実質上のインフレターゲットの導入、国債やコマーシャルペーパーなど五兆円規模の金融資産を買い進めるというものです。こうして並ぶと、ものすごい勢いで日本の経済が良い方向へ向くような華やい空気を感じますが、市場は常に動いていますし、ぬか喜びは禁物です。ただ、このように金融政策にテコ入れするという空気が漂うと、それだけでも市場が動く要因なので、白川さんの記者会見の言葉にいくらか弾みのある口調が演出されても良いとは思います。

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 私が気になったのはインフレターゲットの目標値です。「1%」と聞いたときは、何の数字か疑ったほどです。ここで、経済の専門家高橋洋一氏の意見と比較です。氏は、現状の日本なら目標を4%だとも言っています(「日本経済のウソ」)。始めは驚いたのですが、説明を読むとこの数字には納得できる裏付けがあります。私は、これに賛成とまでは言い切れませんが2%という数字ならまだしも、と思ったのです。デフレが急激にインフレになることを恐れるのは消費者も同様で、困ります。だって、財布にお金がないのに物価だけが高騰してしまうと何も買えなくなります。それにしても1%の好転というのは、何をどう望めるというのでしょうか。依然、デフレスパイラルの中である数字かな、と思うとがっかりな気分になりました。幸先の良いスタートにはとても思えなくて申し訳ないのですが。

インフレターゲット時事ドットコム2010/10/05-22:28)
 インフレターゲット 特定の物価上昇率(インフレターゲット)を掲げ、その達成を目指す金融政策運営のこと。デフレ下では、金利引き下げなどの金融緩和を通じて物価の上昇を促すことを指す。日銀は今回、「物価安定が展望できるまで実質ゼロ金利政策を継続する」と表明。日銀は望ましい物価上昇率を1%程度としているため、事実上のインフレターゲットとなる。
 ただ、日銀は、ゼロ金利を続ける条件として「(バブルの発生など)金融面での不均衡が生じていないこと」を挙げており、物価上昇率の達成のみにとらわれない姿勢も示している。

 また、白川さんの話の中に再三再四出てきた言葉が「物価安定が展望できるまで」だったので、この解釈に困った私です。デフレからインフレに上向き、水平を保てるまでと解釈したらよいのか、それまで1%を目標に緩和措置を行なうというのです。私の疑問は、その数字でデフレから脱却できるのだろうか?ということです。ここで日本の日銀が動くという発表をしただけで株価に直ぐに影響が出てきたり、これに伴って為替やレートに影響が現れますから、一気に目標を高く置くとよいかどうかもわかりません。が、あまりにも最初の一歩が小さな一歩じゃないですか。
 物事が動く前に色々先走って不安材料を並べるのも如何かと思うので、これくらいしておきます。ただ、待ちに待った金融政策のお祝いとまでは行きませんが、大きな前進につながる事を祈るばかりです。
 日経の制作ビデオに白川日銀総裁の昨日の会見全容と、その後の記者とのやりとり全ての収録が見られます。興味のあるからはどうぞ。

☞【映像】白川総裁会見、全容はこちらから:日銀は5日、追加の金融暖和に踏み切った。今回の金融暖和を「異例の措置」とする白川総裁。記者会見のすべてのやりとりはこちらから。

 

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たらこと豆腐のトルテローニ クリームソース:市販のわんたん皮で―その②

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 またしてもワンタンの皮でトルテローニを作りました。手作りのトルテローニの生地のコシも捨てがたいのですが、わんたんの皮の滑らかさにも堪能しています。まあそれも私だから特別にそう思うのかもしれません。滅多に市販品を使わなないので、わんたんの皮に急速に引かれているのかもしれません。作るれるものは自分で作るという考えかたも善し悪しで、他への発想の可能性の芽を摘んでいるたのかもしれません。
 さて、前回は茸をソテーして詰め物にしましたが(☞レシピ)、今日は発想をガラッと変えて、たらこと豆腐のペーストを包んでみました。意外な物を詰めたものだと最初は思ったのですが、タラコのスパゲッティーもそう言えばパスタと相性が良いし、生クリームやバターの風味ともよく合うことを思えば何ら違和感はありません。但し、豆腐は思いつきもいいところで、たらこのインパクトを残してなおかつパスタに上手く収まるようでなくてはいけませんので、豆腐ではどうかと試してみたのです。

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 水気を切って硬い木綿豆腐にしてからすり鉢で滑らかなペーストし、ほぐしたたらこを混ぜ合わせます。これをワンタンに包んで例のように「指抜き」の形にします。包み方はToutubeから借りてきた動画が参考になります。

 ソースは先にも触れたとおり生クリームと相性がよいので、ソテーして甘くなったみじん切りの玉葱と生クリームの組み合わせです。パスタの茹で汁を加えて滑らかにすると同時に、塩分で味付けも兼ねてしまいます。あっさりしていますが、玉葱の甘味とタラコの塩分が何とも言えない美味しさになります。

材料

  • ワンタンの皮・・15枚
  • 木綿豆腐・・100g
  • たらこ・・60g
  • 水・・500ccと塩7.5g(1.5%)

ソースの材料

  • 生クリーム・・80cc
  • 玉葱・・大さじ3
  • バター・・5g
  • 塩・・一摘み
  • 胡椒・・適宜

作り方

  1. 豆腐は手で千切って笊に移し、重石をして水を切る。
  2. たらこは半分に切りm包丁の背でしごいて薄皮から出す。
  3. すり鉢で1を摺り、滑らかになったら2のたらこを加えて均一になるように混ぜ合わせる。
  4. 3を15等分し、動画のように皮で包む。
  5. 鍋にお湯を沸かし塩を溶かして4のトルテローニを投入し、浮いてから1分ほど茹でる。
  6. パスタが茹で上がるころと同時にソースが出来上がるようにフライパンでバターと一緒に玉葱をソテーする。
  7. 6に生クリームと茹で汁(約50cc)を加えてしばらく弱火で煮る。味見しして塩で加減する。
  8. 茹で上がったパスタの水気をきって皿に盛り付け、7のクリームを回しかけて胡椒を振ってでき上がり。♪

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2010-10-05

極東ブログ「ゲーム理論で考えよう:J国とC国がある海域の漁業資源を争う事例」期待値の答えは

 漁業資源を争う二国の損得を、ゲーム理論に当てはめて考えてみようとは今まで思わなかったなぁ。読んでいて「ゲーム理論」に興味が湧きました(参照)。実に面白い。J国とC国を日本と中国に読み変えると、リアルに今までの両国の経過が思い浮かんで概念と実際のことが入り交じってしまった。ゲーム理論で考える時には、実際のことはまず棚上げして、あくまでも客観的に取り組まないとすっきり考えられない事がはっきりしました。日常では確率で行動しているわけではありませんが、CとJの漁業資源問題のように一定条件を定義して二者の争議を確率でみるとしたら他にどんな例があるかな、と考えてみました。
 が、その前に人はどうして確率を意識するか?物事は常に偶然なのか?という疑問があります。何故そのような疑問を持つのか考えてみると、自分がこうであったらいいなぁと将来に期待を持ち、出来れば失敗のない人生をゆったりと歩みたい。私の場合は、そう願っていると言う理由が大きいです。その願いをC国やJ国の例に置き換えると、漁業資源の獲得によって将来の食卓事情を安定させ、安心を得たいからだとすると、争っている場合かよ!と、こうなります。それを感情で争うのではなく、知的にゲーム理論で考察することができるという。しかも、「ゲーム理論を使わずに、人間の協力的な社会行動を理解することは難しい。(トム・ジーグフリード)」とまで言い切っている研究者がいるらしい。ここでちょっと昔の数学を思いだしたのです。
 数学で「確率」を勉強した時に、「期待値」というのがあったことを思い出しました。可能な限りのチャンスを書き出してそれに出来うる動作を掛けて出た答えを全て足し、動作の回数で割るのです。この求めた答えが期待値です。分りやすい例で言うとサイコロを転がして出る目の期待値や、宝くじでいくら手にすることができるかの期待値などです。ゲーム理論では、この期待値にリスクを組み入れて条件設定し、もう少し複雑化した問題に関する確率を求める方法のようです。今回のエントリーで、眼から鱗だったのはこの点なのです。
 数学というのは勉強しても殆ど実生活には役立たないと思っていました。いや、もちろん中学までに学んだ基礎学習のうち、半分くらいで生活に困らない程度に数学が役に立っているとは思っています。が、高校以後の数学はあまり実際では必要ない気がしています。何かの「例え」で確率を学習して、それが実生活に役立つのであれば話は別です。そして、それが今回の極東ブログでのエントリーの展開です。
 C国とJ国のことは、非常に分かりやすい例でした。自分の問題として引きつけることで、ゲーム理論が身近になりやすいと思います。と、書きながら、今回のエントリーは二国間の漁業資源の争いを解くためのエントリーではなかった気がしてきて、なんか違う路線にはまっている自分なのかなと我に返ったのです。

AmazonNetShop

 書評っぽく書いていてタイトルには[書評]と書かれていないのはどうして?と聞きたくなるのですが、実はこの「もっとも美しい数学 ゲーム理論 (トム・ジーグフリード:文春文庫)」の解説は、極東ブログの管理者であるfnalvent氏が本書に書いているのです。私は書店で見て知ったのですが、Twitterで一頃話題になっていました。その時点では、今更数学なんてというヤル気のなさで買いませんでしたが、極東ブログにこのような形で紹介されていて、やっとその気になったのが正直なところです。

 同書、「もっとも美しい数学 ゲーム理論」の単行本は2008年に出ていたが、今月9日に文庫本が出た。ありがちな文庫化というと、そうではない。わけあって、単行本の原稿と文庫本の原稿を前ページに渡って比較してみたが、ほぼ前ページに渡って翻訳が改善されており、読みやすくなっている(単行本に誤訳があるというわけではない)。しかも、見出しも増えて段落の意味がとりやすい。
 あと、文庫本には素っ気ないけどちょっと意外な解説が付いている。

 と、言う「意素っ気ないけどちょっと意外な解説」に準じて、まずはアチラのAmazonアカウントから買わせて頂きました。当初はちょっと早とちりしたのですが何のことはない、数学を勉強するのが本題ではないのです。「ゲーム理論を使って数学的に目前の問題を理解することから始めよう。」という呼びかけに聞こえてきました。その切り口になるのなら、知らないよりは知っている方が人生はお得と思いました。

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もやしのタイ風炒め(シャリ酢の隠し味):涼しくなったら早速もやし炒め

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 涼しくなったので早速もやし料理を始めました。夏場は使い切ってしまわないと傷みやすいもやしなので、しばらく遠ざかっていました。また、根切り、芽切りに精を出す季節の到来でもあります。 何だか久しぶりだなぁと思ったら、俄然炒め物でたっぷり食べたくなりました。香りの良い舞茸とブナピー(白しめじ)と一緒にナンプラーで炒めました。
 もやし自体に味付けするのは難しく、それは、シャキシャキした食感を残そうとすれば特にそう感じます。今回は、もやしと同様に強火で手早く炒めるのが勝負の茸が一緒で、茸が味を吸いますからバランスが良いと思います。ピーマンは、もやしや茸と同じように火が通るように、できるだけ細長く切ります。

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 今日の味付けはナンプラーだけだとちょっと塩辛いだけになってしまうので、酢飯用に配合したシャリ酢(☞レシピ)を少し加えました。そのせいで、酸味と甘味が塩辛さをまろやかにし、深みのある味付けの炒め物になりました。酢も砂糖も隠し味としていろいろな味付けに使いますが、シャリ酢用の酢はその両方を兼ね備えているので何かと重宝します。
 私が作るシャリ酢は、お寿司屋さんから教えてもらった配合で、驚くほど砂糖を加えますが、これがキレの良いシャリになるのです。素人には到底思いつかない配合ですが、一度お試しあれ。

材料

  • もやし・・1袋
  • ピーマン・・1個
  • 舞茸・・1/2パック
  • ブナピー・・1/2パック
  • にんにく・・1片
  • 塩・・少々
  • 胡椒・・適宜
  • ナンプラー・・大さじ1
  • シャリ酢・・大さじ1
  • オリーブオイル・・大さじ1

作り方

  1. もやしは根と芽を千切る。
  2. ピーマンは種を取り除いて縦に細長く切る。
  3. 茸は小房に分ける分ける。
  4. フライパンにオリーブオイルを引き、潰したにんにくをソテーして香りをオイルに移す。
  5. 最初にピーマンを炒め、油が回ったらもやしと茸を加えて、油を回すように手早く炒める。
  6. 5に軽く塩と胡椒を振り、ナンプラーを回しかけて出来れば鍋を振って全体に味付けし、蒸気を飛ばす。
  7. 最後にシャリ酢を鍋肌から回しいれて鍋を振って味付けする♪

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2010-10-04

スーダン南部独立のための選挙に関して産経ニュースが報じていることについて

 アフリカ・スーダンの南部の独立の是非を問う住民投票が来年1月に予定されていますが、産経ニュースの報じるところによると、それが難しくなっているそうです。大きな理由として以下のようにまとめています(2010.10.3 23:52参照)。

➠揺れるスーダン南部独立 住民投票めぐり南北再び緊迫も

 投票まで3カ月あまりに迫った現在も、南北の境界線が決まっていないほか、有権者登録などの事務作業も進んでいない。投票事務をめぐる政府とSPLM(南部の主要勢力スーダン人民解放運動)の主導権争いも取りざたされる。

 この記事の書き方はやや複雑で、選挙を難しくしている要素が整理されていない上、原因となっている問題を机の上に散らかしているような感じがしてどうもよく理解出来ないのです。かく言う私が分かっていないせいもあると思いますが、現時点で他社がこの問題を取り上げてもいないので比較もできず、とりあえず、疑問点を挙げておくことにします。まず、境界線が決まっていないから選挙が難しいという点について。

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 政府側である北部から南部が独立し分離する目的の選挙であるなら、境界線の問題は、独立することが選挙で決まってから解決すれば良いことではないかと思うのです。これが困難だとする理由のもう一つに、「中部の油田地帯アビエの住民に、南北どちらに帰属するかを問う内容」と、記事にはありますが、南北の問題にそもそも中部の問題は存在しません。それがある、とわざわざ記事で触れている理由がはっきりしません。政府の弾圧から独立を希望する南部の要望を全体で選挙で民主的に決めようとする問題に何故「中部の油田地帯」とわざわざ言及するのか、もしも、その中に選挙を難しくする要素が含まれてるのであれば、そこは説明すべきと思う点です。内容を整理して欲しいと言いたいわけではないのですが、言っています。
 また、記事中に、中国の介入について次のように触れています。

一方、これまで政府側を支援してきた中国は、石油資源が豊富な南部の独立も視野に、北部だけでなく南部との関係強化に向けた布石も着々と打っている。

 この中国の関わりは何を意図して記事に書かれているのか、それも皆目わかりません。中国の関わり方は、その事実は抑えておくべきこととしての関心はありますが、南北の選挙に関して中国関わりで何か示唆することでもあるというのでしょうか。武器を輸出しているという点で、中国はこれまで北部の政府側に大きな関わりを持っているのは知っていますが、何か問題でも?
 このような書き方が多く、曖昧で、全て尻切れトンボな文章なんですよ。結果、何が言いたいのか焦点が絞りにくく解読できません。結局、無内容なんです。
 スーダンの選挙を応援し国を挙げて支援する、と公約したオバマ氏の演説(極東ブログ:スーダン情勢についてのオバマ米大統領演説☞参照)も知っていることかと思いますが、やっとスーダンの問題に世界が注目し始め、政府自らが行うジェノサイドがあってはない事として見る空気が醸成されつつあるのです。日本で報じるメディアが少ない中、こうして記事に取り上げることにも一応の敬意は感じていますが、あまりにもお粗末な内容で、報じる意味を感じません。日本のジャーナリストの資質が問われます。
 と、結局産経ニュースの記事を腐して終わりそうですが、そうではなく、スーダンの問題はスーダンだけの問題ではないのです。体が傷を負うと、ありとあらゆる体中の仕組みがその傷を治そうと動くのです。その当たり前を、「知」ある人間が地球規模で治そうという動きに過ぎない当たり前の事なです。もう少しましな記事でそのことを正確に知らせてください。

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プルーンジャム(かたまりを残すタイプ):今年は豊作だぁ。

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 今年の諏訪の夏は暑くて長い夏だったことが幸いしたらしく、プルーンの木には沢山の実が成っています。プルーン畑というほどの環境はないのですが、おそらく、兼業農家などの畑の傍らや庭先に育てているご家庭も多いとは思います。庭先に植えて毎年食べてるというお宅の話によると、農薬や受粉の世話も何もしなくてもそれなりに実がなるのだそうです。但し、実がついてから雨が降ると身割れしたりして綺麗な顔立ちはなくなるという話でした。それを聞いて、早速私も苗木を植えたいと目論む私です。
 さて、プルーンは焼き菓子に使うことが多く、クッキー生地に生のまま埋め込んで焼くオーストリアの「ツベチッケクーフェン」(☞レシピ)は毎年焼いています。他の食べ方としては、丸ごと生で果物ととして食べることくらいでした。クッキーで焼くと、その色がカシスレッド(ブラックカラント=黒すぐり)という深い紫がかった、小豆の色にも似た美しい色になります。このカシスレッドがそのままジャムの色に出たらなんて素敵だろうかと思ったので失敗を恐れずに試してみました。

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 どうでしょう?
 始めのうちだけ白い泡となってアクが出るだけで、あとは最後まで焦がさないように煮詰めてゆくだけです。コツは、最初に強火で砂糖を早めに溶かし、そのまま出来るだけ均一に煮えるようにすることだと思います。ジャムに煮えむらがあるとがっかりなので、その点だけ注意して煮るとよいです。発色を良くするために、最後にレモン汁をかけて冷まします。

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 甘みは、通常のコンフィ(砂糖シロップ漬け)に作るときは日持ちの問題も加味して多めに使いますが、冷凍保存が前提で小出しにして食べるようであれば、砂糖を少なめにしたあっさりタイプも美味しいです。
 今回は、コンフィの75%の砂糖量にしました。コンフィだと材料の約半分量が砂糖の分量ですが、その75%にしたということは、かなり薄味を想像することと思います。ですが、じっくり煮詰めて、好みの硬さまで煮詰めることで甘さは調節できます。結局水分に対する砂糖の濃度がポイントなのです。砂糖を沢山使えばシロップが多く残ると考えるとよいです。実の多い濃厚なジャムにするには、砂糖を少なめで煮詰めるということです。

材料

  • プルーン・・450g(種を取り出して400g)
  • 素精糖・・140g
  • レモン汁・・1/2個分

作り方

  1. プルーンを洗って包丁で切り込みを入れて半分に割り、種を取り出してさらに半分に切る。
  2. ほうろう製かフッ素加工の鍋にプルーンを移し、砂糖をまぶして強火でに始める。
  3. アクを掬い、煮汁が半分以下になったら火を中火くらいにして焦がさないように煮詰める。
  4. 好みの硬さよりもややサラッとした感じになったらレモン汁を加えて火を止めて冷ます。
  5. 瓶や保存袋に詰め替えて冷凍保存する♪

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2010-10-03

極東ブログ「アザデガン物語 必死だったな石油公団」命と石油ドリームとどっちを取るの?

 情けねぇ話じゃないですかこの話、もしかして(参照)。
 アーザーデガーン油田のギャグ的な名前は、地名ではなかった。地名で地図を探してもイランにはそんな地名はなく、調べたらペルシャ語で「逃げてきた人々の意味。」でも、「ダシュテ・アーザーデガーン郡」の地名ならあった。初っ端から誤解するところでした。アラビア石油の移転先がイランだから、つまり「逃げてきた」という意味合いから命名されたのではなかったのね。
 さて、タイトルの件ですが、日本政府のつまらない及び腰のお陰で、日本は安全保障を得たというのが今回の権利放棄のお話につながります。極東ブログの文脈に私もほぼ賛成です。9月30日にその権利を放棄したと報じたニュースで、そこまで気づかなかったのですが、ここで取り上げられたことで慌てて調べてみたらなるほど納得な読みです。油田の権利はこの話はここでちょっと置いといて、アラビア石油のこともアラビヤン焼きそばのこともあまり知らない私なので、ちょっと調べてみたのです。
 最初に断っておくんだけど、この両者は何の因果関係もないのじゃない?油田のことよりもたっぷり時間をかけて調べたのだけど。何についても言えるのは、「関係ねぇ」という結論に達するまでの道のりは、関係性のある場合よりも時間をかけて調べる必然性があります。極東ブログに一行書いてある意味はそれだけの意味であって、仄めかしでも何でもなかった。ただ、この類の話をさせると俄然面白いのが極東ブログなのです。ついつい乗って調べてみて、棚から牡丹餅的な面白さがありました。 

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アラビヤン焼そば:

「かつては全国展開してたんですよ。意図的に千葉にしぼってるわけではなく、自然に千葉に残ったというほうが正しいです」と広報担当者は言う。誕生は1967年4月。なんとサンヨー食品では4番目の古株で、サッポロ一番ソース焼そばよりも古い、超ロングセラー商品なのだ。
「確たることは言えませんが、パッケージにある『不思議な位おいしく出来ます』のコピーから、不思議な位→魔法のように→アラジンというイメージの延長で、そうなったんじゃないかと言われてます」

 と、話しているのは製造販売元のサンヨー食品談(参照)。1967年に山下太郎氏が亡くなったというだけのようです。他に問題でも?ところで、アラビア人の眼の色は青くはねぇだろ、と、突っ込みをいれたくなるようなズレを感じます。調べているうちにこのインスタントの焼きそばが食べてみたくなったので、今度あっち、ってかここで紹介できる日をお楽しみに! 
 話を山下太郎さんに戻して、秋田県の横手出身とは知りませんでした。現地では、山下氏にちなんで石油が安いとかもまったく聞かないなぁ。すごい山奥のど田舎で、長野県の諏訪(はここですが)と同じくらい山の中です。息子が高校留学したのが能代市で、在学当時は年に何度も行き来したところです。それだけに第二の故郷とも言える懐かしい秋田県です。あの土地で日本の石油王が育ったのかと思うと感慨深いです。その山下氏が手がかりをつけた日本の唯一の海外油田が通産省の天下り先に変身していたとは、それも知りませんでした。結局、何も知らないので、極東ブログに書いてあることがそうなんだと思ったら少し自分でも調べてみたというだけなのです。

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 が、話は飛んで、その山下氏没後、森喜朗首相のご尽力で、トヨタが大株主であるというトーメンとの関わりからアザデガン油田の採掘権を獲得したとはね。森さんが大きな顔で政界の丼と言われているのも分かる気がします。かなり苦労して表向き日本の唯一の油田確保のため、実は通産省の天下り先確保を公然とできなくなった理由が、イランの核保有に対するアメリカの制裁措置だったとはね。なんてヘタレなんでしょう。それくらいの理由で天下り先を失っても良いという軟弱さは昔とちっとも変りません。アメリカから公然と日本に手を引くように通達されたとは言え、油田開発と核保有に対する制裁措置とは話が違うでしょう?とは誰も物言いをつけないのです。一部の新聞社記事では、「石油」の文脈で日本政府に批判的な意見を書いているようですが、命が本筋で語られるべきではないでしょうか。アメリカに反対的な態度を取って「核の傘」から出されるのと、イランの油田ドリームへの賭けを比べれば、どちらが自国のためかという問題です。
 そのヘタレな日本という文脈でいうのなら、在りし日の「石油公団」が突っ込んだこのイラン油田の話は、最初から前途が危ういものだったと、おそらく分かっていても突っ込んだのでしょう。理由は、天下り先の確保ならどこの何という油田だろうがお構いなしということではないかと疑念も持ちます。高度成長時代の日本の自民党政治による副産物は、民間企業からの甘い汁であったし、その汁を苦労もなく吸って育った次世代議員達は、困難に立ち向かう力をつけてこなかった腰砕けなので、天下りとかの言葉に敏感になってきているとも思います。何かと批判してきた当時の野党が現政権を持っているのです。 
 それにしても、そんな天下り先は国民からしたらゴミみたいなものなので、今まで費やした労力とその開発費はバカにならない額ではあると思いますが、アメリカの傘の下に潜っておかずしてどうするんですか?日本には奥の手もなく、何かあったら両手を上げて降参なのです。

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野菜と鶏胸肉の蒸し鍋:鍋料理五年分ラインナップ

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 とうとう鍋が嬉しい季節になりました。夏が長かったせいで献立がひんやりしたものが多く、水気も沢山含んだ料理が長く続きました。急に季節が変わってしまったことで献立も変えるのですが、蒸された野菜は旨味が凝縮されて甘味を増すという特徴があります。この野菜の味が何とも懐かしく、しばらくぶりに濃厚な野菜の味に堪能しました。
 この蒸し鍋は、どんな野菜でも良くて、葉物なら他に白菜や青梗菜(ちんげんさい)もその一つです。蒸し鍋のよさは、出汁が要らないので野菜の盛り付けをしたら直ぐに料理に取り掛かれることです。時間のない時、夕食時間が迫ってきても30分以内に食べられ、しかも、栄養満点です。乗せる肉にもよりますが、脂の少ない肉は蒸す前にオリーブオイルをまぶして塩で下味をつけておくのも良いです。
 また、タレは、お好みの何でもござれですが、塩と胡椒だけという食べ方も美味しいです。私は、醤油2、酢1の割合で混ぜ合わせ、出汁昆布を一切れ入れて浸け込んだ「酢昆布醤油☞レシピ 」を常備していますので、ポン酢の代わりに何にでも使っています。

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 さて、今日の蒸し鍋は、キャベツと舞茸、車麩、鶏胸肉の組み合わせを蒸して「酢昆布醤油」をつけて頂きました。キャベツは芯の固い部分を取り除いて1/4ほどの大きさに切り分けます。芯は縦に二つに割って一緒に蒸します。お忘れなく!芯が一番甘くて美味しい部分ですから、是非食べてくだい。水で戻した車麩(くるまふ)と、舞茸は食べやすい大きさに裂いてキャベツの上に乗せ、オリーブオイルを絡めておいた鶏胸肉のそぎ切りを全体を覆うように広げて乗せます。量にもよりますが、沸騰した蒸気で10分ほど蒸し、肉の色が変わっていたら出来上がりです。これだけなのですが、最初に用意する時に「こんなに食べられるかしら」と思って控えることなどありません。多いかなと思うくらいが丁度良い量になること請け合いなしです。
 今日は、シーズンの初めでもあるので参考までに、同種の鍋料理のラインナップをしておくことにします。また、最後のリンク先にはブログを立ち上げてから四年分(昨年まで)の鍋料理全般がまとめてあります。よろしかったらご参考にどうぞ。

  • 白菜とベーコンの蒸し鍋:ピェンロー風
  • キャベツの蒸し鍋:鶏手羽中と乾燥帆立の上品なスープで
  • もやしと豚肉の蒸し鍋:安くて美味しくて簡単で、早い
  • もやしと鶏肉の蒸し鍋:胸肉のスライスを柔らかくジューシーに仕上げるコツ
  • 肌寒い日には野菜と豚肉の蒸し鍋:人参の間引き菜でかき揚げも
  • 白菜と豚肉の重ね蒸し:秋の夜長に霧が峰高原初物白菜
  • 豆腐やもやしと一緒に豚バラ肉の蒸し鍋
  • キャベツと豚バラ肉の蒸し鍋
  • ヒラタケと白菜がメインな常夜鍋:四年分の鍋料理のまとめ

ulalaさんちの晩御飯

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2010-10-02

 極東ブログ「コスプレ金日成、見参、その陰で」―はじめて知った後継者問題の舞台裏

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 笑った。左門豊作とはね。「巨人の星」の登場人物が直ぐに浮かぶといえば今の40歳代まで?それならこの左門君のキャラは知っているでしょう。結構英雄的存在なんだけど。そして、このいきなりお茶目な話は、極東ブログの書き出しなのです(参照)。北朝鮮金正日氏の後継者と紹介された、金正恩(キム・ジョンウン)氏のお姿初披露写真の感想です。私は「しゃーけー大ちゃん」の情けないでぶちんを連想していました。風船のように太ったのろまでドジな大ちゃんですが、もっと古い話なので通じないので話は終わります。
 ニュースのラジオ音声では何度も聞いていたのですが、「ニュースで動いていた」というので、何かの映像でお披露目だったのでしょう。勘弁してつかーさい、です。で、謎でもあるし興味もないといえば実質の権力者の存在です。
 兎に角北朝鮮については明かされない部分が多い国で、逆に明かされている部分は事実かどうかも分らないという秘密が多い国なのです。ここで、極東ブログの考察&推察が入るのですが、こちらの的中率はかなり高いことで定評があります。因みにこのところの中国と日本の揉め事も、大概にして当たっているのです。
 さて、問題のお世継ぎの話ですが、北朝鮮の権力闘争というのが結構盛んらしい。この権力争いの構図というのは、金家が二代に渡って最高権力者として君臨して来た国家であるため、当然その筋で固まると周囲は思っていますが、金正日のDNAは現在の三人の息子達に継がれている気配がないのです。むしろ、ここで面白いのが、故金日成の亡くなる前から、金正日の後継者は決まっていたというのです。証言まで残っているというのです。

1991年に韓国に亡命した当時の駐コンゴ大使館の元一等書記官、高英煥(コ・ヨンファン)はこの時点で、三大革命小組事業部長だった張こそが正日の側近ナンバーワンであり、ポスト金日成時代は「金正日・張成沢指導体制」になる、と公言していたものだった。  

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 金正日と並んで張の活躍は目覚しく、名実共にその権力のほどを発揮したとあります。ですから、今回の記念写真は現実のままであるわけですし、特に何かを疑うというものではなかったのです。ところが極東ブログではその「陰」にあえてスポットを当てるというエントリーなので、開けてびっくりでした。
 張が失脚したと噂された2004年から2006年の約2年間は、爆弾酒の飲み過ぎで体調を崩してただけだというのですが、そん間、呉克烈(オ・グクリョル)が権力を伸ばしていたというのです。そこへ張が復活してきたので、話はお決まりの権力争いという流れになったというのです。なんだかここへ来て自民党の権力闘争を思い出しますが、北朝鮮のそれはどうなんでしょう?感情むき出しの生々しさでもあるのでしょうか。権力争いというと支持者の獲得や如何に王様に気に入られるかだったりして馬鹿場悪しいのですが、かなり大真面目だったもようです。調べると、こんな記事が見つかりました。

➠後継者問題:金英徹氏が浮上、呉克烈氏は失脚か朝鮮日報2010・9・30

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 ところが今回の党代表者会で呉克烈氏は、124人が選出された党中央委員会に名前を連ねただけで、政治局、秘書局、党中央軍事委員会といった朝鮮労働党の重要ポストのどこにも属していない。韓国政府の当局者は、「健康が悪化したのでなければ、張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長との権力争いで敗れた可能性もある」とコメントした。

 一方、呉克烈の部下とされる金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長(上将)=64=は、党中央軍事委員会に名を連ねた。治安政策研究所のユ・ドンリョル研究官は、「北朝鮮による対南工作担当者も世代交代が進んでいるようだ」と指摘した。ちなみに韓国の情報当局は金英徹氏を、哨戒艦「天安」への攻撃を企画、主導した人物と見なしている。統一部の関係者は、「金英徹氏が今後も重要な地位を維持し続けるならば、今後の韓国に対する軍事挑発でどのような形で現れるか、注目に値する」と述べた。

 なるほど、失脚してもポスト呉の用意があったようです。が、金正日に気に入られないと出世の道は難しいのが北朝鮮なのでしょう。極東ブログでは「これは正恩を写した写真というよりも、呉を写さないための写真なのだろう。」と言っていますが、呉氏は完全に権力争に破れ、葬られたという解釈でよいのでしょうか。話題の記念写真ですが、金正日とその息子正恩は分りますが、その他は良く分らない私です。なので、このお話のオチも残念なことに最初は笑えませんでした。

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張氏は、この方でしょうか。右端?

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シェルパスタとカラフルな野菜のサラダ:冷蔵庫の野菜で

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 毎日の料理で作る量は激減した我が家ですが、その弊害というわけでもないにせよ野菜などが少しずつ残るよな事態が起きます。それが、料理している時は少し残すのも技の一つだと思い、後々の有効利用を目論むのですが、つい使い忘れをします。基本的には、そのまま残さずに、茹でたり蒸したり加工してから冷凍保存したりするのですが、例えば、きゅうりや玉ねぎ、ピーマンなどはそのままになります。野菜の保存袋には入れていますが、溜まると何かに使い切りたいと思います。このような時に作るのが今日のサラダです。煮たようなタイプに「ご米のサラダ」(参照)も作ったりします。要は、細かく切ることがミソなのです。細かく刻むことで満遍なく混ざり合うように同じくらいの大きさに切ります。

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 また、今日の味付けは、あっさりとしたコールスロータイプのフレンチドレッシングなタイプにしました。いつもは少しマヨネーズを使うのですが、コールスローの作り方だと野菜の表面だけにオイルをコーティングしてから味付けするので、カロリーのコントロールも兼ねています。 

➠お弁当に

材料

  • シェルパスタ・・50g
  • 紫玉ねぎ・・1/4個
  • パプリカ黄色・赤・・各1/4個
  • きゅうり・・1/2本
  • にんじん・・30g
  • じゃが芋白・黄色・・各1個
  • ワインビネガー・・大さじ2
  • オリーブオイル・・大さじ1
  • 塩・・小さじ1
  • 胡椒・・適宜
  • 砂糖・・小さじ1

作り方

  1. 全ての野菜を5~6mmのさいころ型に切る。
  2. にんじんは500ccの水に塩5g(分量外)を加えて火かける。
  3. 1が沸騰したら2分ほど茹で、じゃが芋を加え、再沸騰したら笊に上げ、分量のワインビネガーから小さじ2を振りかけて冷ます。
  4. 鍋にお湯を沸かし、シェルパスタを茹でて冷ます。
  5. 他の野菜はボールで一緒にして残りのワインビネガーをまぶし、冷めたじゃが芋、パスタも混ぜ合わせる。
  6. オリーブオイルを全体にまぶし、砂糖、塩、胡椒を混ぜ合わせて出来上がり♬

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2010-10-01

finalventの日記「今日の大手紙社説」で思うこと

 極東ブログが昨日「日本を巻き込む米中貿易戦争の開始」(参照)で取り上げたアメリカ下院の決議がこのまま決まってしまうとどのように日本に影響するかを受けて、私も昨日書きました(参照)。日本は、八方ふさがりな事態になるもようですが、これを日本の新聞はどう取り上げるのかと気になり、夜中に、ネットで各社の社説にざっと目を通しましたが、どこも取り上げていません。なんだかここでため息が出るのですが、下院で決議されたということを報じることはあっても、そこを掘り下げて考察する社説はないというだけなのか。まだ、時期を窺ってるだけなのか。
 私の気持ちの中では、歯がゆさや苛立ちのようなものが湧いてくるのですよね。日本は今までこれで済ませてきたというのはあるのですが、このままではもう済まないということを感じるのです。
 日本らしさといえばそうですが、日本は昔からそうだと思いますが、海外のジャーナリストや新聞記者さんは、日本人のことをどう見ているかというと「group mentality」という言葉を、一人じゃ何もできないという意味を込めて良く使います。みんなと同じが大好きな人種です。一人だけ違う意見を持ちたがらないのです。質問されると直ぐに左右をきょろきょろして、他人の顔色を窺うのが日本人なのです。欧米人が日本人と関わると、必ず感じる事なのだと思います。私にも昔勤めた会社で経験があります。アメリカのバイヤーと直接取引の話をする時、誰もはっきりとした返答をしないので、相手の購買担当責任者が私に「この会社は、誰がこういうことを決めるの?」と、影でこっそり聞いてきたことがあったのを思い出しました。石原新太郎氏が「「NO」と言える日本」を書いた頃の日本だったと思いますが、この本には、センセーショナルなイメージがあります。
 外国人と仕事をすると必ず日本人は経験すると思いますが、自分を問われます。相手は会社の方針を聞いているのではなく、私の意見を聞きたいのだということを思い知らされます。だから、自分に向き合う姿勢に変わります。若かった私は、これが快感でもありました。自己主張は美徳ではなかった当時の日本の窮屈さが、馬鹿馬鹿しく思えて仕方がありませんでした。そして、水を得た魚のような状態で帰国した私が日本社会に馴染みにくかった頃、日本企業で、その経験をしたのです。アメリカ人バイヤーが私を狙って聞いてきた理由そのもので、私なら自分の意見をはっきり言うと見破られたのです。
 何が言いたいか?うーん、日本の大手紙のそれも社説を書くような書き手は、会社の看板を背負うというよりも、もう少し自信を持って堂々と個人のオピニオンを書いたらよいと思うのです。それを仕事にしているからこそ、日本国民に何を発信すべきかは了解しているのではないでしょうか。それを自問自答しない日はないと思います。何を書きたいかを問わずして書けるわけがありませんから。
 例えば昨日の日経社説の「日経新聞社説 景気減速へ確実な備えを : 景気減速へ確実な備えを」(参照)は気になった記事の一つで、finalventの日記でもコメントがあるとおり、流石に日経ですねと思わせる内容です。経済紙にしたら普通に書くレベルの話ですが、いつもにないので「流石」なのですが(参照)。

 追加緩和は当然として、日銀はアリバイづくりのような小出しの策を続けるのでなく、どうしたら円高やデフレ、景況感の悪化を食い止められるかを真剣に議論すべきだ。国債の買い切り増加や購入する資産の範囲の拡大など知恵を絞ってほしい。 

 日経もさすがに堪忍袋の緒が切れる。

「堪忍袋の緒が切れる」のもあると思いますが、いい記事が書けるのは向き合い方だと思います。取り上げようとする時点で、既に向き合っているかどうかだと思うのです。そういう姿勢で書いたものは、このようにきちんと伝わってきます。
 何が言いたいんだか私も散漫になってきましたが、メディアの中途半端には呆れるのです。国民が知ったらよいこと、個々人が考えたらよいのじゃないかということにもっと触れて、本当のところを書いて欲しいものです。

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里芋と豚挽き肉の中華風茶碗蒸し

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 今年の里芋は良くできていて、いつも美味しいです。種類にもよるのでしょうか、今日の里芋は、実の色が白ではなくて紫色がかっています。この理由は調べても良く分りませんでしたが、白いのと比べると、キメが細かくずっしりとした重みがあり、味が濃いなぁと直ぐに感じることができます。個人的にはこの紫のタイプが好きですが、料理してみて初めて分るので、買うときはくじ引きみたいなものです。
 さて、今日は喉越しの良い茶碗蒸し風にアレンジしてみました。鰹の出汁をしっかりとって卵を混ぜ、じっくり蒸すうちに里芋に味が染みこむので、出来上がりは煮ものなどとは違った一体感が味わえます。しかも、作り方は簡単で、里芋は皮付きのままレンジで蒸して火を通して使用していますから、その分一手間助かります。

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作り方は、里芋をレンジで蒸し、冷めたら皮を剥きます。豚の挽肉は、鰹出汁でそぼろ状に煮て、肉と出汁を笊で分けます。この出汁を味付けして卵を溶き混ぜ、卵液を作ります。茶碗に、里芋、挽肉、エノキダケを入れてこの卵液を流して蒸します。
 蒸し方のコツは、蒸気が勢い良く出るくらいに加熱したら茶碗を上げ底に置いて布巾、蓋の順に被せ、始めの2分は強火のまま蒸し、その後15分くらい弱火でゆっくり蒸します。強火のままだと卵に「ス」が入ってしまうので気をつけます。

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 蒸し物というのは具と出汁、蒸し加減で美味しさが決まります。今日は鰹出汁でしたが、豚挽肉から旨味が出ますので、シンプルな具が返って引き立ちます。温かいものが恋しい日の夕食に是非どうぞ。

材料

  • 里芋・・2個(100g)
  • 豚挽肉・・50g
  • エノキダケ・・適宜
  • 鰹出汁・・300cc
  • 卵・・大1個
  • 醤油・・小さじ2
  • 塩・・少々
  • 酒・・小さじ1
  • 胡麻油・・少々

作り方

  1. 里芋を良く洗って耐熱の皿に並べてラップをふんわり乗せ、電子レンジの600wで4分蒸し、そのまま予熱で火を通しながら冷ます。
  2. その間に、小鍋で鰹出汁と豚挽肉一緒にして弱火にかけ、混ぜながらそぼろ状になるまで加熱する。
  3. 2に分量の酒、醤油、塩、胡麻油で調味し、笊で漉して肉と出汁を別々に分け、出汁は冷ます。
  4. 3の出汁で卵を溶き混ぜる。
  5. 1の里芋を食べやすく切り(2cmくらいのさいころ状)、エノキダケも石突を切り取って短く切る。
  6. 器に里芋、エノキダケ、挽肉を入れ、4の卵液を流し込む。
  7. 蒸気の上がった蒸し器の上げ底に器を置いて付近を被せ、蓋をして始めの2分は強火で直ぐに弱火にして15分ほど蒸して出来上がり♬

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